生前整理 は、最近特に聞く言葉です。終活などとも言われますね。
高齢者の恋と生前整理。難しい問題です。
そんな第5話のネタバレです。
主な登場人物
石田硝子 有村架純
羽根岡佳男 中村倫也
潮綿郎 さだまさし
大庭蒼生 赤楚衛二
羽根岡優乃 MEGUMI
重野義行 中村梅雀
有森万寿江 風吹ジュン
第5話のストーリー
塩崎からの依頼
蕎麦屋の塩崎からの相談を受けた石子と羽男。一緒におじさんの家に向かうことになっていました。
洗濯ものを干している石子に塩崎から着信が入ります。事務所の外に着いている塩崎は、屋上にいる石子を見上げる形で通話しています。
「もう少しこのままで。ロミオとジュリエットみたいやね」
石子は、そんな状態をすぐに終わらせるために「すぐ降りまーす」と言って通話を切りました。
相談内容
海沿いの町、久瑠賀町に住む、塩崎のおじさん重野義行の家に行きます。
重野宅の庭には、裏の家から梅の木が伸びてきていて、毎年毛虫で悩まされていました。
長年空き家だったので、勝手に手を出すことはできませんでした。
そんな中、1年ほど前に有森さんが引っ越してきました。しかし、梅の木への対処を行わず、今年も大量の毛虫に悩まされています。できれば所有者としての責任を果たし、毛虫が発生しないように対処して欲しいので、その旨を有森さんに伝えて欲しいというないようでした。
乗り気じゃない
塩崎はおじさんとの話の中で、その梅の話しを聞いたのでした。
「おじさんと一緒に飲んでたら、裏の人に直接言ったら角が立つって嘆いてたんで、弁護士さんを紹介するということになったんや」
それを聞いて、石子は言うのでした。
「相談していただいて良かったです。枝はがどれほど敷地に侵入しても、勝手に切るのは違法ですので」
そんな話をしますが、重野は乗り気ではなさそうでした。
無理やり?
裏の家から伸びてきている梅の枝を見る石子。
「アメリカシロヒトリという蛾の幼虫のようです」
写真を撮って羽男に見せると、羽男は虫が苦手のようで「虫ハラ」と言って見もせず逃げます。
「虫は見なくていいですが、やる気は出して下さい」
石子に言われますが、羽男にはやる気がでない理由がありました。
「だってさ案件地味すぎるし、なにより依頼人が乗り気じゃないよ。
どうせあれでしょ?塩崎さんが君にいい所を見せようと、無理やり頼んだんだ」
そんな話をしていると、塩崎が近づいてきました。石子のことは信頼していますが、羽男のことはライバル視している塩崎。チャラそうで不安と、案件のことなのか、石子のことなのかわからない発言をします。
「こう見えて、うちの羽根岡は、普通に優秀です」
石子が羽男のことをそう表現すると、羽男は「”普通”はいらなくない?」と反論します。
「優秀さをアピールしすぎて、嘘になっては困りますので」
相変わらず固い感じの石子でした。
有森家へ
早速、有森家に石子と羽男は向かいます。梅の木の話しをすると、中に入れてもらえました。
「民法第233条 竹木の枝野切除及び根の切り取り。
土地の所有者は隣地の竹木の枝が境界を越える時は、その竹木の所有者に枝を切除させることができると定められています。また民法第717条・・・」
羽男が説明している途中で「よくわかりました」と言う有森。対処してくれることになりました。
しかし、民法の条文を出して、プレッシャーをかけすぎたのではないかと心配する石子。
「問題ないっしょ」
しかし、羽男は気にしていません。
そして、1時間に1本のバスを待つまでの間、海に行こうと言う羽男。
「遊びに来たんじゃないんですよ」
そう言う石子を置いてずんずん進んで行くのでした。
その時、石子は腹部に痛みを感じて、うずくまってしまうのでした。
最終面接
帰ってくると「いやー効率のいい仕事だったね。秒で解決した」とご満悦な羽男。
しかし、石子は「秒じゃありません」と、釘を刺すのでした。
そんな時、大庭が面接の予定を入れたいと、所長の潮に話していました。
「感触いい所があって、最終面接に」
大庭がいなくなると、寂しくなると言う潮。それに石子も賛同します。そして、賛同しながらも、腹部が気になっている石子なのでした。
内容証明
塩崎が突然やってきました。
