前十字靭帯断裂 オールドルーキー(6) ネタバレ

ドラマ映画・ドラマ
ドラマ

前十字靭帯断裂 は大変なケガです。膝関節の中で、大腿骨だいたいこつ脛骨けいこつをつないでいる強力な靭帯が前十字靭帯です。

バスケットボール選手の新垣が、練習中に前十字靭帯断裂のケガをしてしまいます。

そんな第6話のネタバレです。

オールドルーキー公式HP

主な出演者

新町しんまち亮太郎りょうたろう        綾野剛
新町果奈子かなこ(旧姓:糸山)  榮倉奈々

高柳たかやなぎ雅史まさし         反町隆史
深沢ふかざわ塔子とうこ         芳根京子
じょう拓也たくや          中川大志
梅屋敷聡太        増田貴久
真崎かほり        岡崎紗絵
葛飾吾郎         高橋克実

新垣和人         浅利陽介
伊垣尚人         神尾楓珠

第6話ストーリー

正社員

ついに、正社員になった新町。朝から元気で塔子に挨拶します。

秀島さんにもらったシューズ、矢崎にもらった夏スーツ」

今まで関わったアスリート達から、新町は正社員のお祝いをもらっていました。

しかし、塔子はそれ以上に関心のあることがありました。

「そんなことより、果奈子さんはお弁当の本やってますか?」

そんなことって言われて心外ですが、果奈子は毎日頑張ってレシピ本の制作を頑張っていました。塔子は「私も手伝いたいなー」とファンの気持ち丸出しでした。

そして、城も見つけ、正社員になったことを言う新町。

「そんなことより、今度留美さんと食事に行くことになったじゃないですか?どうしたらいいでしょうか?」

誘われた城は即答していました。新町には城がノリノリに見えました。しかし、城としてはグイグイ来られて困っているようです。

新垣和人

「新垣和人。千葉ジェッツのポイントガード、4年前からビクトリーに所属している。
 新垣くんは、チームとの3年契約の最後の年。シーズンオフに琉球ゴールデンキングスへの移籍を希望している。沖縄は彼の地元なんだよ」

千葉ジェッツは、バスケットボールのBリーグの強豪チームです。

「その移籍交渉を新町くんに任せようと思っている。選手の移籍交渉はエージェントと呼ばれる仕事だ」

現在担当の葛飾と社長の高柳にそう説明されました。正社員になって、初めて個人で担当するアスリートになります。

しかし、移籍交渉には資格が必要だという話がありました。

「国内チームへの移籍には必要ない。新町くんにもできる。実はキングスは最初から新垣くんを欲しいと行っててね。話はほぼほぼ決まってるんだよ」

事前の葛飾との交渉で、前段階まではできているのでした。そして、最後の所だけを新町が担当することになりました。

関谷俊平

「はじめて担当するアスリートが新垣和人って、本当すごいことですよ」

そう言って、スタッフのみんなから祝福される新町。しかし、元々担当していた葛飾が、新垣の担当から外れてしまうことになります。

「実はね、関谷俊平とマネージメント契約を交わしたんだよ」

葛飾はそう言うと、新たに大学No.1の選手とマネージメント契約したことを告げます。それを聞いて、真崎は「あの人の上腕二頭筋、大好き」と筋肉フェチぶりを発揮していました。

移籍交渉もほぼ決まっていて、いい所だけ持っていく新町のことをスタッフ達はいいなと言うのでした。しかし葛飾は、それでも新町のいい経験になると言って、担当を譲ったのでした。

