比嘉賢三 は暢子達のお父ちゃんです。
8年前に亡くなってしまいましたが、改めてお父ちゃんの存在を意識する1週間になりました。
東京上陸
「あきさみよー」
沖縄から船に乗り、東京へやって来た暢子。友人の早苗と合流したのは銀座でした。
「東京には何人、人がいる訳?」
銀座のど真ん中で「山原帰るー」と叫ぶのでした。
そんな暢子に「ハイカラなレストランでランチを予約してるわけ」とごちそうしてくれる早苗。
ただ、沖縄の言葉丸出しやめようと、先に東京に来ている早苗は言うのでした。
イタリアレストラン、フォンターナ
フォンターナは、銀座にある高級レストランです。
静かで高級そうなレストランにやってきた暢子は、大きな声で「まさかやー」を連発します。
ディナーコースは4000円ぐらい。名護のハンバーガー何個分になるかねと、暢子の食生活とはだいぶかけ離れたレストランでした。
大声で話す暢子達を料理長の二ツ橋は「まさかやー様」と呼んでいました。
最初に運ばれてきたのは、「タコとオリーブの冷製サラダ」です。
これこれこれと言って、サラダにかけられているものを聞きます。
「オリーブオイル」でした。小学生の頃、初めて行ったレストランで食べた味です。8年かかって初めてわかったと言っていました。
料理の美味しさに、早苗も自分で行った事を忘れて、ばんばん沖縄弁で話していました。
安里ボクシングジム
「あの、すみません、比嘉賢秀いますか?」
ランチ後に暢子が一人で尋ねてきたのは、賢秀のいるボクシングジムでした。
「比嘉は逃げた」
そう言われ、絶望してしまう暢子。
デビュー戦の相手は腹を壊していて勝てたが、次の試合では、一方的に殴られて1ラウンドの途中でリングを降りて逃げたというのです。
賢秀は「ありえん、やめた」そう言って、試合の翌朝には消えていました。
そして、沖縄に送ったお金は、ボクシングジムの会長に散々泣きついて前借りしたものでした。それに、ジムのみんなにも借りまくってたようです。
「借金は必ず返しますから」
そう言って賢秀を探しに行く暢子。横浜の鶴見に何度か飲みに行っていたことを聞き出しました。
県人会 会長
頼りにしていた賢秀がいなくて、途方に暮れる暢子。
早苗に泊めさせてもらおうと電話をしますが、間違い電話になってしまいました。東京都と横浜では市外局番が違います。
そんな時、雨が降ってきます。踏んだり蹴ったりとはこのこと。
近くの家の軒下に雨宿りをすると、近くの家から三線の音が聞こえてきます。
「平良」と書かれた表札。思わず扉を開ける、暢子。
「ごめんください」
三線を弾いていたのは、この家に住み沖縄県人会の会長をしている平良三郎でした。
困っている暢子を家に上げてくれる妻・多江。
三郎は沖縄二世で、沖縄には住んだことがないと言っていました。
自己紹介をする暢子。山原村の比嘉賢三、妻・優子の娘だと言います。
それを聞いて、名前に引っかかる三郎。お父ちゃんが鶴見で働いていたことがないか暢子に聞きます。
しかし、暢子は「昔、東京で働いていたと言っていた」と、それぐらいの情報しか聞いていませんでした。
そして、平良夫妻は、暢子に食事をさせ、泊っていくように言いました。
一人の夜
「なんでこんなに親切にしてくれるんですか?」
そう多江に質問する暢子。
「困ってるうちなんちゅを放って置けないの。苦労してきたからね、沖縄二世として」
しかし、多江は詳しくは話しませんでした。
そして、風呂に入らせてもらい、一人布団になる暢子。しかし、寝れません。襖を開け、月に語りかけます。
「お父ちゃん、うち一人で沖縄を出てきたよ」
暢子は、18年間生きてきて、たった一人で寝る初めての夜でした。
結婚観
「良子先生!ピースピース」
そう言ってやってきたのは、製糖工場の息子・喜納金吾です。
「ひとつだけ確認させて下さい。結婚を前提にお付き合いされている男性、いるんですか?」
職場に来られて困っている良子にそう聞く金吾。
「いませんけど」
それを聞くと嬉しそうに帰っていきました。
そして、その日、良子は石川博夫を会っていました。良子も博夫も両想いのはずですが、お互いの気持ちを聞けていません。
「里美先輩、婚約したんですか?」
博夫のことが好きだった里美ですが、博夫が振り向いてくれないことに気づくと、すぐに相手を変えたようです。良子とは違い、ぐいぐい行くタイプでした。
「玉の輿だって。結婚は家と家の経済的な結びつきという一面もある」
そういう博夫。博夫は難しく考えすぎる傾向にあるようです。
良子は煮え切らない態度の博夫に向かって「私が打算的な結婚をするとしたら?」と問いかけます。
