倍返し と言えば、半沢直樹です。
今週はバンカーでなくバカな賢秀が倍返しした話になっています。
そして、暢子は東京でコックになれるんでしょうか?
倍になって返ってくる日
産業祭りの翌日、賢秀は帰ってきませんでした。
比嘉家では、お母ちゃんと三姉妹で、フレンチトーストを朝食として食べています。
それも、箸で、ゆし豆腐と共に。
そして、どうしてもお金が倍になることに懐疑的な良子。
当たり前の反応です。
そんな時、賢秀は我那覇と会うために、約束のハンバーガーショップへ向かっていました。
しかし、お母ちゃんが共同売店に行くと、早苗のお父さんから詐欺の話しを聞きます。
「通貨交換の詐欺が増えてるって」
そう言われ、詐欺であることを確信するお母ちゃんでした。
東京弁
学校で暢子は、ヤング大会で作ったナポリタンの実食会をやっていました。
東京に行く気満々の暢子。住む場所は「銀座」だそうです。
「~だぜ」や「~じゃん」を使ってみせ、東京弁で盛り上がります。
流暢とは言えませんでしたが、東京への憧れってこんな感じであったことを思い出しました。
大荒れ
夜になり、ハンバーガーショップでウイスキーのストレートを飲む賢秀。
完全に目が座ってしまっています。
そんなハンバーガーショップでは、テルヤリョウタロウのフォークライブが開催されていました。
そのテルヤを指導していた先生が下地響子先生でした。先生も同席しています。
歌う歌は「薔薇が咲いた」です。70年代っぽさいっぱいです。
しかし、ライブ開始早々に電話がかかってきます。
我那覇からの電話だと思って出る賢秀、違うとわかったらすぐ切ります。
さらには、同じように騙された人がハンバーガーショップへやってきて、警察に行くと言っています。
もう、賢秀でも騙されたことが理解できたようです。
我那覇を紹介した、ハンバーガーショップの店長に掴みかかります。
みんなに止められますが、賢秀は大暴れ。下地先生も突き飛ばして、ライブどころではありません。
大荒れの影響
翌朝、ハンバーガーショップに謝りにくるお母ちゃんと暢子。
しかし、もう賢秀はいません。
「遠くに行ってないと思う。ベロベロだったから」
賢秀のおかげで、壊れた椅子、グラス、休業補填もしなければなりません。
「酔っ払いの悪ふざけじゃない、音楽への冒涜」
そう言って、下地先生は賢秀を告訴すると言っています。
そして、良子の学校でも、賢秀の大暴れのことは問題になっていました。
「告訴されたら、良子先生、仕事続けにくいんじゃない?」
他の先生たちからも、そう噂されていました。
良子爆発
お母ちゃんは、下地先生に謝りに行きましたが、会えずに帰ってきました。
しかし、教頭先生には話ができて、「当人同士で穏便に済ませたい」という意向のようでした。
そんな話をしている時、賢秀が風呂場で見つかります。
お金はどうなった?なんで謝りに行かないわけ?
矢継ぎ早に問い詰められますが、いつもの賢秀でした。
「悪いのは俺じゃない、我那覇さ」
しかし、そう言われても、みんな納得はできません。
そして、良子の怒りは爆発しました。
「教師のうちはどうなるわけ?教師になるためにずっと頑張ってきた。
お化粧もオシャレもしないで勉強して、やっと採用試験に合格したとき、うちはお父ちゃんのお墓の前で一人で泣いた。
それなのに、やっとなれたのに、にいにいのせいで教師を辞めることになったら!」
爆発する良子ですが、その時警官に伴われて、下地先生がやってきました。
賢秀は、テーブルの下に頭だけ入れて隠れます。
歌子の歌
「賢秀、いますか?」
そう聞かれ、三姉妹が黙る中、お母ちゃんはバレバレの返事をします。
「いません」
下地先生は賢秀に突き飛ばされたとき、足を複雑打撲されたと言っています。
しかし、「だけどここまでは普通に歩いてきた」と警官にバラされます。
その下地先生に謝るお母ちゃんと三姉妹。
下地先生は、黙って家に上がると言います。
「音楽への罪は音楽で償ってもらいましょう。
歌子、ここで歌ったら、今回のことは水に流します」
何度も歌を聞くために歌子を追いかけていた下地先生。
賢秀に突き飛ばされたことで、歌子の歌を聞くチャンスがやってきました。
そして、家族のために覚悟を決めた歌子。「椰子の実」を歌います。
歌い終わると、下地先生は話します。
「今わかった、ああなたの才能を花開かせるために、私は音楽教師になった」
そこまで言わせる歌子の歌声。たしかに上手です。
隠れていた賢秀の尻を叩いて、帰って行きました。
大叔父の反対
歌ってくれた歌子にお礼を言う賢秀
「ありがとう、必ず倍にして返すからよ」
倍返しの約束は、もう誰も信じていません。
その夜、やってくる大叔父さん。
「この間の金、返せなくなったって本当か?
