エルピス(1) ネタバレ

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エルピス は10月から始まったドラマです。

古代ギリシャ語で、様々な厄災が飛び出したと伝えられるパンドラの箱に残されたものとされ、希望とも厄災とも訳されています。

元人気女子アナと若手ディレクターが、中学生連続殺人事件が冤罪ではないかと調べ始めるという話しです。

ただ、一筋縄ではいなかそうな、登場人物であり、ストーリーのようです。

そんな第1話のネタバレです。

エルピス公式HP

主な登場人物

浅川恵那  長澤まさみ アナウンサー
岸本拓朗  眞栄田郷敦 若手ディレクター
斎藤正一  鈴木亮平  政治部記者

大山さくら 三浦透子  ヘアメイク
村井喬一  岡部たかし チーフプロデューサー
大門雄二  山路和弘  副総裁
松本良夫  片岡正二郎 死刑囚
海老田天丼 梶原善   番組MC

滝川雄大  三浦貴大  報道局ディレクター
名越公平  近藤公園  プロデューサー
笹岡まゆみ 池津祥子  ?
木村卓   六角精児  ?
岸本陸子  筒井真理  拓朗の母、弁護士

第1話のストーリー

浅川恵那

2018年、映画「さよなら江戸幕府」撮影現場。

インタビューをする女子アナが遅刻していることで、役者に説教される若手ディレクター・岸本の姿がありました。しかし、説教はほとんど聞いていませんでした。

そこに女子アナ・浅川がやってきました。その浅川にチーフプロデューサー・村井がセクハラでパワハラでモラハラな発言をするのでした。

「更年期か?若くもかわいくもないんだから、ババアはババアらしく自己管理しろよ」

浅川がやってきたことで、役者は機嫌を直し、無事現場は再開されました。

大洋テレビのアナウンサー・浅川恵那は、かつてゴールデンタイムのニュース番組でサブキャスターを務めた人気女子アナでした。しかし、週刊誌に「路上キス」の場面を撮られて、番組を降板してしまいます。今は、深夜の情報番組「フライデーボンボン」でコーナーMCを担当しています。

岸本拓朗

役者から説教を受けていた岸本。役者からは「凡人だと思っているんだろう」と説教されましたが、自分では「エリート」だと思っています。

25年前、裕福な両親の元に生まれ、エスカレーター式に明王大学へ入学しました。大学卒業後、大手大洋テレビに入社したのでした。

岸本の母は、年収1億を稼ぐ凄腕の弁護士。父は9歳の時に亡くなりましたが、やっぱり弁護士でした。

そんな環境で過保護に育った岸本は、自己評価が高止まりして下がる必要がない人生を歩んできたのです。

そんな岸本は、深夜の情報番組「フライデーボンボン」のディレクターをやっています。

しかし、今どきの若者というか、仕事に対する情熱がありません。ミスをして、村井に怒られる毎日でした。

発端

フライデーボンボンのオンエアが終わると、毎回のように打ち上げと称した飲み会が行われていました。その打ち上げでは、村井の独壇場。いつものようにセクハラ、パワハラ、モラハラが横行していました。そして、浅川は参加するものの、途中で帰るのがお決まりのパターンです。

その日は、帰り際、若手女子スタッフに呼び止められました。

「セクハラとモラハラとパワハラを怒って下さいよ」

しかし、浅川は「はあ。。。お先」とだけ言って帰宅しました。

その頃、岸本は飲み会の席で、ヘアメイク・さくら(通称:チェリー)の噂話を聞いていました。

「ってか知ってます。ああ見えて、チェリーさんの歴代の彼氏ってイケメンらしいですよ」

チェリーのことを話す時に「ああ見えて」とつくだけに、岸本には信じられませんでした。そんなチェリーから声を掛けられました。

番組内のアシスタント・ボンボンガールの一員、あさみを口説いただろうと言われたのです。岸本は否定しますが、チェリーは証拠の音声を持っていたのでした。

「今の子は、さらーっとそんなことしますからね。これはアサミちゃんから買い取ったんで」

そう言われ、音声を買い取ろうとする岸本。しかし、チェリーはお金じゃないと言います。

「ちょっとお力お借りしたいことがあるんですよね」

相談

浅川はその時、眠るということが上手くできなくなっていたらしい。その少し前から、食べると言うこともまた、上手くできなくなっていたらしい。心と体が自分から遠く離れているのはわかる。でも、どうしていいかわからない浅川だったのです。

