キンセイラン らんまん(2) ネタバレ

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キンセイラン は第2週のサブタイトルです。

病弱な万太郎は、父に続いて母を亡くしました。それから月日が経ち、時代は江戸から明治になります。天狗こと坂本龍馬は第1週だけの出演になりました。

9歳になった万太郎が、名教館へ通います。そこで、どんな出会いがあるのでしょうか?

そんな第2週のまとめです。

第1週「バイカオウレン」のまとめ

らんまん 公式HP

主な登場人物

槙野万太郎 小林優仁(子役)  病弱な酒造業を営む家の子供。植物が大好き
槙野綾   高橋真彩(子役)  万太郎の姉。しっかり者
竹雄    南出凌嘉(子役)  番頭の息子。万太郎のお目付け役

槙野久   広末涼子     万太郎の母。故人
槙野タキ  松坂慶子     万太郎の祖母。実質的に峰屋当主

池田蘭光らんこう  寺脇康文     名教館・学頭
堀田寛太かんた  齋藤潤(子役)   万太郎の幼馴染。医者の息子
広瀬佑一郎 岩田琉生(子役)  名教館の学生。武士の息子

第2週のストーリー

時代は明治へ

明治4年(1871年)6月、万太郎は9歳になりました。

峰屋に杜氏や分家達を集めて、万太郎が挨拶しました。

「皆々様、本日は初飲み切りにお立合い、ありがとう存じます。親方によったら、今年は桶の出来も上々とのこと。これからも先祖代々受け継いだ蔵を大切にみなで励んでまいりましょう。よろしゅう頼みます」

5歳でも立派でしたが、9歳にもなり更に立派に話せるようになっていました。

「皆の衆、万太郎は今年から名教館めいこうかんに通いだす。これまでは御家中の子弟しか通うことが許されちょらんかったけど、町人からも二人だけ通うことが許された。御典医・堀田様のご子息と、万太郎がヒサを亡くして3年、心配だった万太郎もどうにかここまで無事に育った。改めて皆にゆうとく、この峰屋の当主は万太郎じゃ。幼いからとゆうて、侮るようなマネは断じて許さん」

タキはみんなの前でそう宣言しました。しかし、分家筋は面白くありません。

「けんどばあ様、万太郎は商いのいろはも知らん子供じゃろ。ここはまずわしらの話をようく聞いて」
「そうじゃ、酒も飲めんけん」

しかしタキは「分家は引っ込んじょり」と一喝しました。

すかさず番頭が「若旦那様、改めましてよろしゅうお願い申します」と挨拶すると、分家筋も仕方なく頭をさげたのでした。

名教館、行かん

朝、名教館に行く前に神社にやってきた万太郎。狛犬に挨拶して、神様に手を合わせます。そして、天狗にも挨拶しました。

そして、地面に咲いている花を観察します。

「お、今年も咲いちゅう。どういておまんは捻じれて咲いちゅうが。あや、こっち向きのと逆向きのがある。なんでじゃ?」

ネジバナと呼ばれる植物は、茎先に螺旋状にねじれた花を咲かせます。その螺旋が右巻きと左巻きがあることに万太郎は気づいたのでした。そんな所に綾と竹雄が迎えにやってきました。

