それぞれの幸せ の形があります。
そんなことを考えさせられた、やんごとなき一族第4話と5話のまとめです。
深山大介の独立騒動から発展した佐都への離婚命令。
さらに、影響は有沙の見合い話しまで広がっていきます。
以下、ネタバレを含みます。
独立宣言後
「出て行け!二度と深山家に顔を向けるな!」
圭一の指示で荷造りをし、離婚届まで渡されます。
しかし、出て行こうとする健太と佐都に父親・圭一が聞きます。
「ソリマチを知ってるか?」
ソリマチはパリの2つ星レストランです。健太が指名された裏青山の商業ビルにソリマチを誘致できたら不問にすると言うのです。
健太は「今度こそ、親父に認めさせてやる」と言って意気込みます。
しかし、ソリマチは日本のシステムに嫌気がさして、フランスに渡りました。日本に出店する気はないようです。
そして、フランスに渡るキッカケになった人「マダム・キリコ」からソリマチに働きかけることを考えます。
兄夫婦
健太と競争させられている兄・明人。
福岡でのホテル事業を深山不動産から独立させ、その社長を任せようと思ってると圭一に言われます。
しかし、それはチャンスだけでなく、試されてるのだと妻・美保子に諭されます。
そして、健太達が裏青山に誘致しようとしているソリマチを横取りしようと考えています。
マダム・キリコ
マダム・キリコは、健太の弟・大介のクリニックの顧客でした。
キリコは、実年齢は還暦近いのに30代にしか見えない「化け物」だと言います。
言われているのは「女郎蜘蛛」。
若い男をはべらせていて、その男たちは「キリコベイビーズ」と呼ばれていると言うのです。
大介はその一員に誘われていたようです。
妨害
マダム・キリコの着ていた着物を見て、母・久美は「根岸」という呉服屋で見たと佐都に言います。
佐都と健太は、根岸に出向き、マダム・キリコに会う方法を尋ねます。
根岸がマダム・キリコと会ったのは、青山にある「プレセチア」というサロンでした。
佐都と健太はサロンに向かいますが、会員の紹介か、直接のアポイトメントがないと入れないと言われてしまいます。
そこで「深山と申します」と名乗ると、紹介もアポイントもありませんが、通されました。
それは、健太の兄夫婦がアポイントを入れていたので、勘違いして通されたからでした。
契約締結
明人は「テナント料なし売上の数%だけ」という破格の待遇で、ソリマチを横取りしようとしていました。
大介のクリニックで働いていたユリからの情報で、大介を使ってマダムキリコに近づいたのでした。
「ホテルにクリニック作ってあげるから」
お金に困った大介にお金を渡し、父・圭一に取り上げられたクリニックを福岡のホテルに作ってやると言うのです。
その大介の協力があり、キリコの声掛けで福岡のホテルのメインダイニングにソリマチが入ることが決まりました。
「よくやった。それでこそ組織の上に立つ者だ」
そう圭一に褒められる明人。ですが、「大介をベイビーズとして売った」ことによって得たものでした。
利用価値
「大介にもまだ利用価値があったか」
そういう圭一に健太は食ってかかります。
「家族はビジネスの道具じゃないだろ!」
明人と健太を争わせ、家の発展させようとする圭一の手法です。
そして、上手く立ち回ったどちらかを跡継ぎにしようとする考えです。
とは言っても、健太には裏青山の商業施設にソリマチを招聘しないと、佐都は追い出され、離婚になってしまいます。
そこで思いついたのは、呉服屋の根岸から紹介してもらう方法でした。
根岸からは紹介する代わりに、「貿易会社の社長が嫁を探している、有沙はどうか?話しをしておいて欲しい」と頼まれました。
大介を返して欲しい
マダム・キリコに会うことができましたが、通されたのは佐都だけでした。
しかし、マダム・キリコは佐都に対して、説教をします。
「庶民は庶民の世界に戻った方が楽よ。
深山家では、下々は同じ人間として見られなくて当たり前。
パパりん(圭一)の愛人に啖呵を切るなんてもっての外」
