裏切り 者が出てしまいました。そして、それは、あっさり誰か判明します。
特許情報も技術者も流出してしまったドリームポニー。
どうなってしまうのでしょうか?
そんな第7話のネタバレです。
主な登場人物
成川佐奈 永野芽郁
小鳥智志 西島秀俊
須崎功 杉野遥亮
森本海斗 坂東龍汰
栗木次郎 前原滉
夏井恵実 青山テルマ
羽田早智 広末涼子
永瀬拓也 松尾貴史
第7話のストーリー
特許の行方
「スタポニキャンパスの特許が他の会社から申請済みだと言われた。申請したのは、ゲームアカデミアだ」
弁護士からの情報を伝えたのは功でした。
「ねえ、ちょっと前に海斗が、功のパソコンを見てたんだけど。まさか、うちらの特許の出願書類を見たとか?」
恵実は、不審な動きをしていた海斗のことをみんなに話します。それがもし本当だとして、それをゲームアカデミアに横流しして、先に申請されたということなのでしょうか?
「そう言えば、海斗、最近会社に顔出さないよな。大学のテストが忙しいとかで」
ファミリーデイの前から海斗がきていませんでした。佐奈は海斗に連絡してみることにしました。
昨日の友は今日の敵
功は、海斗の机の下に、ゲームアカデミアの永瀬の名刺が落ちているのを見つけました。
そして、功は実際に永瀬に電話してみます。
「ドリームポニーの須崎です。特許の件、どういうつもりですか?
どうしてこんなことを?あの技術は俺たちが開発したものです」
功の問いかけに永瀬は、簡単に答えました。
「もう気付いたの?案外早かったね。
特許出願は早い者勝ち。そんなのビジネスの常識だろ。
君の同僚が教えてくれたんだよ。森本くんだっけ?昨日の友は今日の敵。残念だったね、じゃあ」
実にあっさりと流出させた犯人がわかりました。
「アイツ、ゲームアカデミアにヘッドハンティングでもされたんじゃない?だから俺たちを裏切って」
栗木の指摘は的を得ているのかもしれません。
海斗のトラウマ
そんな時、ドリームポニーに海斗がやってきました。
「おい、お前どういうつもりだよ。
とぼけんなよ。お前、自分がなにやったかわかってるのかよ!」
感情的に海斗に詰め寄る栗木。それを止めたのは、小鳥でした。
「スタポニキャンパスの技術を横流ししたろ?どうしてそんなことを。ちゃんと説明しろ」
バレないと思っていたのか、突然の詰問にパニックになって逃げだす海斗。階段で追う小鳥と佐奈。
しかし、海斗の姿は見失ってしまうのでした。そして、海斗の学生時代のトラウマのようなシーンが映し出されていました。これは、海斗の過去に関係することなのかも知れません。
ドリームポニーを辞めてきた
海斗の捜索を諦めて会社に戻ると、スマホに通知がきました。
「今日でドリポニ辞めます」
海斗からの連絡でした。
「なんだよこれ」
「こんな裏切り方ないっしょ」
栗木と恵実は、腹が立ったその感情を素直に言葉にしました。
「どうしてかな?海斗君がこんなことを。何か、会社に不満でもあったのかな?」
佐奈は、経営者として、の発言をしていました。
「元々そういう奴だったんだよ。技術力だけ重視して雇ったんだし」
確かに技術力で採用した面は否めません。
そして、佐奈と功は、特許の件を何とかすべく、弁護士に会いに行くのでした。
そして、海渡は永瀬社長に連絡していました。
「ドリームポニー辞めてきました」
あの人に相談するしかない
佐奈と功が弁護士の元に行くと、いい答えは返ってきませんでした。
「うーん、相手はあのゲームアカデミアだからな。申し訳ないけど、勝ち目はないよ。もっと大手の事務所に頼んだ方がいい」
弁護士にそう言われ、功は「あの人に相談」するしかないと佐奈と話すのでした。
安心しなさい
「この度は、大変申し訳ありませんでした。出資を決めていただいたタイミングで、このような事態になり、申し訳なく思っています。あの技術は、私たちのこれまでの全てが詰まっています。絶対に失う訳にはいかないんです。どうか、この分野に詳しい弁護士を紹介していただけないでしょうか?」