「おじさん、裏の人に訴えられたって」
そう言われ、急いで重野の元に行きます。
訴えられたと言っていましたが、内容証明が届いたのでした。その内容証明を見ると、重野の騒音に対する改善と、慰謝料の要求です。
「つまり、有森万寿江さんは、引っ越してから1年重野さん宅から聞こえるピアノの音に悩まされていた。その状況の改善と、精神的苦痛の慰謝料50万円を要求している」
しかし、内容証明で、まだ訴えらえた訳ではありません。名義は代理人ではなく本人になっています。
そして、これまでピアノの音で苦情が入ったことはありません。さらに、他の事でも有森と揉めたことはないと重野はいいます。有森との面識はあるものの、挨拶ぐらいしかしないと言うのです。
カウンターパンチ
「ピアノはよく弾かれるですか?」
羽男が重野に聞きます。
「時折です。母が亡くなってから、やることもなくなってしまったんで、購入しました。
弾くのは昼頃から、夜7時ぐらいまでの間です。それ以外の時間は、ヘッドホンをつけて弾いてます」
羽男は安心しました。
「それが確かなら、裁判所が請求を認めるとは考えにくいです。常識的にありえない時間や音量で、何度も注意しても収まらない場合であれば負けるケースもありますが、それには当てはまらないので。
おそらく、虫で苦情がきたことへのカウンターパンチのつもりなでしょう」
出しゃばりすぎ
「やはり有森さんにプレッシャー掛け過ぎたんじゃないですか?」
石子は心配していたことが現実になって、心を痛めていました。
「君は喜ぶ所じゃないの?新たな相談料も入ることだし」
羽男はそう言いますが、ご近所関係のことを思うと、どう解決するのがいいのか悩んでしまいます。
「あのさ、君、もういいよ。今後の調査は大庭っちに頼むから」
突然、羽男に相棒解消宣言される石子。
「何言ってるんですか?あなたが揉め事を起こさないように見守らないと」
そう言って反論しますが、羽男は揺るぎません。
「まじで。出しゃばりすぎじゃない?君パラリーガル、俺の方針に従ってくれないと。
事務所で経理でもやってて」
羽男にそう言われてしまうのでした。
帰れないとかないですか?
事務所で、石子と羽男の帰りを待つ塩崎と大庭と潮。
「こんな時間なのに。もしかして今日、帰れないとかないですか?」
そんな心配をする塩崎に、潮は「帰ってくるよ」と簡単に言うのでした。
「1時間に1本のバス乗り過ごして、帰れないとかないですかね?そんで、一つしか部屋空いてないパターンやったり!
ほら、ドラマとかで良くあるでしょ?泊まろうとしたら部屋が一部屋しかないやつ。仕方なく泊まって、ここからは入ってこないで言いながら、距離感縮んでしまうやつ」
塩崎の心配が大庭に伝染し、潮も不安になってしまいます。
「ただいまもどりました」
そんな時、石子と羽男は二人で帰ってきました。満面の笑みで出迎える3人の姿がありました。
鼻を触ってサイン
羽男と途中まで一緒に帰る大庭。
「羽男さん、まえに石子先輩のことどう思ってるか聞かれましたけど、俺、石子先輩のことが好きです」
急に言われて驚く羽男。なぜ教えてくれたのか聞きます。
「告白して、良くても悪くても気まずい空に気になるのアレなんで」
そういう大庭は、告白するつもりのようです。
「いつ言うの?決まってないんだ。じゃあ、言ったら教えて」
告白したら「鼻を触ってサインを出す」と言う大庭でした。そして、重野の聞き込み調査を大庭に依頼して別れました。
内緒で同行
大庭が頼まれた調査に石子も同行しています。
「羽男さんとなにかありました?」
そう大庭に聞かれても、石子にはわかりません。
「本当に来ちゃって大丈夫ですか?」
心配する大庭に、石子は言い返します。
「経費処理は終わりましたし、お金をもらう以上、自分にできることをやります!」
羽男の方針に怒ってる石子でした。
有森と重野
大庭は、町内会で聞き込みをしています。
「有森さんってオシャレで綺麗でしょ?越してきた日から、町内会のマドンナなのよ。
それに彼女、多趣味でね。博学だから、クラシックとか絵画とか映画とか、先日はファスト映画の犯人が捕まったニュースを詳しく教えて下さったりして」
有森の評判はすごくいいのでした。社交的で多趣味で博学。町内会でも評判のようです。
