オールドルーキー は、「マイファミリー」の後に始まった日曜劇場のドラマです。
サッカー選手を引退した主人公のセカンドキャリアを描いた作品です。
今、いろいろと噂がある綾野剛の主演ですが、キャストが豪華で面白そうな作品です。
主な出演者
新町亮太郎 綾野剛
新町果奈子 榮倉奈々
高柳雅史 反町隆史
深沢塔子 芳根京子
城拓也 中川大志
真崎かほり 岡崎紗絵
矢崎十志也 横浜流星
第1話ストーリー
新町亮太郎
2016年6月16日ワールドカップアジア予選。
スーパーサブで招集された新町は、後半アディショナルタイムでボレーシュートを決めて逆転勝利しました。そして、この逆転で、2018年のワールドカップへの出場を決めたのでした。
そんな新町は、今は八王子のJ3に所属しています。
新町は、5歳でサッカーをはじめ、2003年にJ1鹿島アントラーズに加入。2009年に日本代表に選出されます。
2011年には女子アナの果奈子と結婚しました。そして、2020年J2へ移籍。2021年にはJ3に移籍しました。
現在37歳になっています。
引退
練習中、後輩とは
「引退しないから。60歳まで現役。キング・カズ超えちゃうぞ」
と、本気で話していました。しかし、そんなレベルではないことは後輩は分かっています。わかっていないのは、新町だけでした。
そんな日、チームの監督がオーナーと一緒にグランドにやってきました。
「チームの解散が決まった。昨日取締役会があって、赤字のサッカーチームを解散させることが決まった」
その話を聞いて帰宅しますが、新町は受け入れることができません。果奈子は心配しています。
「俺は大丈夫だよ。明日、記者発表されたら、ばんばん電話かかってくるから」
しかし、数日経っても電話はかかってきません。新町は自分で連絡をしてみますが、相手にしてもらえませんでした。
そんな時、果奈子から「移籍交渉代わりにやってくれる人いないの?」と聞かれます。今まで代理人を使ったことはありませんでしたが、パソコンを使って検索してみます。
そして、アスリートをサポートをする「ビクトリー」に連絡をしてみることにしました。
ビクトリー
「ご希望のチームはありますか?」
面談に行くと、社長・高柳と深沢が対応してくれました。
「とりあえずJ1ならどこでも」と言う新町に対して、高柳と深沢は顔を見合わせていました。
「関東がいいかな。子供を転校させたくないので」
そんな新町に「それが無理なら?関東じゃなく、J1が無理なら?」と聞く深沢。新町はJ2でもJ3でも、年俸はいくらでもいいと言い直していました。
そして、新町が帰った後、ビクトリーでは新町の話をしていました。
移籍先を探してくれと来たという新町に対して「まだ現役だったんですか?」とびっくりするスタッフ。J1に戻りたい、日本代表にも戻りたいという新町に対して、「自分がわかっていないんだね。アスリートにはありがち」と言われていました。
現実は厳しい
新町の妻・果奈子の妹・糸山留美は、グルメライターをしています。
アスリートをマネジメントしてくれる会社「ビクトリー」に新町が行っていることを果奈子が伝えると、「お姉ちゃんも大変だ。亮太郎さんの移籍先が決まったらお祝いしよう」と言うのでした。
しかし、果奈子は37歳が現役でサッカー選手を続けることは、大変なことだとわかっています。
「亮ちゃんの前じゃ言えないけど、現実は厳しいんだよね」
そう言って心配するのでした。
現実を受け入れられない
「新町さんを獲得したいと言うところはありませんでした」
再度ビクトリーに新町がやってくると、現実を突きつけられてしまいます。やはりどこも、37歳という年齢にこだわって、ピークを過ぎた選手を獲得する気はないようです。
「そんなことはないと思うんですよね、何かの間違いです」
新町はそう言いますが、現実を受け止めるように言われてしまいます。
「現役を引退ということです。次のステージでも頑張って下さい」
しかし、現実を受け止められない新町。帰り道、少年サッカーを見ると、自分と重ね合わせてしまいます。過去の栄光を思い出します。
「引退って・・・嘘だ」
新町は涙を流していました。
土下座
新町は諦めきれず、ビクトリーに戻ってきました。社長の高柳の前で土下座します。
「引退を受け入れます。でも、サッカーから離れるのは嫌です。コーチとしてどこでもいいんで」
そう言いますが、サッカーのコーチになるにはライセンスが必要です。そして、土下座する新町に「元日本代表がこんなことしてちゃダメだ」と高柳は言います。
しかし、新町はどうしたらいいのかわかりません。
「僕はどうしたらいいんですか? 何でもいいから、サッカーに関わっていたいんです。解説者でもいいですから」