この男社会が受け入れられないなら出て行けばいいと言われますが、佐都は健太とその理不尽に立ち向かって行きたいと反論します。
そして、ベイビーズとなった大介を返して欲しいと言います。
しかし、大介自信は帰る気はないと佐都へ言います。
あきらめ
「生きてきた世界が違うんですね」
マダム・キリコの過去の経歴を聞き、世界が違うと感じる佐都。
しかし、違わないとキリコは言います。ただ、深山家で頑張るなんて人生の無駄だと言います。
そんなマダム・キリコに佐都は、問題から逃げていると言います。
「健太みたいな人もいるし、このおかしな男社会を変えていけると思います。
諦めて手を引くことはできるけど、次の世代もまた同じことで苦しむことになる。私たちは行動を起こして変えていかないといけない」
そう啖呵を切りました。
健太と大介
佐都だけが呼ばれ、ロビーで待たされ、落ち着かない健太。
そこに大介がやってきました。
心配する健太に大介は、
「あの人、女郎蜘蛛なんかじゃないよ。
キリコさんは金持も力もないけど才能はある若者を支援していて、それがベイビーズって呼ばれているんだ。
大事なビジネスの話を俺の体と引き換えに決めるわけないじゃん」
そう言うと、マダム・キリコと組んででかくなってやると言うのでした。
最後のチャンス
佐都を伴ってロビーにやってきたマダム・キリコに健太はお願いをします。
「キリコさん、ソリマチの件、チャンス下さい。
明日、契約の前、時間をもらえませんか?10分でも5分でも」
なんとか兄夫婦との契約の前に時間をもらうことができました。
そして、契約日の当日、健太がキリコにプレゼンをします。
「若いわね」
前回の福岡のホテルのプレゼンでも、同じような反応をされていました。
そこに佐都がやってきて、マダム・キリコを料理でもてなします。
用意した料理は、佐都の実家の定食屋のモツ煮です。
高級食材ではなくモツ煮にしたのは、どうしたらキリコに佐都という人間をわかってもらえるかを考えたからでした。佐都の原点となる料理が、このモツ煮です。
「このモツ煮、とーっても気に入ったわ。私にちょうだい。
マダムキリコが世界に売ってみせるわ。
レシピも権利も全部ちょうだい。どう?くれる?
くれたらソリマチの件、考え直してもいいわよ」
そう言われます。しかし、それはできないと断ります。
このモツ煮は、佐都だけのものではありません。佐都の父母、支えてくれた常連さん達の思いが詰まった特別なものです。健太は、それを店から奪うことはできないと言います。
「そう?なら仕方ないわね、話は終わり」
そうやって、キリコとの最後の交渉は終わりました。
キリコからのプレゼント
「明人、無事に契約おめでとう」
圭一はマダム・キリコを口説き、ソリマチを出店させることに成功した明人を褒めます。
そして、さらに新しい情報を教えてくれました。
「それからもう一つ。パリから電話があって、あのフランスのポール・モローが建築を手がけてくれることになった」
ポール・モローはオリンピックスタジアムを手がけた有名建築家のようです。
そして、それは健太の裏青山のプロジェクトの商業ビルに対してでした。
「マダムキリコの推薦だそうだ」
健太達のソリマチを誘致する交渉は上手くいきませんでしたが、健太と佐都を見込んだマダム・キリコが推薦してくれたようです。
ポール・モローが参加してくれることになったことで、佐都が出ていくこともなくなりました。
有沙の縁談
そこに呉服屋の根岸から、お見合い写真が届けられました。
佐都が交渉した時に頼まれたお見合いです。
貿易会社・香川家の御曹司と有沙のお見合いでした。
マダム・キリコの時に大介を売ったと非難していた健太達ですが、今回有沙を利用したことで、同じことだと有沙がキレられてしまいました。
香川貿易の御曹司
見合い当日、写真で見た御曹司とは別人がやってきました。写真は詐欺でした。
明るくノー天気で、いかにも坊ちゃんという感じです。
御曹司の母には、結婚して後継者さえ生めば、あとは何でも自由にしていいといわれます。
しかし、有沙にはその気はありません。