しかし、対する重野は、評価も付けられない状態です。
「ほとんどわからないというか、集まりにも顔を出さないので、なんとも・・ね」
親しい人もいないようです。有森とは真逆のタイプでした。
病院へ
聞き込みした町内会もそうですが、お年寄りが多い地区のようです。
「ベッドタウンとして宅地開発された頃に住んだ世代が、高齢化したんです」
そんな話をしている時、石子が急にお腹を押さえて、うずくまりました。
石子は「大丈夫」と言いますが、大庭は心配でなりません。病院に行くと言うと、おんぶしようと背中を出します。
しかし、石子はおんぶされることに躊躇してしまいます。
「ここじゃタクシー拾えないから、上の大通りまで」
そう大庭に言われ、おんぶされるのでした。
石子の嘘
検査を受けた石子が、検査結果を聞いていました。
「卵巣嚢腫の疑いがあります。腫瘍マーカーは今日やりましょう。MRIは都内の病院に紹介状書きますので、そちらで検査お願いします」
そう言われ、ショックを受ける石子。病院の外では、大庭が待ってくれていました。
「冷房の当たりすぎって。心配をおかけしました」
とっさに嘘をつく石子。それは、大庭に心配をかけたくなかったのです。
大庭は借りてきた車に石子を乗せます。そして、お腹を温めるためにカイロも買ってきてくれていました。
「恩に着ます。とても、嬉しいです」
固い感じでお礼を言う石子でした。
そして、送ってもらうと、事務所では潮が机で寝ていました。石子の帰りを待っていたようです。
「布団で寝て下さい」
そう言って潮を起こします。起きた潮にお土産のこんにゃくサブレを渡すと、羽男も買ってきたの言うのでした。
「息が合ってきたんじゃない?」
しかし、石子は同行することを断られています。不機嫌な感じで「そうでしょうか?」と言うのでした。
薄目で見た
週明け、大庭の調査に石子も同行します。
「マジで無理しないで下さいね」
心配する大庭に石子は「寝まくったんで大丈夫」と言うのです。
そこに、トラックに乗った羽男が通りかかります。気まずいので、石子は日傘で顔を隠しますが、バレバレです。
「なんでいるんですか?」
そう聞かれ、大庭の手伝いをしていると答える石子。話しを逸らす感じで、大庭は羽男が何をしているのか聞きます。
「ちょっと調べてみたろころ、久瑠賀町全域でアメリカシロヒトリ大量発生が確認できた。っていうか、県全体で問題になってるんだって。で、自治体毎に駆除活動を行う場合には、県が防除機器ってのを貸出てるんだ」
虫を見るのも嫌いな羽男に「よく調査できましたね」と聞きます。
羽男は「薄目で見ましたから」と答えていました。
黒幕
羽男の借りてきた防除機器を使って、有森宅の梅の木の防除処理をする羽男と大庭。
「環境に配慮した自然由来の駆除剤ですので、周囲の環境には影響がありません」
石子は、そう言って町内会長や町内会の人に説明します。
「会長さんと話をさせていただいて、毎年の駆除は町内会で行うことになりました。ですので、有森さんが梅の木の対処をいなくてもよくなります」
そして、石子と羽男は、これで重野に出した内容証明の件は引き下がってくれるのを期待していました。
「重野さんも虫さえいなくなれば、枝は気にしなくていいって言ってくれるから。虫をこれでやっつけて、残る枝は気にしないでいいですよ、こちらは交換条件を提示すれば」
そんな話をしているのを聞いた町内会長の顔色が変わりました。
「そういう目論見か、虫をどうしようが、騒音問題とは関係ないよ。
私はこの件を任されていましてね。司法書士だったんだけどね、まあ内容証明を送るようにアドバイスしたんだよ。内容については、私と話そう。
仕事としてやってる訳じゃないんだよ。町内会のよしみとして、間に入って欲しいって個人的に頼まれてね。彼女はね、もう直接話をしたくないんだよ」
石子と羽男は困惑するのでした。
交渉
仕方なく、町内会長と交渉することにする石子と羽男。
「騒音に関しては、これまで以上に努力します。慰謝料については、大変申し上げにくいのですが、妥当な請求ではないと」
そう羽男は言いますが、町内会長は受け入れてくれません。
「妥当かどうかは、君が決めることじゃないだろう?