暢子も卒業したら働いて、給与も月々の返済に回せ」
そう言います。これも、当たり前の反応です。
しかし、お母ちゃんは暢子を東京に行かせたいと思っています。
でも、大叔父さんは許してくれません。
「渡航費用は?船に乗る金、汽車賃、下宿の補償金もいる。そんな金どこにある?
女のくせにバカなこと言うな、絶対ゆるさん!
賢秀、お前がいけ、那覇でも大阪でも稼げる仕事見つけて、こっちに金を送れ」
そう言われ、暢子もお母ちゃんも言い返せませんでした。
賢秀の決断
東京行きがなくなって、料理に身が入らない暢子。
しかし、賢秀は気にしていません
「腹減ったー俺が悪かった、謝るからご飯作って」
そんな賢秀に対して、泣きながらご飯を作る暢子でしたが、怒りは爆発してしまいます。
「ありえん、どうすればいいわけ?絶対ありえん」
そうやって怒ってしまった暢子に、夜、寝る間際に賢秀は語り掛けます。
「暢子起きてるか?ごめんな、本当にごめん。
俺はただ、嬉しかったわけよ。
生まれて初めて親以外の大人から褒められて、嬉しかったわけよ。
今までずっと嘘つきとかろくでなしとか言われてきて、初めて褒めてくれた人を信じたかった。
俺を馬鹿にした大人たちを見返してやりたかった。
わかってくれんか?暢子、起きてるか?」
泣きながら聞いていた暢子ですが、「もう寝てるから」とだけ言いました。
翌朝、賢秀は置手紙を残して、家を出ました。
「部にして返す!」
部は倍のことです。漢字は間違えていましたが、ようやく決断したようです。
早苗の入試の結果
それから、数カ月後。沖縄の本土復帰まであと3か月に迫ったころです。
「暢子は東京に行けなくても、内間食品に就職決めて親孝行だね」
そう早苗に言われますが、暢子の気持ちは東京へ行きたいと思っています。
そんな中、早苗の東京の大学の入試の結果が届きます。
結果は、見事合格。
早苗が喜ぶ姿に良かったねと言う暢子ですが、やっぱり悲しそうです。
姉妹ケンカ
「最近ぼーっとしてない?」
暢子にそういう良子。
「わかってる?4月から社会人。
会社は学校と違って甘くないからね」
姉として、社会人の先輩として、暢子に言います。
暢子は、お母ちゃんにお願いします。
「お母ちゃん、社会人になる前に東京に遊びに行きたい。
早苗が大学で東京にいく、その時に」
しかし、良子は許しません。
「春休みは名護の工場でアルバイト。
だいたい東京に行くお金がどこにある?寝ぼけたこと言わないで」
言っていることは、良子が圧倒的に正しいです。それは暢子もわかっています。しかし、納得はできません。
「うちはこの先、山原で働くだけだよ。
だから最後の春休みぐらい楽しい思い出を作りたいわけさ」
東京で就職できなかった分、東京への憧れは強くなっています。
「そうだよね、暢子もたまには息抜きしないと」
そう言って暢子を気遣う優しいお母ちゃん。しかし、良子は許しません。
「ダメ、春休みはアルバイト」
頑なに拒否され、我慢の限界に達しました。
「小学生の頃から家の食事作ってる身にもなって。
うちのごはん食べないで」
良子とケンカしてしまいました。
歌子の優しさ
歌子は、また熱を出してしまいました。お母ちゃんが仕事に行くときに、歌子はお母ちゃんに言います。
「うち、高校やめて働いたらダメ?