「万太郎、おばあちゃんが待ちゆうき。ねえ、万太郎、今みたいのやめや。名教館に行ったら先生もおる、お武家方もおられる。草と話しよったら、恥ずかしいき」

しかし、綾にそう言われても万太郎には、どうして恥ずかしいのかがわかりませんでした。

「そういうもんじゃ。草と話すのは屋敷の中だけ」

綾は万太郎が植物と話しをすることで、他の子供にいじめられないかと心配して言っているのです。

「若にはこれからお友達ができるがじゃ。戦ごっこしたり角力とったり、お武家の方々と一緒になったらきっと丈夫になります。おもしろいこともじゃんと増えますき」

竹雄が万太郎に友達の大切さを伝えますが、万太郎には興味ありませんでした。

「ほか、ほんならいかん。楽しいこともうあるき。わし、名教館行かん」

名教館へ

万太郎が「行かん」と言ったものの、そんな簡単に決められるはずもありません。結局、おばあちゃんに連れられて、渋々名教館に行く万太郎。

名教館は、100年以上の歴史を持ち、幕末の志士たちや優秀な人材を多数輩出した由緒正しい学問所です。

「ここがおまんの学び舎じゃ。学頭は池田蘭光先生とおっしゃる。何事も初めが肝心じゃき、挨拶はしっかりしいよ」

門前でそんな話をしていると、万太郎に水がかけられました。水をかけた男は、池田蘭光でした。しかし、タキも万太郎も、それが蘭光だとは知りません。

「やめか。おまん何する。触んな、しっ、しっ」

ヒサは怒って、蘭光に失礼な態度をとってしまいます。しかし、蘭光は気にした様子はありません。

それから万太郎とおばあちゃんは中に入り、他の学生と先生に挨拶しました。そして、おばあちゃんは先生に名前を訪ねます。

「わしは幼年組を預かる、古沢と申します。学頭は研究でお忙しい。挨拶はご無用」

そう言われ、タキは万太郎を置いて帰っていきました。

古沢に入れと言われた万太郎は、座敷に足を踏み入れます。そうすると、武家の子供が驚きます。それを見かねた堀田寛太が、万太郎を座敷ではなく板の間に案内するのでした。

堀田寛太は、御典医の子で、万太郎とは幼馴染です。前回、甑倒しのお菓子をあげようと出かけた先が、寛太の家だったのです。

稽古

授業が終わると、武家の子供たちと万太郎たちは、やはり離れた場所で昼食です。

「だいたいの、わしらどういて町人らと机並べんといかんがじゃろ。名教館も落ちたもんじゃ」

そんな会話をしていたのは、武家の子息・広瀬佑一郎と取り巻き達です。

明治4年は、まだ江戸の世を色濃く残しています。子供たちも髷を結い、子供ながら佩刀していました。断髪令(散髪脱刀令)が出るのは、この年の秋のことです。

「蘭光大先生が教えてくれるき、来たがの。これなら町の寺子屋のほうがよっぽどええが」

寛太そんな軽口を叩いていると、佑一郎たちが万太郎の目の前にやってきました。

「来い、剣術の稽古じゃ。武士がどんな鍛錬してるか教えちゃる」

それを聞いて、ビビる寛太。医者の息子で剣術は禁じられていると逃げだしてしまいます。残された万太郎は、断る理由も思いつかず、仕方なく庭に連れて行かれてしまいます。そこに竹雄が割って入りました。万太郎が体が弱いと、頭を下げて許しを請います。しかし、佑一郎は許しません。

木刀を渡され、握り方を教えてもらいます。佑一郎が木刀を振り下ろすと、万太郎は簡単に木刀を落としてしまいました。さらに追い打ちをかけようとする佑一郎。今度は竹雄が腕で木刀を受け止め、万太郎を助けました。

しきたりに囚われるな

万太郎は、そのまま帰ろうと門まで行きました。そこで、また水を掛けられます。

「またおまんか、講義の最中やろ、なんで門を出よる」

蘭光に聞かれた万太郎は、「もう帰る」とだけ伝えます。

「せっかく勉学の機会を得たがやに?おまんは峰屋の当主やろ」

しかし、万太郎の心は折れてしまいました。

「勉学はいらん。峰屋は番頭や手代衆がおる。酒は杜氏の親方と蔵人らが作ってくれよる。わしは、なんちゃあ」

蘭光は、万太郎の言うことを受け入れません。

「新しい時代が来たのにか。今は世の変わり目、武士の子らはそれをようわかっちゅう。嫌でも変わらずはおれん。この先はただ、己の才覚によってのみ立たんといかんと、骨の髄までわかっちょる。おまんも、しきたりに囚われんと、今こそ変わる時なんじゃ」

しかし、万太郎が言いつけられていたことと違うことを欄光に話します。

「おばあちゃんは、なんちゃあ変えたらいかんと。先祖代々やってきたことをそのまま続けていけと」

蘭光は「おまんはどう思う?」万太郎に問いかけますが、万太郎は答えが出せませんでした。

「ほんなら、ここへは用もないな。帰れ、帰れ」

そう言われ、万太郎は変えることにしました。

蘭光が水を撒いていたのは、虹を出すためでした。しかし、虹はすぐに消えてしまうのです。

飯抜きじゃ

万太郎は家には帰らず、裏山に行きました。そこで、竹雄の腕にアザになっていることに気づきます。

「なんちゃあありません。それより、おもしろかったですき。お武家様に逆らって、この通りぴんしゃんしておりますき。昔なら、手打ちされたち文句は言えんかったろうに」

時代の流れが変わったことを象徴する出来事でした。

「なあ竹雄。おばあちゃんは変わったらいかんと言いよる。おばあちゃんのいうことは間違ちゅうわけない。けんど、あのおじさんは変わる時やと言う。どういうことやろか。どういて、ここが冷えるがろうか」