前十字靭帯断裂

新垣が練習をしているところに葛飾と新町はやってきました。

そこでは、練習で汗を流す新垣の姿がありました。そして、その新垣を見て、移籍する噂をしているチームメンバーがいました。

「Bリーグは野球やサッカーに比べて移籍が多いんだよ。だから誰も驚かない」

そう葛飾は新町に教えてくれてました。

その時、新垣がシュートする時に選手に接触して、ケガしてタンカで運ばれていきました。

病院に行き、新垣に挨拶する葛飾と新町。こんな状況で、担当変更の挨拶をすることになるとは、新町は思っていませんでした。そして、ケガの具合を聞きます。

「前十字靭帯断裂です。しばらくバスケはできません。医者はコートに戻れるのは早くとも半年以上かかるだろうって」

悪い話し

そして、新垣に伝えなければならないことがありました。

「新垣くん、実は悪い話しがあるんだ。キングスとの交渉はストップしてしまった。
 やっぱり故障した選手を受け入れるのは難しいって」

今所属している千葉ジェッツとの契約期間は、切れてしまいます。ケガをしたからと言って、戻ることはできません。

「あの、僕が何とかします。だってあらがきさんはジェッツのレギュラー選手だったんですから、交渉すれば契約延長してくれるかも知れないじゃないですか」

そう言いだす新町。その言葉に半信半疑ながら、希望を持ってしまう新垣。

「じゃあ、新町さんお願いします。僕をジェッツに」

選手生命の一大事

「なんであんなこと言っちゃったんだよ、新町くん。ケガしてプレイできない選手の契約延長は難しいんだぞ」

葛飾にそう言われてしまいます。しかし、新町は「ちゃんと気持ちを伝えて、頭をさげれば」契約できると思っています。しかし、話しはそう簡単ではありません。

「君が初めて担当持って、張り切ってるのはわかるけど、やっぱり私と一緒にやろう。新垣くんにとっては、選手生命の一大事だぞ。それを考えれば、一緒にやる方がいい」

葛飾にそう言われ、受け入れる新町でした。

メンタルケア

家に帰って新町は、妻・果奈子と義妹・留美に説明しました。

「ケガしたアスリートを励まして、復帰の道を探してあげるのって、亮ちゃんにぴったりの仕事じゃない?」

まあね、と新町は返事をします。

「亮太郎さんも現役の時、ケガしてたもんね」

新町は、アントラーズ時代、左足首をケガしていました。だからこそ、新垣の気持ちが痛いほどわかるのでした。

「むしろいいことじゃない?新垣さんのメンタルケアだって大事な仕事でしょ?」

果奈子にそう言われ、新町は「ちゃんとケアする」と誓うのでした。

留美と城のデート

果奈子のお弁当のレシピ本は順調に進んでいるようです。それは、グルメライターの妹の手助けも、大きな要因でした。そんな妹も一緒に食事を取ります。

「そう言えば、留美ちゃん、城くんとデートしたの?」

そう聞くと、「渋谷のビストロでご飯食べた」と留美は言うのでした。しかし、果奈子にとっては、初耳です。ビクトリーの城を紹介をしたことを聞いて、驚いていました。それにしても、留美は「タイプだったんだもん」と軽い感じです。

「楽しかったよ。最初はちょっと緊張してたみたいだけど。
 終電までずっとおしゃべりしてた。最後までずっと敬語だったけどね、彼」

果奈子は「1回じゃね、距離は縮まらないよね」と言うと、留美はジワジワ縮めていくと言うのでした。それは、新町にはストライカーに見えました。

上手く行くことばかりじゃない

城の担当する競輪選手は、タイムが縮まらない状態が続いていました。

梅屋敷の担当する馬術選手は、スポンサーからアイドルデビューさせて話題作りしようとしていましたが、コーチが許すはずがありません。

塔子が担当するラートの選手は、優勝候補ですが、なかなかスポンサーが決まりません。

みんな苦労しているのでした。

情に流されるな

そんな時、新町は葛飾と一緒に社長室に呼ばれました。

「千葉ジェッツに新垣くんを戻すのはやっぱり無理だな」

高柳はそう言います。それは、関谷俊平を欲しいとジェッツが言い出したのです。関谷のポジションは新垣と同じポイントガード。そして、関谷自身もジェッツへの入団を希望していて、新垣が戻る場所がなくなってしまったのでした。まさか、元の担当の葛飾が新垣の入団を阻むことになるとは思いませんでした。

それを聞いて、他のチームを探すと意気込む新町。しかし、高柳は非常なことを考えていました。

「前十字靭帯断裂は深刻なケガだ。完治するまでに時間がかかる。もし治っても、以前と同じパフォーマンスはできないかもしれない。それで復帰のめどが立たないとなると、ビクトリーとしても考えないといけない」

