姑獲鳥(うぶめ)の夏

本映画・ドラマ

「姑獲鳥の夏」は、京極堂シリーズと呼ばれるシリーズの第1作目です。

ドラマの『ミステリと言う勿れ』の天使(放火犯)の回を見てたら、なんとなく思い出した作品です。

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感想(21件)

あらすじ

時は第二次世界大戦後、東京・雑司ヶ谷の医院に奇怪な噂が流れおり、関口はその噂の真相を知るために京極堂を訪ねる。

噂とは、娘は20箇月も身籠ったままで、その夫は密室から失踪したという。

さらには、久遠寺病院の久遠寺梗子の夫、牧朗の失踪、連続して発生した嬰児死亡などの事件。

京極堂は驚く様子もなく「この世には不思議なことなど何もないのだよ」と言うのだった。

登場人物は

  • 神主で拝み屋で古本屋・中禅寺秋彦
  • 小説家・関口巽
  • 人の記憶を視ることができる超能力探偵・榎木津礼二郎
  • 京極堂の妹である編集記者・中禅寺敦子
  • 東京警視庁の刑事・木場修太郎
  • カストリ紙の編集者・鳥口守彦

などを巻き込みながら、事態は展開していく。

さらにこの事件は、関口自身の過去とも深く関係していた。

噂は意外な結末へ、という内容。



感想

基本的に難解な小説に入ると思います。個人的感想。

言葉使いや出てくる漢字、時代背景は簡単に読み進められる感じではありません。

それが、引き付けられる魅力でもあります。

主人公の京極堂こと中禅寺秋彦は、『憑き物落し』をします。

登場するのは前編を通してですが、いろいろな人がいろいろな情報を持ち寄ります。

その情報基に、最後の最後に憑き物を落とすために登場します。

友人の関口の問いかけに中禅寺は、たくさんの言葉を使って、語ります。

蘊蓄や伝承、心理学的側面、そういういろいろな情報をたくさんの言葉を使って表現します。

そのそれぞれが、難解であり、面白いと思う要素でもあります。

この沢山の言葉を経て、物語の真相へたどり着くのですが、この言葉を経たからこその結末なのです。

さらに、見えないものが見える探偵『榎木津』が出てくることで、榎木津だから見えると思わされるミスリードが発生します。

また、精神を病んでしまっている関口が、混乱と錯覚と記憶の狭間で、物語が深みにはまっていくことになります。

そして、中禅寺の手で最後に呪いがかけられます。

難解であり、本が好きな人には読み応えのある、ご褒美のような作品になっています。

原作と映画

この京極堂シリーズは映画にもなっています。

今回紹介した『姑獲鳥の夏』だけでなく『魍魎の匣』も映画化されています。

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感想(0件)

ただ、京極堂シリーズを映像で作ってしまうと、圧倒的文字数を使った言葉の波を表現しきれません。

この物語で表現される切なさや悲しさも、とてもチープになっているのが残念です。

映像としてはいいとは思うのですが、物語を紡ぐという点では、あまり評価できないなと思っています。

逆に言えば、この物語を満足できる映像にできたら、ファンにはたまらない作品になるのだと思います。

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