再起 には、少し時間がかかったようです。
全てを失ったアトム玩具と、その従業員たち。どうやって生活しているのでしょう?
そして、さらに巨大化したSAGASと、その社長・興津。
そんな第6話のネタバレです。
主な登場人物
安積那由他 山﨑賢人
富永海 岸井ゆきの
興津晃彦 オダギリジョー
菅生隼人 松下洸平
緒方公哉 柳俊太郎
森田聡 岡部大(ハナコ)
相良晶 玄理
富永繁雄 風間杜夫
各務英次 塚地武雅(ドランクドラゴン)
八重樫謙吾 でんでん
小山田賢雄 皆川猿時
井出大 馬場徹
第6話のストーリー
1年後のSAGAS
やよい銀行に動産担保を取られ、株はSAGASに売却されました。
アトムとSAGASのゲーム開発競争は、SAGASがアトムを買収することでSAGASに軍配が上がったのです。SAGASは、買収で手に入れたアトムワールドを強大なプロモーション力で大ヒットさせました。
アトムを買収から1年後、SAGASの興津は経済産業省が主催するクールジャパン経済推進会議に参加していました。
そして興津は、官僚との連携を深め、ゲーム業界をリードする人物になっていました。
やよい銀行の支店長・小山田は、約束通りSAGASにヘッドハンティングされたようです。その会議にSAGAS側として、参加していました。
1年後の海と隼人と那由他
そして、ばらばらになったアトムの従業員たちの中で、海は契約社員としてやよい銀行に戻っていました。銀行を辞めてアトム玩具の社長になった訳ですが、やよい銀行では融資窓口を担当していました。今回、出戻って配属された部署は、同じ融資窓口でした。
銀行の先輩の井手が、海に気を使ってくれます。井手は、動産担保の差し押さえの場にもいました。
そして、隼人はゲーム開発での技術を使って、AI開発をやっているようです。自動車会社の自動運転に活かして、正社員にならないかと誘われていました。しかし、隼人は「まだやりたいことがある」と断っていました。
那由他は、以前働いていたの自動車整備工場で働いています。
昼休憩を取らずに早上がりして、小学校の学童保育クラブでも働いています。
那由他は、子供たちに向けて簡単なゲームを作っていました。しかし、学童保育とは言え、学校にゲームを持ち込んだことで、PTAからクレームが入ってしまいました。
「ゲームは子供にとって有害。夢中になって勉強しない、外で遊ばなくなって体力が落ちる、視力が落ちる。今後、学童にゲームを持ち込むのは控えて下さい」
そう言われ、那由他は受け入れるしかありませんでした。
シリアスゲーム
晶は、隼人と待ち合わせしました。隼人にゲーム会社の正社員で就職しないかと、紹介してくれていました。
しかし、隼人にはその気はありません。もう一度アトムのみんなで集まってゲームを作るだけでなく、新しいことをしたいと、隼人は考えていたのです。ただ、そう言い始めて、もう1年経っていました。
PTAからの反発にあって、落ち込みながら那由他はゲーム部屋に帰ってきました。今はここに住んでいるようです。そのゲーム部屋では、隼人が待っていました。
そして隼人は、開発した車の自動運転のシミュレーションソフトを那由他に見せます。
「これ自動運転のために作ったんだけど、他には手術の練習をするためのゲームとか、子供の勉強を助けるとかがある。そういうのをエンタメのゲームと分けて、シリアスゲームって言ったりするんだよ」
今は、ゲームがただ楽しむだけじゃなくて、人のためになるために存在する時代になっています。
那由他は、ただ喜んでくれる人がいるからゲームを作っています。人のため、社会のために作っている訳ではありませんでした。
「俺さ、ゲームは有害だって面と向かって言われたの初めてで、結構ショックで。よく考えたらさ、俺たちの作ったゲームなんてこの世に必要ないのかもな」
那由他は、そんな思いを持ち始めていたのでした。
新しいアイディア
学童保育で預かっているショウタの母親のお迎えが遅れていました。
那由他は、ショウタと一緒に家に帰ろうとします。そこにショウタの母がやってきました。那由他とショウタ、ショウタの母の3人で帰ります。
途中の交差点で、信号が変わりそうな時にショウタは飛び出そうとしてしまいます。それを見た那由他は、ショウタを体を張って止めました。
「ここだけじゃないんです。街灯が少ない場所も多いんです。それに、路地から飛び出してきた自転車にぶつかって傷を作ったこともありました」
危険な場所があるので、ショウタの母は一人で帰したくありませんだから、学童保育を利用していたのです。
その話を聞いて、那由他は隼人に連絡しました。
「あのさ、ちょっと思いついたことがあって、ちょっと手伝ってくれないかな?新しいゲーム作るんだよ」
それを聞いて、笑みがこぼれる隼人。そして、隼人の作ったCG技術を使ったゲームを作ろうとするのでした。
売地
海は、やよい銀行からの帰宅途中、実家のあった場所に行ってきました。実家のあった場所は、アトム玩具の本社でもありました。しかし、担保に入れていたために差し押さえられ、SAGASによって売地になっていました。今は、ボロボロの廃墟になっています。
