燃え尽きる オールドルーキー(4) ネタバレ

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燃え尽きる ことができていない新町。

しかし、新しい一歩のためには、どうしても区切りが必要でした。

そんな第4話のネタバレです。

オールドルーキー公式HP

主な出演者

新町しんまち亮太郎りょうたろう        綾野剛
新町果奈子かなこ(旧姓:糸山)  榮倉奈々

高柳たかやなぎ雅史まさし         反町隆史
深沢ふかざわ塔子とうこ         芳根京子
じょう拓也たくや          中川大志
梅屋敷聡太        増田貴久
真崎かほり        岡崎紗絵
葛飾吾郎         高橋克実

北芝謙二郎        板垣瑞生
伊垣尚人         神尾楓珠

第4話ストーリー

揺れる気持ち

新町は、いつものように走っていました。いつオファーがきてもいいようにトレーニングしているのです。そして、悩みやモヤモヤがある時にも、新町は走っています。

「もし、現役復帰したいなら、反対しない」

妻・果奈子がインスタグラマーとして、頑張って家計を助けてくれています。そして、果奈子からそう提案され、新町の心は揺れていました。

「もう一度トライしていいんだよ。サッカーへの気持ち、吹っ切れてないでしょ?」

そう言われましたが、「現役復帰はない」と答えました。しかし、新町はまだ燃え尽きていなかったのです。

泉実

走っていて、娘・泉実いずみがサッカーの練習をしているグラウンドに通りかかりました。その時、ちょうど泉実がシュートをし、ゴールを決めました。新町は嬉しくて、つい声を掛けてしまいます。

サッカーの練習をしていた少年、少女たちに新町だとバレてしまいます。子供たちが駆け寄ってきました。

「新町亮太郎さんですよね?」
「新町さんのファンでした」

そう声をかけられて、嬉しい気持ちもありますが、泉実の目が怖いのでした。泉実は、新町がサッカーを辞めてから、まともに口をきいてくれません。今泉実は、離れた場所から新町を見つめているだけです。

「すみません。新町さんの娘さんが入って、みんな盛り上がっちゃって」

そうコーチに言われます。そして、子供達に何かメッセージをもらいたいと言われます。

「努力すれば、きっと夢は叶う。夢を持つことが大事です。アイ・ハブ・ア・ドリーム!」

これは、現役時代に言っていた掛け声です。子供達も一緒になってこぶしを突き上げていました。

そして、子供達からの質問攻めにあいます。

「質問いいですか?新町さんはなんでプロを引退したんですか?」
「っていうか、いつ引退したんですか?」

その質問で暗い顔になる泉実。気を聞かせたコーチが質問を遮り、練習に戻って行きました。

綺麗ごと

「なんであんなこと言っちゃったんだろう?」

帰宅後、新町は妻・果奈子に子供達に話したことを話します。

「現役の時はさ、なんとも思わず言ってたの。
 でも、今日は俺、綺麗ごと言ってるなって思ってさ。
 泉実はサッカークビになったのに何言ってんだって思ってる気がするしね」

泉実が、そんなことを思う訳がありません。果奈子もそう言います。しかし、どうしても新町は卑屈になってしまうのでした。

「まぁ、そうだよな。スポーツマネジメントはやりがいのある仕事だもん」

口ではそう言いますが、やっぱり現役に未練がある新町でした。

動機

「ねえ、城くん、なんでスポーツマネジメントやろうと思ったの?」

新町は、ビクトリーのスタッフにどうしてスポーツマネジメントをやることにしたのか、動機を聞いていました。

「大学でフットサルやってたんです。だから、スポーツに関連する仕事につきたかった」

城はそう言います。城はケイキョウ大卒業を卒業したエリートです。本来なら、大手商社に就職できるような人材です。しかし、城は箱根の高級老舗旅館の三男坊です。親からは好きにしていいと言われ、ビクトリーに入社したのでした。

新町は、葛飾にも聞きます。

「私は野球やっててね。社会人野球をやっているのを社長が知っててくれて、引退したあと一緒にゴルフしてビクトリーの立ち上げの声を掛けてもらったんです」

北芝謙二郎

その頃、ベースターズの二軍の選手・北芝謙二郎はが、梅屋敷と面談していました。

「北芝さんがうちに所属して何年でしたっけ?」

上目屋敷はそう聞きます。北芝が「6年です」と答えます。

「もう6年か。北芝さん、ビクトリーはもうあなたをサポートできません」

北芝は、ビクトリーからの契約延長を断られてしまいました。

初期メンバー

「社長はなんでビクトリーを作ったんですかね?」

新町はまだ動機のインタビューをしていました。初期メンバーの葛飾が教えてくれます。

「社長は昔、大手広告代理店にいたんだよ。でも、アスリートをマネージメントする人がいないことを知って、会社を作った。
 昔は、私と社長ともう一人の3人。所属アスリートも3人」

