死刑囚 松本は、本当に犯人ではないのでしょうか?
浅川と、頼りない岸本のバディ。当時を知るチェリーと、浅川の元恋人・斎藤。
浅川は、事件を調べることで過去と向き合うことになります。そして、自分を取り戻していくようです。
そんな第2話のネタバレです。
主な登場人物
浅川恵那 長澤まさみ アナウンサー
岸本拓朗 眞栄田郷敦 若手ディレクター
斎藤正一 鈴木亮平 政治部記者
大山さくら 三浦透子 通称:チェリー、ヘアメイク
村井喬一 岡部たかし チーフプロデューサー
大門雄二 山路和弘 副総裁
松本良夫 片岡正二郎 死刑囚
海老田天丼 梶原善 番組MC
滝川雄大 三浦貴大 報道局ディレクター
名越公平 近藤公園 プロデューサー
笹岡まゆみ 池津祥子 ?
木村卓 六角精児 死刑囚の弁護士
岸本陸子 筒井真理 拓朗の母、弁護士
第2話のストーリー
死刑囚と女子アナ
2018年7月東京拘置所、食事をしている死刑囚・松本良夫62歳の姿がありました。
松本は、2002年から2006年まで連続して女性を暴行、殺害した罪で服役しています。
なぜか突如、これを冤罪だと言い出して、真相究明に乗り出した若者がいました。万年低視聴率バラエティー、フライデーボンボンの若手ディレクター岸本です。
そして、真犯人が野放し担っていると言う言葉にうっかり乗せられたのが、女子アナの浅川です。
真相究明のためになんとか、番組で調査報道をしたいと考えた二人でした。
ところが、上司の大反対にあうや、岸本はある人に脅されてやってただけだと、あっさり自白。とっとと離脱してしまいました。
その頃、八頭山で新たな殺人事件が発生します。これが真犯人の犯行かはわかりませんが、浅川は引くことはできませんでした。
エナーズ・アイ
浅川はフライデーボンボンの中で、自分のコーナー「エナーズ・アイ」を持っています。
後に引く気はないはずだったのですが、実際に放送したのは「全国でイノシシ被害」と言う内容でした。
放送前の会議では「イノシシか八頭尾山殺人事件」のどちらを放送するかで、採決を取りました。しかし、殺人事件は浅川一人。そのため、放送内容はイノシシに決定していたのです。
「ちょっと待って下さい。今世間が注目してるのは殺人事件です」
浅川がそう言いますが、取り合ってもらえませんでした。
「どうでもいいんだよ。エナーズ・アイは世間じゃなくって浅川恵那が注目したニュースを解説するんだよ」
その浅川恵那が注目しているのですが、受け入れられませんでした。
「素人か。浅川恵那が何に注目してるのか決めるのは浅川恵那じゃねえよ。浅川恵那は、俺らが浅川恵那が注目したことにしたいニュースを、あたかも本当に注目したように読むのための人。嫌なら女子アナなんて辞めちまえ」
そんなパワハラ発言を言われても、浅川はめげません。
「更年期かと思ったら、反抗期かよ」
ちょっと前までは、セクハラ発言をスルーしていた浅川でした。しかし、もう飲み込みたくない物を飲み込まないと決めた浅川は、しっかりと注意します。
「反抗期はともかく、更年期はセクハラなのでやめて下さい」
しかし、そんなやりとりをしても、八頭尾山の殺人事件を取り上げることができませんでした。
浅川とチェリー
フライデーボンボンは、最底辺の番組です。不倫で飛ばされた元スポーツ局ディレクター、報道で邪魔者扱いされたプロデューサー、スキャンダルで降板した女子アナ、学歴だけで就職したぼんくら新人。
落ちこぼれ達の受け皿、それがフライデーボンボンでした。
収録の合間にヘアメイクのさくら、通称:チェリーが近づいてきました。
「ありがとうございました。浅川さん。例の事件の件で、浅川さんが協力して下さったって岸本君から聞いて、一言お礼が言いたかったんです」
それだけ言うと、チェリーは離れようとします。そのチェリーを呼び止め、撮影の後に話しを聞くことにしました。
事件の日
浅川はチェリーと二人きりになると、チェリーに松本を犯人じゃないと思う理由を聞きます。
「正直、警察とか裁判で話せる証拠は何もないんです。そう思うとしか言えないんです。例えば、あの事件があった日・・・」
事件のあった2006年の11月18日は、チェリーの誕生日でした。
