基本 は大事ですね。応用は、基本があっての応用です。
屋台で修行し、紅茶豆腐が売れなかった今週のちむどんどん。
以下、ネタバレがあります。
3年目の暢子
取材
珍しく、フォンターナが取材を受けていました。
「お客様のために、基本を大事に料理と向き合っていくのは変わりません」
そうオーナーの大城房子は言っていました。
この取材は東洋新聞の田良島がセッティングしたようです。
最後に集合写真を撮りますが、声をタイミングは暢子に任せられました。
「クリーム?バター?」
「チーズだろ!」
あきさみよー!な写真ができあがありました。
この雑誌が発売されると、やっぱりあの事実が判明しました。
3年目の暢子
暢子はフォンターナで働きだして3年目に突入しました。
イタリアのコースは前菜の アンティパストから始まり、パスタなどのプリモ、肉や魚のメインのセコンド、そしてデザートのドルチェと続きます。
20歳になった暢子は、前菜を任されるまでになりました。
作った前妻をシェフ・二ツ橋に味見してもらいます。
「お伝えした通りにレシピに自分なりのアレンジをしてあります」
二ツ橋は、盛り付けが上達したことを褒めます。そして、試食。
「美味い」というソースは、赤ワインビネガーに醤油を混ぜたものでした。
しかし、フォンターナの味とは違います。
「これ以上は和風に寄せないでくださいね」
そう忠告する二ツ橋ですが、表情は不安そうでした。
基本が大事
東洋新聞で看板コラムを書いている天城勇一は、美食家でもありました。
しばらく忙しくてフォンターナにこれなかったようです。
しかし、やっとフォンターナにこれましたが、運ばれてきた前菜を食べると「少し味が変わったね」と言っていました。
その様子を見たシェフは、暢子を居残りさせます。
「うちの工夫も悪くないと思います」
暢子はそう言いますが、実際には醤油の味付けが濃すぎたようです。
「新しい試みも大事ですが、基本も大事。
リピートしてくださるお客様はフォンターナの味を食べたいと通ってくださっているんです」
そう言われ、不満そうな暢子。納得いっていません。
下宿に帰ると、同じ下宿の和彦に天城が食事していた時の状況を聞きます。
「味が違うとは言ってたけど、美味しくないとは言っていない」
当たり前だと憤慨する暢子。あえて味を変えていると反論していました。
おでん屋
「知り合いの店が店をオープンして3ヶ月経ってるが売り上げが上がらない」
房子に立て直して欲しいと頼まれる暢子。
「どうして私なんですか?」と素直に聞く暢子に「あなたならできると思って」と房子から言われます。
「期待してくれてるんですね。わかりました」
そう返事をします。しかし、オープンしたお店というのは、鶴見にあるおでんの屋台でした。
我孫子ヨシ
おでんの屋台のオーナーは我孫子ヨシという女性でした。
オイルショックの煽りで、息子の勤め先が倒産してしまいました。そのため、自分の食い扶持を稼ごうと始めたのがおでんの屋台だという訳です。
「安く譲ってもらったし、おでんなら簡単だと思った」
そう言いますが、なかなか難しいようです。暢子のミッションは、1週間続けて黒字になったらクリアという条件でした。
「一つ重大な告白をしてもいいですか?今までおでんを食べたことがないんです」
暢子はそう言うと、おでんを食べさせてもらいました。
おでんは関東煮とも言われていると初めて知りました。
「でーじ味が染みてて美味しい」
そういう暢子に任せて、ヨシは帰ってしまいます。
房子からは万事、暢子にに任せればいいと言われていると言っていました。
そして、上手く行ったら作り方をヨシに教えることになっています。
やっぱり東京のおばさん
フォンターナの取材の記事を沖縄で見ていて、おかあちゃんはオーナーの名前にびっくりします。
お母ちゃんは、さっそく暢子に電話をして、説明します。
「あなたが働いているお店のオーナーの大城房子さん、うちらの親戚であるわけ」
まさかやーの話しなんですけど、予想はしていました。
ただ、お父ちゃんのおばさんなので、暢子にとっては大叔母さんになります。
暢子は、素敵な勘違いをします。
「うちに厳しかったのは親心だってわかった。
うちのことを娘のように思って新聞社に修行に出したり、おでんの屋台を任せたり、期待しているんだ」
しかし、房子は本当に期待しているのでしょうか?