当時の写真を葛飾が見せてくれましたが、そのもう一人は画面に写されませんでした。これは、後で登場する人物ということなのでしょう。ビクトリーのライバル会社とか、そいう感じですかね?

「かほりさんは、どうしてこの会社に?」

新町は秘書の真崎にも聞きます。しかし、答えは葛飾が教えてくれました。

「かほりちゃんは筋肉っフェチだから。これ、本当のこと」

そういう動機でもいいと思います。しかし、筋肉フェチ以外にも、なにか理由はありそうです。

その時、デスクに戻ってきた塔子は、聞かれる前に言うのでした。

「私は教えませんから、聞かないで下さい。
 どうしたんですか?もう、おもしろくなくなっちゃったの?」

新町がインタビューしていることが気になる塔子なのでした。

厳しい世界

打合せの終わった北芝が、大きな声でみんなに挨拶しました。

「みなさん、お世話になりました」

突然挨拶され、びっくりするビクトリーのスタッフ達。梅屋敷に北芝が挨拶した理由を聞きます。

「彼は今年で引退だから、うちとの契約も11月までで終了」

北芝は、1軍での試合は、プロになって6年間で2試合しか出場していません。しかし、年齢はまだ24歳です。早い見切りのような気もします。

そこに社長がやってきて、説明してくれました。

「この夏のオールスターが終わって、彼は全く試合に出させてもらえなかった。
 2軍6年目の選手がそうだってことは、引退を意味する。
 本人もわかっているはず。
 実績のないまま辞められたら、マネージメントのしようがない」

プロスポーツの世界は残酷で厳しい世界です。そう新町が言うと、梅屋敷に言われてしまいました。

「プロサッカーだってそうでしょ?だから新町くん、今ここにいるんでしょ?」

果奈子の実力

新町が家に帰ると、果奈子と子供達が待っていました。

「じゃん!ココ、ココ。
 インタビュー特集 人気インスタグラマー糸山果奈子」

見せられたのは「ギュッと!」という雑誌で、そこに果奈子のインタビュー記事が掲載されていたのでした。

「あーーーーー!!うわーーー!果奈子すごいじゃん」

子供達は「テレビに出てる人みたい」とか「前は出てたんだよ」とか、話しています。

新町は、これでまたフォロワー増えて有名になってしまうと、喜んでいます。しかし、果奈子は、フォロワーが欲しい訳ではありませんでした。

「それより、もっとタイアップが増えて、我が家の収入になってくれた方がいいかな。そのためのインスタだしね」

そう言われ、「そうなったら、俺も好きなことできるかな?」とつぶやくのでした。果奈子は「好きなことって?」と聞きますが、新町は答えずにまた走りに出ていきました。

悶々とする夜

新町が走っていると、ファミリーレストランで一人で食事をする北芝の姿を見つけます。声を掛けると、新町のことを知ってくれているようです。

「ああ、元サッカー日本代表の、ニイマチ選手」

しかし、名前は憶えてくれていませんでした。新町は自己紹介して、二人で話します。

「オールスター明けの編成は、来季のチームの構想を考えます。
 そうすれば当然、いらなくなる選手もでてくるでしょ?その選手を試合に出しても意味がないですよね」

オールスター戦以降に試合に出ていないと言っていた意味は、構想外という意味でした。

「試合に出してもらえないのに、どうやってモチペーションを保つんですか?」

新町は、素朴な疑問を投げかけます。

「若い選手のためです。コーチに言われるんですよ。
 お前らが腐ってるとチームの雰囲気も悪くなるし、若い選手に影響するから、頑張ってくれって。
 若い選手もああはなりたくないなって、本気で練習するんですよ」