チェリーは虐待を受けて、家出をしていました。家出して行くあてのない14歳のチェリーを、松本は家に住まわせていたのでした。
「あの日はゲーセンでプラプラしてんたんですけど、やたらついてて、誕生日だからかななんて思って。メダルがなくならないものだから、帰るに帰れなくて。やっとなくなって帰ったら、どこかからカレーの匂いがしていて、カレー食べたいなって思ってたんです」
生まれて始めて
そうやって松本の家に帰ると、松本は帰りが遅くなったチェリーを心配していました。そして、松本がカレーを作ってくれていたのです。そのカレーを食べ、買ってきてくれたケーキを食べたのでした。
「お誕生日、おめでとう」
そう言われて、チェリーは泣きながらケーキを食べたのでした。
「それは私が、生まれて初めて食べた誕生日ケーキだったんですよ。自分の親にはそんなのしてもらったことなかった。私はおじさんが捕まった日から何度も何度も考えてきました。14歳の小娘に50歳のおじさんの正体がわかるはずはない。私には隠してたけど、エッチな本とかビデオを持っていた。それでも、私の誕生日を祝ってくれたその同じ日に、おじさんが他の女の子を殺してたなんてあり得ないと思うんですよ。どう考えても、あり得ない。だとしか、言えないんですよ」
チェリーは必死に浅川に訴えかけました。その言葉は、とてもリアルでした。
弁護側の主張
浅川はチェリーに裁判や事件の資料を借りて、家で読んでいました。
それを読むと、犯行当日の松本の行動が、弁護側と検察側で大きく違っていることがわかりました。
2006年11月18日の弁護側の主張は以下の通りです。
- 午後5:03 当時板金工だった松本良夫は、タイムカードを押し、自転車で退社
- 午後5:27 スーパーヨロズヤで、ニンジン玉ねぎジャガイモ、豚肉細切れ200g、カレールー、缶ビール2本、福神漬け、食パンを買った
- 午後5:40 ケーキ屋ボンフーレで、ショートケーキ1つを購入し、そのまままっすぐ自宅へ向かう
- 午後5:52頃 帰宅し、ゆっくり1時間をかけてカレーを作った
- 午後7時過ぎに少女が帰宅。
検察側の主張
一方検察側の主張は、以下の通りです。
- 午後5:40 松本はスーパーで買い物をし、ケーキを買った後、そこから4.8㎞離れた八頭尾山へ行った
- 午後6時頃 下校中だったイガワハルミさんに声をかけ、人気のない山中に誘い込んで殺害。その間、わずか30分。
- 午後6:35頃 この時、松本が逃げるように走ってきて、自転車に乗って去って行ったと近隣住人の証言がある。
- 午後6:50頃 帰宅。カレーを作りだす
- 午後7時過ぎに少女が帰宅。
浅川は、実際にレンタサイクルを借り、スーパーから八頭尾山まで行きました。そして、八頭尾山から松本の家までの時間を計測してみました。なんとか時間通りに着くことはできました。
しかし、たった10分でカレーが作れるのか、疑問が残りました。
松本の弁護士
浅川は、チェリーの紹介で、松本の弁護士に会うことができることになりました。ただ、チェリー曰く、弁護士は筋金入りのマスコミ嫌いのようです。
浅川が事務所へ行くと、弁護士・木村は食事中でした。
「汚いでしょ。刑事事件ばっかりやってるもんでね。数やるしかないんですよ。たこ焼き屋みたいに」
木村弁護士は、そんな風に自虐的に言うのでした。
踏みつぶされる側
そして、食事を終えた木村弁護士に、浅川は松本の印象を聞きました。
「普通のおっちゃんですよ。警察が言うような変質的な性的異常者でもなく、残虐性など全くなく、気が抜ける程まともで、ちょっと気が小さい普通の男です」
そして、浅川は「やはり無実だとお考えですか?」と聞きます。
「ええ、その点に迷いはないです。松本氏の自供はあなたがたマスコミが広めたロリコンだと言うインチキな報道と、インチキ報道に煽られた警察によって強要されたもんで間違いありません。大きな権力と言うのは、それはそれは簡単に自分たちの都合で弱い者を踏み潰すものです。決まって選ばれるのは、潰した時に大きな音を立てない者です。社会的に力を持たず、家族もなく、叫んだとしても声が小さい。松本氏のような人物はうってつけ。死刑囚は人間でもないような扱いです」