そして暢子は、暢子流のおでん「イタリア風おでん」を作ります。
サルサ・ベルデをたっぷりかけて食べる「個性と工夫」の結晶です。
ただ、和彦の恋人・愛以外は、微妙な反応でした。
そんな中で、和彦と賢秀が再会しました。
オーナーの反応
おでんの屋台に房子がきました。
「オーナー、じゃなくて、おばさん」
そう暢子は声をかけますが、房子は認めながらも関係ないといいます。
「どこの出身とか、誰の親戚とか一切関係ない。大切なのは料理人としての実力」
そういうと、暢子のおでんを食べました。
しかし、房子は一口食べると箸を置き、帰ってしまいました。
遠のく客足
フォンターナに賢秀を連れてくる暢子。フォンターナに協力してもらって、ビジネスをしたいと思っていました。
そこに房子が現れます。暢子を見ると仕入れはどうしたと一喝します。
「昨日、たくさんお客さんが来てくれたんです」
しかし、暢子に房子は冷静に返します。
「客足はすぐ途絶える。もってあと数日。
自分で考えられないのなら料理人を辞めなさい。
あの屋台を立て直せなかったら、あなたはクビ」
そして、その房子の言葉を裏付けるように客足は遠のいていきました。
おでんじゃない
屋台でトマトソース作る暢子。サルサ・アラビアータです。
食品卸の修業中の智が新しい食材持ってきてくれました。
ブロッコリー、カリフラワー、赤ピーマン。今では当たり前の食材ですが、当時は珍しかったんですね。
「そこまでいくと、完全におでんじゃなくなるよな」
しかし、そういう和彦に暢子は反論します。
「でも、普通のおでんだとつまらないでしょ?」
そんなことはありません。そして、和彦はちゃんと説明します。
「屋台にくるお客の多くは、残業やキツイ力仕事に疲れてくる。
こんな馴染みのないものじゃなくて、もっとありきたりの心が安らぐ染みるような味のおでんを・・・」
しかし、暢子は黙っていられません。
「新しくて個性的なおでんにしないと、うちがここにきた意味がないさ。
うちのオーナーもそういう期待をしてくれている」
ただただ和彦は冷静に反論します。
「間違っていると思う。
僕は、暢子がそういう考えで料理と向き合うのは反対だな。
もっと地味で、新鮮味がなくとも、大切なことがきっとあるはずだよ。
そういう料理を暢子は志すべきだよ。
料理は詳しくないけど、根本的な問題だろ」
言いあう二人を愛が止めに入りました。
迷子
「イタリア風のおでんね」
県人会会長・三郎がやってきました。ヨシとは昔から知っているようです。ヨシは三郎を「若社長」と呼んでいました。
戦後の混乱で、困っていたヨシを助けてくれたのが房子であり、三郎だったようです。
そして、三郎はイタリア風おでんを食べてみますが、美味しいとは言いませんでした。
「新しい味だってことは間違いない。でも、毎日食べたい味かっていうと・・・」
そうなんです。1度食べてくれたお客さんは2度目は来てくれません。
暢子は、これ以上どんな手を打てばいいかわからくて、迷子になっていました。
「迷子になった時は、入り口に戻るしかないな。料理のことはわからないけど、それが人生の基本」
しかし、上手くいかない暢子は、房子に対する愚痴を吐き出します。
「ハードル上げすぎ、うちのオーナーですよ。
親戚だと思った時はうちのことを考えてくれてると思ったけど、新聞社の次はおでん、次から次に意地悪ばっかり。
ただの意地悪にしか思えない!」
そんな暢子を一喝するヨシ。世話になった房子の悪口は許しません。
三郎は房子のことを話します。
「知らないのはしかたないよな、あの人は屋台から身を起こしたんだよ」
房子とヨシの出会い
