源仲章 鎌倉殿の13人(25) ネタバレあり

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源仲章 は平安末期から鎌倉前期に活躍した人物です。

ドラマでは、生田斗真が演じています。

最近出てくるようになりましたが、どんな人物かまとめてみました。

出自

源仲章は、源氏ではありますが、源頼朝とは違った系統です。

源頼朝は清和天皇の流れをくむ「清和源氏(その中でも河内源氏と呼ばれていました)」でしたが、仲章は宇多天皇の流れをくむ「宇多源氏」です。

武士でもありますが、どちらかと言うと和歌や音曲の才能のある人物が多く、学者肌の家系だったようです。

四代前の源仲頼なかよりは、反平氏として、後白河法皇の元で活動していたようです。そして、平清盛によって流罪になったという記録も残っています。その後、仲頼の頃に源頼朝に接近して、御家人の立場になったようです。

しかし、仲章について言えば、生まれた年がわかっていません。四代前で頼朝と関係があったことを考えると、若くして登用されたのではないかと考えます。

登場

ドラマで登場したのは、阿野全成が謀反を疑われて殺された時、三男・頼全を京で処刑するシーンでした。当時、京で盗賊の追捕や、幕府との連絡係を務めていたようです。

ドラマでも、後鳥羽上皇の側近として描かれているシーンもありました。

そして、鎌倉へ下ると、鎌倉に下って3代将軍となった源実朝の教育係となりました。実朝に紹介したのが、乳母の実衣でしたが、仲章は実衣の子供を討ち取った張本人です。恐ろしい組み合わせでした。

当時の鎌倉は、どうしても武士の方が多い時代です。文官は貴重でした。そこで白羽の矢が立ったのが、仲章だったわけです。

実朝から気に入られた仲章は、実朝の御所の近くに邸宅を与えられたといいます。

暗躍

第34話「理想の結婚」では、京に来た北条政範まさのりを出迎える平賀ひらが朝雅ともまさの姿が描かれました。

そして、朝雅に招かれた酒宴の席で、政範が倒れ亡くなってしまいます。

仲章は、朝雅に「例えばね、政範殿が突然の病で亡くなり、あなたが引き継いで千世様を連れて鎌倉へ堂々と凱旋すれば、時政殿は必ずあなたをお選びになる」と唆していました。さらに、後鳥羽上皇との会話の中では「渡した物を、大事に使ってくれるとよいのですが」と話していました。

そもそも、平賀朝雅は、嫡流ではありませんが源氏です。頼朝の祖先、八幡太郎はちまんたろう義家よしいえの弟・新羅三郎しんらさぶろう義光よしみつの流れです。のちの甲斐の武田信玄と同じ流れです。そのため、鎌倉殿になろうと思えば、なれる血筋です。ただし、なろうとすれば、いろいろ障害はあります。それは、もう少し先の話しです。

だからこそ、朝雅にゆさぶりをかけたのではないかと思います。その揺さぶりが、北条を揺るがす揺さぶりになるのです。

最期

実朝の右大臣任官の祝賀の拝賀の日、鶴岡八幡宮で公暁によって実朝と共に殺害されます。

本来であれば、北条義時が実朝の脇で御剣役の予定でした。しかし、体調不良で仲章と交代していたために、勘違いで殺害されたと言われています。

ただ、仲章を殺害するのは、予定通りのことだったという説もあります。仲章は、実朝の教育係であると同時に、後鳥羽上皇の側近です。邪魔になった実朝と、上皇側のスパイだった仲章を一緒に排除したというのです。

これは、以前提唱した「北条義時と三浦義村の共謀説」と同じです。

しかし、本当のことはわかりません。三浦義村が実朝と義時を討とうとしたということも考えられます。ただ、公暁の単独犯は、可能性がかなり薄いのではないかと思っています。

最後に

約1000年も前の人物ですので、細かいことが伝わっていなくても当然です。しかし、鍵を握っている人物の一人でした。

そして、次回は畠山重忠の話しです。

第35回「苦い盃」の予告

物語は、複雑に絡み合い、そして砕きながら進んで行きます。

来週も楽しみです。