新垣とのマネージメント契約の解消を高柳は考えていました。ケガの状態によっては、このまま引退ということもあり得ます。

「社長、ケガはアスリートにとって人生を左右する、本当に深刻な問題です。そんな時こそ、僕たちがサポートするべきなんじゃないですか?そんな時のために、スポーツマネジメントって仕事があるんじゃないんですか?
 僕は、新垣さんを見捨てることはできません。彼のアスリート人生はまだ終わっていないんです。むしろ、ここからなんです。だから、マネージメント契約の解消、もう少し待ってください」

そう言うと高柳は、「情に流されるのはプロとして失格だぞ」と言うのでした。

ポイントガードの手薄な所

「引退なんて、なんであんなに簡単に言っちゃうんだろう、社長」

高柳の発言に反発する新町。その言葉を聞いて、葛飾は言わないつもりだった言葉を言うのでした。

「昔はそうじゃなかったんだけどね」

しかし、新町は納得できません。直接アスリートと接触していれば、情が湧くのは当然のことです。そえでも、その湧いた情に流されるのは良くないと言う葛飾。

そんな新町に葛飾は、真崎と一緒にバスケットボールの話を教えてくれるのでした。

「バスケのポジションは5つ、新垣さんはその中のポイントガード。主にバックコートからのボール運びや、攻守のフォーメーションの指示、パスの配給役を担うチームの司令塔」

そのポイントガードの手薄なチームを見定めて交渉していけばいいのです。ただ、手薄だからと言って、どこでもいい訳ではありません。実はBリーグは、今、世界の中でもホットスポットになっているのです。この先数年の間には、ユーロリーグのトップ選手もやってくるようになる状況です。

そこで、葛飾はポイントガードの手薄で新垣が移籍できそうなチームを教えてくれました。

塔子と梅屋敷、再び

また塔子と目屋敷が二人で食事をしていました。

「梅屋敷さんってこの店の常連なんですか?この前もここだったし、頼んだメニューも全部一緒」

それは、マニュアルを作っていて、女性とデートする時は同じ店で同じ料理を選んでいるのかも知れません。応用は利きませんが、大きな失敗をしないように、梅屋敷がやっていることなんだと思います。