それが現実なのだとしても、かなり酷な話です。

そこに突然家を出た新町を心配した果奈子からメッセージが届きました。

「一人で悶々としてたので、ありがとうございました」

北芝は、話しが長くなったことを謝り、話を聞いてくれた新町に感謝して解散しました。

ピュア

「北芝さんの契約って11月までですよね?僕にも手伝わせてもらえませんか?」

担当の梅屋敷に新町はそう言います。しかし、引退の決まっている選手に、実際は何もすることがありません。

「じゃあ、好きにすれば。全部任せるから。丸投げします」

投げやりなことを言う梅屋敷に反発する新町。梅屋敷には選手をリスペクトする気持ちが感じられません。

「リスペクトしろっていうの?商品としての価値はない訳だからさ、リスペクトとは別の話し」

アスリートを商品扱いしている梅屋敷を受け入れられません。新町はある程度わかっているはずですが、あまりの言い様についムキになってしまいました。

「じゃあ、スポーツマネジメントのおもしろさってなんなんですか?」

そう新町は梅屋敷に聞きました。

「利益を上げることでしょ。会社なんだから」

そう言い切ってしまう梅屋敷。それはそれで間違っていませんが、やはり言い方があります。二人の会話を聞いていた社長の高柳は「新町くんはピュアだね」と言うのでした。

引退試合みたいなもの

北芝は新町の名前を憶えてくれません。いちいち訂正しながら、新町が話します。

「残りの期間は僕がマネージメントします」

しかし、北芝は「意味ない」ということはわかっていました。新町は、もう1試合もでない訳ではないと言い、サポートをすると言うのでした。

「出場するのは、シーズン最後の試合だけです。
 2軍最終戦は、どのチームも出れるんですよ。今年クビになるって決まってる選手は。
 すごいケガしてる人でも、急に呼ばれて1打席とか。
 それが風物詩なんですよ」

2軍の最終戦は、そういう意味合いもあるのです。しかし、新町は「トライアウトもある」と、継続するつもりで話します。

「他球団もみんなわかってるんですよ。まだまだ使えるって思ってるやつは、クビが決まったとたんにオファーがくるんです。
 だから、僕みたいな選手はトライアウトに出ます。それでも1人か2人、声がかかるのは。
 トライアウトでヒット出したぐらいじゃ、オファーはきません。
 トライアウトは僕らにとって、引退試合みたいなものなんだなって」

北芝はそう言うと、最後まで精いっぱい頑張ると言うのでした。

チャンスがあるなら

自分の試合の録画を見る新町。口ではわかっていると言いながら、どうしてもサッカーへの気持ちを吹っ切れていませんでした。

その姿をみた果奈子は、心配そうに新町に声をかけます。

「やっぱり現役に戻りたい?いいんだよ、本当に。お金のことなんか気にしなくて」

そう言われ、新町は閉まったはずの気持ちを話します。

「ごめん。もう1回だけチャンスがもらえるなら、俺は挑戦してみたい。俺にとってサッカーは人生そのものだから」

覚悟の上

グルメライターの妹の撮影現場にやってくる果奈子。いつも、妹には愚痴を聞いてもらっています。今日は、愚痴ではありませんが、相談相手として果奈子が本音を吐き出しにきていました。

「じゃあ、挑戦いいって言っちゃったの?」

妹は驚きます。しかし、果奈子は「亮ちゃんはいつまで経っても、夢見るサッカー少年」だと言って、いいと言った理由を説明していました。

そして、「どっかで踏ん切りつけさせてあげないとね」という果奈子に「どっかで成仏させてあげないとね」と、独特の言い方をする妹。

しかし、妹は果奈子のことが心配です。そして、現役復帰しても、先は長くないと言うのでした。

「でも、お姉ちゃん、もし亮太郎さんが現役復帰したらどうするの?やれても1年か2年でしょ?
 先延ばししたら、第二の人生設計難しくなっちゃうよ」

ビクトリーを辞めて現役に戻ったとして、すぐに引退することは目に見えています。その後、またビクトリーで働けるとは思いませんし、またツライ就職活動があるはずです。しかし、果奈子はそれも踏まえて、新町の背中を押したのでした。

「スポーツ選手と結婚しちゃったからね。それぐらい覚悟の上でしょ」

売り込み

八王子のチームの監督が、別のチームのコーチに就任していました。そこに会いに行く新町。

「まだできます。毎日走ってますし」

新町はそう言って、自分を売り込みます。

「現役にもどりたいのか?気持ちはわかるよ、新町。お前ほどのやつが、そりゃ未練残るよな。
 わかった。うちは無理だけど、お前に興味持ってくれるチームあるかもしれないから、連絡してみるよ」