佐奈と功が頼ったのは、やはり羽田早智でした。佐奈と功は一生懸命頭を下げ、挽回するチャンスを得ようとします。
そして、面会の時に持ってくるように言われたのが、技術の開発過程を書いた書類でした。功はそれを早智に見せます。
「あなた、相当几帳面な性格してるでしょ?システム構成も、処理のフローも詳細かつ丁寧に書かれている。うちの優秀な弁護士に頼めば、これを証拠に権利を取り戻せる可能性は十分にあるわ。安心しなさい」
何とかなりそうな雰囲気です。
保養所
功が持ってきた資料が使い物になることで、早智も少し安心したようです。
「それにしても、脇が甘すぎたわね。他のメンバーは大丈夫?信頼していた仲間に裏切られて、今頃この世の終わりみたいな顔してるんじゃない?貴方たち二人も酷い顔。
こういう時に自分たちのメンタルケアをするのも大切なことよ。心が健康でなければ、いくら働いたところでいい成果は生まれないでしょう」
そして、良いことを思いついたと言って、パンフレットを見せてくれました。
「うちが新しく所有した保養施設。無料で貸し出してあげるから、社員のみんなと行ってらっしゃい。
結構こだわって作ったのよ、感想聞かせて。それと、今回の件は失敗じゃない。学びよ。しっかり気分転換をした後に、自分たちが何をすべきかよく考えて。あなたたちの会社を守れるのは、あなたたちだけよ」
そう言われ、少し元気を取り戻した佐奈と功でした。
リフレッシュ合宿
「という訳で、みんなで1泊2日のリフレッシュ合宿に行こう。
デジタルデトックスをする。仕事を忘れて気分転換できるだろう。
そんな気分転換じゃないのもわかるけど、こういう時こそ自然の力を借りてリフレッシュしよ」
海斗の裏切りで、気分がどんよりしてしまっている社内。
「よくそんなに元気でいられるな。あんなことがあったのに」
「それ、海斗の顔がよぎって楽しめる気がしない」
栗木と恵実は、やっぱりという反応です。
「それじゃあ、このまま落ち込んだままでいるんですか?昔、友人が言っていました。ギターは時々弦を緩めないと傷みやすく長持ちしないと。我々、ドリームポニーも同じかもしれません。この先途中で息切れしないためにも、こういうリフレッシュする時間も必要なんじゃないかと思います」
小鳥は佐奈と功の気持ちを汲んで、栗木と恵実を説得します。その成果もあって、栗木も恵実も行くことに賛成しました。
雰囲気変わった
ミーティングが終わると、佐奈は功を呼びます。
「功って今も凛花さんと連絡取れるよね?」
そう言うと、功に頼みごとをするのでした。
そして、そんな二人を見て、恵実は勘繰っています。
「うちの会社いろいろありすぎだけど、あの二人、絶対なんかあったよねー。ビジコン以来、明かに雰囲気変わったっしょ」
しかし、栗木は「考えすぎ」と言って、恵実をけん制します。栗木は功が告白したのは知っていますが、どう結論が出たのかは聞かされていませんでした。
律義
功は凛花を呼び出しました。
「はい、これ佐奈から」
佐奈とはいろいろあったので、佐奈から物をもらうとは思っていませんでした。ただ、それが何かはわかりません。
「この間のお礼だって。依里ちゃんの件」
凛花は「律儀な性格」と言って、受け取りました。そして、凛花はこの後依里と会う予定がありました。それを功に伝えると、驚く功。
「え?そうなの?いつの間にそんなに仲良くなってるだよ」
凛花は人懐っこい依里がわかいいのでした。そして、功も依里に会っていくかと誘う凛花ですが、功は頼まれてきただけだからと帰ろうとします。
「待って。気にならないの?私が、あの子の妹と何話すかとか、変なこと言わないかとか」
功は気にしていませんでした。凛花とは幼馴染で、凛花の性格はわかっています。そんな性格の悪いことをしないと信じていました。