ノブねえねえ、必ずこっちで就職しなきゃいけない?」
歌子が高校を辞めて働けば、おじさんたちも許してくれるんじゃないかと言う歌子。
しかし、気にしなくっていいからと優しく諭すお母ちゃん。
「何もできない、みんなに迷惑をかけてばっかり」
そういう歌子にお母ちゃんは、そんなことない歌子がいて助かってると伝えるのでした。
良子の優しさ
良子は学校からお金を借りました。300ドルです。
教頭先生からは心配されます。
「本当に大丈夫?それまでして妹さんを東京に?
良いねえねえだね、妹さんは足向けて寝れないな」
しかし、良子は言い姉ではないと言います。
「逆です。最高の妹なんです。
いつもはつまらないことでケンカばっかりしてますけど」
ケンカもしますが、良子は家族の事、暢子のことを考えてくれていました。
そして、良子は家に帰ると、部屋に入り、暢子にお金を渡す練習をしました。
「このお金で東京に行ってきなさい」
それを覗き見てしまう歌子。思わず涙がこぼれました。
諦めないお母ちゃん
夕飯の時、大叔父さんたちがやってきました。お母ちゃんが呼んだようです。
「おじさん、おばさん、暢子を東京に行かせることを許してください。
300ドルあります。これを借金の返済にあてます。共同売店の給与前借しました。
市場で働くことも考えています。内職も増やします」
そう言って大叔父さんに認めてもらおうと、お母ちゃんも必死です。
しかし、そのお母ちゃんの姿を見て「もういいよ、うちはあきらめた」と暢子は心にもないことをいいます。
暢子は、これ以上お母ちゃんを働かせることはできないと思っていました。
しかし、お母ちゃんは違います。子供達にはやりたいことをやらせたい、そういう方針です。
「あんたが諦めてもうちはあきらめないよ」
そう言って、大叔父さんに頼み込みます。
そのお母ちゃんの熱意を汲み取った大叔父さん。
「気持ちはよくわかった。
だけど、300ドルではな。せめてあと300ドルでもあったら違うんだけど」
あと300ドルと聞いて、良子が腰を上げようとした時、すごい知らせがやってきました。
倍返し
早苗のお父さんが、比嘉家に駆け込んできました。
「これ、開けてみて」
そう言って渡した封筒には1万円札がたくさん入っていました。
それは、賢秀が送ってきた封筒でした。封筒には、60万円が入っていました。
1ドル360円計算で1,666ドル以上です。
「東京でプロボクサーになったみたい」
そう言って、新聞の切り抜きを見せてくれました。衝撃のプロデビューKOと書かれていました。
60万円あれば、銀行の借金を返し、暢子の東京行きのお金を支払っても、お釣りがくる金額です。
手紙が入っていましたが、「前略」が「全略」になっていました。相変わらずの賢秀です。
お金を受け取ったお母ちゃんと暢子は、お礼の電話をしに共同売店に行きました。
「お金、届いたか?」
そう言ってカッコつける賢秀。すっかりプロボクサーになっています。
「届いた。うちね、東京にいく、全部にいにいのおかげさ」
そう言っていますが、元々は全部にいにいのせいでこうなったのです。
初めから働いていれば、今週の騒動はなかったんですけどね。
とにかく、倍返しが見事に決まりました。
ありがとう
「見たんだよね、ノブねえねえのためにお金を借りてきたこと」
二人っきりになった歌子は、良子にそう伝えました。
「でも結局、なんの意味もなかったよ」
賢秀の倍返しで、良子のお金は使わなくて済みました。
「意味はあるさ、良子ねえねえのこと、もっともっと好きになった」
そう言う歌子。良子の優しさがちゃんと伝わっています。
「暢子達には内緒」
そういう良子でしたが、実は暢子とお母ちゃんは庭先で聞いていました。
「ただいま」
話が終わったタイミングで声をかけるお母ちゃん。
暢子は、良子を見つめます。しかし、聞いていたとは言えませんでした。
