優越的地位の乱用 とは、取引上の地位が優越している方が、相手方に不利益を与える行為のことです。
小勝負、白熊達は「納入業者いじめ」として見ていました。しかし、ホテル側からすれば、「ホテルいじめ」と見ることができるのでした。
そんな第2話のネタバレです。
主な登場人物
小勝負勉 坂口健太郎
白熊楓 杏
桃園千代子 小池栄子
風見慎一 大倉孝二
六角洸介 加藤清史郎
大森徹也 黒羽麻璃央
本庄聡子 寺島しのぶ
天沢雲海 山本耕史
藤堂清正 小日向文世
第2話のストーリー
先手
ホテル天沢の専務・雲海がテレビに出演していました。そこで、地域の花屋6社が結託して、「ホテルいじめ」をしていると問題提起していました。これは、自分達から公正取引委員会の目を逸らす狙いで、先手を打ったものです。
それもあり、ホテルの「納入業者いじめ」の調査は、あと数日で決着をつけなければいけなくなりました。
それで決着がつかないと、「納入業者いじめ」だけでなく、棚上げされている「ウェディングカルテル」の問題も終わってしまう可能性があります。
「大丈夫、うちにはまだ切り札があるでしょ?」
桃園が言う「切り札」は、冬の川から回収したノートパソコンのことです。
今は、DFT(デジタル・フォレンジック・チーム)がデータ復旧作業をしています。このチームは、電子証拠を扱うチームです。納入業者いじめか、カルテルの証拠が出れば雲海を追及できます。
ホテル長
データバンクの調査結果で、ホテル長の長澤がホテル天沢を退職していることがわかりました。
クビになった今がチャンスだと、小勝負は白熊と一緒に長澤の家に行きました。
「クビになったみたいですね。パソコン持ちだしたからですか?中身は知ってたんですか?納入業者いじめと関係はあるんですか?有給休暇は取れるんですか?」
矢継ぎ早に質問を繰り出しますが、長澤は何も答えてくれません。ただ、残っていた有給休暇は、今現在取らせてもらっている状態でした。
フラワーショップ石田
白熊は小勝負と別れ、フラワーショップ石田に様子を見に来ました。
「お店の方はどうですか?」
そう聞く白熊に、石田の妻は答えました。
「いよいよ立ち行かなくなりそうです」
納入業者いじめで苦境に立たされている花屋。雲海がテレビで「ホテルいじめ」を告発したせいで、更に状況は悪くなっているようでした。
その時、白熊がバックヤードに置かれている「オリエンタルポピー」と言う花を見つけました。しかし、それはオリエンタルポピーではありません。違法植物の「ハカマオニゲシ」でした。それは、アヘンの原料となる植物です。
警察に届け出て、売った分は回収するように言う白熊ですが、石田の妻は届けようとしません。
「代金を払い戻せと言うんですか?そんなお金、うちにはありません。見なかったことにしてもらえませんか?
