出産 は一家の、一族の一大事です。
そして、男性と女性とで出産に関する認識が異なる部分でもあります。
そんなやんごとなき一族の第6話から第9話のまとめです。
以下、ネタバレを含みます。
6話 お茶会とショッピングセンター
婚約記念
「深山家を変えるってどうしたらいいんだろう?」
義母・久美にも言われましたが、歴史の重みが半端ではありません。どうしたらいいかと悩む佐都です。
そんな時、あんなに結婚を嫌がっていた深山家の末っ子・有沙は、香川家の御曹司とラブラブで婚約していました。幸せなら良かったんですけどね。
そして、お茶会を開いて婚約祝いをすることになりました。
主人は義姉・美保子。お点前は久美の予定です。
しかし、祖母・八寿子が登場して状況は変わってしまいます。佐都にお点前をするように言うのでした。
「あなた深山の女でしょ」
そう言われてしまうと、佐都は反論できませんでした。
ショッピングセンター
佐都の実家の近くの団地を潰して、ショッピングセンターを作る計画があります。
それを計画しているのは、義父・圭一です。
「ビジネスとして一番儲かるんだ。会社のことを考えろ」
しかし、発端は佐都への嫌がらせです。ショッピングセンターができてしまえば、実家の近くの商店街は潰れてしまいます。
そこで、健太はビジネスとして、ショッピングセンターより儲かることを提案すると言うのでした。
ショッピングセンターに代わる物
「この値段では団地のリノベーションは難しい」
ショッピングセンターに代わる物として、団地のリノベーションを考える健太。しかし、値段の折り合いがつきません。
そこに義兄・明人がやってきて、健太に諭します。
「あの土地を貸し出して、ショッピングセンターにするのが一番だ。
父さんはいつも深山家のことを考えている。
なんで立てつくようなことをするんだ」
そう言うと、小さい頃から健太に抱いていた気持ちを吐き出します。明人は、何かあると長男だということで怒られていました。しかし、次男の健太は、いつも好き勝手やっていました。挙句の果てには、後継者争いにしゃしゃり出てきたと言うのです。
しかし、後継者として争わせているのは圭一です。健太はそんな気持ちはありませんが、明人は昔からムカついていたのでした。
温泉
お茶会の勉強頑張ってる佐都に母から連絡が入ります。
「実家は深山の親族だから、商店街の人達から距離を置かれている」
長年の付き合いはあるものの、どうしてもそういう目で見られてしまうのは仕方のない事です。
そんな母の元に、ショッピングセンターの建設中止を求める住民の署名を持ってくる商店街の人達。深山の社長・圭一に渡して欲しいというのでした。
そんな時、団地のある小松町で温泉が出たことがわかりました。その温泉を使えれば、ショッピングセンターを作らなくてもいいかも知れません。
契約
「一歩、遅かったな。ショッピングセンターに反対署名が届いたから、契約を前倒しした」
圭一にそう言われ、愕然とする佐都と健太。圭一が深山家を守るように、商店街の人達も自分たちを守ろうとしています。
しかし、力の差は歴然としています。
健太は契約を阻止しようと、商店街に急ぎます。
お茶会
美保子の策略で、お茶会に呼ばれた佐都の母。
普段着でいいと美保子に言われてきましたが、他の参加者はみんな正装をしています。美保子は、恥をかかせておいて、着替えを用意し、お茶会に参加させます。
お茶会は、主人が美保子、お点前は佐都です。
そして、佐都の母は参加者の代表「正客」の座に座らせられました。
しかし、里の母は作法を知りません。美保子に散々恥をかかされます。
ただ、最後には知識ではなく、おもいやりで対処することで、なんとかお茶会を乗り切りました。
結構なお点前
「正しい作法は勉強すれば理解できます。一番大切なのは相手を思う心です」
そう言われ、なんとか乗り切ったお茶会。
最後に八寿子がやってきて、佐都に声を掛けます。
「佐都さん、結構なお点前でした」
努力をして短期間で作法を学んだ佐都に最大級の労いの言葉でした。
実は、八寿子も「庶民」の出で、深山家に嫁いでから苦労したのでした。自分のことを佐都と重ね合わせているようです。そして、少しは佐都のことを認めてくれたのではないかと思います。
不利な契約
商店街のお店と、ショッピングセンター側との間で、契約を行っていました。
しかし、本当に契約していいのかと躊躇する商店街の人達。
ショッピングセンターができたら、テナントとして入れるようにするというのが、ショッピングセンター側の言い分です。それを信じていいのか、悩んでいます。