ある日、岸本は浅川を呼び止めました。

「浅川さんに相談があるんです。深刻な相談なんです。今日、どこかで時間ないですか?30分」

そう言って無理やり時間を作ってもらい、岸本が説明します。

「これ、覚えてますか?八頭尾山連続殺人事件」

それは、今から10年ぐらい前に神奈川で起きた事件です。若い女性が立て続けに殺されて、八頭尾山はっとびさんという山に棄てられた事件です。

犯人は2006年12月に捕まっています。板金工の松本良夫、当時50歳でした。

「実は、この人犯人じゃないんです」

岸本はそう言うのです。そして、浅川にお願いします。

「浅川さん、今から僕が話して、浅川さんも冤罪に違いないと思ったら、僕と一緒に真相追及してくれますか?」

必死な岸本は、浅川に土下座をして頼むのでした。

偏向報道

2006年当時のニュース映像を岸本に見せられる浅川。しかし、興味がなさそうです。

逮捕された松本は、自白したものの、裁判では終始無罪主張していました。そして、2016年に死刑判決が出たのです。

「関わりたくないんだ。だから聞きたくない。ぶっちゃけ、懲りてんだよね、冤罪」

浅川はそう言いますが、岸本は諦めません。

「なぜ任意同行させられたかと言うと、一番最初に聞き込みに行った時に家出中の女子中学生がいたからなんです。松本さんの家にたまたま家出中の女子中学生がいたんです。それでマスコミがわーっと騒いだんです。未成年誘拐して監禁した。変態だって」

マスコミの報道が受けて、警察が動いたのでした。

「それに乗った警察が、お前がやったんだろう、ロリコンなんだからって。それで犯人にさせられたんです。その家出少女、松本さんから指一本触れられてなかった。それどころか、とっても優しくて、娘みたいに大事にしてくれたって」

岸本は「家出少女、本人から聞いた」と言うのでした。

責任なんて取りたくない

浅川はテレビ局で流れていたニュースに目がいきます。

「八飛市で行方不明の中学2年生・中村優香」

この事件は続いているかと思ってしまうのでした。それもあって、岸本に助言します。

「ダメもとで報道に持ち込んでみれば」

岸本は浅川が動いてくれるのを期待しましたが、浅川はそんなつもりはありません。ただ、報道部にいる同期には連絡してあげました。

「あー時間ない。もし冤罪だったとしても、最高裁で死刑決まっちゃってるんでしょ?」

一応は話しを聞いてもらえましたが、一切取り合ってもらえません。それを岸本が浅川に報告すると、浅川は言うのでした。

「誰も、自分たちが報道したことの責任なんて取りたくないんだよ。だから報道って、時間無いフリする」

斎藤正一

局で岸本は政治部・官邸キャップの斎藤正一に会いました。斎藤は、岸本が入社した時の指導係を務めてくれた人です。

その斎藤に八頭尾山の事件を覚えているかと聞聞きました。

「家に家出少女いたやつ。たしか死刑判決出てたよね」

斎藤は取材したことがあったのでした。

浅川と斎藤の関係

岸本は浅川に合流すると、斎藤のことを聞きました。

その時、フロア内の空気が凍りました。しかし、岸本は気づいていません。

「例の事件、取材したことあるらしくて、話しを聞かせてくれるっていうんです。一緒に行きましょう」

そして、永田町にあるホテルのラウンジで斎藤と岸本は待ち合わせしました。浅川に場所を連絡しましたが、まだ来ていないようです。もしかすると、乗り気じゃなかった浅川は、来ないのかも知れません。