そう言いますが、解説者になれるのはスター選手だけです。そして、サッカータレントでもと新町はいいますが、サッカーのファンしか知らない新町には、商品価値はありません。
それでも食い下がる新町。本当にどうしていいかわかりません。5歳からサッカーしかやってきていないので、サッカーを取ったら何にも残らないのです。
ただ、冷たく思えても、それが現実なのでした。
現実の生活
新町の現状の生活は、J1の時の貯金を切り崩してやってきていました。
しかし、新町は現実を見ず、車を買ったり時計を買ったりしていました。
そして、今住んでいる豊洲のマンションは、まだローンが3000万円以上残っています。
それもこれも、日本代表はいい所に住んで、いい生活をして、夢を与えるという思いからでした。
ただ、そんなに甘くはありませんでした。J1からJ2、さらにJ3になれば、年俸は下がります。生活のレベルを下げないとやっていけません。ただ生活するだけでなく、子供は、下は私立の小学生になり、上は再来年に私立の中学生です。
果奈子は、子供のお弁当を作り写真をInstagramに載せていました。元女子アナで、結婚してからやっていませんでしたが、フォロワーが増えれば企業案件もきて、家計の足しになるかもしれないと頑張っていました。しかし、新町はInstagramも知りません。本当にサッカーだけの生活をしていたのでした。
しかたなく、今の生活を守るために新町はハローワークへ行きました。
「仕事を選ばなければ、あると思います」
そう言われて、仕事は見つかりそうです。しかし、パソコンはキーボードを指1本で打つぐらいのレベルでした。
就職と家庭内説明会
「新緑青汁」を扱う食品会社を紹介されて面接に行きました。
新町のことを知っていてくれて、即採用となりました。
しかし、上手くいったのはそこまで。2週間で売り上げが出せず、クビになってしまいました。
そして、同じ八王子のチームメイトだった後輩と食事をしました。後輩はサッカー選手を辞めて、工務店で働いています。
「点を決めた時のアドレナリンが出る感じ、あのフィールドにしかない」
そう言って懐かしがりますが、そこへ戻る道はもうありません。
そんな時、学校から帰ってきた上の娘・泉実に「サッカー選手辞めちゃったの?」と聞かれます。子供達にはまだ言っていませんでした。学校で引退したことを聞いてきてしまったのです。
「新町、クビになったって、学校で言われた。パパ、サッカー止めないよね?」
そう言われて、正直に話します。
「ごめんな、サッカー辞めちゃったんだ。
引退って言って、スポーツ選手はいつか辞めなきゃいけない。しかたないことなんだ」
そう説明しますが、娘たちはサッカー選手のパパが好きだったのです。普通の仕事をするパパをまだ想像することができないのでした。
そんな新町は、食品会社をクビになり、他の会社もスキルも一般的なこともわからないので、続けられませんでした。妻には言えないまま、工事現場で誘導係をしています。
誘導係をやりながら、スポーツバーから聞こえてくる客の歓声を聞いて「俺、何やってるだろう」と思ってしまうのでした。
なんでもやります
誘導係をしながら、ばったりビクトリーの高柳と会いました。
「僕からサッカー取ったら何も残ってませんでした」
そう正直に話します。そんな新町に高柳は「これからどうするの?」と聞きますが、新町にはどうするのか、どうなるのかわかりません。
「ビクトリーの理念、知ってる?」
高柳は聞きます。
「全てのアスリートにリスペクトを、ですよね」
新町やアスリートがプロになることは、一般の人にはできないすごいことだと高柳はいいます。そんなアスリートの現役中だけでなく、引退後のマネジメントをするのが理念だと話します。
「うちで、働いてみないか?ビクトリーで。
フィールドで主役だった人間が、裏方でサポートするのは嫌かもしれないけど」
そう言われ新町は、二つ返事で答えました。
「なんでもやります。ビクトリーで働かせて下さい。ありがとうございます」
新町は、藁をもつかむ気持ちでいました。
そして、テレビでは、矢崎というブンデスリーガが帰国したというニュースをやっていました。
ビクトリーに就職
「今日から契約社員で働くことになった新町くん。
偶然会っていろいろ話すうちに意気投合した。
やっぱり、アスリートの気持ちはアスリートがよくわかる。
そして、ビクトリーで所属してるアスリートの良き相談相手になる」
そう高柳はスタッフに紹介しました。ビックリしているスタッフ達。しかし、メインの話は新町のことではありませんでした。
ドイツのラインハルトというサッカーチームに所属している矢崎十志也が、サポートを探していました。海外での交渉は代理人がいますが、日本国内でのサポートは契約外だったようです。