今後、全ての連絡は私を通すように」
そう言われ、今回の交渉は終わってしまいました。
満額払います
内容証明を送るように言ったのが町内会長で、代理人になると言っていることを重野に伝えます。
「正式な代理人ではないので、必ずしも通す必要はないんですけど、有森さん自信が直接話を聞く気がないとなりますと。。。」
重野と町内会長とは、一度挨拶をした程度の間柄です。他に接点はありません。
もう一度あたらめて交渉すると羽男が言うと、重野は「もういい」と言うのでした。
「満額払います。弁護士さん入れてややこしくしてしまったのは私ですし」
そう言われてしまうと、羽男にはどうすることもできなくなってしまうのでした。
お手洗い
石子は、あることに気づいていました。
「重野さん、本当は、有森さんと仲いいんじゃないんですか?そちらに、映画の入場券が飾られています。名画座で上演されたもので、日付は今年の1月でした。そして、同じものが、有森さんのご自宅にも飾られていました」
映画は名作「カサブランカ」です。石子は一緒に見に行ったのではないかと思っていました。
「彼女、一年前に越してきてから、おすそ分けしてくれたり、近所で話しができる唯一の存在になったんです。お誘いいただいて、映画を見にいったこともありました。その後、なんとなく疎遠になってしまって、ここ数カ月はお会いしてもいません。
慰謝料、払います。もういいんです」
そういう重野に羽男が何か言ってくれると期待する石子。
「あの、お手洗いをおかりしてもいいですか?」
石子は裏切られ、がっくりしていました。
俺に従って
重野宅からの帰り道、重い雰囲気になっていました。
「有森さん、重野さんを嫌いになって、だから訴えようとしてるですよね?」
大庭はそう感じていました。
「決めつけるのは早計です。なんにせよ重野さん、お辛そうでした。争わないために弁護士を入れたのにこじれてしまって」
石子は、重野の気持ちを思って、つらくなってしまいました。
「はい、もうそれ以上考える必要なし。依頼者がいいって言ってるんだから。君たちはもう動かないで。言ったはずだよね、俺に従ってって」
そう言われて、石子は困惑してしまうのでした。そんな時、石子に着任が入りました。
優乃からのお誘い
石子に連絡したのは、羽男の姉・優乃でした。
「ごめんね、急に誘っちゃって。一回ちゃんと話してみたくってさ」
そう言うと、ホルモン屋で二人で食事をします。
「ジャスミン茶ってことは、お酒ぜんぜん?」
優乃に聞かれて、石子は検査のことを話しました。
「大好きなんですけど、明日検査がありまして」
そう言うと、優乃は健康診断だと勘違いします。まさか、卵巣腫瘍の検査だとは思いません。
「ああいうのってさ、昔はぜんぜん平気だったんだけどさ。最近、結果知るの怖くなっちゃってさ。再検査って文字見るだけで、ドキっとしない?最悪のケースとか想像しちゃってさ」
そう言われ、ドキっとしてしまう石子。
「いろいろと考えますよね。私がいなくなったら、父が一人になるんです。お恥ずかしいんですけど、お金にズボラなので、事務所の資金管理をノートにまとめておかなちゃなとか」
健康診断だと思っている優乃は、石子の切羽詰まった感じにびっくりします。
「まてまて、健康診断で考えすぎじゃない?」
石子は笑ってしまうのでした。
お姉さま
「お姉さま・・・」
石子が優のをそう呼ぶと、優乃は困惑してしまいます。
「お姉さまでいく感じ?前からその呼び方だけど。まあいいや、それで?」
羽男のことだと言うと、優乃はやっぱりという感じで返します。
「でたー。なんかやらかした?デリカシーに欠け過ぎてイラ立ち止まらないとか?」
しかし、石子の聞きたいことはそう言うことではありませんでした。
「そう言うことじゃないんです。いつも一緒に調査してたんですけど、最近一人で進めようとするんです。理由聞いても、本当にそれかなっていう感じで」
石子の不満を聞いて、優乃はアドバイスしてくれました。
「聞きたいことは聞いた方がいいよ。佳男、あれ何考えてるかわからないから」
戻ってきた
そんな時、羽男は潮に誘われ、塩崎の蕎麦屋で食事をしていました。
「あの子も口うるさいから疲れるでしょ?」
そう潮に言われ「否定はできないですけど」と冗談で返す羽男。
「めっきりお酒に弱くなっちゃって、僕ももうそんなに長くないかもな」