依里の相談
功と入れ違いで依里がやってきました。
「凛花ちゃん、前から気になってたんですけど、お二人って付き合ってるんですか?」
そう聞かれて「秘密」と答える凛花。付き合っていると言いたいところですが、功には相手にされていませんでした。そして、依里が相談したいと言っていたことを聞きます。
「私、どうしても幸せになってもらいたい人がいるんです。でも、その人、まさかの方向に恋してるかもしれなくて。凛花さんは恋に年齢は関係ないと思いますか?相手がおじ様ってどう思いますか?でも、まだそうって決まった訳じゃなくて、いやーでもやっぱり、さすがにないか・・・」
質問と感想と想像がごっちゃになっています。それぐらい混乱しているのかも知れません。依里は、ファミリーデイで、姉の佐奈が靴をプレゼントしたのが、おじさん(小鳥)だということに気づいてしまいました。それで、凛花に相談しようと思ったのです。
「もしかしてそれって、お姉さん?」
凛花がそう聞くと、依里は慌てて否定します。
「違います、違います。私の友達の話しです」
その否定の仕方で、佐奈の事だと理解した凛花。凛花はおじさんと聞いて、先日ドリームポニーに行った時に会った小鳥のことを思いだしました。そして、あのおじさんが、佐奈の相手だと考えるのでした。
出発
翌日の合宿の準備をする佐奈。クローゼットの奥から、起業するまで使っていた懐かしいリュックを見つけました。そのリュックの中に「虹ヶ丘図書館利用カード」が入っていました。小鳥と再会した図書館です。その図書館は、小鳥が佐奈を見つけた場所でもありました。
そして、そのカードを、お守りのように大事に写真盾と一緒に並べるのでした。
翌日、天気は晴天。絶好のリフレッシュ日和です。
ラフな格好の佐奈達に比べ、本格的なバードウォッチングスタイルで登場する小鳥。首からは双眼鏡もかけていました。
「その双眼鏡、何に使うんですか?」
そう聞かれると、小鳥は言葉を濁して「のちほど」と言うだけに止めました。
そして、荷物を積み込むと、いよいよ出発です。
「行はだれが運転する?免許持ってる人?」
功以外、運転できる人はいませんでした。
デジタルデトックス
「すみません、一応持ってはいるんですが、営業の仕事を離れてから、長年運転してないもので」
助手席に乗った小鳥は、運転する功に謝りました。
「大丈夫ですよ。久々のドライブ、楽しみますから」
功はそう返します。
後ろの席では、佐奈、栗木、恵実が小鳥の買ってきたお菓子を食べています。
「小鳥んのセレクト、渋くなーい?」
そう言いながらも、楽しそうに食べていました。その時、栗木はこっそりゲームアカデミアのHPを見ていました。そのHPの新入社員の所に海斗が載っているのを見つけます。
「若手凄腕エンジニアがきたとゲームアカデミア内で話題に!」
そんな記事のタイトルで紹介されていました。
「あー!デジタルデトックス」
佐奈に指摘され、慌てて隠す栗木でした。
無節操
途中のサービスエリアで、休憩するみんな。写真撮影の合言葉は、チーズではなく「ドリームポニー、い」でした。
その時、功はスマホでゲームアカデミアの記事を見ていました。
「ゲームアカデミア、VR技術を手掛けるトップオブテックを買収」
トップオブテックは、先日のビジネスコンテストで準優勝した会社です。ゲームアカデミアの無節操さに驚く功でした。
海斗の同僚
海斗はゲームアカデミアに出勤しました。
「え?どうしてお前が?」
海斗の姿を見て、驚く男性がいました。
「誰ですか?」
海斗は、その男性が誰だかわかりませんでした。
「カネミツだよ、ビジコンで準優勝した」
そう言われて、思い出しました。
「あー決勝で敗北したにもかかわらず、大衆の面前で反論をし、さらに大恥をかいたあのカネミツさんですか」