一流アスリートを担当したいスタッフ達に高柳は深沢を指名します。そして、新町を深沢のサポートにつけました。
さっそく矢崎の元へ向かう深沢。新町も同行します。深沢に矢崎との関係を聞かれた新町は、「高校の後輩」だと話しました。しかし、年齢が離れているので親交がある訳でもなく、新町にはそれがアドバンテージになるとは思えませんでした。
矢崎十志也
「帰国して間もない所、お時間を取っていただいてありがとうございます」
そう挨拶する深沢。隣には、新町がいます。矢崎は、新町を見て驚きます。
「新町さん!?どうして新町さんがいるの?」
矢崎は帰国してまもないので、新町が引退したことを知りません。
「そっか、とうとう引退しちゃったか。こっちの人になっちゃったんだ。裏方」
そう言いますが、あまり嫌味な感じは受けませんでした。深沢に「もっと先輩風吹かせて」と言われますが、新町にはできません。
そして、ビジネスの話しです。要求は高いハードルが設定されていました。
- トレーニング環境は、天然芝のフィールド。
- 練習相手、矢崎の時間に合わせられて、下手なやつはダメ。3人必要。
- マッサージの上手いトレーナー。
- CMはイメージのいい一流企業でギャラ5000万円。
かなり高いハードルです。特にCMは、クライアントを見つけ、矢崎が日本に滞在している3週間のうちに契約し、撮影までしなければなりません。
「できるだけご希望に添うように」という深沢に「できるだけじゃなく」実現するように矢崎は言うのでした。そして、新町がいるからビクトリーと契約したいと言いますが、条件は下がることはありませんでした。
最後に矢崎は、新町に「久々に会えて嬉しかった」と伝えました。
プレゼン
「裏方は無理。スポーツマネジメントなんて無理だよ」
泣き言を言う新町に果奈子は、はっぱをかけます。
「家族のために頑張るって言ったじゃない。頑張りますって言いなさい」
そう言われると、新町は「頑張ります」と言うしかありません。
そして、矢崎へのプレゼンです。
プレゼン資料を見せますが、CMは決まっていませんでした。ギャラの5000万円がネックになっています。それを見た矢崎は、
「他も企業も、練習環境は整えてくれている。CMだって何社か候補を上げてくれている」
そう言うと、ビクトリーとの契約をしないことを宣言しました。
昔の思い出
「ダメだったんですか?矢崎は」
そう秘書に言われた高柳は、なんのために37歳にもなったド新人入れたんだかと嘆きます。
「やっぱりオールドルーキーは役に立たん」
そんな言われようの新町は、家でスパイクやユニホームを見ていました。
昔は、録画した自分の活躍を何度も娘たちと見ていました。そして、娘には「かっこいい」と言われていました。しかし、辞めた今は、口もきいてくれません。それでも、慣れない仕事を頑張っています。でも、矢崎とは契約できませんでした。
「いつまでも落ち込むな。矢崎だってドライじゃなかったらやっていけないのよ」
そう言って励ましてくれる果奈子でした。
そして、新町は社長命令で、佐々木の運営する焼肉屋の手伝いに行くことになりました。
矢崎の本音
ビクトリーと契約しなかった矢崎は、別の企業からサポートを受けていました。
しかし、用意してもらった練習相手は下手。提案されたCMは金額こそ希望通りでしたが、パチンコ、マッチングアプリ、ふりかけとイメージと異なるものでした。
そんな時、矢崎が行った焼肉屋に新町が働いていました。一緒に食べようと誘う矢崎。プレゼンの時とは違って、リラックスしていました。
二人で焼肉を食べながら、矢崎は話します。
「わがままだと思ってるんでしょ、俺のこと。
海外じゃ、わがままじゃなきゃやってらんないっすよ。
チームメイトだってみんな敵ですよ」
果奈子の言う通り、ドライでわがままでなければやっていけないのでした。しかし、日本に帰ってきた時ぐらいはリラックスすればいいと言う新町に「無理です」と言います。
「日本にいる間にチーム構想変えてくるんじゃないかとか、同じポジションにライバルが移籍してくるとか、俺ずっと考えてますよ」
そう言って、気の休まる時がないと言います。それを聞いて新町は「それじゃ、サッカー楽しくないじゃん」と言いますが、矢崎は楽しいと言う気持ちは、とっくに忘れてしまっていました。
「サッカーやってるのは、金とプライドっすよ。決まってるっしょ。俺は自分のためにやっている」
そして、CMの契約料5000万円にこだわる理由は、価値は金額で内容はプライドだと言うのでした。
めんどくさいやつだと思った新町は「そんなんじゃ友達いなくなっちゃうよ」と言いますが、矢崎は「仕方ないっすよ」と諦めているようでした。
再交渉のために