潮がそう言うと、羽男は否定しつつ、ツッコミを入れました。
「いやいや、まだまですよ。って言われる前提で言うのやめてもらっていいですか?」
そいう言われ笑っている潮ですが、半分は本気でSちあ。
「それがさ、物忘れは激しいしさ、硝子ちゃんが戻ってきてくれなかったら、僕はもう引退してたかもな」
潮が言う「戻って」に反応する羽男。
「中学上がるころに離婚してね。それからずっと、離れて暮らしてたんだよ。3年前からまた一緒に。だけど、距離感あるよなー。昔はあんな敬語じゃなかったんだけどなあ。
で、仕事は?二人は上手くやってるの?」
羽男は「普通に」と答えます。その時、羽男を睨む存在に気づきました。塩崎です。すんごい目で見ていまいた。
嫌だ
石子は紹介状を書いてもらった病院で検査に行きました。
羽男には「今日は11時に出勤します」と置き手紙を書いておきました。その置手紙を見て、何か思う羽男の姿がありました。
そして、病院から石子が戻ってくると、逆に羽男が出かけようとします。町内会長に慰謝料を払うという報告に行くつもりです。
「私も行きます」
石子にそう言われ、「だからさー」と拒否します。
「どうして、一人で進めようとするんですか?効率を重視する方が、なぜです?
一人で動くより、パラリーガルである私を有効に使うべきではありませんか?
口を出すのはすみません。事務所を管理する身として、問題が発生しそうな行動は今後も発言させていただきますし、こうしてはという提案もさまざまな角度から案件を検証する上で、必要だと考え続ける所存です。
ですが、それらは、あくまで私見であり、あなたの決断に従います。どうか、相棒として、傍に居させて下さい」
石子が一生懸命に話しますが、羽男は一言「嫌だ」と言って、断りました。
ちょっと変わりましたね
羽男に事務所にいるように言われても、石子は納得できません。
「待ってください。納得できません。どうして私を・・・」
羽男は仕方なく説明します。
「大人しくしてな。具合、悪いんでしょ?ここ数日、顔色悪いし、お腹さすってたりしたから、無理させない方がいいのかなって思って。それで休めって言ったって、あなた聞かないでしょ?だから」
それを聞いて、ちゃんと見てくれていたこと、心配してくれたことに石子は嬉しくなって涙があふれてきました。
「今朝、検査を受けました。良性の腫瘍だろうということで、治療すれば問題ありません。
心遣い、感謝致します」
安心する羽男。
「ちょっと変わりましたね、先生」
石子にそう言われ、恥ずかしくなっておちゃらけてしまう羽男。
「は?髪とか服とか?この方が楽でいいかなって」
そして、石子が一緒に行ってもいいかと確認すると、「どうぞ」と羽男は受け入れるのでした。
めんどくさいな
同行の許可を得た石子は、嬉しそうに準備をします。
「慰謝料の件、争わないんですか?私は交渉を続けるべきと存じます。あのケースで50万円は不当な請求です。あえて裁判に構えるのも一つかと思いますが、近隣関係もありますし、経費と時間がかかりますから、重野さんにとって最善の策とは言えないかと。ここはやはり・・・」
そうまくし立てる石子を止める羽男。
「ストップ、ストップ!元気なら元気でめんどくさいな」
そう言って笑い、交渉を続けてみると言うのでした。
ナカマル
大庭の最終面接は、ナカマルという会社です。
オフィス用品を中心に販売している会社のようです。
その株式会社ナカマルに車を乗り付け、ラフは格好でやってくる男がいました。
まだ、誰だかわかりません。
取り下げ
石子と羽男は、再度有森の自宅を尋ねました。そして、深く話しを聞くことができました。
「会長さんにお会いした時に、弁護士さんから注意を受けたことをこぼしたんです。
そしたら、牽制するために手を打つからと。
そして、ピアノの音を一度漏れ聞いたことを伝えたら、大事になってしまって」
そして、慰謝料50万円のことは、町内会長に全て任せていて、有森はしらなかったのです。そして、重野に申し訳ないと言うのでした。
「内容証明については、取り下げさせて下さい。会長には私から言っておきます」
そう言ってくれました。
有森と重野の関係
話しがまとまりましたが、石子は気になっている部分がありました。
「有森さんも驚かれましたよね?本当は弁護士を通さず言って欲しかったのでは?