「っていうか、どうして私が梅屋敷さんと一緒にご飯を食べているのかわからない」

そう塔子に言われ、梅屋敷は言います。

「俺にだって、オンオフ切り替えたい時があるんだよ」

これもこの前のセリフと一緒です。やっぱりマニュアル化してる気がします。

「酔ったなー」

さらに前回と同じで、1杯目のワインで酔ったと言う梅屋敷。

「また1杯目で?なんで無理してワイン飲むんですか?」

そう塔子に聞かれ、梅屋敷は塔子を見つめて言うのでした。

「深沢が俺を酔わせるんだよ」

そう言われて照れる塔子の姿がありました。

戻る場所がなくなった

新町と葛飾が、新垣に会いに病院に行きました。

新垣は、松葉杖をついて、妻・あかねと一緒にやってきました。新垣とあかねは、沖縄で中学校からの同級生でした。そして、1年前に結婚したのでした。

そして、あかねのお腹には、子供がいます。今、7カ月です。

「生まれてくる子のためにも、シーズン開幕までケガを治します。移籍先は見つからないんですか?」

そう聞かれ、葛飾が話します。しかし、新垣は葛飾を拒否します。

「僕は新町さんに聞いてるんです。葛飾さんは関谷に乗り換えたんでしょ?関谷俊平がジェッツに入ったから、僕は戻る場所がなくなったんだ」

そう言われ、葛飾は謝るしかありませんでした。新町は葛飾を弁護しようとします。しかし、葛飾は新町を遮りました。

「僕のマネージメントは新町さんにお願いします」

新垣にそう言われました。

難航

新垣に言われた話を高柳に報告する葛飾と新町。

「新垣くんがそう言うなら仕方がない。葛飾さんはハズレて下さい」

自分の担当になることはいいのですが、長年担当してきた葛飾の気持ちも気になる新町。

「本当に新垣さんのことはいいんですか?」

そう聞くと、葛飾は言うのです。

「アスリートの信用を失ったら、マネージメントはやっていけないよ」

そう言われ、何も言えなくなる新町。新町は一人で担当することも不安でした。

「新垣くんは本当にいい選手だ。復帰したら絶対に活躍できる。自信を持って交渉にあたりなさい」

葛飾は、新町にそう声を掛けました。

それを胸に交渉にあたる新町。なかなかうまくは行きません。

「新垣選手が加われば、チームは絶対リーグトップに加わります」

そう言っても、ケガをしている選手を受け入れることは、難しいのでした。

果奈子のお願い

「はーーー、本当どうしよう、どうしよう、どうしよう」

帰宅した新町は、交渉が上手く行かずに行き詰っていました。

「またダメだった?次当たるしかないじゃん。諦めちゃダメよ」

果奈子はそう言って新町を諭します。

「そうなんだけどさ・・・」

はっきりしない新町に果奈子は喝を入れます。

「諦めませんって言いなさい」

そう言われ、新町は直立すると「はい、諦めません」と言うのでした。ただ、「必ず復帰しますっていうだけじゃ説得力がない」ということもわかっていて、悩んでいたのでした。

「じゃあ明後日忙しいよね?亮ちゃん。レシピ本の最初のページにあるエッセイを書かないといけないの。締め切りが近いのに、ぜんぜん上手く書けなくて。
 泉実のサッカー教室の送り迎えどうしようかなって思って」

予定を確認する新町。

「午前中なら大丈夫だよ。気分転換にもなるしさ。いっつも果奈子がやってくれてるから」

そう言って、新町は請け負うのでした。

泉実のセンス

そして、泉実のサッカーの練習を見てる新町。ついつい熱くなってしまいます。練習後は、泉実と二人で帰ります。

「泉実すごいじゃん、1ゴール2アシストだよ」

そう言われた泉実は「アシストってなに?」と新町に聞きます。

「泉実が蹴ったボールをケンタくんがシュートしたでしょ?それを泉実がアシストしたっていうんだよ。ゴールに導いたっていうこと。だから、ゴールを決めた人もすごいけど、いいボールを出した泉実もナイスプレイってことね」

そう言って二人ではしゃぎますが、新町は引っ掛かることがありました。

「本当サッカーは一人じゃできないからな。皆が心を一つにして、はじめていいプレイが生まれる。
そうだよな。信頼しあえるかってことなんだよな。
 俺は新垣さんの復活を信じている。新垣さんを信じてもらうためには、どこかのチームに入ってもらなわないといけない。それができないと、俺はマネージメント失格なんだよな」