そこに健太がやってきて、サインするのを止めました。
契約書を見ると、厳しい条件が書いてあって、条件をクリアしないとテナントに入れません。実質、テナントに入れない契約でした。商店街の人達がわからないと思って、強引に契約しようとしていたのでした。
健太がきたことで、商店街は守られました。
お茶会後
婚約の発表会だったお茶会も終わり、深山家と相手方の香川家がくつろいでいました。
お茶会で出たお菓子の話しになり、美保子がこのお茶会のために実家の和菓子屋に言って作らせたものです。
その言葉を聞いて、香川家の母が美保子の実家の話しをしだします。
「前の女将がホステス上がりの女に乗っ取られた」
それは、ホステスだった美保子の母のことです。庶民でしたが、母の結婚を機に老舗和菓子屋の娘になり、深山家に嫁いできたのでした。
そのことを知らなかった圭一は激怒します。しかし、明人は知っていました。明人が黙っていたことで、圭一の怒りは頂点へと達しました。
「おまえをかっていたのは、お前が従順だという一点。二度と顔を見せるな」
そう言って明人と美保子を追い出しました。
明人と美保子の出会い
明人は紹介で美保子と出会ったようです。
そして、明人は美保子に一目ぼれしました。だからこそ、美保子の出自を知ってもなお、受け入れることにしたのでした。
家に帰ってくると、美保子は暗い部屋で泣いています。
しかし、暗闇が怖い明人は美保子を慰めにいけません。暗闇が怖いのは、小さい頃に圭一に怒られ、倉に閉じ込められた経験からです。そして、助けにきた健太に対する逆恨みをしています。明人と健太の間の溝は、昨日今日できたものではありませんでした。
そして、地下道を歩いていた明人は、雷で停電した地下道でパニックを起こしてしまいました。
7話 泉の猛攻
兆候
ショッピングセンターの計画が、健太の計画する温泉施設になることになりました。秘書の泉を連れて、健太は現場の視察にきています。
そして、佐都の実家の定食屋「まんぷく屋」で、商店街の人達と祝勝会を開きました。
その時、炊けたご飯の匂いで吐きそうになる佐都。これは、妊娠の兆候です。
報告
佐都が妊娠したことを報告すると、圭一も久美も大喜びです。
それに対して、美保子には冷たくあたります。佐都が庇いますが、美保子はそれは受け入れることができません。
「ここからが本当の地獄の始まりよ」
そう言うと、美保子は帰っていきました。
そして、佐都は安定期前の大事な体だということで、家事などの雑事から解放されました。ただ、佐都のためではありません。それは、深山の子供のためでした。
「で、性別はいつわかるんだ?」
圭一は性別だけが気になります。
パーフェクト
環境大臣に立花という政治家が選ばれたというニュースをやっていました。
それは、健太の秘書・泉の父親です。
その泉に近づく美保子。健太と泉を結婚させるために協力しようと言いますが、泉にはあっさり断られてしまいます。
そんな時、泉が仕事のメールの送信先をミスするという事件が起こります。
「パーフェクトじゃなきゃいけないのに」
そう言って号泣する泉。健太は慰めてあげるのでした。
泉がやってきた
佐都は病院の特別室を見学していました。深山家の人は、みんなこの特別室で出産準備をしているようです。しかし、定期健診以外で使うのは、まだ先の話しです。
そんな時、泉が深山の家にやってきて、食事の手伝いをしていました。
なぜ泉がいるのかと驚く佐都と健太。
これは、圭一が仕組んだものでした。大臣となった泉の父と申し合わせて、佐都を追い出して、泉と健太を結婚させようとするものでした。
猛攻
温泉プロジェクトで視察のために出張する健太。
その準備に深山家に泉がやってきました。必要な物を全て準備してきています。
それを追い返しますが、泉の猛攻は続きます。
出張先でいろいろな温泉に入いる健太。出張に同行しないはずの泉が追いかけてきました。そして、健太と混浴状態になります。
泉がきたことで長湯してしまい、のぼせてしまう健太。健太が寝ているベッドに添い寝する泉。かなり強引です。
キスし、抱きつく泉から離れる健太。佐都からの連絡にも出る余裕がありません。
「失敗してもやり直せばいいと教えてくれたのは健ちゃんだよ。
私たち、やり直そうよ」
泉はそう言うのでした。泉と健太は、元々付き合っていました。しかし、泉がフランスへ行った事で、関係は終わってしまいました。
ただ、その時と状況は大きく変わっています。泉の猛攻は、まだまだ続きます。
は?