重野さん、一緒に映画を見たこともあるとおっしゃっていました」
石子がそう言うと、二人の関係についても話してくれました。
「一時は頻繁にあっていたんですけどね。考えてみれば、向こうから誘われたことはないし、私の片思いだったみたい」
有森から誘っていたことに驚く一同。
「みなさんにどうして越してきたのか尋ねられる中、あの方だけはなにも尋ねなかったんです。そういう何も口に出さない優しさが心地よくって。
ただ、私の誕生日もお祝いしようと言ってくれたりはしました。でも、3か月ほど前に急に約束はキャンセルさせて欲しい、もう会うのはよしましょうって。それっきり」
有森には思い当たるきっかけはありませんでした。
告白の告白
有森から話しを聞いた後、石子と羽男は事務所に戻ってきました。それを駅で待っていた大庭。
「石子先輩に話があって」
そう大庭が言うと、ちゃんと空気を読んで、羽男は「自転車取って帰るわ」と言って先に帰りました。
そして二人になると、大庭が石子に言います。
「今日の面接手ごたえありました。で、俺、俺、就職決まったら、石子先輩に告白します。さすがに事務所にいる間はルール違反なのでしませんけど」
そう言われ、困ってしまう石子。
「あーーなんだろう?告白の告白ですか?」
大庭はそうだと言うと、そのまま帰りました。
フラグ立ってない?
お土産のこんにゃくサブレを配りながら、大庭が聞きました。
「何なんですかね?重野さんが有森さんに会わなくなった理由」
しかし、羽男は案件が解決したので、それ以上突っ込むつもりはありません。
「重野さん、ぜったい有森さんに気持ちある感じでしたよね。二人が思いあってるはずなのに、これでいいんでしょうか?」
石子は、どうしても引っかかってしまうのでした。
「俺、面接受かってると思うんです。この案件、自分が関わる最後の案件になると思うんで、依頼者さんのお役に立ちたいんです」
大庭がそんな宣言をすると、羽男は心配になります。
「今、フラグ立ってない?これで面接落ちてるとかやめてよ?」
そして、会わなくなった理由を探ってみることになりました。
含有量
石子がお茶を淹れに行くと、大庭が羽男の前で鼻を触りました。
「それ、あれ?例の?石子さんに?」
羽男に聞かれ、大庭は答えました。
「違います。でも、ある意味そうです」
意味深な発言をする大庭に「どっちどっちどっち」と食いつく羽男。そこに石子が戻ってきて「何の話しですか?」と聞きます。
「準急と快速、どっちが早いのかって話を」
そう言って、羽男はごまかしました。
そして、石子が淹れてくれたお茶を飲みますが、味が濃すぎて吹き出してしまいます。
「父が買ってきた緑茶です。カテキンが多いとかで。体に良さそうではありますが、ガツンときますよね」
そう言われ、何かを思い出す羽男。
「あれも含有量?」
お手洗いを借りた時、冷蔵庫に貼ってあった紙を思い出したのでした。
性腎不全
重野に会いに行ったものの、家はいませんでした。重野は海を見ていました。
「報告書を提出する前に、一つだけ質問よろしいですか?