泉実を置いて、自分の世界に入ってしまっていた新町。

「泉実、パパ、諦めないから。パパ頑張るから!」

気分転換になったというか、気付きを与えてもらったのでした。

ケンカ

「そんなこというなよ。だって好きでケガしたわけじゃないんだから」

新町が新垣の病室に行くと、新垣とあかねが言い争っているのが聞こえてきました。

「ケガしたことを責めてる訳じゃないの。私はただ、先のことが心配で。この子のこともあるし」

あかねは、ケガも心配ですが、これからの生活も心配していたのでした。

「そんなことはわかってるよ。ちゃんと約束しただろ?ケガは治すよ。ちゃんと復帰するよ。俺が頑張ってる時、そんなこと言うなよ」

そんな病室の中に、あえて入っていく新町。二人のケンカを止めるのでした。

「まだ見つからないんですか?移籍先は」

新垣にそう聞かれ、新町は「もう少し待ってください」と言うのでした。

「決まりそうなところはあるんですか?」

あかねにそう聞かれ、新町は「もう少し待って下さい」と同じように答えました。

そして、新町は宣言します。

「でも、大丈夫です。絶対僕が新しいチームを見つけてきます。そこでケガを治した新垣さんが大活躍するんです。だから奥さん、ご主人のことを見守ってあげて下さい」

ちょうどいい仕事

「関谷俊平くんの千葉ジェッツへの入団が正式に決まりました」

葛飾は、高柳と真崎に報告しました。

「将来性のある選手のマネージメントは実に夢がある」

高柳はそう言います。そして、真崎は葛飾を褒め称えます、

「葛飾さんに任せていれば、間違いありませんね」

しかし、葛飾は胸につかえていることがありました。新垣のことです。

「でも、新垣くんのことがありますから。彼のことについては、私も責任を感じています」

それについては、高柳は「新町くんに任せておけばいい」と言うのでした。

葛飾が席を外すと、真崎は高柳に聞きます。

「社長は新垣さんを、もう見限ってらっしゃるんですか?」

そう聞かれた高柳は、新町にとってちょうどいいと言うのでした。

「新垣くんの件は、上手くいけばラッキー。失敗してもダメージは少ない。正社員になったばっかりの新町くんには、ちょうどいい仕事じゃないか。それに、いつまでも誰かに助けてもらってたら、彼のためにならない」

新町の場合

新町は、自分がケガをした当時のことを思い出していました。

松葉杖をついて、サッカー練習場で練習を見ていました。

そして、チームの関係者が話をしているのを聞いてしまったのでした。

「厳しいですね、新町は」

「本人は相当焦ってると思いますが、今期は無理でしょうね」

「でも、オオツキが伸びてきてるからな、新町の穴は埋まるだろう」

それを聞いて、新町は焦ったのでした。

焦り

新町のスマホに知らない番号から電話がかかってきました。出ると、新垣の妻・あかねからの電話でした。

「主人が練習するって・・・」

その時、新垣は一人体育館でシュート練習をしていました。

「新垣さん、何やってるんですか?」

あかねから電話をもらった新町は、新垣の所に駆けつけたのでした。

「バスケは1チームに12人の選手しか入れないんです。1年ブランクがあったら、僕の場所はどこにもない。早くコートに戻らないと」

家族のこともあり、新垣は焦っていました。しかし、新町は無理して頑張ってはダメだと言うのです。

「頑張らなきゃいけないんだよ。新町さんは何にもわかっていないんです」

そう言われた新町は、自分の過去の話をするのでした。

「何にもわかってなくはないです。わかります、新垣さん。僕もあなたと同じように大ケガしたことありますから。
 J1でプレイしてた時、左足首を骨折したんです。それでリハビリ入って。でも、僕は早く復帰したかったから、足の違和感を隠して試合に出たんです。でも結局、また同じところを痛めちゃって。
 それが、J1チームからJ2のチームに落ちるきっかけになったんです。散々後悔しましたよ。あの時、あんな無茶しなければ良かったって。怒りと、孤独感と」

僕の現役人生を預けます

新町は、続けます。

「もし、もしですよ。僕をマネージメントしてくれる人がいて、その人のアドバイスをちゃんと聞いていたら、まだまだJ1でプレイできていたかもしれません。
 でも、今のあなたには、僕がいます。僕は、新垣さんが必ず復帰できると信じています。だから、新垣さんも僕を信じて下さい。絶対、絶対移籍先を見つけてきますから。お願いします」