「暢子、いつもありがとう」
そう言う良子をじっと見つめる暢子。
良子の優しさを知って、お礼を言いたいのですが、言えません。
でも、じっと見つめます。ただただ、じっと見つめます。
見つめられて、フーチャンプルを取り分けて食べさせようとする良子。
「ありがとう、ありがとう。
フーチャンプル取ってくれて、ありがとう」
そう言うのが、精一杯の暢子でした。
下地先生
いつものように学校に早くいき、歌を歌う歌子。
「比嘉歌子、私、4月から石垣島の学校に移るの」
下地先生が現れ、転勤すことを伝えます。
「音楽とは精神と感覚の世界を結ぶ媒介のようなもの。ベートーベンの言葉です。
運動も苦手、勉強もそこそこ、おまけに恥ずかしがり屋。
これからいろんな人がいろんなことを言う、がんばれ、気合が足りないとか。
一切気にせず、感じるままに生きなさい。
あの日、家族のために恥ずかしくても、一生懸命歌いました。
あなたは十分、誰にも負けないぐらい素晴らしい人間です」
餞別代りに、歌子に大切な言葉をかけてくれる下地先生。
歌子は体が弱くて、家族に迷惑ばかりかけていると思っていました。
しかし、下地先生はそうではないと言ってくれました。
そして、最後に下地先生は言います。
「私も勝手なことをいいます。
いつでも、どこでも、どうなっても、歌うことを辞めてはいけません」
別れの前に
卒業の日、正男は暢子に声をかけました。正男は卒業後、ブラジルに行くことになっています。
正男は暢子のことが好きでした。しかし、暢子の姿をみて、暢子のままがいいと思っています。
卒業と共に、それぞれの道を進みます。
そして、歌子は下地先生の三線の伴奏で歌を歌っています。
「三線弾くのは男だった。でも、これからの時代は違う」
そう言って、二人の時間は終わりました。
卒業式が終わり、暢子は沖縄の姿を目に焼き付けるように思い出を作っています。
智の家で豆腐を食べる暢子、海で遊ぶ三姉妹。
別れの時
東京へ出発する前、お母ちゃんは暢子に包みを渡しました。
お父ちゃんの名前が入った、大事な包丁です。
お父ちゃんの遺影に手を合わせる暢子。
そして、最後の夕飯は沖縄そばです。
夕食後には、歌子が三線を引いてみんなで歌を歌います。
1972年5月15日、沖縄の本土復帰の日に暢子は東京へ行きます。
その日の朝、暢子とみんなはバス停でバスを待っていました。
「今までたくさん、ごめんね」
お母ちゃんに謝る暢子。そして、不安でもあります。
「うち、大丈夫かな?
東京で一人でやって行けるかな?
寂しくて泣いたりしないかな?」
そう言う暢子にお母ちゃんは優しく言います。
「帰りたくなったらいつでも帰ってきていいよ。18年間ありがとう」
バスが来て、乗り込む暢子。いつまでも手を振り続けます。
そして、あの日のように、バスを止めることはしません。
その時、智が自転車で見送りにきました。
「俺も東京行くから待っとけよ」
最後に
倍返し を見事に決めた賢秀。しかし、やっぱり賢秀のことが好きになれません。
カムカムエブリバディではお金を持ち逃げした算太がいましたが、長男はなんでこんな感じなんでしょう?
と言っても、男の子ってこういう所があるというのも、自分でもわかります。一発当ててやろうとか、今でも思いますw
そして、最大級に泣けるシーンがありました。
良子がお金を借りてきて、そのことを暢子に言わないところ。そして、それを暢子が知っていて、じっと良子を見つめるところ。暢子の体、全体からありがとうが出ていたように思います。
でも、ありがとうという言葉では言い尽くせない、感謝の気持ちだったんだと思います。
そんな感じで、丸く収まったちむどんどんの第5週でしたが、第6週からは東京編です。
どういう展開になるのか、楽しみです。
そして、銭ゲバの叔母さんは出てくるのか?出てこなさそうな気もしますが、どうでしょうか?