深山家では、縁談は家と家との繋がりだと言って重要視されます。深山にメリットがない縁談には反対です。しかし、メリットがあれば、本人同士の意思は関係ありません。
香川家の親族には農水省とか国交省に行っている人が多いようです。
農水省は深山家とは関係ありませんが、国交省とは深い関係があります。
国交省とのパイプを強化したい深山家の思惑に一致しました。
「この縁談、お受けいたします」
そう答える圭一。しかし、有沙は受け入れることができません。
「絶対イヤ!あんな男と結婚するぐらいなら出て行ってやる!」
有沙の家出
「香川さんの方から断っていただけないでしょうか?お願いします」
健太と佐都は、圭一が受けた縁談を香川家の方から断ってくれるようにお願いしました。
しかし、御曹司は有沙に一目ぼれしていました。それに、御曹司の母は、深山家との縁談をもう自慢しているというのです。
香川家から断るのは難しいようです。
そんな時、有沙が家出しました。
家族総出で探しますが、どこに行ったかわかりません。車に乗り込んだと言う情報もあり、協力者がいる可能性がでてきました。
そこに、有沙から母・久美にメールが届きます。
「この縁談がなくなるまで帰らない、スマホは捨てる」
彼氏
心配した健太は、有沙に電話をしますが、留守電になってしまいます。
伝言を残すと、有沙から着信がありました。
教えられた住所へ行くと、ごく普通の古めのアパートがありました。
インターフォンを押すと、出てくる有沙。男性と一緒にいました。
「彼氏に決まってるじゃん」
彼氏・シュンヤとは1年前から付き合っていました。職業は植木職人。いつか自分の造園会社を作りたいと思っていると言います。
有沙は、いつかは別れなければならないってわかっていながらも、ずっと一緒にいたいと思っていました。
それを聞いて、健太と佐都は応援すると約束しました。
縁談を断る
母・久美が連絡しても、有沙とは連絡が取れません。
SNSでは有沙が「お見合いが嫌で家でした」とか「失踪したんじゃないか」と噂になり始めています。
しかし、圭一は「一度承諾したものを翻す訳にはいかない」と断る気はありません。
そんな時、深山家に香川家の御曹司がやってきます。有沙をデートに誘うつもりできましたが、有沙はいません。予定を聞いて連絡させると追い返すしかありませんでした。
「このままだと深山家にとってとんでもないスキャンダルになる、そうなる前に断ってくれ」
健太や久美に言われ、圭一は断ると言いました。
私の幸せ
縁談が破談になったことを有沙に伝え、健太と佐都とお弁当でお祝いします。
そして、有沙の前でもイチャイチャする健太達。
「好きな人と結婚すると、そんな風に笑い合えるんだね。私たちもそうなれるかな?」
なれると言う佐都。その言葉を聞いて、有沙はもう家に帰らないと決断します。
家の為ではなく、「私の幸せのため」に結婚すると誓います。
そして、佐都に付き合ってもらって、同棲生活の買い出しに行く有沙。
夫婦茶碗などを買いました。
帰り道、今までの佐都への意地悪を謝る有沙。ただ羨ましかっただけ、ひがんでいただけだったと告白します。
破局
有沙達がシュンヤの家に帰ると、明人夫妻が待っていました。
座っているシュンヤの目の前に積まれた札束。
「シュンヤさん、有沙さんとはお別れするそうよ」
明人の妻・美保子がそう言うと、明人は更に小切手1000万円をシュンヤに渡します。
有沙がシュンヤに問いかけても、詰め寄っても、シュンヤは一言も発しません。
有沙と一緒にいると約束はしましたが、あっさりと破られてしまいました。
そして、有紗は明人夫妻に連れ戻されました。
幸せのありかた
帰りの車の中、美保子は有沙に話します。
「私たちは一般人とは違う。
恋とか愛とか、そんな不確かなものに人生を左右されるレベルにはいない。
我慢すること、大変なこともたくさんある。
でも、私たちに憧れを持ってくれる女性もたくさんいる。
だからこそ、プライドを持って家のために頑張ることもできるし、家を発展されることもできる。
それが、この世界で生きる女の最高の生き方よ。