そう言うと、万太郎は胸を擦りました。それを見た竹雄は、風邪を引く前触れだと言い、万太郎を家に連れて帰りました。

その頃、おばあちゃんは万太郎に当主の心得を教えようと、先祖が伝えてきた書物をまとめていました。そこに万太郎が帰ってきたと知らせが入ります。

おばあちゃんが万太郎の部屋に行ってみると、万太郎は押し入れに立てこもっていました。万太郎は名教館にもう行かないと言い出したのです。

武家の子にいじめられたのかと竹雄に聞くと、竹雄は頷きました。それを見て、おばあちゃんは心まで弱いままじゃいかんと叱ります。

しかし、万太郎の気持ちはかわりません。おばあちゃんと蘭光の言うことが違い、どうしていいのかわからないのです。

「名教館が違うことを教えるはずがないじゃろう。名教館にいかんなら、飯抜きじゃ」

たった一人の姉

そうは言ったものの、万太郎の扱いに困ってしまいます。

おばあちゃんが部屋に戻ると、綾が開かれた本を見ていました。

「その帳面は当主だけが受け継ぐもんじゃ」

綾をそう言って怒ります。

「掃除しようと思ったら、桶の絵が見えたがち。知りたかがです。米を蒸したところから、どうやって酒ができるかが。あの匂い、忘れられんで。あの時、たった一遍じゃったけんど、蔵に入ったとたん何かが変わった。ひんやりして、ふわっとした甘い匂い。それから、何か生きている気配。蔵の中で何が起こりゆうがか知りとうて」

しかし、それは許すことのできない決まりだったのです。

「言うたじゃろう。おなごは蔵に一歩たりとも立ち入ったらいかん。おなごは穢れちゅう。昔っからの決まりじゃ。とはいえの、家業に目が向くがはええことじゃ。目が向くき、酒の出来が気になる。商いに張りでる。家の者たちも労える。それに・・・とにかく、この帳面に勝手に触ったらいかん。これは万太郎のもんじゃ」

綾は、承知するしかありません。

「ただ、万太郎には支えとなるもんがいる。あの子のことはただ生きちょってくたらええ、それだけ思うて育ててきてしもうた。そのせいで・・・綾、万太郎のこと支えてくれるかえ。いつか嫁に出ても、万太郎のこといつまでも力づけてくれるかえ?」

そう聞かれた綾は、はっきりと答えました。

「当たり前です。私は、たった一人の姉ですき」

一人で行く

夜、押し入れに籠ったままの万太郎。昼食も佑一郎のせいで途中になって、さすがに腹が減りました。

「万太郎、握り飯、持って来たよ」

やって来たのは綾でした。万太郎はすぐ押入れから出て、握り飯に食らいつきます。

「あのね、ええこと教えちゃろうか。万太郎はそのうち、私より背が高こうなる。力も強ようなる。声だって低くなるがじゃ。立派な当主になって、酒を造って、峰屋を大きゅうして、私は嫁に行く。どっか知らん家で、知らん旦那様に尽くす。どうせ尽くすなら、峰屋におりたいがの」

綾乃言葉に万太郎は「おったらええき」と言います。しかし、どんなに酒造りがしたくても、蔵の中に入ることさえできません。「おなごは穢れている」と言われてしまいます。

「穢れちゃあせん。姉ちゃんはどこも、穢れちゃあせんき。わしの大事な姉様じゃ。したいならしらええが。酒造りしたらええき。わしは蔵に入れて、姉ちゃん入れんら、おかしいが」

しかし、それは昔からのしきたりです。万太郎は蘭光が言っていた「今こそ変わる時」という言葉を思い出しました。

「万太郎は優しいね。せっかく学問所へ行かせてもらえるがじゃき、万太郎頑張りいや」

その言葉に万太郎は素直に「うん」と答えました。

翌日、万太郎は竹雄を伴って学問所へやってきます。そして竹雄に言います。

「おまんは帰ちょってくれんか、一人で行く」

万太郎は弁当を持って、一人で名教館に入っていきました。

本草綱目

一人で入った万太郎ですが、庭に草を見つけて寝転んでしまいます。

「おまんみたいに踏まれるたんび、強うなれたらの」

見つけたオオバコに向かって、そう語り掛けると隣に蘭光がやってきました。

「秘密は茎やね。この茎が外が柔らこうて、中が固い。ほんじゃき強い。それもここに種があるき、踏まれた足にくっついて種を運ぶんじゃ。実にようできちゅう。こいつもええぞ」