浅川は、気分が悪くなって、吐きそうになるが飲み込みました。そして、松本への手紙を木村弁護士に託して、事務所を後にしました。
岸本の再参加
岸本の父親は、岸本が小さい頃に亡くなっていました。母親は正義感の強かった父親のようにはならないで欲しいと思っていました。
「タクちゃんはお父さんみたいにならないで、気楽にお金稼いでね。明王大学かて、そのために入学させたんやからね」
そんな風に母親に言われ、岸本は逆に正義感を強く持ったのでした。
そんな岸本は、浅川のことを目力を強めに見ていました。浅川がうっとおしいと思いはじめたころ、岸本は浅川を電話で呼び出しました。
「この事件を追うと言うことは、国家権力を敵に回す可能性があるんだよ。その覚悟があるの?」
浅川がそう聞くと、覚悟はないと言う岸本。
「国家権力と戦っても勝てる気しないっす。でも、浅川さんが戦うというなら、お手伝いしたいかなって」
浅川は、仲間は多いに越したことはないと思い、犯行当日の状況を再現をしてもらうのでした。岸本は、八頭尾山に行って検証した結果を浅川に電話しました。
「八頭尾山から松本の家に18:52に着きましたよ。僕、確信しました。このスケジュール、あり得ません」
岸本は、八頭尾山から自転車を飛ばせば10分で家に着くことを確認しました。しかし、買った誕生日ケーキがぐちゃぐちゃになってしまうのでした。それは、浅川が検証した時も同じ結果になっていました。
松本からの手紙
岸本と話しながら、松本から返信が届いたことに気が付きます。一度電話を切ると、手紙を読んでみました。
「拝啓、浅川恵那様。木村弁護士から手紙を受け取りました。私もお会いしたい気持ちは山々ですが、死刑囚は家族と弁護士以外の面会は許されません。ただ、これだけはお伝えしたいです。私は絶対にお嬢さんたちを殺めたりしていません」
そして、当時の取り調べのことが、手紙には書かれていました。
「ある朝、警察たちが家に踏み込んできて、殺人の容疑者として連行すると言われました。3日間昼夜問わず、刑事達ににらまれ続け、脅され続けました。怒鳴られ、小突かれ、髪を掴まれ、何度も繰り返し、お前がやったんだろう、認めれば楽になると言われました。そして、とうとう、許して下さいと言ってしまったのです。それが自白の代わりとなりました。私は弱い人間であります。情けない男であります。しかしながら私は、殺人犯ではありません」
それを読み、その手紙を写真に撮って岸本に送ります。
岸本は、手紙の画像を見ながら、ぐちゃぐちゃになったケーキを食べるのでした。
10分カレー
八頭尾山から戻ってきた岸本は、浅川の家に呼ばれてやってきました。何もない部屋に驚く岸本でした。
そんな岸本を座らせると、検察の主張通り作ったカレーを出して、岸本に食べさせます。
「不味いっす。ジャガイモ、固いっす。人参も固いっす」
検察の主張では、松本が帰宅してからチェリーが帰ってくるまで10分ちょっとしかありません。そんな短い調理時間では、煮込み時間が足りず、美味しいはずがありません。
キッチンに立ったままの浅川に岸本が「浅川さんは食べないんですか?」と問いかけます。
浅川は、睡眠も食事も上手くとれない状況です。食事は水とゼリー飲料だけで、ギリギリ生きているのでした。でも、岸本に言われ、ちょっと食べてみようと思った浅川は、カレーを盛ると岸本の前に座りました。
おそるおそるカレーを口に運ぶと、吐くことがなく、食べることができました。
岸本の嘘っぽさ
そんな浅川に気づかず、岸本は一人話し続けています。
「なんか、今回やってみて、僕、案外こういう仕事向いてる気がしてきたんですよね。正義のために行動するって、めっちゃ気持ちいいっすよね」
それを聞いて、浅川は気づい事を口にします。
「君ってさ、良いこと言えば言うほど、嘘っぽいよね。口先だけでしか声出してないでしょ?人が嘘ついてる時の声と、本当のことを言ってる声は違うんだよ。だから私たちは、まず発声の練習するの」
そういうとアナウンサーらしく、発音の違いをやって見せました。その違いに喜ぶ岸本。岸本は、発生の方法を教えて欲しいと言います。