白熊さんが黙ってくれれば済む話ですよね?これ以上、変な噂が立つのは困るんです」
それを聞いて、白熊は何も言うことができませんでした。
長澤の娘
白熊と別行動していた小勝負は、ホテル天沢の様子を見に来ていました。
相変わらず、納入業者の花屋にキツくあたるブライダル部門長の碓井の姿が目撃できました。雲海は、碓井と共に外出します。そこに現れたのが、長澤の娘でした。
「どうしてパパをクビにしたの?」
しかし、雲海も碓井も取り合いません。娘を振り払うと、娘が転んでしまいました。その姿を見て、飛び出していく小勝負と白熊。そして、雲海が娘に言います。
「長澤くんの娘さんか。パパね、失敗しちゃったんだよ。大人はね、失敗したら責任を取らないといけないんだよ。
だけどなぜかな、立ち入り検査に失敗した大人たちが責任もとらず、こんなところで遊んでいる。しっかり仕事をしてもらいたいものだな」
あてつけるように言うと、車で去っていきました。
花屋結託の証拠集め
花屋の結託について、公正取引委員会は証拠を集めることになりました。結託したことで、新規店舗の締め出しもおこなっているとの情報があります。
「世間が注目している案件は、他の事業者への警告効果もある。優先せざるを得ない」
放置していたら、公正取引委員会が悪者にされてしまいます。
その調査の対象には、フラワーショップ石田も入っていました。違法植物のことを知っている白熊は、「私に担当させて下さい」と申し出ます。しかし、却下されていました。
そして、小勝負と白熊が担当するのは、新規参入しようとしている店でした。
ブーケドゥッフェ
「この花ですよね?SNSに載せてた花は」
そう言って小勝負が新規参入店・ブーケドゥッフェの店長・青柳に話しかけていました。SNSを活用して集客をしようと頑張っていました。
白熊が公正取引委員会の者だと名乗ります。そして、現状を聞き取りしました。
「この町の仕事から締め出されてるのかもしれません。ホテルや斎場の大きな仕事が全く取れないんです。
古くからの花屋が独占しているみたいで、いろいろ工夫して一般のお客さんに向けて続けてはいますが、やはり限界があって。あの6店舗が結託を?」
結託は「可能性があるというだけ」と説明します。
こちらの店はフラワーショップ石田よりも、花に対するこだわりがあるようです。店に置いてある花瓶が全て透明なのは、切り花の鮮度や水をチェックするためでした。
通報
白熊が電話で桃園から呼び出されました。桃園がいたのは、フラワーショップ石田です。匿名の電話がかかってきて、店に違法植物があると通報されたのでした。
そして、事情を石田の妻に聞くと、驚く証言をしたのでした。
「通報するつもりでしたが、こっそり処分すればバレないって。公正取引委員会の白熊さんに言われました」
しかし、もちろん白熊は、そんなことは言っていません。ですが、栃木県警で事情を聞かれます。そこに迎えに来たのは、彼氏で警察官の徹也でした。
「もういいんじゃないか、こんな目にあってまで続ける必要ないんじゃないか?」
徹也は、白熊と結婚をしたいと考えています。しかし、白熊は公正取引委員会に異動させられたままで終わるつもりはありません。もう一度警視庁に戻りたいと思っています。
白熊は「警察に戻るためだから」と言って、徹也の申し出を断りました。
最低の行為
白熊が公正取引委員会の自分の所属に戻ると、みんな戻ってきていました。
「事情は聞いたよ。災難だったね」
そう言ってくれたのは、キャップの風見でした。しかし、桃園ははっきり言います。
「あの店を調査したかったのは、違法植物があると知っていたからね。
調査対象者に肩入れするのは、公取として最低の行いよ。
警察に戻るつもりのあなたには関係ないかもしれない。でも、シロクマちゃんは第6の一員なの。信用失うのはあなただけじゃないから」
そこまで言うと、風見に止められます。謝る白熊。最後は、桃園に「気を付けてね」と言われて終わりました。
競争の番人
花屋6店舗については、立ち入り検査の結果、証拠が揃って「排除措置命令」が出されました。「排除措置命令」は、違反行為をしたお店(あるいは企業)に、速やかにその行為をやめさせ、競争を回復させるという命令です。
「白熊さん、次の休み空いてます?」
小勝負がそう言って白熊を連れてきたのは、新規参入店でした。
「排除措置命令が下りたから、6店舗が押さえていた店と契約できたんです。
これで古い花屋は淘汰されることになる。だけど、それは彼らの戦いです。
白熊さん、石田さんの奥さんのこと、可愛そうだと思ってましたよね?