実家のなくなった海と、海の父・繁雄はアパートを借りて生活していました。
繁雄の所には、八重樫から連絡が入っているようですが、海は会う気になれません。
ある時、那由他がアトム玩具の跡地に行くと、立ち入り禁止の敷地内に繁雄の姿を見つけました。海が家に繁雄の姿がないことに気づき、アトム玩具の跡地で久々に那由他に再会しました。
「これ見てよ。隼人と作って、まだ試作品なんだけど。これ作ってたらアトムの事、懐かしくなってさ。みんなでさ机並べてゲームのデモしたり、宴会でさ・・・・」
那由他が説明すると、海は怖い顔で那由他を見つめます。
「今はバラバラになってるけど、みんなに声かけて、またアトムで。。。」
那由他はみんなと一緒にゲームを作りたいのです。しかし、海には余裕がありません。そして、繁雄を急かせて帰ってしまいました。
「あいつだって心の底じゃ諦めてないんだ。だから、見捨てないでくれ。俺だって、まだ諦めてない。アトムってのは、諦めない気持ちだ」
繁雄はそう言うのでした。
海の責任
那由他と別れた後、海はネットカフェに来ていました。海はストレスが溜まると、ゲームを大声で独り言いながらするのです。
店長・森田は「いつも口悪い」と言いながら、海に那由他のことを伝えます。
「あいつ、いつも海さんが来てないか気にしてましたよ。今、あいつがなに考えてるか知らないでしょ?この1年、海さんたちのこと心配していたんです」
そう言われて、海は「余計なお世話なんだ」と言うのでした。
海は、那由他たちに引け目を感じていたのです。
「私が全部だめにしちゃったから。アトムでゲーム作って欲しいって無茶なこと言って、那由他くんも隼人くんもすごい頑張ってくれて。それなのに、私が。。。私のせいで、全部取られちゃったから。どんな顔して会ったらいいかわからない」
そんな気持ちを聞いて、森田は受け入れるしかありません。
そんな時、海に隼人から連絡が入りました。シリアスゲームについてでした。
一人で帰れた
那由他は、作ったゲームをショウタとショウタの母にやってもらいました。
家から学校まで再現したゲームは、交通ルールを守って家に着いたらゴールというゲームです。
途中の信号がある交差点は、車の通りが激しくなっていました。
「そこ危なかったところじゃない?ちゃんと止まって、左右見ないとね」
ショウタは母と一緒にゲームを見ながら、話し合っています。そして、ゲームをしていると、ゲーム上では夜になっていました。昼や夜、天候も変えれるようになっていました。
「ゲームはできない体験を何回もできるんで、危ない目にあわないで登下校の練習が何回もできると思います。これで登下校の練習を何回もして、ショウタも一人で帰れるようになろうね」
那由他は、ショウタやショウタの母の不安を解消できればいいと思って、ゲームを作ったのです。
「視点が・・・子供の視点って、もっと低いと思うんです。高さが変わっちゃうと、見える世界が変わってしまう」
母の意見も取り入れ、ゲームを更新させました。そして、ショウタはゲーム内で、一人で帰宅することができました。
そして、今度は自分で実際に帰ってみることにします。ショウタは、那由他と母が待つ自宅まで、ゲームの要領で注意しながら帰ります。
怖かったトンネルも一人で通って、交通ルールを守って帰ってくることができました
ゲームの更新
ショウタが一人で帰ってこれたことで、那由他と隼人はピザで打ち上げをしていました。
「ありがとうな、誘ってくれて。やっぱお前とゲーム作るの楽しいわ」
隼人も楽しそうにしていました。そこに、ショウタの母から電話がかかってきました。
「すみません、相談したいんですけど。ママ友がうちに遊びに来てまして」
ママ友たちも、自分達の家に帰る練習として、ゲームをしたいと言うのでした。
しかし、那由他と隼人だけでは範囲が広くて、対応できません。そこで、各務と八重樫に手伝いを頼んだのでした。各務と八重樫は、SAGASで働いています。しかし、お荷物扱いされているようです。
那由他と各務、八重樫は近所に聞き込みをして、危険な場所を地図に書き込んでいきます。そして、隼人はタクシー会社で、過去の事故発生場所について聞き込みをしていました。
できたゲームは、保護者と子供達を集めて、実際にプレイしてもらいました。
「やっぱり人に喜んでもらうのって、めちゃんこ嬉しいですよね」
各務は、そう言って喜んでいました。そこに八重樫が、海を連れて作ったゲームを見せました。
謹慎
PTAは、那由他たちが開発したゲームを見て、学校に通報しました。その結果、那由他は学童保育を謹慎処分になってしまいました。
「俺たちのゲームが禁止になったことがキツイよ」
那由他は、学校の外でやってることに口を出してきたことに納得できません。
「PTAに那由他さんが目の敵にされているんでしょ」
八重樫はそう言うのでした。
「じゃあ、そのPTAの人を説得すればいいんでしょ?」
以前、学校にゲームを持ち込んでから、PTAは那由他を目の敵にしているようです。