大丈夫、必ず幸せになれる」
佐都と美保子は育ちが違います。そして、価値観も違います。
美保子は美保子なりの「幸せ」を得ようと努力していました。
だからこそ、佐都のことは疎ましく思えるのです。
発覚
「私の目を誤魔化せると思っていたのか」
圭一は怒っています。健太達のことを怪しんでいました。
そのため、見合いを断ると言って油断させ、泳がせたといいます。
その結果、出かける健太達の後をつけさせたら、有沙のところへ行っていたことがわかりました。
「無理だよ、どうやったって、パパには敵わない」
有沙はもう諦めていました。深山家では、有沙の気持ちより家が優先されます。有沙もそれを見てきました。
「私のことはもう気にしなくていいから」
そう言って、健太と佐都の前から去りました。
最後のお願い
「今の有沙さんを見て、お父さんは何も感じないんですか?」
深山の家に生まれたからには、果たすべき役割があると圭一は言います。だからこそ、この縁談を有沙も受け入れていると言いますが、佐都は受け入れられません。
「受け入れているんじゃなく耐えているんです。理不尽に耐えているんです」
しかし、圭一の考えは変わりません。深山家の発展が幸福だ、そのための結婚だと言います。
佐都は、「家族の中で幸せじゃない人がいるのに、この家は幸せだと本当にそう言えるんでしょうか?」と言います。
ただ佐都は、有沙に幸せになって欲しいだけなのです。立ち去ろうとする圭一の前で土下座して縁談を断るようにお願いする佐都。
しかし、縁談は決定事項で覆ることはありません。
そこに有沙がやってきて、佐都を止めます。
「もういいよ、佐都さん。
パパ、心配しなくても、香川家に嫁ぐから。
それで絶対に幸せになってやるから」
健太のお願い
香川家の御曹司の前にやってくる健太。
健太は御曹司に子供の頃の話しをします。
「有沙は俺のイチゴを奪うんです。有沙はイチゴが大好きなんです。
子供の頃、家でショートケーキが出ると、いつのまにか俺のショートケーキからイチゴが消えてて、有沙が俺のイチゴ頬張ってるんです」
そんな自由に振る舞えたのは有沙だけだったと言います。そういう有沙の素直さや笑顔が、子供の頃の健太の救いでした。
そして、御曹司に約束を迫ります。
「約束してください。有沙は俺の大切な妹です。
不幸にしたら絶対に許しません。
有沙のこと、よろしくお願いします」
涙ながら訴える健太の兄らしさ、優しが発揮されたシーンでした。
深山家を変える
「佐都さんってバカだよね。あのパパに逆らうなんて。
私さ、言うほど不幸じゃないのかもしれない。
私のためにここまでしてくれる人がいるってわかっただけでも、幸せな気がする。
ありがとうお姉さん」
佐都の一生懸命が有沙に伝わりました。
有沙は有沙の幸せのために嫁ぐことを決めました。
そんな時、家族写真を見ている母・久美の姿がありました。
子供たちの写真を見ながら、佐都に話します。
「この子達が生まれた時に誓ったの、この子達を守ろうって。
逆らわないようにしてきた。受け流してきた」
そうすることが家族の幸せになると信じていた母の姿です。
しかし、誰一人守ってあげれなかったと悔みます。
それを聞いた佐都は、お母さんは一人でこの家で戦ってきたと言います。
「佐都さん、お願い。この家を変えてちょうだい。
それはあなた達にしかできないの」
そう言って、佐都と健太に深山家を託しました。
感想
人権の話しをすると、深山家には大きな問題があります。
しかし、深山家には深山家のやり方があるのもわかります。
ただ、それは一般的な考え方とは違います。佐都はその「一般的な考え」を深山家に適用させようとしています。
古いと言われますが、そうやって成りたっている深山家を壊すことが、本当にいい事なんでしょうか?
前回もそんな話をしましたが、やっぱり納得できなかったです。
最後に
有沙の縁談がすすむ深山家。
次週は祖母・八寿子が再登場です。
また波乱がありそうですが、どうなるんでしょう?
気が重いですが、楽しみでもあります。