「君が望むなら、君自身の人生の重大な決断を下すのは君しかいない。そうだろ?」
博夫はそう言って逃げました。良子は、本当は「やめて欲しい」と言って欲しかったんだと思います。
打算的結婚
大叔父を比嘉家に呼び、お願いをするお母ちゃん。
「もう一度銀行から金を借り、全額ボクシングジムに返済する保証人になってくれということか」
せっかく借金が無くなり保証人から解放された大叔父。しかし、問題は解決した訳ではありませんでした。
「良子、見合いしれ、財産持ちの家との縁談を用意してやる」
そう言って、比嘉家が借金をしない(保証人にならない)方法を考えるのでした。
その時、「失礼します」と言って現れたのは、喜納金吾とその父親です。
「息子とご挨拶に。善一さんから正式に話がくると思うので」
父親はそう言いますが、金吾は突っ走ってしまいます。
「良子さんと結婚させて下さい」
驚く良子。父親は突っ走る金吾を連れ帰りました。
しかし、大叔父からすれば、こんないい話はありません。
「渡に船、棚からぼたもち、火の車から抜け出す最後のチャンス」
そう言って、仲人を頼んでいるという善一の元へ行ってしまいました。
「大叔父さんはあんな言ってるけど、良子の気持ちが一番だからね」
いつもそうです。お母ちゃんは優しく良子にそう話しました。
大城房子
沖縄県人会会長の三郎に就職まで世話をしてもらう暢子。
連れていかれたのは、銀座のフォンターナでした。
「ここで働ける?」
そう聞く暢子に三郎は「雇ってもらえるかは、わからねえ」と言って紹介状を手渡します。
一人で店に入って行く暢子。料理長の二ツ橋に紹介状を渡します。
二ツ橋はオーナの大城房子にその紹介状を渡します。その紹介状を見て、窓の外を見る房子。
三郎と房子には、会わない(会えない?)理由がありそうです。
「どの出身とか誰の紹介とか関係ありません」
そう暢子に言う房子ですが、テストはしてくれることになりました。
就職試験
「ちむどんどんしてきたー」
そう言ってテンションが上がる暢子。
就職試験は「サラダを作る」でした。制限時間は10分。
しかし、暢子は10分を待たずに完成させます。
「合格。このオリーブオイルは香りも味も爽やか、それが生かされてる」
味覚は悪くないことを認められ、次の試験です。
「得意料理を作ってください」
そう言われて思いついたのはヤング大会で作ったナポリタンでした。
不合格
「たったひとつだけ作れるイタリア料理です」
と言って出したのはナポリタンです。
「不合格」
房子が判定し、二ツ橋が解説してくれます。
「まず、ナポリタンはイタリア料理ではない。
それは置いておくとして、これはパスタとして不合格。
パスタは歯応えが気持ちいいもので、こんなに長く茹でて柔らかくしない。
そして、麺の茹で汁に塩を入れなかった。だから下味がついていない。炒める時も具と麺の味付けにムラがある」
作ったのは2回目(正確にはヤング大会とその後の試食会で2回作っているので3回目)と言う暢子を見て、二ツ橋は「もう一度チャンスを与えるべきでは」と房子に掛け合ってくれます。
房子の無言の圧力に屈する二ツ橋。しかし、房子は午後の賄の時間に再度試験を行うことを決めます。
二ツ橋からは、今度は得意なもの、何度も作ったものを作りなさいと言われました。
勝負ソバ
暢子は、共同売店に電話し、お母ちゃんに「うちが一番得意な料理はなに?」と聞きます。
「ソバでしょ、お父ちゃんに習ったソバ」
イタリア料理店の厨房には、小麦粉、豚肉などがあります。
午後の賄の時間まで、暢子は必死にソバを作ります。
「麺は寒水の代わりに重曹を入れたから大丈夫なはず。豚肉は骨つきがなかったから、もらった豚肉を使っ・・・」
もらった豚肉は、賄い用のクズ肉とパンチェッタ(塩漬けの豚バラ肉)を少しだったようです。
作っていくうちに「これ美味しい?」と、不安になってしまいました。しかし、お父ちゃんが教えてくれたこと、お父ちゃんの包丁で挑みます。
「うちが美味しいと思うものを作る!」
そしてできたソバを試食してもらう暢子。
短時間で麺を小麦粉から作り、カツオと豚で出汁を取りました。
「うめー」
スタッフの反応は上々です。
「ちょうど一人、増やしてもいいかと思っていましたので」
そういう二ツ橋に房子は、雇うことを了承しました。
そして、厨房で暢子の包丁を見るオーナー。包丁には「比嘉賢三」と掘ってありました。
あまゆ
鶴見にある居酒屋「あまゆ」は沖縄料理のお店です。
そこの2階に下宿させてもらえるよう三郎が手配してくれました。
店主・順次は、
「すごいな!いきなり県人会長に保証人になってもらって。よろしくね」
そう言って暢子を迎え入れました。