全く忖度しない海斗の言い分に憤慨するカネミツでした。
暴走する小鳥
保養所に到着すると、保養所とは呼べないオシャレなコテージのような建物でした。
そんな中、小鳥の鳴き声に耳を奪われる小鳥。首からかけた双眼鏡で、鳥を探します。
「あれはアカゲラだ」
双眼鏡の使用用途がみんなにも分かったようです。
「小鳥んが小鳥好きって、まんまじゃない?」
そう言って笑う恵実。
小鳥は鳥を追いかけて、暴走してどこかへ行ってしまいました。
準備開始
それぞれ役割分担して、食事の準備に取り掛かります。
佐奈と栗木は買い出し、恵実はレンタル用品借りてくる、功と小鳥はバーベキューの下準備です。
近くの商店まで買い物に行った佐奈と栗木は、いろいろ買いました。
お酒入れすぎる栗木、花火買っていく佐奈。そして、お店の人にスイカを勧められ、それも買うことにしました。
その頃、功と小鳥は火おこしをしていました。上手くできない功に小鳥がアドバイスします。
「薪は縦に積むといいでしょ。煙突効果です。やってみて下さい」
フライング
買い出しに出た栗木と佐奈は、大量に買い過ぎて手が痛くなっていました。
そして、お酒を飲まない功の飲物を買い忘れたことに気づく佐奈。しかし、荷物を持って戻るには、戻りすぎていました。そこで、見つけた自動販売機で買うことにします。
その自動販売機には「ぺスカ」という果汁ドリンクがありました。
ぺスカを購入して振り返ると、栗木が先にビールを飲んでいます。
「あーフライング!」
そう指摘すると、栗木は「佐奈も飲んじゃう?」と聞きます。そう言われると、佐奈も飲みたくなってしまいました。
「内緒だよ」
そう言うと、二人で土手に座り、ビールで乾杯です。いい天気の下、荷物を運んで喉が渇いていて、ビールを飲むには最高の環境です。
ぺスカの思い出
「そう言えばさ、功とはどうなったの?」
栗木は、結果を知りたくて、佐奈に質問します。しかし、佐奈は「何が?」ととぼけて答えません。
「言いたくないならいいけど」
栗木がそう言うと、佐奈は少しだけ話しました。
「別にどうもなってないよ。功とは、いつもそうだから」
そして、功のために買ったぺスカを見つめるのでした。
まだ起業前、大学の庭で功と作業をしていた時、功はいつもぺスカを飲んでいました。
「本当好きだよね、そのジュース」
佐奈がそう言うと、功は佐奈に勧めます。
「美味しいよ、佐奈も飲む?」
そして、飲みかけのぺスカを渡そうとしました。佐奈は断って、飲みませんでした。そんな、ドキッとした佐奈の青春の思い出です。
かっこいい
功と小鳥は、少し距離が縮まったようです。
「小鳥さんってすごいですよね?簡単に火おこしできちゃうし、自分のライフスタイルをちゃんと持ってて、かっこいいです」
そう言われて小鳥は謙遜します。
「ありがとうございます。それだけみなさんより長く生きてますから。でも、相変わらずフリック入力は苦手ですよ」
そんな小鳥の大人の余裕を感じた功は、羨ましく思うのでした。
「正直、時々羨ましいです。佐奈が小鳥さんを頼る気持ちもわかります」
小鳥には佐奈に頼られているつもりはありません。そして、功に羨ましく思われるのも、よくわかりませんでした。
合宿の過ごし方
昼はバーベキュー、食後は昼寝。スイカは川で冷やしています。
小鳥は、鳥の動画を早智を経由して、鳥好きの玲央に送っていました。
そして、かき氷を食べ、スイカを食べて午後を過ごしていました。
「自然の力って偉大だよね。いろんな悩み事が全部ちっぽけに感じる」
佐奈が言うように、みんなリラックスしているようです。
「明日の帰りみんなでここに寄りませんか?」
そんな時小鳥が提案したのは「北口本宮 冨士浅間神社」でした。
「学業や事業繁栄にご利益のある神様がいるようです。せっかくなんで参拝しに行きませんか?」