そう約束してくれました。

どうして言ってくれなかったのか

新町が出社すると、会社は騒然としていました。先日発売された果奈子の記事をみんなが見ていたのです。

「うそでしょ?新町さん!新町さんの奥さんって糸山果奈子だったんですか?」

みんな、知らなかったのでした。あまりに驚いた城が、インタビューが掲載された雑誌を20冊も買い込んで、みんなが見ています。

「どうして言ってくれなかったんですか?」

そう言われても、特に言う理由も新町にはありませんでした。

その時、真崎が「新町さん、社長がお呼びです」と呼びにきました。高柳の元に行く新町。

「どうして黙ってた!君の奥さんが糸山果奈子ちゃんだって。大ファンだった」

高柳も雑誌を読んでいました。

「10年前、彼女が結婚するとき、結婚相手のJリーガーに激しくむかついたが、それが君だったとは」

そう恨みがましい目で新町を見るのでした。

そして、「家に帰ったら、糸山果奈子ちゃんがいるの?」とか「糸山果奈子ちゃんがお帰りっていうの?」などと聞いては、本当に羨ましそうにするのでした。

「会わせてくれ。1度でいいから、会社に連れてきてくれ」

加入テスト

その時、新町の電話がなります。

「新町よろこべ、加入テストしてくれるってチームが見つかったぞ。日程出たら、また連絡するから」

その連絡に静かに喜ぶ新町。そして、電話の最中に高柳は冷静さを取り戻していました。

「興奮して悪かった。私は少しでも彼女と話ができれば嬉しいんだ」

そう言われ、果奈子に話す代わりにと条件を高柳に出すのでした。

「湘南ベルマーレの加入テストをうけさせて下さい。今、電話でチャンスをくれるって」

現役を諦めていなかったことに驚く高柳。新町は言います。

「ビクトリーの仕事がいやになった訳ではありません。矢崎のマネージメントでスポーツマネジメントのおもしろさを知ったし、牧村ひかりちゃんに会ってスポーツを見せてくれる夢を実感したし、秀島さんからトップアスリートの厳しさを改めて学んだし。
 でも、本当に自分はもうサッカー選手として通用しないのか。本当に本当にそうなのか、知りたいんです。
 テストを受けてダメだったら、サッカーは諦めます」

覚悟を聞いた高柳は、新町の背中を強く押してくれました。

「わかった。テスト、受けてみろ。ビクトリーには席は残しておく。気にせず、頑張れ」

それをスタッフみんなが、聞いていました。

パパを許して下さい

新町は家に帰ると、果奈子と子供達を集めて話します。

「果奈子、泉実、明紗めいさ、話しがあります。
 湘南ベルマーレというチームの加入テストを受けることになりました。
 もし合格したら、パパはまたサッカー選手に戻ります」

そういうと、みんな驚きます。そして、嬉しそうです。

「泉実、明紗、パパはもう一回頑張ってみようと思ってる。
 でももしダメだったら、これで本当にサッカーを辞める。
 そうなったら、パパを許して下さい」

新町の覚悟にみんな理解してくれました。

テスト当日

テストに参加する新町。練習に参加し、試合形式のテストにも参加します。

終了後、終わったという感じの新町。結果が出れば、どちらにしろ受け入れなければなりません。

そして、結果を聞いて、新町は家に帰りました。家では、果奈子と子供達が玄関に迎えに出てきました。

「結果でた?」

そう聞く果奈子と子供達に「ごめん、ダメだった」と伝える新町。

ダメ元だったはずですが、やっぱり期待してしまっていました。泉実は、部屋に入ってしまいます。それを追いかける果奈子。

「ダメでもパパのこと、許してあげるんでしょ?」

そう言われ、泉実は泣きながらも、頷くのでした。

そして、新町は、高柳に電話で結果を報告します。

「そうか、残念だったな」

結果を聞いて電話を切った高柳に真崎に言うのでした。

「ちょっと意外でした。新町さんがテストを受ける時、ケジメを付けて辞めろっておっしゃるのかと思ってました」

しかし、高柳はテストに受からないと思っていました。だからこそ、戻る場所を用意してくれていたのでした。

新町の弁当

落ち込んでる新町が果奈子に話します。

「もう俺はサッカーには戻れない。今日ではっきりわかった。
 でも、北芝さんって、プロ野球選手がいてさ。
 今年でクビ確定だって言うんだけど、それはそれで羨ましいんだよね。
 最後までやり切って終われるわけじゃない?
 でも、俺は不完全燃焼のままサッカーを終えることになるのかって」