暢子の家賃は、あまゆを手伝うことで安くしてくれるよう三郎が交渉してくれました。
鶴見は京浜工業地帯が近く、リトル沖縄となっていました。
「うちなんちゅ同士、助け合ってるわけ」
そう言う飲み屋は、沖縄人達が集う場所でした。ケンかもあり、その後は踊る。そんな場所です。
三線を弾く三郎の姿が、お父ちゃんに見えていました。
倍返しの男
共同売店に電話をして状況を説明する暢子。そして、良子の縁談の話しを聞かされます。
そして、三郎達に賢秀の所在を聞きますが、賢秀が誰かもわっていませんでした。
そんな時、店の前で言い争う声が聞こえてきます。この声は・・・
賢秀が店に入ってきました。
「このぼってかす!何考えてるわけ!」
そう詰め寄る暢子でしたが、一人で東京に出てきた寂しさの方が勝っていました。
「うちがどんなに一人で寂しがったか」
そう言って賢秀に抱き着きました。
ゴーヤチャンプルの約束
暢子は賢秀に良子の縁談を話して聞かせます。
「うちは、一生結婚しない。結婚したら家族はバラバラになる」
そう言う暢子に賢秀は、「良子は妹、暢子のねえねえなのは変わらない」と言います。
「ゴーヤチャンプルの約束、覚えてるか?」
昔、村芝居を見に行く約束していて、お父ちゃんが出稼ぎに行くことがありました。約束を破るなと言う暢子に、暢子だってゴーヤチャンプルを食べる約束を守っていないというお母ちゃん。
「家族は一緒にいないといけないんだよ。お父ちゃんが出稼ぎに行ったら、うちらは家族じゃなくなるさ」
そういう暢子に「そんなことはない。離れていても繋がってるから家族。離れていても思い出がある」とお父ちゃんは諭しました。
それがあってから、暢子はゴーヤが大好きになりました。
良子が結婚したとしても、姉妹ですし、家族であることも変わりません。それを思い出した暢子。
昨日は寂しくて寝れなかった暢子ですが、今日はにいにいがいると安心しています。
「困ったことがあったら一番に俺を頼れ、俺は死ぬまでお前のにいにいやからさ」
そういう賢秀ですが、朝早く賢秀は出かけて行きました。暢子の財布のお金を持って。そして、残した手紙には「倍にして返す」とありました。
それにしても、全く頼れない兄です。
良子と博夫
「聞きたいんです。博夫さんがどう思うか」
縁談が来ていることについて、博夫に意見を求める良子。これが博夫の背中を押すことになればいいのですが。
しかし、博夫は良子の期待を裏切ります。
「俺の意見は関係ある?」
良子の人生に博夫がとやかく言うことができないと思っています。
ただ、結婚をやめて欲しい、俺と結婚してくれ、良子はそう言ってくれるのを期待していました。
「弱いワケさ、結局。だからすぐ誰かに意見を求める。
打算に傾くのが善か悪かとっくに結論は出てる。
だけど、人生には打算的にならなければいけない時はある」
そう言って、良子は博夫にさよならを告げました。
ただ、打算に傾くことは善でも悪ありません。良子も難しく考えすぎです。
歌子と智
智は比嘉家に来て、歌子と話しています。
「俺も東京にいく」
鶴見に住んでいる智の先輩に手紙出したら、仕事も住むところも紹介するって返事が来たと言っています。
「鶴見?暢ねえねえと一緒?」
驚く歌子。やっぱり、智は暢子のことが好きなんです。
「それはたまたま・・・まだ誰にも言ってない。歌子にだに特別」
そう言って帰っていく智。ずるい男です。
博夫に別れを告げてバスで帰る良子。
海に来て一人「椰子の実」歌う歌子。
競馬で負ける賢秀。
居酒屋を手伝う暢子。
内職をするお母ちゃん。
それぞれの生活がありました。
初日
房子は、暢子が持ってきた三郎の紹介状を見ていました。
その中に「比嘉賢三君の娘で・・」と書いてある部分がありました。
それを見た房子は「まさかやー」と言っていました。
そして、迎えた暢子の初日。
コック姿に着替えると、似合いすぎて気合が入ります。
そこで房子に「これから10日間働いて下さい」と10連勤するよう言われます。
二ツ橋もスタッフも驚きますが、房子は「尻尾巻いて逃げ出されるなら、早い方がいいでしょ?」と言います。
しかし、暢子は逃げる気なんてありません。
「絶対に辞めません!」
そう宣言するのでした。
最後に
比嘉賢三 は、鶴見でどんな暮らしをしていたのでしょうか?
三郎や房子との関係は?
それにしても、賢秀が登場しましたが、あいかわらずボッテカスでした。
そして、ギャンブルだけは強いと言われていましたが、暢子の金をすっていました。
なんにしても、しばらく出てこないで欲しいです。
しかし、良子の結婚はどうなるんでしょう?智は鶴見に来るのか?
来週も楽しみです。