逮捕 された篠田。
原作にはない、オリジナルストーリーとなっています。
それにしても、しっかり作り込まれているドラマですね。
「元彼の遺言状」という原作の話は2話で完結しましたが、「しのだをたのんだ」という暗号化した「元彼・栄治からの遺言」が、ちゃんと機能しています。
第7話 同時多発する事件
事件1 津々井先生の痴漢冤罪事件
概要
痴漢をしたとして、逮捕される津々井先生。
しかし、津々井線は冤罪だと主張しています。ただ、痴漢の冤罪を証明するのは、無理に等しいというのが現状です。麗子は、穏便に示談することを津々井に進めます。
しかし、内容証明の郵便が届きました。痴漢を訴えてる被害者は本気です。示談もしないつもりです。
被害者の弁護士は、大手のKMT法律事務所の若松という弁護士でした。大手の弁護士事務所が痴漢のような刑事事件を担当するのはまれです。
「被害者とは以前、お付き合いがあったもので」
結末
KMTの若松という弁護士の名前に聞き覚えがあった津々井先生。過去の自信の裁判記録を探します。
そうすると、ハヤテ自動車の集団訴訟にその名前はありました。コストカットのために閉鎖した工場の従業員達に、不当解雇だと集団訴訟を起こされた事件でした。
津々井先生は自動車会社の代理人で、1人50万円の一時金と再就職先の斡旋で和解しました。その時の原告側に女性がいて、その中に痴漢被害を訴えた女性を見つけました。
痴漢の捏造は悪質な犯罪です。虚偽告訴罪と業務妨害罪、詐欺罪で訴えることができると、麗子は若松に伝えます。そして、痴漢被害を訴えた女性になぜこんなことをしたのか聞きます。
「東北か九州の工場、どちらか選べって言われたんですよ。
それが再就職の斡旋ですか?それが嫌なら自分で探せって。
原告側の半分も再就職できませんでした。
偶然電車で見かけて、ハヤテ自動車側の仇だって思った」
それを聞いて津々井先生は、自動車会社へ再就職の件で説明を求めて行くことを約束しました。そして、痴漢被害を訴えた女性を訴えることはしませんでした。
事件2 毒入りシチュー事件
概要
「5/23社食の毒入りシチューで死人が出る」
ヒグマ食品はシチューで有名な会社です。そのヒグマ食品が自社で社員食堂を手掛けていました。その社食は、広く一般にも開放していて、レシピ本を発売したり、イベントを開催したりしていました。
「うちはスタッフ一同、自分たちの料理に誇りを持っている」
そう言って、社員食堂に力を入れている責任者の小野。厳しく従業員に接していました。
大きなM&Aを控えるヒグマ食品側は、麗子に隠密に解決して欲しいと依頼します。
さらに、「社内食堂の白いシチュー5/23は青酸カリ、ヒ素、トリカブト、トッピング無料」という社内に中傷のビラを撒かれます。
そして、社員食堂中の蛍光灯が外されるという嫌がらせもありました。
5/23は社員食堂を休むべきという声と、脅しに屈するなという意見に分かれます。
犯人
過去3年分の勤務表を見せてもらった麗子は、あることに気づきます。
シチューを盛り付けていた「徳丸」という従業員が3年前の5/23に忌引きで休んでいました。そして、1周忌の5/23は働いていました。そして、事件予告があった5/23は3回忌の日で働くシフトになっています。
紗英と黒丑に当日食堂に行かせ、毒が入っていると予告されたシチューを食べます。
しかし、毒は入っていませんでした。シチューの盛り付け担当の徳丸は無断欠勤していました。犯人は徳丸ではないかと疑います。
麗子は「犯人は食堂の従業員全員です」と言うのでした。
そう言いました。
責任者の小野は、食堂全員を訴えると怒っています。
その小野に津々井先生は
「もし訴えるのであれば、全員から事情聴取しなければなりませんね。食堂従業員は全員同じ労働時間。小野さんの顔色を窺って、サービス残業が常態化していたんじゃないでしょうか?有給休暇は消化できていたのか?なぜ徳丸くんは、母親の3回忌に出席するのに無断欠勤しなければならなかったのか。しっかり聞く必要があります」