チームの解散で引退するしかなくなった新町。引退を誰に告げられた訳でもなく、オファーがなく、現状に至っています。引退に向かってやり切った間隔はありませんでした。

「亮ちゃんは、たくさんのサッカーやってる人達の中で、みんながとうてい辿り着けないところまで登りつめたんじゃない?幸せだと思わないと」

果奈子は、そう言って新町を励まします。そして、「私に何かできることある?」と聞くのでした。

しかし、新町は助けられてばかりで、これ以上迷惑を掛けられないと思っています。

「明日から亮ちゃんのお弁当も作ろうっと。お昼代の節約にもなるし」

そう果奈子が言うのでした。

スタッフの愛情

ビクトリーでの仕事で、指一本でパソコン打つ新町。

「ヒラバヤシさんのデータ早くまとめて下さい」

塔子にそうせかされる新町。

「新町くん、コピー」

梅屋敷に頼まれる新町。

「新町くん、コーヒー淹れて欲しいな」

葛飾にも頼まれます。

城は、みんなの新町への扱いに怒ります。しかし、真崎がみんなの真意を教えてくれました。

「今の新町さんには、厳しく接した方がいいの。気持ちを切り替えてもらうための愛情でしょ」

それを聞いて、城は「新町さん、肩揉んで欲しいな」とお願いするのでした。

果奈子の人気

そんな時、電話鳴りました。電話を取った真崎が「え?」と驚きます。

そして、フロアに登場したのは、果奈子でした。新町のために作ったお弁当を持たせるのを忘れ、届に来たのでした。

高柳を先頭にスタッフみんなで、果奈子を出迎えます。そして、塔子も実は、果奈子のファンだったのです。

「糸山さんみたいに女子アナになって、プロ野球選手やJリーガーと結婚したかったんです。あわよくばと思って、ビクトリーに就職・・・」

ビクトリーに入った動機を話したくなかった塔子でしたが、ひょんなことから自分で言うことになってしまいました。しかし、果奈子の動機の不純さは、筋肉フェチ以上の不純さでした。

集合写真を撮りたがるスタッフ。でも、どうしても2ショット写真撮りたい高柳。

そんな時、新町は「午前中にアポがあるから、ごめんね」と言って、果奈子を置いて出かけていきました。

果奈子の相談

「あの、皆さんにご相談がありまして」

果奈子は、ビクトリーのスタッフに相談を持ち掛けました。

「夫は入団テストに落ちて、もうプロには戻れないと自覚しています。
 でも、やっぱり不完全燃焼のまま笛を吹かれた感じで、完全には吹っ切れていません。
 これからビクトリーの社員として頑張ってもらうためにも、私は夫に納得した終わり方をしてもらいたいんです。
 草サッカーでいいんです。引退試合、セッティングしていただけないでしょうか?
 私も人を集めますし、かかる費用は私が支払います。お願いします」