鶴見の空襲で夫を無くしたヨシ。
子供が腹を空かせても、何も食べさせてやれませんでした。
房子は黙ってヨシと子供におでんを食べさせてくれました。
あの時の味はヨシにとって、忘れられない味になっていました。
戦前に両親をなくして房子は、妹がたった一人の家族でした。
しかし、房子も鶴見の空襲で、たった一人の妹を亡くしていたのでした。
入口に戻る
和彦や二ツ橋のことを思いだして暢子が作ったのは、普通のおでんでした。
「染みるなー体の芯まであったまるぜ」
そんな感想をもらって、1ヶ月で大盛況します。
そんな時、房子がやってきておでんを食べます。
「うん。この出汁、豚を使ってるわね?」
使っていたのは、豚と足テビチでした。
「出汁は料理の基本。
近頃のうちは、変わった材料や味付けにこだわりすぎて、基本の大切さを忘れていました。
イタリア料理もおでんも基本が一番大事」
そういう暢子は、シェフやいろいろな人から基本の大切さを聞いて、理解したことを伝えます。
そして、ヨシから屋台から始めたこと、妹さんがいたことを聞いたことを伝えます。
「ちょうど、あなたと同じ年恰好だった。
空襲で生き別れて、どこかで生きていてくれると思って探し続けた。
2年経って、最後を看取ったと言う人に会って、諦めがついた」
そういう表情は、とても悲し気でした。
そして、暢子は今まで言えなかったことを房子に伝えます。
「10年前、オーナーに引き取られるはずだった子供はうちなんです」
しかし、房子はわかっていました。房子はただ働き手が欲しかったというのですが、それだけではなさそうです。ただの冷たい人ではない気がします。
「ヨシさんに引き継いだら、来週はあなたが前菜担当。それと、賄い当番も」
こうして暢子は、無事フォンターナに復帰しました。
賢秀のビジネス
紅茶豆腐
賢秀は、銀座のど真ん中で「紅茶豆腐」を売っていました。
我那覇と組んで、ほとんど詐欺のような感じで売っています。
しかし、賢秀は紅茶豆腐でビックなチャンスを掴んだと思っています。
サクラを使っている時点で、詐欺まがいですけどね。
そして、この紅茶豆腐の元となったのが、紅茶キノコのブームだと思われます。
1970年頃に日本で流行り、それが海外に行って、また日本に戻ってきました。
2014年ぐらいにまた流行っていたようです。
我那覇と賢秀
我那覇と賢秀はパチンコ屋でばったり会ったようです。
「信じてましたよ、人を騙す人じゃないって」
そう言う賢秀ですが、どこまで信じやすいんでしょうか?いや、信じたいと思っているだけな気がします。
沖縄の為替詐欺については、我那覇は我那覇自身も騙されたと説明しているようです。
二人で組んでビジネスというか詐欺をしていて、今は上手くいっているようです。
テレビCM
しばらくすると、紅茶豆腐がぜんぜん売れなくなってしまいました。
逆に売れていたのが不思議です。
暢子の所へ持ってきたり、フォンターナで売って欲しいと頼んだりしています。
しかし、そんなアヤシイ物を扱ってくれるところはありませんでした。
そんな時、我那覇が賢秀にある提案をします。
「手は打った、テレビコマーシャルを打つ」
そして、株式会社を設立しようと思ってると言って、賢秀を副社長にすると言います。
すでに名刺も作ってありました。
ただ、問題がありました。あてにしてた入金が遅れいて、コマーシャルが打てないと言うのです。
実家に電話をしてお母ちゃんにお金を借りようとする賢秀。15万円です。
お母ちゃんが困っていると、良子が電話を奪い、賢秀にはっきり言います。
「いい加減にして!この家にはにいにいに貸すお金は1銭もないよ!