でも、本当にかわいそうだったのは、新規参入店の方だった。
いくら努力しても、戦いの場にも立てずに負けていく。それって辛すぎるでしょ。
だから、守らなければいけないんです。自由で公正な場を。
それができるのは、俺達だけなんで」
小勝負が、そう教えてくれました。それが、「競争の番人」ということなのでした。
ノートパソコンデータの復旧
川に浸かったノートパソコンのデータの復旧が終わりました。その中身を持って、再度長澤の所に行きます。
長澤の家で呼び鈴を鳴らしまくる小勝負。たまらず、出てくる長澤。
「ノートパソコンの中身がわかりましたよ」
小勝負が長澤にそう伝えますが、長澤は「私には関係ありません」と言って、扉を閉めてしまいました。
しかたなく、大声で読み上げる小勝負。
「日光環境保全協会に480万円。北関東農業振興センターに360万円。とちの木育成会・・・」
そこまで読むと、長澤が出てきて止めるように言うのでした。それで、小勝負と白熊は長澤の家に上げてもらいました。
嘘
ノートパソコンから出てきたのは、寄付金の一覧のようでした。しかし、長澤は「知りません」と言います。
その資料では、毎年合計1億から2億円を寄付しています。天沢グループの利益は30億円ぐらい。出せない金額ではありませんが、寄付する程のレベルでもありませんでした。
ただ、長澤は知らないと言うだけです。寄付金の出どころも、納入業者いじめも、ウェディングカルテルも、全て知らないと言うのでした。
「私に聞いても無駄ですよ。雲海さんには、天沢グループに関連する飲食店を紹介してもらったの、で恩義を感じているんです。裏切る訳にはいけません」
長澤は雲海が怖いので、立ち向かうことができません。それは、仕方のないことです。小さい町で立ち向かうのは、容易ではありません。
「でも、一人だけ、立ち向かった人がいましたよ。あなたの娘さんです。
長澤さん、20年以上ホテルマンとしてやってきた。誇りはないんですか?
雲海に切り捨てられたにも関わらず、戦おうともしない。娘さんに対して恥ずかしくないんですか?
娘さんが言っていました。“ホテルの制服を着ているパパが一番かっこいい”って」
そう言うと、長澤は考え込んでしましました。しかし、ホテルの制服の話しを娘はしていません。小勝負の嘘でした。
その後のフラワーショップ石田
今度は、フラワーショップ石田へ行きます。納入業者いじめの被害者として、話しを聞くためです。
「うちはいいです。天沢グループの傘下に入ることになったので。経営が行き詰っていたので助かりました」
石田の妻はそう言うのでした。
「やっぱりな。ハカマオニゲシの件ですけど、最初は表にありましたよね?でも発見された時はバックヤードから見つかった。いつ隠したんですか?
それは、誰に教えてもらったんですか?雲海ですよね。
今度処分してやるから、保管しておけとでも言われたんでしょ」
小勝負は一気に話します。しかし、石田の妻は何も言いません。
ハメられた
小勝負は畳みかけるように言います。
「石田さん、あんたたちは雲海にハメられたんです。
ご主人は包丁を持って雲海の前に現れた。なんでそんな無茶な命令に従ったのか不思議だったんですけど、ハカマオニゲシの件で脅されていたんですよ。
そして、ご主人は、雲海によって犯罪者に仕立てられたんです。
この店を狙っていたんですよ。現にフラワーショップ石田は、天沢グループの傘下になった。
ハカマオニゲシを警察に知らせたのも雲海だと思います。
踏みつけてくる相手に怒れなくなったら、それで終わりですよ。
そして、きっとご主人、釈放されます。
雲海は、自分の勘違いだったとか言って被害届を取り下げるでしょ。
今後は、天沢グループの花屋として、働かせられるだけ」
少しは、石田の妻に届いたようです。しかし、何も聞けることはありませんでした。
「ご主人が帰ってきたら、よく相談して下さい。それで、雲海と戦いたくなったら、いつでも連絡下さい」
そう言って、小勝負と白熊は帰りました。
怒らなきゃいけない時
白熊は、嘘の証言をした石田の妻に謝られました。しかし、白熊は怒ることができませんでした。
「なんで怒らないんですか?あの人に裏切られたんですよ」
小勝負にもそう言われますが、石田の妻の立場を考えると、白熊には怒ることができませんでした。
「怒れ、戦えって言うけど、それっていいことなんですか?