そう言って、事件を収束させました。
事件3 後妻業の死亡事件
概要
黒丑が連れてきた女性は、ホストをやっている黒丑の太客です。その女性の高齢の父親の後妻が、父親を殺したんじゃないかと相談に来ました。後妻業の女で、父親の遺産が目当てだと言うのです。
しかし、麗子は「お父様の死因は警察の仕事」として取り合いません。そして、後妻業だろうとなんだろうと、婚姻関係にあった夫が死んだら妻に遺産が行くのが、今の日本の法律であることを伝えます。
その後の騒動
その後、後妻業の女は籍が入っていなかったことがわかりました。しかし、安心したのも束の間、後妻業の女が父親のタンスの前でコソコソしていました。
その時女が持っていた父親の通帳を叩き落すと、女は走って逃げていったというのです。そして、追いかけて捕まえたものの、膝に手をついたかと思ったら倒れて亡くなってしまった。
通帳は取り戻したものの、印鑑がありませんでした。後妻業の女の遺体は、警察で司法解剖されていました。
「あなたも暴行罪に当たるかもしれないからって事情を聞きたいって、私捕まるんですか?
麗子は、太客の女性に警察に協力するように伝えました。
司法解剖の結果、後妻業の女は銀行印を飲み込んでいたことがわりました。その結果、神経性ショックを起こして亡くなってしまったというのです。そのため、太客の女性は罪に問われることはなく、無事警察から解放されました。
篠田に関する事実
同時多発事件前
前回、教会で篠田に対して「篠田、あんたいったい何者?」と聞いた麗子。
篠田は、「答えたくない」と言いました。
そんな篠田に対して麗子は言いました。
「言いたくないなら言わなくていい、この話はこれでおしまい」
その後、篠田は「小笠原家の墓」に手を合わせていました。この小笠原家はどういう関係があるんでしょうか?
同時多発事件後
「言いたくないなら言わなくていいと言ってくれて嬉しかった」
そう言った篠田は、糠漬けの壺から、身分証を取り出して麗子に見せました。
金子、福田、緑川、加納、鈴木。
パスポートやマイナンバーカードなど、篠田の顔写真の載った身分証の名前が、全て異なっていました。
「僕は、篠田じゃない、僕は殺人犯なんだ」
第8話 社長と路上生活者
事件
麗子は篠田と紗英を連れ、西園寺製鉄の社長に呼ばれて家に向かうことになりました。
社長宅の前には警察がいました。「人が死んでいる」と言う通報があって来ていました。死体は浴室に服を着ている状態で倒れていました。
風呂場で倒れている社長を発見したのは長男の渉でした。鑑識によれば、死亡推定時刻は12時間ほど前。麗子が社長に呼ばれたのは、今朝の8時で3時間前のことでした。そして、運び出される遺体を見た渉は、父親でないと言うのでした。
遺体は服を着たままで、濡れてた状態で見つかりました。着ていた服はサイズの合っていないものでした。
社長の息子は渉と、勘当した渉の弟がいます。父親が死んだと思って、二人は遺産の取り分について揉めていました。
事件の結末
社長は、近所にある会社の私有地に路上生活者に使わせていました。そこに社長はいたのです。亡くなったのは、その路上生活者の一人でした。
社長は亡くなった路上生活者のサクさんと仲良くなって、一緒に住むことも考えているぐらいの関係でした。社長は1日サクさんと、住む場所を交換したといいます。そして、サクさんは亡くなってしまったのでした。
社長はすぐ近くの河原にいました。しかし、息子たちは社長が不在でも探そうとしませんでした。それは、息子たちの興味は遺産しかないからでした。
息子たちの行動を見て、社長は遺言状を作るといいます。
「私の遺産の全ては、家をなくしたホームレスの支援にあてる。会社は世襲制をとらず、優秀な然るべき部下に譲る」