そう言われ、新垣は心を揺さぶられました。

「本当に、新町さんを信じていいんですか?」

そう聞かれた新町は「はい」と答えます。

「僕の現役人生を預けます」

新垣の信頼を得られましたが、それはかなり重いものでした。

家族への思い

「すっごい、本当に本になってきたね」

果奈子のレシピ本は、順調に進んでいました。レシピと写真の構成も、ほぼできました。

「あとはエッセイだけか。レシピならいくらでも書けるんだけどね」

留美にそう言う果奈子。

「お弁当って家族とか、大事な人のために作るものでしょ?愛する人のために。その人への思いを書けばいいんじゃない?家族への思いを」

留美に言われ、何かを気づいた果奈子。一人になると、家族の写真を見て、書き始めました。

売り方

移籍先を決められない新町を心配する塔子。

「俺は絶対決めるよ、新垣さんに約束したから」

意気込みは人一倍あるのですが、結果に繋がらない新町なのでした。そこで塔子は「どんな売り方してます?」と聞きます。

「どんなって、新垣さんは復活して活躍できるって」

そう言われて驚く塔子。

「え?それだけですか?データとかは?相手を説得できる具体的な数値とかですよ」

そう言われ、慣れないパソコンを使って、検索し始める新町。まだ指一本で入力していて、すごい時間がかかっています。

新町は、塔子から言われたことを自分なりに考えて「前十字靭帯断裂からカムバックしたアスリート」を探していました。

しかし、周りが心配するほど、全く進みません。真崎は「このままじゃ終わらないじゃないですか?」と新町に聞きます。

「足は使えるんだけどね」

新町はそう言って、困ってしまうのでした。

みなさんの知恵と経験と力を貸して下さい

「あの、みなさんお願いがあります。手伝っていただけませんか?
 アスリートにとってケガは命に係わる問題です。新垣さんは今、とてつもない不安と戦っています。
 僕もその気持ちが、痛いほどわかるんです。だけど、それでも僕のこと信じるって言ってくれたんです。
 だから、僕はスポーツマネジメントとしてもアスリートとしても、新垣さんの気持ちに何としても応えたい。
 でも、僕のマネージメント能力じゃ、新垣さんのために100%のことができません。悔しいけど。
 だから、お願いします。みなさんの知恵と経験と力を貸して下さい」

そう新町が言うと、城、真崎、塔子は協力を申し出てくれました。しかし、梅屋敷は「僕は手伝わないよ」と言うのでした。本当は、頼まれたら手伝うつもりでしたが、みんなは「梅屋敷さんは結構です。ご自分の仕事を続けて下さい」と相手にしません。

最後には、「手伝わせて下さい。お願いします」と言って、梅屋敷も手伝うことになりました。

情熱

「あと一息です、みなさんお願いします」

新町は、過去、前十字靭帯断裂を経験したアスリートを調べるのを協力してもらっていました。そして、そのケガから復活したアスリートの一覧を作り、新垣も必ず復活できるという根拠にしようとしています。

みんなで探し、まとめる作業は、結局朝までかかってしまいました。

葛飾が出勤してくると、デスクで寝ているみんなの姿がありました。起こされた塔子と真崎は、メイクを直しにいきます。新町は顔を洗いにいきました。

そこに高柳が出勤してきました。

「こんなんじゃ、今日は仕事にならないな」

それを聞いて、葛飾が言います。

「でも、羨ましいです。こういうの情熱って言うんでしょうね」

高柳は、社長として、反論します。

「情熱だけじゃ、ことは進みませんよ。効率の悪い仕事の仕方はダメだ」

そう言われますが、葛飾は決めたことがありました。

「社長。やっぱり私も、新町くんを手伝わせてもらえませんか?表には出ません。裏から支えます」

そう言うと、高柳は頷いて了承しました。そして、葛飾は顔を洗って戻ってきた新町にアドバイスします。

「琉球ゴールデンキングスと、もう1度交渉するのはどうだろう?新垣くんが最初に行きたがっていたチームだ」

交渉

新町は、葛飾のアドバイスもあって、琉球ゴールデンキングス・比嘉洋介と交渉します。

徹夜で作った資料を見せると、比嘉は「これ全部調べたんですか?」と感心していました。

「前十字靭帯断裂からカムバックした選手は、バスケに限らずたくさんいます。ちゃんと治せば、活躍できるという証明です。
 正直言うと、今回のケガ、ドクターの見立てでは、リハビリ6ヶ月、練習再開まで2ヶ月、プレイは10カ月後になります。
 ですが、新垣選手は地元の沖縄でプレイすることを熱望しています。
 彼が、ベストのパフォーマンスができるは琉球ゴールデンキングスです。
 お願いします。とにかく、一度だけ新垣選手に会っていただけないでしょうか?」