健太が帰宅すると、泉から鬼のようなメッセージが届きます。そして、電話もかかってきました。
健太は佐都の前で電話に出て、連絡をしてくるなと泉に伝えます。
しかし、泉には響いていません。電話を切ったあと「は?」と言っていました。
さらには、深山の家に泉がやってきて、健太の世話を焼こうとします。
佐都は「何のつもりですか?健太は私の夫です」と、はっきり言うのでした。
取り消し
温泉の掘削許可が取り消しされたと連絡がはいります。
佐都と健太は、出産前のあかちゃん講習に出かけていました。しかし、環境大臣の泉の父親に呼ばれ、会いに行くことになりました。佐都は一人で残されます。
健太が泉の父親に呼び出され、掘削許可が必要なら泉と結婚するように迫られます。しかし、健太ははっきりと断りました。
佐都と別れて下さい
健太を待っていた佐都は、腹痛で病院に搬送されてしまいました。
そこに圭一がやってきて、健太と別れるように言うのでした。
「健太は来ない。泉さんと結婚する。
子供は連れて行ってかまわない。特別にな。
悪い話じゃないだろう?家柄も学歴も違いすぎるんだ」
そう言われますが、佐都は納得できません。その話を佐都の母は聞いてしまいました。
「佐都は自慢の娘です。こき下ろされたり、貶められたりすることはありません」
圭一には何も響いていませんが、母は佐都を守るために必死です。
そして、圭一が帰り、健太が病院にやってきた時に母は言います。
「佐都と別れてください。
大切な娘を侮辱されて、傷つけられるのを耐えることができない」
8話 泉の暴走
壮絶な修羅場
母は「あんな家で子供を守っていける?」と言いますが、佐都と健太はまだあきらめてはいません。
佐都は「健太は別れて生活した方が幸せ?私は健太と一緒にいることが幸せ」と健太に言い、二人は状況を打開していくことを誓いました。
翌日、病室に泉が訪ねてきました。泉は圭一の後押しもあり、健太と結婚する気でいます。
「あとのことは私に任せて下さい。跡継ぎも私も生みますから。
佐都さんは、お腹のお子さんと一緒にいられますから。
養育費は成人になるまで十分な額が渡されます。
健太と別れないかぎり、あなただけじゃなくみんなが幸せになれないんです」
そんな修羅場を見た義弟・大介は見舞いもせずに帰っていきました。
八方ふさがり
「泉さんが健太と別れるように詰め寄ってた。ただ佐都さんも負けてなかった」
大介は健太のところに来て、病室の状況を説明していました。
その大介と一緒に来たのは、マダムキリコです。
健太は、泉の父に掘削許可を出すよう再度お願いします。しかし、「泉との結婚」という条件は変わりません。
そして、泉は泉で、会議だと健太を呼び出し、ウェディングドレスを着て結婚を迫ります。
プロジェクトを成功させるためには泉と結婚する必要があり、健太は八方ふさがりの状態でした。
マダムキリコ
マダムキリコは、泉の父親の裏の顔「パワハラ男」をたてに交渉します。
「深山家の次男夫婦から手を引くこと。温泉事業を許可すること」
しかし、パワハラの証拠はないと食い下がる泉の父親。ですが、マダムキリコの方が優勢です。
実は、泉がフランスから日本に帰ってきたのには、理由がありました。それは、泉が殺人未遂を犯し、連れ戻されたというものです。
キリコの恋人だった人は泉の父親の秘書でした、そしてパワハラが原因で自殺してしまったのでした。その元恋人のためにも、泉の父親に一矢報いる必要がありました。
そして、キリコに助けられ、泉の父親から無条件で掘削許可をもらえることになりました。ただ、キリコを動かしたのは佐都だと言うのです。
「前に言われた逃げてるだけという言葉にカチンときてた。あなたには、こんなところで潰れてもらっては困るの」