今回の事件は、サクさんの身元を調べるためと、息子さん達がどう向き合うか見たかったから起こした事件でした。
そして、麗子は社長の遺産の管理を任されることになりました。
篠田の事件
篠田の告白
「僕は篠田敬太郎じゃない、僕は殺人犯なんだ」
篠田は殺人犯として警察に追われていると言うのです。「十ヶ浜強盗殺人事件」という6年前の事件に巻きこまれて、身分を隠して生活していました。
そして、3年前に辿り着いた軽井沢で、見ず知らずの篠田の話しを栄治は信じてくれました。別荘の管理人に誘って、篠田敬太郎というOBになりすますことを提案してくれたのでした。
麗子は、栄治は変わった人だったけど、殺人犯を匿う人ではなかったと言います。
逮捕
「篠田、今日は外で食べましょう。祝杯よ」
そいう言うと、遺産管理人に指名された麗子は、篠田を連れて三ツ星の高級レストランに行きました。
「今日だけはあんたが好きなのを選んでいいわよ」
そうやって食事をして、デザートの時に警察がやってきました。
「田中守、強盗殺人の容疑で逮捕する」
法のもとに裁かれる人間は裁かれないといけないと麗子はいいます。そして、篠田こと田中守は逮捕されました。
保釈
篠田を逮捕した刑事に会いに行く麗子。事情聴取の調書を借りていきます。刑事に「会っていかれますか?」そう言われ、接見します。そして、篠田が恨み言を言い終ると「篠田、言いたいことは終わった?行くわよ」と言って、篠田は保釈されました。
殺人事件の容疑者が保釈されることはマレです。逃亡の恐れがありますし、証拠を隠滅する可能性だってあります。そこで、麗子は津々井先生に頭をさげて、身元引受人になってもらいました。
「あなた、人に頭を下げられたんですね」
そう言うと、津々井先生の事務所に戻ってくることを条件に、篠田の身元引受人になることを承諾してくれました。
保釈された篠田をつれて、事務所に戻ってくる麗子。篠田を逮捕されたのは、指名手配犯だとわかっていて弁護士が匿うことはできないからだと言います。それと同時に、冤罪をはらすためには、麗子だけの力では無理で、警察の力が必要だからこそ逮捕させたんだと言います。
「やってないんでしょ?どうしてあなたが逃げなきゃいけないの?
罪を犯した人間は、金持ちでも貧乏人でも法のもとに裁かれなければいけない。
同時に無実の人間は、決して裁かれてはいけない」
そう言って、篠田が覚えていること全部を話すよう求めました。
篠田(田中守)の過去
6年前、ミステリー作家としてデビューすることを夢見ていました。料理人として働きながら、寝る間を惜しんで小説を書いてコンクールに応募していました。
そんな時、十ヶ浜のレストランで、パーティの手伝いの求人があり、それに応募したのです。仕事が終わって、お客さん達と飲んで、その場で眠ってしまったといいます。
起きたら、篠田の隣に死体がありました。篠田が第一発見者でした。起きたら一人で、アリバイを証明してくれる人はいません。そして、凶器の包丁に篠田の指紋がついていたというのです。さらに、篠田が被害者と言い争っていたという証言も出てきてしまいました。
それにしても、アリバイはなし、証拠もある、状況も不利。そんな篠田を麗子は弁護すると言います。しかし、刑事事件で多くの報酬を見込める訳でなく、時間も取られ、最悪すぎます。
栄治が「しのだをたのんだ」と遺言で麗子に頼んていて、それを遂行しようとする麗子でした。
最後に
「路上生活者の事件」は、取って付けた感じはありましたが、概ねよく考えられた脚本だなと感心しています。
そして、篠田(田中守)の事件はオリジナルのストーリーのようですので、どう展開するかはわかりません。残り僅かですが、楽しんで見たいと思います。
それにしても、紗英役の関水渚がかわいいので、毎回ほっこりしています。
そんな訳で、次回は篠田の事件の調査と新たな事件がありそうです。