そのまま匍匐前進のようにして、万太郎と蘭光は移動します。

「こいつは、汗をかく。晴れちゅうに葉が湿っちゅう時がある。あんまり暑いと、葉を畳むき。オウセキソウ、解熱、下痢止めの薬。別名、つゆ草」

草に名前があることを驚く万太郎。蘭光がどうして知っているかと尋ねると、書いてあると言って本を見せてくれました。

本草綱目ほんぞうこうもく

明の時代の時珍じちんという医者が書いた本の写しでした。

「時珍は幼い頃、病気がちでの。古より伝わる本蔵書をむさぼるように読んだそうだ。それを自分で整理してまとめたがが、この本じゃ。1892種類の草花が載っちゅう」

そう教えられた時珍は、まるで万太郎のようでした。

「時珍はこの本でいいゆう、米蔵が満ちれば飢饉が減り、薬が完備すれば病が治る。それゆえ、草の1本さえおろそかにしない」

万太郎と学問の出会い

万太郎は興味を持ちますが、まだ文字が読めません。

そのため、本を借りて幼年組の先生のところへ行きます。

「先生、助けて下さい。わし、これが読みたいんです。全部読めるようになりたいんです」

しかし、今は授業中です。座って授業を受けるように言われます。

そこにやってきたのは、蘭光でした。

「槙野、本草綱目が読みたいか。ほんなら、文字を知らんと話しにならん。国学、漢学がいる。草花が好きかえ」

万太郎は「好きです。いろんなのがあるから」と答えると、蘭光の熱は一気に上がります。

「なんでいろんながある?森羅万象には訳があるぞ。草花は季節ごとに生える。なんでそしゆう。そもそも季節とはなんじゃ?なんで朝と夜がある?花はなんで匂う?実はなんで落ちる?草花は各々好んだ場所に生える。ほんならなんで山があり川があるがか?川は海となるとが、海の先には何があるが?」

蘭光の問いかけに佑一郎が「異国があります」と答えます。

「なら、異国を知るにはどうしたらいい?槙野、草花には当然異国にも生えちゅう。異国は地理も気候も言語も違うぞ。どうする?」

あまりの熱の入りように幼年組の先生は困ってしまいます。

「学頭、今は幼年組の指南中じゃき、遊ぶならご自分の書斎で」

そう言われた蘭光は、部屋から地図や本を持ってきて広げます。

「そうとも私は忙しい。ほんじゃき、ものども、好きに学びや!」

万太郎は目を輝かせるのでした。

懐中時計

それから毎日、万太郎は夜明けを待ちわびて、名教館に向かいました。学ぶことが楽しくておもしろくて、夢中になるまま3年が経ちました。

明治7年、万太郎は12歳です。

万太郎が部屋で模写をしていると、番頭がやってきます。万太郎は名教館から借りた本を返して欲しいと頼みました。しかし、名教館には明日も通うので、その時にすればいいと番頭は言います。

「明日まで待てんき。これを返して、続きを借りてきて欲しいがじゃ」

部屋にある大量の書物は、万太郎がみんな写したものでした。時間を気にして、番頭が懐中時計を取り出すと、万太郎の興味は懐中時計に移ります。

「懐中時計ゆもんですき。こないだ高知まで出た時、買うたがです。ちいとばかしお高かったですけんど、峰屋の番頭たるもの・・・」

番頭の言葉が終わるのを待たず、万太郎は「貸して」と言います。しかし、高かった懐中時計を貸したくありません。でも、主人と番頭の関係上、貸さない訳に行きません。

「ほなら行ってきますが、壊さんでくださいよ」

番頭に言われましたが、万太郎は全く聞いていませんでした。

番頭が使いを終えて帰ると、万太郎が懐中時計を分解し、その部品を絵に描いていました。おばあちゃんに助けを求める番頭。

「時計はまた買ったらええ」

懐中時計よりも、万太郎の賢さに驚くおばあちゃんでした。

当主の自覚

竹雄が本を運んでくると、万太郎は大喜びです。その万太郎の声を聞いたおばあちゃんと分家のおじさんが顔を見せました。

重訂本草綱目啓蒙じゅうていほんぞうこうもくけいごう。大阪に注文して、やっと届いたがですき。この全巻ひと揃えは、名教館にもないがじゃ。おばあちゃん、買うてくれて本当にありがとう。ありがとう」