新町の熱意が伝わり、比嘉は新垣と会うことになりました。

「新町さんと相談して、このケガはじっくり治そうと。完全に治して、元のプレイができるようになろうと決めました」

新垣は、そう比嘉に説明しました。それを聞いて、比嘉は1年捨てるつもりなのかと、新垣に聞きます。

「完全復活したら、新垣選手はチームの中心選手になります」

新町は、比嘉にそう説明すると、新垣も「約束します」と言うのでした。

しかし、比嘉はその場では結論を出さず、チームに戻って検討すると言って去りました。

いい知らせ

城のスマホには、サポートしていた競輪の選手がベストタイムを出した知らせが入りました。

塔子には、ラートの選手のスポンサーになってもいいという連絡が入りました。

梅屋敷には、アイドル企画がなくなったと連絡が入っています。

そして、新町には、琉球ゴールデンキングスから連絡が入りました。

「琉球ゴールデンキングスに決まりました!」

しかし、年俸は300万です。ただ、ケガをして出場することができない選手と契約してくれたのは、奇跡的なことでした。

それを社長室から見ている高柳と葛飾。

「戦力になりますよ、新町くんは。確実に成長してます」

そう言いますが、高柳は認めていません。

「葛飾さんや、みんなが助けてあげたからでしょ」

葛飾は「助けてあげたくなるキャラなんです。社長の若い頃にそっくりですよ」と言うのでした。

完成

新町が喜びの中、帰宅すると、驚くことがありました。

「じゃーん!糸山果奈子のまいにちのお弁当」

ついにできたのでした。そして、苦労したエッセイの部分を見てもらう果奈子。

「はじめに。
 毎日お弁当を作るのは本当に大変。
 でもそれが皆さんにとって楽しい時間になってくれたら・・・。
 そんな想いで私はこの本を作りました。
 
 私にとってお弁当はラブレターです。
 愛する娘たちへ。そして愛する旦那様へのラブレター・・・。
 
 残さず食べて大きくなってね。
 美味しく食べて幸せな気持ちになってね。
 そんな想いで私は毎日お弁当を作っています。

 娘たちへの愛情と、旦那様への感謝を込めて。
 糸山果奈子」

新町が朗読すると「なんか照れくさいですね」と恥ずかしがる果奈子。果奈子の気持ちを読んで、新町は涙ぐんでいました。

二人で叶えようぜ

新町は、伊垣の所へきていました。

「チームの移籍って、本当難しいよなー今回のことでつくづく学んだよ」

そんな新町に「スポーツマネージメントが板についてきましたね」と言う伊垣。

「まだまだだよ。伊垣はさ、ヨーロッパに移籍するのはそう遠くないんだよな?」

新町は伊垣の意思を確認すると、伊垣は来年にでも行きたいと言うのでした。

「実は、勉強してるんだよ。サッカーエージェントの資格、選手の海外移籍には必ず必要だろ」

どや顔で話す新町に、伊垣は言います。

「まだ持ってなかったんですか?早く取って下さいよ。
 僕は、新町さんを頼りにしてるんですから」

しかし、新町はなぜ俺なのか疑問です。

「新町さんは元プロサッカー選手で、人として信頼してるんです」

そう言われて、まんざらでもない新町。伊垣は、マネージメントを他の人に頼んで、騙された経験がありました。だからこそ、信頼できる新町にやってもらいたかったのです。

「いやー世界のピッチで戦ったら、最高に楽しいだろうな。なあ、伊垣。その夢、一緒に叶えようぜ」

そうして、二人の夢になったのでした。

最後に

アスリートとケガは切っても切れない関係です。そして、将来を嘱望されていても、ケガに泣かされたアスリートも多くいます。

したくてケガをするアスリートはいません。しかし、ケガをしたアスリートと契約したがらないのもわかります。今回の件によらず、難しい問題です。

それにしても、塔子と梅屋敷が二人で食事をするシーンが2回連続でありました。これは何を意味しているのでしょうか?梅屋敷が塔子を好きな気持ちはわかりますが、塔子が梅屋敷を好きになる確率はゼロではないということなんでしょうか?

塔子にはぜひ、トップアスリートと結婚して、夢を叶えてもらいたいです。

そして、次回はパラスポーツの選手のようです。

次回予告

楽しみです!

タイトルとURLをコピーしました