「社内の人間関係に興味ないだろう?」

斎藤は岸本にそう聞きます。

「よくわかりますね。最初は興味があって聞くんですけど、すぐ忘れちゃうんですよ」

そして、浅川が飛ばされた理由を岸本に聞く斎藤。岸本は「路上キス」と答えます。そして、ネットで検索して見ると、浅川の路上キスの相手は、斎藤だったのでした。

わかっていなかった岸本、さすがに浅川は来ないだろうと思った時、浅川が現れました。

ないかじゃなくて、あるか

斎藤に岸本が説明しますが、要領を得ない説明でした。それでも、岸本が冤罪を証明したいと思っていることを理解した斎藤。

「どんなことでもいいんでアドバイス下さい」

そう岸本に言われ、一応アドバイスをします。

「冤罪だと証明するためには2つある。ひとつは、アリバイの立証を行えるような証拠を見つける。もうひとつは、真犯人を見つける」

しかし、かなりハードルが高い内容です。警察、検察、裁判所の岸本より賢い人間が、何十人何百人と関わって出した判決です。それぐらい、最高裁の判決は重いと斎藤は言います。

「僕はいかに可能性が”ない”かではなくて、どうすれば”ある”かを教えてもらいたいんです」

そう正論で岸本に言われ、笑い出す斎藤。今度は、可能性のある方法について、教えてくれました。

アドバイス

「再審請求ってされてるの?」

そう聞かれた岸本は、すぐに答えられませんでした。そこに浅川が助け舟を出します。

「されてます。ずっと支援している弁護士がいて」

それを聞いて、齋藤は言うのでした。

「特集やるだろうな、俺なら。連続殺人と冤罪疑惑の調査報道。ネタとしては面白いから、上手く煽れば盛り上がるだろうし、国中から再審しろって声が上がれば、裁判所も聞かない訳にいかない」

しかし、岸本がいるのは報道局ではなく、バラエティーの「フライデーボンボン」です。

その時、先に帰ると言い出す浅川。急いでトイレに駆け込むと、トイレで食べたものを吐くのでした。

浅川が帰った後、岸本は斎藤に浅川と別れた理由を聞きます。

「フラれたんだよ、俺が」

しかし、真相はまだわかりません。

覚悟

打ち上げの席で、相変わらず無になってる浅川。そして、いつも通り先に帰ります。その浅川の後を追う岸本。浅川を呼び止めると、無理やり話しをします。

「ダメもとで、特集の企画書出してみようかと思うんです。村井さんは案外おもしろがってくれるんじゃないかと思って」

しかし、浅川には難しいように思えます。

「君、そんなにやりたいの?冤罪って大変だよ」

岸本は「とりあえず、やるしかないです、僕」と言うのでした。

「僕、両親が弁護士なんですよね。パパは僕が9歳の時に死んじゃったんですけど、弱い人のために戦いまくったらしいんです。やっぱり血なんですかね」

それを聞いて、浅川は自分が扱った調査報道のことを話してくれました。

「私のやった冤罪は、脱税と横領と痴漢で、せいぜい3年とかだった。死刑囚とか扱えなかった。怖くて。覚悟できてる?失敗したら、その人普通に死刑になるよ。それを受け止める覚悟、できてる?」

岸本は、うなずきます。それを見て、浅川は「わかった」と言って、協力することにしました。

わかりたくない

岸本が企画書を書いて、浅川が添削しました。

「3つの事件の位置関係がわかるものがあった方がいいかも」

そうやってできた企画書を村井に見せます。

「ねえ、バカなの君たち。それとも、俺がバカにされてるの?」

そう言う村井は、最初から完全否定です。

「お前ら、フライデーボンボンを何だと思ってる。ビジネスホテルの大浴場、牛丼屋の紅ショウガ、パンチラ。なくてもいいけど、あったら嬉しいもの。そういうもんだ」

岸本も「見ごたえを追及してもいいんじゃないかと」と反論しますが、一瞬で蹴散らされます。その村井に浅川が口答えします。

「社会の闇を暴く」

そう言った途端、村井の圧倒的な反撃です。

「闇ってなんなの?その奥に何がいるの?言えるか?言えねえだろうが。
 闇にあるものってのはな、それ相応の理由があってそこにあるんだよ。おもちゃみたいな正義感で手を出して良いもんじゃない。この世間にもいろんな怖い生き物が、目に見えない縄張り張ってたりするんだよ。どこに何がいるかわからないようなガキが、ぶんぶん棒振り回したりしたら、大変な目に合うってこと。冤罪を暴くってことは、国家権力を敵に回すってこと、わかる?」