その本の全巻は、峰屋の番頭の給金2カ月分より高い金額です。

「草、草、峰屋の金を使っての。こりゃご立派なご当主じゃ」

分家に嫌味を言われ、おばあちゃんも考えてしまいました。

そして、万太郎を引っ張ってきて、店に座らせます。

「本を読むのはええが、仕事を覚えてからじゃ。まずは、見ゆうだけでいい。わしは出てくるき、おまんは当主としてそこに座っちょき」

そう言われ、万太郎は仕方なく座ります。机の引き出しを開けると、紙と筆があるのが見えます。万太郎は嬉しそうにそれを取り出しました。

それからしばらくして、外出していたおばあちゃんが帰ってきました。

「万太郎はずっとおったかえ?」

そう聞かれた番頭は、「得意先のまとめをようご覧になって」と言います。

しかし、おばあちゃんは異変に気付きます。台帳を見ているふりをして、草花の絵を描いていたのです。

「なんですか、おまんは当主の自覚がたらん。仏間で待っちょき」

書いた絵は店の者に捨てさせますが、店の者も感心する上手さでした。

男親代わり

おばあちゃんは、名教館に万太郎の様子を見に行きました。

万太郎の賢さは、先生も認めるところです。その後おばあちゃんは、蘭光に会いました。

「蘭光先生、万太郎は本日限りで辞めさせていただきとうございます。お世話になりました」

おばあちゃんが来ていることを聞いた万太郎が様子を伺っていると、突然の退学届け。万太郎は、おばあちゃんに嫌だと言います。

「万太郎は、峰屋の当主。商いを学ばなければなりません。明日からは店に入れ、実地で覚えさせようと存じます」

しかし、万太郎は勉強がしたいのです。そして、当主になどなりたくありません。散々、嫌だと駄々をこねます。

「槙野、その辺にしておけ。峰屋さん、ご心配なさらずとも、名教館は今月の末に廃止されます。政府が全国で一斉に小学校というものを始めました。教える内容も政府が定め、教師が遣わされるそうです。ほんじゃき私は、もうここにいる理由はありません。佐川を離れようと思います。彼らに教える日々は、あと僅かです」

それを聞いて驚く万太郎。先生に抱き着きます。その姿に驚くおばあちゃんでした。

万太郎の祖父も父も早くに亡くなり、母も亡くなっています。おばあちゃんがで育てたせいで、万太郎は勉学を男親の変わりにしているのかも知れないと思っていました。

小旅行

そんな時、峰屋に蘭光がやってきました。

「教え子との別れは慣れちゅうけんど、後味が悪くての。一泊、万太郎君をお貸し願いたい」

そうおばあちゃんに頼む蘭光。蘭光も佐川を離れるので、自然を見て起きたいと言うのです。

そして、蘭光は万太郎と佑一郎を供に1泊の小旅行へ出かけました。

連れて行ったのは、仁淀川です。

野宿するという蘭光に、万太郎は「風邪を引く」といいます。それを聞いた佑一郎は「軟弱者め」と笑うのでした。

夜のために薪を拾っていると、万太郎が見慣れない草を見つけます。

「佐川では見たことないの、おまんらは好きでここにいるがか」

そう語りかける万太郎に、蘭光は何んだと思うかと問いかけます。

「この葉の切れ込みの具合はトウキじゃなかろうか?」

しかし、トウキではありません。

「違うな、似て非なるもの。さしずめ、いぬトウキというところか。トウキとは匂いが違う。文字の知識を越えて本物を手に取り、初めて自分だけのもんにできる。見た目、匂い、手触り、味」

そうやって、書物だけでなく実際に見てみることを万太郎に教えるのでした。

金色の道

夜は釣った魚を焼いて食べました。

最初は険悪だった佑一郎と万太郎ですが、3年を経て仲良くなっていたようです。佑一郎は、万太郎に商家の当主として周りと交わらないといけないと忠告してくれました。

「けんど、当主ゆうても番頭に手代衆がおる。酒は杜氏の親方と蔵人らが作ってくれる。当主ゆうてなんちゃあせんでいい。わしはおらんでも」

万太郎は当主というものが良くわかっていません。佑一郎は10歳の時父が亡くなり、家督を継ぎました。しかし、まだ子供のため生活のために家の者に暇を出し、家財を売って生活しています。