強い人が勝って、弱い人が負ける。そんな世の中でいいんですか?」
白熊は小勝負に訊ねます。
「ズルした人が勝つ世の中よりいいでしょ?人には怒らなきゃいけない時があるんだよ」
小勝負はそう言うのでした。
緊急立ち入り検査
公正取引委員会に戻ってくると、長澤が小勝負たちを待っていました。
「あなたに言われて思いました。私はやっぱりホテルマンでいたい。
私は怒ってるんだ。怒っていいんだと。
納入業者いじめですが、中心になっているのは碓井です。
おそらく事務所を調べれば何か出るはずです。ホテル天沢に立ち入り検査をして下さい。
明日、雲海は出張で沖縄に行きます。そのスキに調査をお願いします」
しかし、前回拒否された立ち入り検査。ホテル側の許可がないとできません。
「雲海がいないなら、ホテル長の許可でできるかも知れません」
長澤は今、有給休暇中かと確認します。有給休暇であれば、まだホテル天沢に所属していることになり、ホテル長の権限で立ち入り検査ができます。
いきなり明日というのは手続き上も準備をする上でも大変です。しかし、雲海がいない隙を狙わないと、いつまでも立ち入り検査はできません。手続きと準備をするのでした。
検査と雲海
準備を整え、ホテル天沢の入り口で待機する公正取引委員会のメンバー。
「立ち入り検査の承認の件だけど、取れました」
本庄から連絡がきて、立ち入り検査を始めます。裏口からの誘導は長澤がやってくれました。
しかし、トラブルが発生します。出張に行くはずだった雲海が、飛行機の機材トラブルで出張をやめたのです。雲海はホテルに戻ってきてしまいます。戻ってきてしまえば、そこで終わってしまいます。
仕方なく、雲海が戻るまでに資料を確認し、引き取らなければなりません。
雲海の見張りに付けていた六角に「どうにかして時間かせいでよ」と桃園は無茶ぶりしますが、六角には何もできませんでした。
そして、雲海がホテルに到着しました。その時には、公正取引委員会のメンバーは、基地へ戻った後でした。
証拠
公正取引委員会のメンバーは、碓井を連れて基地に来ていました。
「これだけ証拠が見つかったんで、認めてもらえませんかね?」
取り調べで、そう詰め寄りますが、碓井は認めません。そこに雲海がやってきました。
「私の知らない所でそんなことが。おかげで部下の不正を知ることができた。
責任は取ってもらうよ、碓井くん」
雲海は、全て碓井に押し付けて逃げるつもりです。
「ウェディング料金の資料はどこにあるんです?どこを調べても、なかったんですよね」
本丸はウェディングカルテルです。雲海にストレートに質問をぶつけますが、雲海は「そんなものあるはずないだろう」と言って去って行きました。
またハメられた
立ち入り検査で出てきた証拠で、ホテル天沢に排除措置命令が出るのは確実になりました。
そして、基地から帰ろうとする時、白熊に小勝負から連絡が入ります。
「長澤さんがウェディングカルテルの資料の保管場所がわかったって」
そう言われ、小勝負と白熊は、指定された場所に向かいます。建物は、今は使われていないホテルだった場所のようです。そして、部屋の入口に通信機器と鞄を置いて、二人だけで入ります。
しかし、それは罠でした。長澤は雲海に寝返り、小勝負と白熊を閉じ込めたのでした。
最後に
1ストーリーを2話でやるもんだと思って見ていましたが、3話まで行くようです。傷害事件の犯人もわかっていないですからね。ただ、雲海の手ごわさは、3話で終わらないかも知れません。
それにしても、優先的地位は見る場所が変われば、当事者が変わるというのは、目から鱗が落ちるようでした。それは、歴史の勝者と敗者も、見る立場が違えば、正義が違うのと同じですね。
今後の展開が楽しみです。