小鳥の渋いセレクトにはしゃぐ恵実。そして、アウトレットもあると聞くと、寄って帰ろうという話しになります。しかし、功はそんな気分ではありません。
「やだよ、運転するの俺なんだから」
もっともな意見ではありますが、みんなから「ケチ」と非難されていました。
佐奈の企み
そこに佐奈と栗木が買い物をした商店の店長が、自転車に乗ってやってきました。
「財布忘れたの君たちのじゃないのかね?」
財布の落とし物を届けてくれたのでした。しかし、栗木も佐奈も財布は持っていました。
「持ち主の名前書いてないですか?」
栗木がそう聞いて、中身を確認すると学生証が出てきました。
「原田太一 富士河口湖町立昭森中学校1年1組」
小鳥は地図を広げて、中学校の場所を確認します。
「そうそう、ここから歩いてすぐのところにあるんだよ」
店長にそう教えてもらうと、佐奈が返しに行くと言うのでした。
「中学校?よかったら、私たちが届けに行きますよ。店長さん、店番ありますもんね
いいの?」
中学生とは言え、人の財布を知らない人に預けるのは、ちょっと怖い気もします。しかし、それはそれ。物語には必要な流れでした。
佐奈がそう言いだしたのには、なにか企みがあるようです。
不審者
みんなで財布を届けることにしました。
「中学校だよ、せっかくだからどんな授業しているのか見てみたいじゃん」
佐奈は仕事のリサーチをすること込みで、返しに行くと言ったのでした。
「あれー?リフレッシュしにきたんじゃ?」
そう言われながらも、中学校に入って行きました。
「すみません!どなたかいらっしゃいませんか?」
玄関から声をかけても誰も出てきません。玄関には、生徒たちの写真が貼られていました。
「この学校、生徒20人ぐらいしかいないっぽい」
少子化の影響でしょうか。全校生徒が20人は、だいぶ少ないです。
誰も出てこないので、仕方なく職員室に向かうことにします。小鳥が角を曲がると、生徒とぶつかってしまいました。その生徒は、小鳥を見て、不審者だと思ったようで、怯えていました。
中学校の現状
生徒を驚かせてしまったことを謝罪する佐奈。先生も、財布を届けにきたのに不審者だと思ったことを謝ってくれました。
「あの、もしよかったら、授業を見学させてもらえませんか?実は私たち、ドリームポニーという教育アプリの企業を経営していて、今の中学生がどんな授業を受けているのか、興味があるんです」
職員室の奥には、新しいタブレットが積まれていました。生徒1人につき1台持つようにするという政府の取り組みで、支給されたものでした。タブレットの活用法を小鳥が聞くと、先生は言いづらそうに答えてくれました。
「それが・・あんまり使ってなくって。実はこの校舎古くて、ネット環境が整ったのは、最近なんです。だからお恥ずかしい話し、私含めネットに詳しくない先生ばかりで。
それに生徒の親御さんの仲には、ネットで勉強するのに後ろ向きな方もいて」
そう言って、活用されていない状況を教えてくれました。そして、ネットで勉強することに抵抗がある理由を聞きます。
「ネットって怖いじゃないですか?SNSでの誹謗中傷とか、変な勧誘とか、子供達をそういう危険から守るためには、触れさせないのが一番って考える方もいて。なので、うちの授業を見学しても、あまり参考にならないと思いますよ。都会の学校とは違いますから」
貧富の格差もありますが、地域での格差や、ネット環境の格差もあるようでした。
デジタルディバイド
当たり前の環境だと思っていましたが、ネットで勉強することに苦手意識や、嫌悪感を抱く人がいることを知りました。
「このままじゃ、デジタルディバイドが広がる一方だよね」
デジタルディバイドは、デジタル通信端末を利用できる人とできない人の情報格差のことです。
「私たちがITでの勉強を進める一方で、逆にこういうデジタルディバイドが生まれる地域があるとしたら、それはなんか違うよね。なんとかするいいアイディアはないかな?