「そのPTAの人を説得すればいいんでしょ?」
PTAと敵対するのではなく味方にすれば、物事はすんなり進むと考えました。そう決めると、学校とPTAの前で那由他たちはプレゼンすることにしました。
ゲームは有害じゃない
「実は、タクシー会社やカーナビの会社は、過去に事故が起きた場所や、急ブレーキが起きた場所の情報を蓄積しています。その情報を提供していただきこのゲームに反映しています」
事故情報だけでなく、自治体が出しているハザードマップの情報、天候の変化もゲームに反映していました。
「私から一つよろしいですか?これはあくまでゲームですよね?それだと答えは変わりません。親は学校に勉強させに行っているのであって、遊びに行かせているのではありません」
PTAの反応は、ゲームを見ても変わりませんでした。そして、那由他たちが個人で動いているのも、信用できないようです。
その場には、海も来ていました。海が反論します。
「この人たちは、そんな人じゃありません。このゲームは、子供が一人で登下校するために作られました。作っている時は、真剣に丁寧に作っていて、彼らは純粋に子供のたちのために作ったと思いますよ」
そして、那由他も反論します。
「僕は、このゲームが子供達のためだけでなく、親御さんたちのためになればいいなって思っています。このゲームを親子でやってもらえば、安全に登下校するためにはどうしたらいいのか、一緒に考えることができます。これは、ゲームだからこそできるコミュニケーションだと思うんです」
那由他はゲームは有害なものだけではないと言うのでした。
海の目標
今回のプレゼンの場は、海が調整して整えてくれたのでした。しかし、PTAを説得できませんでした。
「いい勉強になりました。今までゲームを好きな人にしか会ったことがなかったから」
那由他たちは、ゲームに否定的な人たちが世の中にいることに気づかされました。
その時、海は1枚の名刺を出しました。
つむぎ生命株式会社 会長 伊原総一郎
「この人が、二人のゲームに興味持ってくれている。ほとんど話は通しておいたから、あとは二人で判断して」
海は、ゲームを買ってくれそうな先を調べてくれたのです。
「二人とも、ずっとこのゲームを作り続ける訳じゃないでしょ?保険会社なら、登下校ゲームに興味持ってくれると思ってね。今はゲームはいろんな使い方ができる時代だから」
しかし、那由他はそこまでしてくれる海の真意がわかりません。
「私は二人に借りがあるから、それを返したいだけ。私が二人をアトムに誘ったのにあんなことになっちゃったから」
そして、隼人が海をゲーム作りに誘いますが、海に拒否されてしまいました。
「私には私の目標があるから。二人には絶対教えない」
そう言うと、海は一人帰っていきました。
アトムの子供
那由他と隼人は、ネット銀行の残高を見ていました。
「1、10、100、1000・・・・5000万円」
作ったゲームは、いい値段で売れたようです。
それから海は、アトム玩具の跡地をいつものように見に行っていました。
ある時、売地の看板が取り外された場面に遭遇します。海は、お金を貯めて自分で買い戻したいと思っていました。しかし、その前に買い手が付いてしまったのです。
敷地に入って、契約した人に会いに行きました。その購入した人は、那由他と隼人だったのです。
「ここ、俺たちの新事務所として買ったんだよ。もう1回、ここから始めたかったんだ」
那由他はそう言うのでした。隼人も同じ意見でした。
「俺たちは、もう1回アトムのメンバーと一緒にやりたいんです。だから、ここじゃなきゃダメなんです」
そして、那由他は海を誘います
「俺たちは絶対あきらめない。だって、アトムの子供だから。繁雄さんが、アトムとはあきらめない気持ちだって言ってた。もちろん、繁雄さんも住んでもらって、俺たちはガレージで作業してさ。もう1回社長やってよ。そんでさ、俺たちのゲーム、売って売って売って、売りまくってくれよ」
これからのアトム
那由他と隼人は、二人でガレージの掃除をしていました。
「これからは俺がシリアスゲームを作って、那由他がエンタメゲームを作っていく。お互い協力しながら、両輪で頑張っていく。俺はアトムで、お前やみんなとゲームを作っていたい」
隼人のやりたかったことはこれでした。それは、那由他も同じです。
そこに各務と八重樫もやってきました。そして、繁雄も来ています。
「ごめん、お待たせ」
最後に入ってきたのは、海です。海は、登記手続きをやっていました。新しい会社名が発表されました。
「アトムの童」
繁雄はアトムという名前を入れてくれたことに感激しています。
「今度こそ、この場所を無くさないようにしますので、みなさんよろしくお願いします」
新生アトムの出発です。
最後に
SAGASの圧倒的勝利と、アトムの従業員のその後が描かれました。
そして、「アトム玩具」は「アトムの童」として再出発しました。
来週は、アトムへ興津が接近?どういうことなでしょう?
まだまだ波乱はありそうな予感。楽しみです。