パーソナルな部分に土足で踏み込む真似をお許し下さい。余計な詮索でしたら、すぐに切り上げますので」
そう言うと、羽男は重野に踏み込んだ質問をします。
「重野さん、ご病気でいらっしゃるのではなですか?冷蔵庫に野菜の表が貼られていましたが、あれは、カリュウムの含有量を示すものでは?
そして、週3回ツルの文字が。もしかして、あれは鶴山病院のことではないですか?」
そう聞かれ、重野は自分の病気のことを話してくれました。
「実は、慢性腎不全で人工透析やってるんですよ。カリュウムを気にしてるのはそのためなんです」
そして、有森に会わないと言ったのも、迷惑をかけてしまうと思ったからでした。
「もし、もしも、仲が深まったとしても、生い先長くないでしょ?死んだ後の手続きやら、彼女が背負うことを考えたら、このまま一人で。。。」
重野は寂しそうに言うのでした。
生前整理
そんな重野に石子が提案します。
「お望みでしたら、お手伝いできることもあります。体が元気なうちに、判断力が正確なうちにという方のために、遺言書を制作したり、財産分与を決める不用品の片付け等のお手伝いをすることができます。不安の全ては消せませんが、軽減させることはできるかと」
そうすれば、有森と仲良くできるのではと聞きます。
「でもね、高齢者が恋なんてみっともないでしょ」
そう思う気持ちもわかります。しかし、大庭は自分のことと重ねて言うのでした。
「好きな人には好きと言っていきましょうよ。何歳だろうがいいじゃないですか」
それに石子も賛同します。
「私もいくつになっても人生楽しんでいただきたいです。若い人未来に夢を持てと言われますが、高齢者の皆さんこそが若者の未来そのものですから」
そして、今日は有森の誕生日です。石子は重野の背中を押してあげるのでした。
「そう言えば、今日は有森さんの誕生日でしたね。重野さんのお宅のカレンダーにも予定が書き込まれていました。もしそれが誕生日のことでしたら、有森さん、まだ予定を入れてないっておっしゃってましたよ」
それを聞いて重野は、やっと決めることができました。
「お願いします。生前整理」
ピアノの練習の成果
重野はカレンダーにメモをしていました。
「リバーチェというピアノのあるレストランを予約したそうです。先ほど教えて下さいました」
重野はそこでピアノを弾くつもりです。
「有森さん、カサブランカの”時の過ぎゆくままに”をピアニストにリクエストするシーンがお好きなようで」
最初重野は暇だからと言っていましたが、有森のために練習していたのでした。
その後の大庭と羽男
そんな時、大庭に通知が入ります。
「メールきました。面接したところです。内定もらいました!」
ついに就職が決まりました。
そして、羽男に塩崎が話しかけます。
「これ、おじさんから。見直したで、羽男くん。君にやったら硝子ちゃん、任しても・・・あのこいい子やから、変な奴と付き合わないように見張ってたんよ。だけど、君やったら・・・」
塩崎が勝手にライバル視していて、勝手に諦めたようです。
「勝手な妄想やめてもらっていいですかね。僕にとって相棒なんで」
しかし、塩崎は自分の言いたいことだけ言うと、羽男の話は聞いていませんでした。
告白
大庭から、石子に「仕事終わりに話させていただけませんか」と連絡が入りました。
しかし、大庭が待っているところへ、出ていくのをためらう石子。そして、覚悟を決めると、石子は気合を入れて出て行きます。
石子が来ると、大庭は話します。
「お疲れのところすみません。
採用になったナカマルは、オフィス用品を中心に販売している会社で、全然職種は違うんですけど、活気があって惹かれました」
そんな志望動機を聞かされて、石子は「面接みたい」と笑います。
しかし、大庭は気にせず続けます。
「宣言通り告白します。俺と付き合って下さい」
最後に
石子と羽男の関係も、だいぶ「相棒」らしくなってきました。
しかし、不器用すぎる二人は、なかなか素直になれません。そして、大庭と石子の関係はどうなるのでしょうか?
どちらかと言うと、石子は羽男に惹かれている気がするのですが。。。そういう恋愛関係には、発展しないで欲しい気持ちもあります。
そして、次回は事故物件?
楽しみです。