2021年で30周年を迎えた十二国記の世界の基礎知識について、まとめていきたいと思います。
この基礎知識を読んでから物語を読むことで、少しは理解の役に立つのではないかと思います。
まだ物語を読んだり、みたりしたことのない方は、ぜひ目を通して見て下さい。
物語の概要
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アニメ化もされ、知っている方も多いと思います。
十二国記とは、我々の棲む世界と、地図上にない異世界〈十二国〉とを舞台に繰り広げられる、壮大なファンタジーです。
二つの世界は、「蝕」と呼ばれる現象によってのみ、行き来することができます。
十二国では、天意を受けた霊獣である麒麟が王を見出し、「誓約」を交わして玉座に据えることで治めています。
選ばれし王が国を治め、麒麟がそれを輔佐します。
しかし、道を誤れば、王はその命は失われることになります。
気候、慣習、政治体制などが異なるそれぞれの国を舞台に、懸命に生きる市井の民、政変に翻弄される王、理想に燃える官史などが、丹念に綴られている壮大な物語です。
発表されている小説(物語内の時系列順)
- 「魔性の子」
- 「月の影 影の海」
- 「風の海 迷宮の岸」
- 「東の海神 西の滄海」
- 「風の万里 黎明の空」
- 「図南の翼」
- 「黄昏の岸 暁の天」
- 「華胥の幽夢」
- 「丕緒の鳥」
- 「白銀の墟 玄の月」
王の基礎知識
麒麟は国に生まれた人の中から、王を選びます。
しかし、選ぶ基準がある訳ではなく、見た瞬間に王だとわかると表現されています。これが天の意思です。
そして、その王と契約を結ぶことで、人は王(不老)になります。
王は、善政を行えば、何十年、何百年と王として生きることができます。
そして、王は、王となった後に子を成すことができません。
そのため、王の子供に王位を譲るという概念がありません。
尚、王に選ばれる前に子を成すことはできます。
そして、王となった後、公子として仙にすることができます。
しかし、王と同じ姓が、次の王にならないことが決められています。
王が悪政を行うと、国が乱れ、妖魔が出現するような状態になります。国が傾くと表現されます。
さらに、悪政を行うと、麒麟が病気になり(失道)、その後死に至ります。
麒麟が病気などで死ぬと、王も死ぬことになります。
麒麟が王の半身であると表現される意味がこれです。
他に不老となった王が死ぬ方法は、首を斬られることで死にます。
物語では、政変やクーデターが描かれています。
麒麟が存命中に王が死ぬと、麒麟は新しい王を選んで、王位につけます。
麒麟がいない状態で王が死ぬと、麒麟が新たに生まれ、成長し、王を選ぶまで王が不在の状態となります。
王がいない場合、国は荒廃し、妖魔が出現する状態になってしまいます。
逆に王がいるだけで、国は安定し、妖魔が出現することはなくなります。
麒麟の基礎知識
麒麟は霊獣で、慈愛の存在と言われています。
蓬山の捨身木に卵果とよばれる実がなり、そこから生まれます。
大人(成獣)になるまで、女仙と呼ばれる仙人が育てます。
生まれた時の姿は、獣(一角の馬のような形)であり、成長すると人型になることができるようになります。
麒麟は血や穢れを嫌い、長く穢れに触れると病気になってしまいます。
病気になったり、首を斬られることによって命を落とします。
そして、麒麟は王宮のある州を治める州公でもあありますが、実際には官吏によってその州は統治されています。
仙人
王宮に使える人は、仙になり不老となります。
これは、王や麒麟が不老であるため、それにあわせ王宮に使える人も仙人にすることになっています。
仙人は、王が指名することで、仙籍に入れることができます。
逆に、王が仙籍から外すこともできます。
この王が命じて仙になった場合と異なり、自分自身が精進することで仙人になることもできます。これを飛仙と呼んでいます。
この飛仙は道を知る者であり、物語の中でも景王を導く存在として描かれています。
人についての基礎知識
人は、里にある里木と呼ばれる木になる、卵果の実から生まれます。
結婚した夫婦が祈りを込めてリボンを里木に結び、女神様に認められると卵果がなります。
そのため、出産という方法を用いずに子を成すことができるシステムです。
人が生まれると、国から人が1年間生きれるだけの田畑をもらうことができます。
そのため、生きる事だけを考えれば、もらった田畑を維持するだけで生きていけます。
しかし、実際には、王の不在や失政などで、凶作になったり、飢饉が起こります。
そして、村や国を離れる人がいます。
世界のシステムによって、人生が左右されるのは、この世界以外でも同じですね。
半獣の基礎知識
里木になるのは、人だけとは限らないことになっています。
半獣と呼ばれる、麒麟のように人間の姿と獣の姿になれるものも生まれます。
国(王)によって、半獣の扱いが違っています。
半獣を人間として扱わない国もあり、半獣を分け隔てなく認めている国もあります。
そして、半獣は獣の姿になることで、獣の力を発揮できるものもいます。
この半獣は、見た目の醜悪と同じように差別してはいけないものですが、それを差別する王や国も描かれます。
半獣には大きなテーマが、隠されているのかも知れません。
海客・山客についての基礎知識
海客は、日本(蓬莱と呼ばれている)からやってきた人を指します。
山客は、中国(崑崙と呼ばれている)からやってきた人を指します。
基本的に日本や中国との行き来はできないことになっていますが、天災である蝕によって流されてくる場合があります。
その蝕は、天災だけでなく、麒麟が意図的に起こすこともできます。
蝕が起こると、周辺の村などに災害として影響があるので、麒麟は蝕を起こすことを嫌います。
そして、海客・山客がやってくることによって、十二国記の世界にない新しい技術や制度を導入することがあります。
そういう意味で、海客・山客を歓迎する国もあれば、起こる蝕の影響で悪魔として扱う国もあります。
胎果についての基礎知識
卵果の状態の時に蝕によって、日本や中国に流され、生まれた人のことを言います。
その胎果は、王や麒麟であることがあります。
麒麟が胎果である場合、育てる妖獣が日本などで探し、十二国記の世界に連れてきます。
王が胎果である場合、麒麟が探し連れてきます。
実際に、景国女王、雁国王、雁国麒麟、泰国麒麟などは、胎果として描かれています。
最後に
基礎知識としてまとめましたが、まだまだ書きたいことがたくさんあります。
しかし、物語を通して十二国記の世界を知った方が、より深く理解できると思います。
そのため、本当の基礎となる部分だけ書きました。
これから、少しずつ物語を紹介していきたいと思います。
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