「小手先のテクニックを使わず、普通に正しく生きてればいいの」
そう言うと、岸本の表情が変わりました。岸本にもいろいろあることを浅川は察したのでした。他にも気づいたことがありました。
「こいつと一緒だと、カレーが食べれるらしい」
斎藤からの呼び出し
フライデーボンボンの出演者たちと食事中、浅川の携帯に通知がきました。
「え?」
驚く浅川に「なんだよ」と聞く、チーフプロデューサー村井でした。
聞かれても言えるはずはありません。連絡は、斎藤からの呼び出しだったのでした。斎藤は、浅川が番組を降板する理由になった相手です。
待ち合わせ場所に向かうと、斎藤は車で来ていました。浅川が乗り込みます。
「この間の店でもよかったんだけどさ、いろいろ言ってくるやつがいて。君と食事してるの見たとかどうとか。岸本と三人でもあの調子なら、二人なら面倒なことになりそうだし、だからと言って君ん家に行くわけにも行かないから、ここで話す」
そういう説明ができる、仕事のできる男、斎藤でした。
当時の証言
「あの後、俺、当時の取材ノート読み返してみたんだよ。で、思い出したんだけど、そう言えば捜査のごく初期の段階で重要視された目撃者の証言があったんだ」
そう言うと、当時のニュース映像を見せてくれました。
「若くて、髪の長いすらっとした男の人と山の中へ向かって歩いていったんです。カップルかと思ったんです」
「二人で山ン中入って行って、仲良さそうにね。ニコニコ笑いながら二人で話してたよ」
そんな証言を得ていましたが、警察は途中で松本を逮捕するという方針になって、なかったことにされたのでした。松本は50代の小柄なおじさんで、髪が長い訳でもありません。
そんな重要な情報をくれた斎藤に飲物を買ってこようとする浅川。しかし、買わずに車に戻りました。
「やっぱりうちに行って下さい。貴重なお時間を割いていただいたのに、缶コーヒーじゃ申し訳ないんで」
斎藤は、良く通った浅川の家に向かって車を出すのでした。
断捨離
斎藤が車を止めている間に浅川は、先に家に入っていました。一緒に入るところを写真に撮られる訳にもいきません。
斎藤の到着を玄関で待っています。インターフォンがなると、浅川はすぐには出ません。待っていたことを悟られないように時間を取り、鏡で顔を確認して扉を開けました。
何気ない会話をしながらも、緊張している浅川。何もない家に斎藤をあげます。
「これ棄てたの、全部?」
以前来ていた部屋とは、ずいぶん変わっていて、驚く斎藤。
「いっぺんにはできなかったので、少しずづ棄てて、この状態になったのは2ヶ月前ぐらいですかね」
そう言われた斎藤は、浅川の家にあったソファーを思い出します。
「あのソファーとかいいやつだったんじゃないの?」
しかし、浅川は「見た目だけ、安物ですよ」と言うのでした。
「断捨離か。俺もその一環だったんだろうな」
斎藤はフラれたことをそう表現しました。戸惑う浅川に齋藤は後悔していることを伝えます。
「無理もないか。マメじゃなかったし、誠実だったとも言えない。そして、なにより無責任だった。あの写真が週刊誌に出た時、まず君を守る方法を考えるべきだった。あの時の俺は、男としてマジでくずだった。ソファーの方がまだ上等だったかもしれない」
あの時の浅川
でも浅川は、そんなつもりで振った訳ではありませんでした。
「私はあのソファーが嫌になって棄てた訳じゃないです。嫌になったのは、ソファーでもあなたでもなくて、自分なんです。私、世間からあの写真のせいでダメになったと思われてるみたいなんですけど、違うんです。あのずっと前から、もうダメになってたんです。ダメになってたから、あんな写真も撮られたし、番組も降ろされた。そして、そういう自分をあなたに押し付けようとしたんです」
浅川は続けます。
「まあ、あなたが不誠実な彼氏だったことは否定はしませんけど。報道部のエースだし、将来性はあるし、ちょっとぐらい女癖が悪くても、私のことを本気で愛してくれてなくても、プロポーズしてもらって結婚を機に退社ってことになれば、勝ちだって本気で思ってた。それで最大限、幸せを追求してるつもりだった。何もかも棄ててから、自分がどれだけ狂ってたか、やっとわかりました」