しかし、浅川は引く気はありませんでした。

「わかりません。私はもう、わかりたくありません。そういう理屈がおかしい物は・・・・」

そこまで言ったところで、吐き気をもよおしてトイレに駆け込みました。

開いた扉

吐くだけ吐くと、浅川は岸本を連れて屋上に行きました。

「私、やるから、このネタ。やるよね?」

しかし、村井に蹴散らされた岸本は、すっかり折れてしまっていました。

「僕、甘かったなって。村井さんは報道にいて、いろいろなことを知って・・・」

そんな岸本を浅川が励まします。

「ダメだよ、真に受けちゃダメだよ。アナコンダだろうが国家権力関係ない」

しかし、岸本は戻ってきません。

「最初から死刑囚の松本さんはどうでもいいです。実は、ボンボンガールのあさみちゃんを口説いちゃって。それを録音されて、ヘアメイクのチェリーさんに脅されて、浅川さんに持っていくように言われたんです。保身なんです。自分を守りたいだけなんです。自分を守ろうとしたら、危ない方に言ってるよって言われただけなんです。そういう男なんです。すみません」

すっかり梯子を外された浅川は、岸本を思いっきり殴りました。

浅川は吐きそうになるが、それを飲み込むと言うのです。

「私はもう飲み込めない。これ以上。飲みたくない物は飲み込まない。でないと、死ぬし、私」

閉ざしていた浅川の心の扉が開いた瞬間でした。その中にあるのは希望なのでしょうか?厄災なのでしょうか?

大門雄二

大門雄二副総理が大洋テレビにやってきました。

大門は、警察庁長官を経て議員になり、副総裁というポストについています。

出迎えるのは、官邸キャップの斎藤です。

ニュース8に出演するためにやってきたのでした。

チェリー

岸本は、チェリーを呼び出しました。

「やれることは全部やったと思う。録音データばらまくなら、ばらまいてもらっていいっす」

そういうとうなだれる岸本。チェリーは手に巻いたサポーターを外して、岸本に見せました。手はやけどの跡のような傷が残っていました。

「母親の内縁の夫に虐待されてたんですよ。これやられた時に家を出たんですよ。行くところないなら、おじさんのところ来てもいいよって言ってくれて松本さんの家に行ったんです。
 奥さんと子供、事故で亡くしたんだって。子供は私と同い年だったんだって」

そして、警察が聞き込みに来ている時に、一人暮らしのはずの松本の家に少女がいたのです。それから少しして、突然警察が来て、松本を連れていったのでした。

「あの時、私さえいなければ、おじさんが逮捕されることが無かった」

岸本は泣いていました。しかし、チェリーの話しを聞いて、松本のために泣いている訳ではありませんでした。岸本は岸本の過去に見た、掌のことを思い出していたのです。

「完璧な僕の完璧の人生が全て偽物。僕は善人じゃない」

新たな事件

行方不明だった中学生が、遺体で見つかった。

見つかったのは八頭尾山です。

浅川はそれをテレビで見ていました。

「またやったんですよ」

以前の事件と類似する点が多い事件が発生したのでした。

最後に

秋ドラマの最後の最後で登場した「エルピス」。

出演者を見て、かなり気になっていました。そして、脚本、監督も好きなドラマの人だったので、なおさら楽しみでした。

第1話、浅川だけでなく、岸本も斎藤もチェリーも、一癖も二癖もありそうな感じ。そして、まだ明らかにされていない過去もありそうです。

そう言えば、チェリー役の三浦透子は、鎌倉殿の13人にも出ていましたが、ドライブ・マイ・カーも良かったです。

なかなか見ごたえがありそうなドラマのような予感です。

来週の予告

楽しみです。

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