どれだけお母ちゃんを悲しませるわけ?もう二度と電話してこないで!」
そして、良子はお母ちゃんに「お金を送ったらもっとにいにいをダメにする」と言って、贈らないように釘を刺すのでした。
疫病神
賢秀が暢子の前にやってきて、会社を見せると言って連れて行きました。
しかし、会社があった部屋はもぬけの殻です。
「身内に不幸があり東京を離れる。預かった金は貸しておいてくれ」
と、我那覇からの置手紙がありました。
「騙された訳?お金預かったままいなくなったんでしょ?」
お母ちゃんが賢秀にお金を送っていたようなことを言っていました。
「縁を切ってもらう、おれは疫病神。家族の邪魔」
賢秀がやっと理解してくれたと思ったら、昔も同じようなことを言っていました。
仲直りできるのが家族
小さい頃、良子と賢秀がケンカして、賢秀がお母ちゃんにケガをさせたことがありました。
「もう家族辞める、縁を切ってもらう。おれは疫病神。家族の邪魔ものさ」
子供の時も同じことを言っています。お父ちゃんに呼ばれ、お母ちゃんに謝ります。
お父ちゃんは賢秀に言います。
「邪魔者なんかいない。喧嘩しても仲直りできるのが家族」
そして、現在の暢子は賢秀を励まします。
「お父ちゃんが言った通り、にいにいは家族。一番星のビジネスマンになって、いつかみんなに足テビチをご馳走して」
賢秀は気合を入れて出ていきました。
その後の賢秀
「お前の兄貴が置いていった紅茶豆腐、不味くて飲めないからどうにかしろ」
そう言われた暢子の元に賢秀から手紙がきました。
まだビジネスでビックになると書いてありますが、いつもと違う所がありました。
「お金を同封するのでお母ちゃんに送って下さい」
そう書いてあって、同封されていたのは「600円」です。
「たったこれだけ!?」
びっくりする暢子ですが、今までの賢秀から見れば、かなりの進歩です。
その賢秀は、前借りしたままの養豚場に戻っていました。
養豚場の猪野清恵とケンカをしながらも、頑張っているようです。
良子の結婚生活
結婚生活の不満
良子は結婚生活に不満を持っていました。
お母ちゃんに電話をして、愚痴をぶちまけます。
「石川家では、男が食事をしてる時は、女は台所にいなければいけない」
そういう時代でした。男尊女卑がまかり通っていた時代です。
そして、良子は実家に帰ってきてしまいます。
突然現れた良子にお母ちゃんも歌子も驚きます。
「博夫さん出張?」
そう聞くと、良子の答えはバッサリとしたものでした。
「わからない、別れるから。
うちは、博夫さんと離婚する」
暢子に電話をして状況を説明する良子。
「外で働くだけが仕事?家のことも仕事でしょ?
結婚する前は、何事も平等だって言ってたのに。
そもそも、二人の子供なのに女親だけに押し付けるわけ?」
でも、良子は自分自身に対しても怒っているようでした。
「わかってる。自分でも親不孝のダメな娘だねって」
迎えにいく博夫
賢秀から紅茶豆腐が送られてきました。
良子はお母ちゃんにいくらで買ったのかと問い詰めます。
「買った訳じゃなくて、お金を送ったら、値上がりするからって送られてきた」
やっぱり、お金を送っていました。
そして、博夫が良子を迎えにやってきます。
良子と二人で話し合います。
「一人になってじっくり考えてみた。俺にとっての優先順位。
両親と親戚も大事、でも良子と晴海と3人で一緒にいたい」
理屈っぽく言う博夫をたしなめる良子。結局、博夫と晴海と一緒に帰って行きました。
歌子の社会人生活
歌子は、運送会社に就職して1年。事務を頑張っていました。
お茶を入れる時などは、鼻歌もでます。
「いい声だね」
そう声をかけてきたのは、同僚の花城真一でした。
でも、相変わらず人見知りする歌子です。
そして、歌子が熱を出すのも変わっていません。
「これ以上休んだら、会社にも迷惑がかかる」
そう言って無理をして出勤しようとします。
そこに訊ねてきたのが花城真一でした。
「思ったより元気で良かったよ」
音楽雑誌の「音星」を差し入れに持ってきてくれました。当時の音楽雑誌で有名だったのは「明星」でしたが、ちむどんどんでは「音星」のようです。
「歌子、会社でちゃんとやってます?」
実家に帰ってきていた良子がお茶を出しながら真一に聞きます。
「とっても気がきいて、みんな助かってます。
僕も歌子さんがいないと寂しくて。
早く元気になって、待ってるから」
そういうと真一は帰っていきました。
とても嬉しそうな歌子。歌子の恋が始まるのでしょうか?
最後に
それにしても、賢秀がまた騙されました。
信じたい気持ちはわからないでも・・・・いや、わかりません。学習しましょう。
東京の叔母さんは大城房子だったことがわかって、ちょっとスッキリしました。
しかし、あの時東京へきていたら、どうなっていたのでしょうか?
ただ、和彦との関係は、今とは違ったものになっていたと思います。