あ、そうだ。スタポニキャンパスの体験版を昭森中学校の生徒たちに使ってもらうのは?それでまずは、ネットで勉強する楽しさを知ってもらうとか」
佐奈は思いついたことを話しますが、今はリフレッシュ合宿中でした。反省する佐奈。
「まあいいんじゃね、ここに来なかったら気付けなかったことだし」
そう功が言うと、戻ってアイディアを出し合うことにしました。
「リフレッシュ合宿改め、ブレスト合宿ですね」
小鳥がドヤ顔で言うと、恵実は「若干どや顔になってるの、気付いてます?」と指摘していました。
ブレストは「複数の参加者が自由にディスカッションを行い、アイデアをどんどん出していくことで、新しい考え方や解決策を出していく手法」のことです。
ブレスト合宿
宿に戻ると、先に温泉に入ることにしました。風呂上り、みんな浴衣姿で集合です。
小鳥以外、みんなパソコン持参です。デジタルデトックスと言いながら、やはりデジタル製品がないと、落ち着かない現代人でした。
「まずはネットに対する恐怖心を減らすす方法を考えよう」
そう言うと、自由に意見を出し合います。
- 安心安全に使ってもらうためには、もっとみんなにネットのマナーを知ってもらう必要がある
- 今は学ぶ機会が少なすぎるかも
- デジタルデトックスという言葉が生まれるぐらいITは身近な存在なのに変だ
- スタポニキャンパスの初期設定のところに、ITリテラシーの授業を組み込む
- その授業を受けないとアプリを始められないのは、めんどくさがって、離れるユーザーが出そう
そして、ネットの誹謗中傷についても、議論します。
「無視、無視。気にしないメンタルをはぐくむ」
恵実は、方法というより根性論でした。
「じゃあ、思い切って、誹謗中傷をできないシステムを組むのは?」
功が提案したのは、文字変換ソフトを応用して、ネガティブワードをポジティブワードに変換する仕組みでした。
花火
いろいろな議論を重ね、みんなミーティングをしていたリビングで、雑魚寝状態です。
次郎のいびきで起こされる佐奈。佐奈は、一人で外に出ていきました。そして、買ってきた花火を一人でやります。
そこに同じくいびきで起こされた小鳥がやってきました。
「もしよかったら、一緒にやりませんか?」
そういうと、佐奈と小鳥は線香花火をします。
「こんなに綺麗なんですね。実は、花火をするの始めてで。やっぱりちょっと贅沢な遊びじゃないですか。だから、子供の頃、なかなか買ってって言えなくて」
佐奈は驚くことを言い出しました。花火、やったことなかったんですね。
「わかります。私も、大人になるまであまりやったことがありませんでした。でも、だから今、より一層綺麗に感じますよね」
小鳥も小さい頃は貧しかったので、同じような体験をしていたのでした。
小鳥の横顔を見つめる佐奈。その視線に気づく小鳥。
「小鳥さんといると、なんだか落ち着きます。こころがぽかぽかして、安心できます。この気持ちはなんなんだろう?」
急に告白のようなことを言い出した佐奈。しかし、その気持ちは嘘ではありません。同世代とは違う包容力や肯定する言葉に惹かれているのかも知れません。
功が目を覚ますと、佐奈と小鳥の姿がないことに気付きました。その頃、佐奈と小鳥は、二人で楽しそうに花火をしていました。
説得
朝、中学校に行って、即席の体験会をさせて欲しいとお願いします。
「スタディポニーキャンパスと言います。こちらが概要です。
この学習アプリを使えば、生徒の皆さんが好きな時に好きな場所で勉強できるようになります。まずは、ネットで学ぶ楽しさを知ってもらいたいんです」
そうやって説明する佐奈。そして、功と小鳥も説得します。
「その上で、もし気に入ってもらえたなら、皆さんにはアプリのモニターになっていただきたいんです」
「私たちが目指すのは、誰もが使いやすい学習アプリです。そこで普段、ネットに慣れていない生徒のみなさんに、ご意見をちょうだいできればと。
先生や親御さんが懸念されていた安全性も、みなさんの意見を取り入れながら改善を続け、最良のプロダクトを目指します」
そして、体験会ができることになりました。
即席体験会
先生に協力を感謝する小鳥。先生は、先生なりに考えるところがあったようです。
「私たち大人も、変わらないとですよね。実は、新しいことを取り入れて、これまでの指導方法を変えることに少し怖さがあったんですよ。でも、それを理由に子供たちの将来を狭める訳にはいきませんから」