斎藤はそれを聞くと、帰ります。玄関を出たところで忘れ物に気づいた齋藤が戻ろうとすると、中から忘れ物を持った浅川が出てきました。
忘れ物を渡し、見つめあう二人。浅川が斎藤に近づき、寄り添います。斎藤が手を伸ばそうとすると、浅川は離れていきました。そして、浅川は家に戻っていきました。
斎藤は、未練がましく浅川の家のインターフォンを鳴らそうとしますが、結局鳴らさずに帰っていきました。
逆転無罪の可能性
浅川は、斎藤からもらった当時のニュース映像を木村弁護士に見せました。木村弁護士も、この目撃証言が気になっていたと言うのです。
「もし、この男を真犯人だと証明できれば、松本さんは釈放されますか?」
浅川がそう聞くと、木村弁護士は強く肯定します。
「そりゃ確実に逆転無罪ですよ。だいたい、この目撃証言を取り上げていたのに松本氏が出てきたとたんにロリコン男の仕業やゆうて、それしか言わなくなった。マスコミ報道のいい加減さ」
マスコミを批判する木村弁護士に、浅川は謝ります。
「すみません。先生がテレビの報道番組を見ないのもわかります」
しかし木村弁護士は、浅川を目の前にして悪いと思ったのか「浅川さんのは見てますよ」とフォローするのでした。
木村弁護士に見てると言われたニュース番組は、スキャンダルで降板したニュース番組でした。
「ニュース8、最近私は出てないんです。2年前に降板させられまして。私は、2008年に大洋テレビに入ったんです。キャスターを目指してたんですけど、お金がなかったので独学で勉強して、入社してから必死に上層部に掛け合いました。その甲斐あって、入社3年目でニュース8のサブキャスターになれたんです」
浅川が自分の話しをすると、木村弁護士は浅川のことを知っていました。
「知ってますよ。久々の大型新人化といわれてましたよね」
罰
そんな言葉に苦笑いする浅川。そして、今当時を振り返ると苦しくなると言うのでした。
「24歳の小娘の自分を少しでも大きく見せようと必死でした。どんな大変なことが起こっても、世界がどんなに混乱していても、あの人はぴしっと背筋をのばし、正しい真実を教えてくれる。そんな風に信頼されるキャスターになりたいと思っていました。でも、その夢は一生叶えられないことを知りました。サブキャスターになったのは2010年でした。その4月から降板するまでの6年間、自分があたかも真実かのように伝えたものの中に本当の真実がどれほどあったのかと思うと、苦しくて苦しくて息が詰まりそうになります。私には今、罰があたっているんだと思います」
今回は吐きそうになることはありませんでした。自分を見つめなおすことで、少しずつ回復に向かっているのかもしれません。
死刑執行
岸本は、ビデオカメラを持って、八頭尾山の遺体遺棄現場にやってきていました。
そして、お供え物が置かれている場所を見つけ、静かに手を合わせます。
それから、現場の撮影をしていました。
その時、岸本を見ている気配に気づきます。しかし、誰が見ているのかはわかりませんでした。
そのことを岸本が会社に戻ってから、浅川に話します。
「まさか、犯人な訳じゃないじゃん。イノシシじゃない?」
そう言うと、飲物を買いに行こうとします。その時、スマホに通知がきて、浅川は驚きました。ちょっと遅れて、テレビにも速報が入ります。
「死刑囚3人の死刑を執行」
松本の刑が執行されたのかも知れません。浅川の頭には、木村弁護士が言っていた言葉が甦ります。
「この国の死刑は、いつ執行されるかも、順番も決まってないって知ってますか?なんかよく纏めて執行されたりしてるでしょ?ゴミでも棄てるみたいに」
誰の刑が執行されたのか確認するために、浅川と岸本が走り出しました。
最後に
第2話で出てきた内容を見ると、松本が犯人ではないように思います。
そして、マスコミの不誠実で、話題優先の報道がされていたことがわかりました。さらに、それに煽られ、乗ってしまった警察の横暴さ。これから暴かれていくのでしょうか?
新たに発生したのは同じ犯人による犯行なのでしょうか?
そして、斎藤は味方か、敵か、どっちなのでしょうか?
すごく楽しみです!