そういう言葉を使って、佐都を応援してくれていました。
暴走
今度は、泉が美保子に協力を求めますが、あっさり断られてしまいます。美保子は泉に断られたことを忘れてはいません。
父親が温泉事業の許可を出してしまい、泉の過去の事件から健太との結婚もなくなってしまいました。そして、健太の秘書も辞めることになりました。
切羽詰まった泉は、暴走するしかありませんでした。
同行
「最後の視察、私も同行させていただけませんか?」
健太は泉からそう連絡を受けます。しかし、了承を得る前に泉は現場にきていました。
取り壊す団地の屋上で、飛び降りようとする泉。止める健太。
「なんかもう疲れちゃった。
私、一人で行くのはもうやめる。一緒に行こう」
健太の手には手錠をかけ、逃げられないようにします。飛び降りるのにも、健太を同行させようとしています。
泉は、父親の「パーフェクト」を実現しようと生きてきました。しかし、上手くいきませんでした。
ただ、健太はパーフェクトを求めませんでした。失敗してもいいと言ってくれた健太と、一緒にいたいと言う泉。
健太は「泉は泉の力で幸せにならないとダメだ」と言いますが、泉は強引に健太を道ずれに落ちてしまいました。
ケガ
連絡を受けて、佐都は病院に駆けつけます。
健太は、命に別状はありませんでした。落下の衝撃で全身打撲と脳震盪があったぐらいです。
目を覚ました健太は、自分のことより泉のことを気にします。泉は、健太よりケガが重く、手術をしました。ただ、無事に手術が終わって、命は取り留めました。
お見舞い
泉が入院している部屋には、誰もお見舞いに来ません。
佐都は泉の病室に入っていきます。
「泉さん、健太をあんな危険な目にあわせて、あなたを絶対に許さない」
そう言って、泉を責めます。しかし、泉は「もうそんな気はないから安心して」というのでした。
泉はパーフェクトにできなかった自分を責め、生きている意味がなくなったと言うのでした。そして、もう取り返しがつかないと嘆くのでした。
佐都は、そんな泉を叱ります。
「いい訳ないでしょ?自分のやったことと向き合ってよ。
人は何度でもやり直せる。
泉さんはまず、その完璧という呪いから逃れるべきです。
その呪いをかけてる人から逃れないと、同じことの繰り返しです。
その呪いを解けるのは、泉さんだけです」
そう言うと、病室を後にしました。
嘘
「妊娠したんです、明人さんの子供を妊娠しました」
圭一に相手にされない美保子は、嘘をつきました。深山家に子供が増えることは、圭一にとっていいことです。ただ、男のであれば、ですが。
しかし、とんでもない嘘です。この嘘を現実のものにしなければなりませんが、明人とは連絡がとれません。
しかたなく、精子提供を受けることを考え、ネットで検索しました。そして、お金を払い、精子の提供を受けました。
泉のその後
退院した泉は家に帰りました。しかし、パワハラや泉の不祥事が暴露され、大臣を辞任することになった父親に責められます。
「お前のせいだ、お前のせいで辞職することになったんだ」
元々は自分のせいです。しかし、泉が健太と上手くいっていれば、キリコが出てくることはなかったかもしれません。
そんな父親に泉は言います。
「お父さんのために頑張るのはやめる。完璧はもうやめる。さよなら、お父さん」
そう言うと家を出ました。泉は深山家に行って、健太と佐都にも報告し、謝罪しました。
9話 春菜
叔母
ある日、佐都たちが住む部屋に荷物が届きました。アイドルを応援する時の団扇です。
久美は、そろそろあの人が来る頃だと言います。
そこにやってきたのは、圭一の妹・春菜でした。