それを聞いて、小鳥も同じことを感じていました。
「実は私も、アバターの意味も怪しい程のIT音痴でした。でも、若い同僚から教えてもらううちにだんだんと使えるようになって。確かに変わるということは、怖さを伴うことかも知れません。でも、そのぶん、楽しくもあると思います」
生徒たちは、タブレットを使って、楽しそうに勉強しています。
「このアプリ、家でも使いたいな」
財布を落とした太一がそうつぶやきました。その言葉を聞き逃しませんでした。
「じゃあ、太一くん、このアプリを使った感想を時々教えてくれるかな?」
太一は「いいよ」と言って、先生に同意を求めます。
「わかった。みんなのご両親には、私からきちんと説明します」
そう言って、モニターになってくれることになりました。
6つのお土産
「帰りたくないなー」
すっかりリフレッシュしましたが、仕事や都会に戻ることにおっくうになっていました。
そして、佐奈は小鳥が提案した神社に行きたいと、功にお願いしました。功は、佐奈に頼まれたら、断ることができません。
みんなでお参りをして、お団子を食べたり、お土産を買ったりしています。
「功、ここに寄ってくれてありがとう」
そう言われた功は、小鳥も楽しそうで良かったと言うのでした。
「採用面接で、何て言ってたか覚えてる?」
小鳥は、採用面接で応募した動機を話しました。
「長年の夢である教育事業に携わりたいという夢をあきらめきれず、こうして新たな1歩を踏み出した次第です」
その言葉を聞いて、小鳥は「学校の先生になりたかったんじゃないか」と佐奈は思うのでした。
小鳥は、お土産としてお守りを6つ買いました。佐奈、功、栗木、恵実、小鳥の5人と、海斗の分も含めて6つです。
帰りの車は寝る場所
帰りの車、運転する功以外は、みんな寝ています。
「全員寝てるし」
一人呟く功。助手席には栗木、小鳥は後ろの席にいました。
佐奈は寝ていて、小鳥の方に頭を向けていました。小鳥の方に佐奈の頭が乗っています。
それを見て、ショックを受ける功でした。
新しい人材
合宿から帰ると、次の日は仕事です。
「これから前に進むために、思い切って、新しいエンジニアを募集しようと思う」
佐奈の提案に異論はありません。
「天才を見つけてさ、スカウトしよう」
そう意気込みますが、功は候補を一人知っていました。それは、コードを書く時に参考にしているサイトを運営しているエンジニアでした。
「このエンジニアなら、スタポニキャンパスの開発もできるはず」
それは栗木や恵実も知っていました。名前は「ミン・ソヌ」です。韓国のエンジニアでしょうか?
ハンドルネーム以外の素性は一切明かされていない、謎の人物です。そのミン・ソンヌと接触する機会があるというのです。
「ミン・ソヌがこの夏、eスポーツ大会に出るらしい。俺たちも参加すれば、ゲームの中で会えるかも」
その全国大会に出場することを提案する功。しかし、レベルが高そうです。
そして、その大会の去年の優勝チームは「ゲームアカデミア」でした。
ゲームアカデミアの動向
今年もゲームアカデミアが優勝するぞと気合の入っている永瀬。ゲーム業界最大手としてのプライドを見せたいと思っています。永瀬はそう部下に言うのでした。
「今、メンバーを選出しています。それから、申請していたスタポニキャンパスの特許ですが、先ほど弁護士から連絡がありました。ドリームポニーが提出してきた書類が証拠として認められ、出願人の名義変更の手続きが行われるかもしれません。何かと手間がかかりそうですが、どうしますか?」
部下にそう言われ、特許の件は気にしていない永瀬。
「まあ、あの特許の件だが、もういい。本当に欲しいものは手に入ったからね」
それは、エンジニアの海斗のことでした。
最後に
海斗の裏切りで、落胆したみんなも、リフレッシュ合宿で復活したようです。
それにしても、海斗は大丈夫なのでしょうか?第1話から「コミュニケーション能力に難あり」とされてきていましたが、ゲームアカデミアに上手くなじむことができるのでしょうか?
そして、新しい技術者をスカウトしようとしますが、上手く行くでしょうか?eスポーツって、プロモいる世界なのに、そんな付け焼き刃的方法で出場できるとは思えません。
でも、出場できちゃうんでしょうね、たぶん。
そして、次回は小鳥と海斗の過去が明かされるようです。
どう展開するのでしょうか?