朝、深沢を呼び止める新町。ちょっと相談があると、話を聞いてもらいます。
「矢崎はドイツリーグで、最初は先発していました。しかし、最後の方はサブの扱いになっています。
最初は右サイドにマイヤーという選手がいたんだけど、2試合で外された。監督とケンカしらしい。
でも、右サイドのマイヤーと右サイドバックの矢崎は息が合っていました。
相性がいいというのはサッカーでは大事なことなんです。
マイヤーがいなくなったから、本領発揮できない矢崎は、サブの扱いになっているんです」
そうやって、果奈子に作るのを手伝ってもらった資料を見せながら説明します。
そして、そのまま深沢と一緒に高柳の所へ行って説得します。
「矢崎は不安だと思うんです。以前は、あんな性格じゃありませんでした。
日本にいる時は、チームメイトにも好かれていました」
そして、もう一度矢崎にプレゼンさせて欲しいとお願いしました。
高柳から了承を得たものの、CMは決まっていません。しかし、新町は気にしていませんでした。深沢にCMはどうするのか聞かれますが、「ギャラは考えなくていい」と言うのでした。
用意した内容
再度、矢崎に時間を作ってもらって、再度プレゼンします。
「うちで用意した練習相手はこの4人。
一人は、ジェンマのチームメイトで引退しちゃったけど、まだ体は動く。
何しろラインハルトのチームメイト、セールマにプレイスタイルが似ている。
もう一人は、身長が高くて左サイドのゴメスと同じタイプ。
さらにもう一人は、左サイドバックのゲレーロと同じぐらい運動量がある。
そして、最後はマイヤーにプレイスタイルがそっくりなやつだ」
矢崎が一番息の合うマイヤーのことは、実力がある選手なので、必ず戻ってくると新町は思っています。用意した選手で練習すれば、実践を想定したトレーニングができます。さらに、トレーナーは、以前矢崎をケアしたことのある人を用意しました。
最後はCMです。2つ候補がありますが、どちらもギャラは安いものでした。「サイバーボディ」はベンチャー企業で、社会に貢献したいという意欲のある企業です。その企業のCMに出ることは、イメージアップに繋がるはずだと説明します。
「日本中のサッカー少年が、矢崎のことをどれほど憧れの目で見てると思ってるんだ。
お前は、自分が思ってるより影響力のある現役のアスリートなんだよ。
だから俺たちは、この企業が矢崎にふさわしいと思った」
そう説明する新町でした。
矢崎にとっての新町
「俺をサッカー選手にしてくれたのはさ、新町さんなんだよね」
矢崎はそう言って話しはじめました。
小学生の時、Jリーグで大活躍してる新町を見て、同じ高校入った矢崎。プロに入っても、新町がずっと目標でした。しかし、いつのまにか矢崎が新町を追い越してしまっていました。
「でも、自分史上最高のサッカー選手は、新町さんなんですよ」
だからこそ、裏方にになった新町を見たくありませんでした。そして、関わりたくなかったと言うのでした。
「優しすぎるんですよ、新町さんは。だからダメだったんじゃないの?
でも、いい仕事見つけましたね、新町さん」
そう言って矢崎は笑うのでした。そして、矢崎はビクトリーと契約しました。
契約社員
練習相手のギャラはビクトリーと矢崎が半分持つ約束で契約しました。そして、CMのギャラも半額でいいことになりました。
「いいやつじゃないか」という高柳に深沢は、新町のことを聞きます。
「社長、新町さんは焼肉屋に戻るんですか?矢崎と契約できたんだし、マネジメントに戻しては?」
新町は矢崎を落とすためのワンポイントリリーフのつもりの雇用でした。契約ができれば、もう必要ないといいます。矢崎の先輩で、サッカーに詳しいだけの存在です。
「スポーツマネジメントが勤まると思うか?」
そう高柳は言いますが、深沢は「なんとかなると思います」と言うのでした。やる気があり、最近まで現役のアスリートでした。それがメリットになると言うのです。
「新町くんに伝えろ、もうあの焼き肉屋に行かなくていい。明日から会社にくるように。ただし、契約社員だ」
喜ぶ深沢でしたが、新町が使えなかったら深沢の評価が下がると言われてしまいました。そんなことは考えていなかった深沢は驚きますが、決定は覆りませんでした。
最後に
サッカーに限らず、アスリートのセカンドキャリアには、多くの物語があります。それも一流選手でなかった選手が、どう社会と折り合いをつけていくのか、どう描かれるのか楽しみです。
日曜劇場は、「半沢直樹」や「下町ロケット」など、話題となる作品をやっています。先日までやっていた「マイファミリー」もそうです。
そして、この「オールドルーキー」も面白い作品になりそうな雰囲気いっぱいです。
たぶん、黒幕も犯人も出てこないとは思いますが、期待したい作品です。