春菜は、毎年決まった時期に深山家にやってきて、滞在中は美保子と過ごしていました。しかし、妊娠をあかしたばかりの美保子を外出させられません。それならと、安定期に入った佐都が相手をすることにしました。
明人
深山の会社の定期役員会で、明人がリモートで現れました。
「ビックプロジェクトを進行中です。会社に多大な利益をもたらすものです」
しかし、詳細は話しませんでした。
おっかけ
春菜は男性アイドルのヤマトを追っかけて、全国を回っていました。
出待ちをしているとヤマトが現れます。ヤマトが着けているネックレスは、春菜がプレゼントしたものでした。
しかし、服も靴もプレゼントしたと言う女性がいて、春菜は負けてしまいました。
帰宅後、悔しがる春菜を見た圭一は「みっともない」と切り捨てます。
そして、今まで春菜が散財してきたことを責め、今後は支援しないといいます。
精子提供
美保子は精子提供を受けましたが、結局使いませんでした。
さすがに「あれは違う」と思ったようです。
しかし、明人はまだ帰ってきません。明人を跡継ぎにするしか、この状況を打破する方法はないのです。
そんな状況から、お酒を飲んで逃げている美保子でした。
跡継ぎを生むという仕事
春菜は生け花を活けています。かなりの腕前です。
そこに有沙が帰ってきました。しかし、すぐに香川の義母が迎えにやってきます。
有沙の排卵日を把握し、跡継ぎを生むために体をアルカリ性にしないといけないと言います。
そして、今日の夜の為に早く帰るんだと有沙を連れて帰りました。
「なんなんですか、あれ?」
そういう佐都に久美は仕方ない事だというのでした。
ヤマトとお食事会
春菜はこっそり倉庫へ入っていきました。何をしているのでしょうか?
後日、ヤマトを招待してのお食事会が深山家で開かれました。
春菜はヤマトに高級腕時計のプレゼントをします。ごっつい腕時計で、それを見た健太もびっくりします。
ヤマトは妊婦の佐都に子供の性別を尋ねます。しかし、まだ性別はわかりません。
「きっと、どちらでも最高にかわいいんでしょう」
ヤマトはそう言ってくれました。笑顔が眩しいヤマトでした。
悲劇
「男の子よ、男の子じゃないと、悲劇だわ」
春菜はそう言います。
男の子が生れなければ、その家は潰れてしまいます。もし、深山家に男の子が生れなければ、他所から跡取りを連れてこなければいけません。そうすれば、深山家は内部崩壊を起こして、家を乗っ取られることになるということを恐れていました。
男の子を生んで、家を守るのが深山の嫁の勤めなのでした。
骨董品
「久美、所蔵の骨董品を出してくれ」
圭一は久美に指示をします。香川家の親戚の国交省の事務次官に骨董品を見せるのだと言います。
倉庫の骨董品を確認する久美と佐都。しかし、大事な「オールドパープルの花瓶」がありません。
圭一に無くなったらと知られたら、どうなるかわかりません。
そんな二人の姿を遠くから見ている春菜。佐都と目が合うと、逃げるようにいなくなってしまいました。
ヤマト
「ヤマト骨董品店」
佐都と健太が探し出した「ヤマト」と名の付く骨董品店。春菜が花瓶を持ち込むとしたらここだと目星をつけました。春菜はヤマトが好きすぎて、ケーキを買うのも「ヤマト」とつくケーキ屋でした。
案の定、花瓶はこの骨董品店に持ち込まれていました。
しかし、買い戻すには現金で2000万円必要です。しかし、大きな金額を動かすと圭一にバレてしまいます。しかたく、ヤマトに贈った時計を売って、買い戻すことにしました。
春菜はヤマトに嫌われてしまうと渋りましたが、ヤマトはあっさり返してくれました。
「こういうことはもういいって伝えて下さい」
ヤマトは、売れない時から応援してくれている春菜がいたから、売れたと感謝していました。