武士の世が終わり、佑一郎は将来に不安を抱えていたのです。万太郎は商家ということもあり、武士の世が終わっても、やることは変わっていません。佑一郎のように、将来のことなど考えていませんでした。

「名教館を去っても学びは続くぞ。この先の世は、ますます身分はのうなっていく。身分が消えたら、何が残ると思う?己じゃ。自分が何者か探していく。学びはその助けになる。世の中は変わり続けるけんど、だがいたずらに振り回されちゃいかんぞ。道を選ぶがは、いつも己じゃ」

そして、翌日の帰り道、万太郎はキンセイランを見つけました。

万太郎はキンセイランを見つけ、心が震えたのです。本を読んだだけではわからない感動が、そこにはありました。

「心の震える先に金色の道がある。その道を歩いていったらええ」

これが蘭光の最後の教えでした。

小学校

それから名教館は廃止され、佐川小学校と看板が変えられました。

小学校は、身分の別なく開かれ、初めて女子の入学が認められたのです。

万太郎が小学校に向かって歩いていると、佑一郎が声をかけました。

「わしはいかん、東京の新政府で働きよる叔父がおる。わしはその家で書生をやる。東京にきたらいつでも知らせをくれ」

佑一郎との別れでした。

その後から、姉・綾がやってきました。竹雄は、店の仕事があるので、小学校には通わないようです。

「では、みんな本を出して。先生がこれから文字の読み方、書き方を教えます。まずは先生に続いて読んでみましょう」

小学校の先生は、まず「いろは」から教えています。しかし、万太郎には退屈です。一人、植物図の模写を始めてしまいました。

その日の終わり、校長と先生が話していました。

「ごくろうさん、初日はどうだった?峰屋の槙野は?」

そう問いかける校長に先生は答えます。

「それが、席にも座っていられないありさまで、そこの博物図をひなが一日眺めていました。神童との噂、買いかぶりでしょう。名教館の池田蘭光と言えば万能の学者ですが、来てみればこんな田舎ですよ。ようするに佐川に閉じこもって隠遁してた変人ですよ」

そんな感想を持たれているのでした。

小学校中退

万太郎はそれからも模写を続けました。そして、模写し終わると、庭を見て回って草花と話しをします。その声が大きく、先生に怒られてしまいました。

「槙野、なぜみんなの邪魔をする。お前の声が聞こえてくるから、みんなの気が散る。お前は大店の当主なんだろう。そんな態度じゃ他の子らに示しがつかん。わからないことがあるなら質問しなさい」

万太郎は、先生に英語で話しかけました。

「この勉強は退屈です。もっとおもしろいことが知りたいがです。なんで好きな本を読んだらいかんがでしょうか?私は学びたいと真剣に思うちゅうがです。小学校の勉強では物足りん。もっと学びたいがです!先生、私はどうしたらええがですか?」

しかし、先生は英語を理解できません。

「お前は先生をバカにしているのか?わからない者を見下して楽しいのか?出ていけ」

そう言われた万太郎は、「ほんなら辞めます」と帰ってしまうのでした。

校長が追いかけてきました。

「今やめたら小学校中退になるぞ、よく考えなさい」

しかし、万太郎の考えは変わりません。

「けど、ここにおってもしょうがないき。勉学はどこでも続けられる。わしの先生はそう教えてくれましたき」

そう言うと、家の裏山の神社で過ごすのでした。

手には、蘭光と旅をした時のキンセイランの押し花があります。

「先生、わしの金色の道はどこじゃろうか?」

冒険の始まり

それから、年月が経ちました。万太郎もすっかり大きくなりました。

「お母ちゃん、今年もバイカオウレンが満開じゃ。お母ちゃんが一等好きな花、ようけ咲いちゅうよ。天狗、また春がきたがじゃ」

そんな万太郎の元に、竹雄が呼びにきました。

「若、港から連絡です。大阪からの本、届きましたき」

それを聞いて元気に走り出す万太郎。万太郎を追いかける、追いかける竹雄。

さあ、いよいよ万太郎の冒険が始まります。

最後に

あっと言う間に万太郎は大きくなりました。

第3週から、神木隆之介の万太郎が本格的に始動します。そして、東京での新たな出会いもあるようです。

これからどんな展開になるのか、想像がつかないです。それが楽しみでもあるのですが、不安でもあります。

それに、金曜日の最後に予告がありませんでした。そして、公式HPにも、予告動画はありません。あまり予告で見せるより、本編を見て欲しいと言うことなんでしょうか?ちょっと不満です。

とにかく、来週も楽しみです。