そう言って、協力を求めました。

戸惑い

そして、2週間後。

「グランドを確保して、メンバーも揃えました」

高柳は果奈子に連絡を入れました。果奈子は、新町が帰宅すると、さっそく伝えます。

「新町遼太郎の引退試合が決まりました。ビクトリーの人達にも協力してもらって」

あまりのことに驚く新町。戸惑ってしまっていました。喜んでくれると思っていた果奈子は、困ってしまいました。

「引退試合。。。いきなりでビックリしちゃったというか。ごめん。ちょっと考えさせて」

仕方なく、果奈子は高柳に連絡を入れます。

「戸惑ってましたか。試合は先ですので、落ち着くまで待ちましょう」

果奈子に優しくそう言うと、果奈子は「ありがとうございます。高柳さん」と名前を言って、お礼を言うのでした。

それを聞いて、高柳は、とてもうれしそうに反復していました。

そして、新町は泉実が作ってくれたミサンガを見ていました。泉実が日本代表に戻れるようにと、作ってくれたミサンガです。

燃え尽きて下さい

「草サッカーで引退試合?いい仲間がいるじゃないですか」

北芝に引退試合の話をすると、とても羨ましそうに言ってくれました。

わざわざ新町のために集まってくれるのです。幸せなことだというのは、新町もわかっています。

「これで燃え尽きることができるかな?」

新町は不安な気持ちを抱えていました。しかし、北芝は、明るく言うのでした。

「燃え尽きて下さい。新町さんの花道なんで」

引退試合

代表ユニホームで、登場してくる新町。

そこには、八王子のチームのチームメイトや、サポーターが作ったサッカーチームが参加してくれていました。そして、ビクトリーのスタッフも、引退試合に参加してくれます。

そして、応援席には八王子のサポーターが、引退試合を見に来てくれていました。

試合に参加する人たちは、新町のTシャツを作って、みんなで着てくれています。

「みんな、ありがとう」

新町は、心からそう言うと、フィールドに入ります。

「城くんって言うの?私のタイプ」

果奈子の妹もスタンドにいて、しっかりチェックしていました。しかし、泉実は試合が始まっても、無言です。

フィールドを駆け回る新町。八王子チームが先制します。そして、塔子は下手でしたが、なぜかマルセイユ・ルーレットで相手を抜いたりしていました。

フィールドを駆け回り、サッカーをするかっこいいパパの姿を見て、ついに泉実が声を出します。

「頑張れ、パパ!!」

その声援の後押しもあって、新町は日本代表戦のようにボレーシュートでゴールを決めていました。

挨拶

試合終了後、フィールドに深々と礼をする新町。もうサッカーとはお別れです。

果奈子は「お疲れさまでした」と声を掛け、新町に花束を渡します。そして、高柳から挨拶するように言われる新町。

「みなさん、今日は本当にありがとうございました。
 すんげー楽しかった。楽しかったし、嬉しかったです。
 こんな最高の引退試合をやってもらえて、僕は幸せものです。
 これ・・・・」

言葉に詰まり、涙があふれてしまいます。

「これで・・・・これで燃え尽きることができました。
 もうサッカーに未練はありません。
 これからは、ビクトリーのスタッフとして、スポーツマネジメントの仕事を精いっぱい頑張っていきます。
 今日はみなさん、本当に、本当にありがとうございました」

最後の挨拶に大きな声援を掛けられていました。

泉の番

最後の挨拶を聞いていた泉実が、新町に抱きついてきました。

「かっこよかったよ、パパ」

そう言われ、嬉しそうな新町。

「これでもう、パパはサッカー選手を辞めることができました。
 今日は、パパの新しい誕生日だよ。パパの第二の人生が今日から始まるんだよ。
 サッカーやってたころのパパより、かっこいいパパになるから」

そう言うと、新町は泉実に包装し直したミサンガを渡します。

「次は、泉実の番だよ」

新町からもらったミサンガを付けて、今度は泉実がサッカーで頑張る番です。受け取った泉実は、「ありがとう」というのでした。

僕のクライアント

後日、ベイスターズの練習を新町と梅屋敷が見に来ていました。

「なんであんなに頑張れるんだろうな、北芝くん」

北芝も、しっかり燃え尽きるために、後輩に最後の姿を見せていました。

「引退したらセカンドキャリアの面倒もみてやるのか?」

そう梅屋敷に聞かれた新町は、「はい、僕のクライアントなので」と言うのでした。

しかし、梅屋敷は「俺のクライアントだよ。新町くんは手伝ってくれてるだけでしょ」と言って、前言を撤回します。丸投げしたくせに「していない」と言い張るのでした。

新町の引退試合で、梅屋敷にも心境の変化があったのかも知れません。

伊垣尚人

そんな時、新町の電話に知らない番号から着信が入ります。

「はじめまして、伊垣いがき尚人なおとです。FC東京でフォワードやってる。
 新町さん、僕を助けて下さい。お願いします。新町さん」

突然の電話で、突然助けてと言われた新町。

何があったのか、まだわかりません。

最後に

長い時間をかけて、新町はやっと納得する形で、サッカーを引退することができました。

そして、娘達との和解も成立して、これからはビクトリーの仕事に専念することができそうです。

しかし、着になるのは、高柳と葛飾と一緒にビクトリーを立ち上げたもう一人の存在。男性か女性かもわかっていません。ラスボス的な存在になりそうな気がします。

あとは、城と果奈子の妹・糸山留美の関係はどうなるのでしょう?思いがけず進展しそうな気がします。今は果奈子の愚痴を聞く係りですが、もっと深く関わってくると思います。

来週は、フェンシングで城の話のようです。そして、伊垣が新町に助けを求めた理由も気になります。

来週の予告

楽しみです。