春菜の苦悩
「彼は、自分が存在してもいいんだって思える、唯一の存在なの」
春菜は、小さいころからずっと父親にに無視されていました。女ってだけでがっかりされ、家の役に立たない子供だと言われてきていました。
そして、体が弱かった春菜は、跡取りを生めないんじゃないかと見合いも断られて、今まで独り身でした。そんな時、ヤマトだけが必要としてくれたのでした。
しかし、佐都も久美も春菜を擁護します。
事務次官
香川家の段取りで、国交省の事務次官が深山家にやってきました。
並べられた骨董品を眺める事務次官。
そこに買い戻したオールドパープルが置いてあります。ただ、花瓶だけに盛大に春菜が花を活けてありました。それを見て怒る圭一。
そして、驚く事務次官。しかし、その驚きはいい驚きでした。高価な花瓶を大事にすることが多いが、花瓶は花瓶、花を飾る物だと言うのです。そして、見事に活けられた花を見て、どこの先生が活けたのかと尋ねます。
そこで佐都と久美は、春菜を紹介することができました。
性別
事務次官が帰り、香川家と深山家だけになりました。
香川家では、まだ妊娠しない有沙のために、佐都にどうやって産み分けしたのか聞きます。香川家の母親は、佐都のお腹を見て、男の子だと確信していました。
しかし、佐都が妊娠してるのは女の子でした。事務次官が来る前に定期検診があって、そこで伝えられていました。
「がっかりだ」
圭一はそう言います。この家に必要なのは男だと言うのです。
しかし、佐都は反論します。
「勝手に役割を押し付けないで下さい。
男の子なら跡取りで、女の子なら政略結婚。
それ以外ならお荷物だなんて」
春菜の苦悩を聞いて、自分の子供にも同じ目に合わせられないと思うのでした。
別れ
「生け花の個展をひらけることになった」
先日訪れた国交省の事務次官の計らいで、春菜は個展を開くことができることになりました。
春菜は「自分にも価値があるんだなって思えるようになった」と佐都に感謝します。
そして、深山家から去っていきました。
離婚
「ヒエラルキーの最下層から頂点まで登りつめた無双の女よ」
美保子はそう言って自分を奮い立たせます。努力、謀略、知略、それらを全て活用して、明人を跡取りにしようと考えています。
そんな時、明人から久々に連絡が入りました。
美保子が呼び出されたところに行くと、1通の封筒が置いてありました。中には離婚届。明人の名前が書いてありました。
「別れてくれ」
美保子に電話をしてそう伝えます。明人は見下してきた人に復讐する気です。その中には美保子も入っていました。
美保子は「なにもできないくせに」と言いますが、明人は「昔の僕じゃない」と言うのでした。
破水
「旦那様が家にくるようにと。これが最後通告だと」
美保子は圭一に呼び出されて深山家に行きました。
「大ぼら吹きのメギツネめが。
病院に聞いたら、一度も検診にきていないと言っていた。
そして、調べてみたら、明人が何カ月も帰ってきていないことがわかった」
そう言って、圭一は美保子に出て行くように言うのでした。
圭一に罵倒され、逆上した美保子はナイフを掴みます。しかし、その手は佐都に止められました。
その時、陣痛が来て佐都が倒れてしまいます。破水していました。
呼び出された健太
同じ時、健太は明人に呼び出されていました。
そこに現れたのは、車いすに乗った明人でした。
最後に
出産はどこでも一大事ですが、深山家にとっては最優先事項のようです。
佐都の影響でいろいろな人が味方になり、なんとか乗り越えられてきました。
あとは、長男・明人との決着をつけなければいけません。
そして、まだまだ問題は発生しそうな気配です。