港町 元彼の遺言状(6) ネタバレ&考察

映画・ドラマ
ドラマ

港町 で、篠田が6年前に起こした事件に絡んで、新しい事件が起こりました。

篠田が犯人ではないということを証明できるのでしょうか?

そんな第9話のネタバレ&考察です。

元彼の遺言状公式HP

篠田が逮捕された前回

いい弁護士の条件

6年前、篠田が「田中まもる」を捨てた店に麗子と篠田はやってきます。

その店「プロメッサ」から出てくる女性、近くに立っているポールに旗を掲げます。

「あのー」

篠田は声をかけますが、完全に無視して店の中に入っていきます。

そんな時、麗子は話します。

「篠田、いい弁護士の条件って知ってる?
 嘘か本当かを見分けることができる弁護士よ。
 そうやって大口企業案件をものにしてきた」

麗子は「この勝負、勝ったも同然」と自信満々です。

十ヶ浜町公民館

公民館には、事件の日に店にいた人が集められていました。

警察が事実関係を確認するために集まってもらったものです。

「私達の中では、あの事件はもう終わってるんです」

会場に来ている人々は同じことをかんがえているようです。

そこに麗子が登場します。

「この事件はまだ終わっていません。というより、今始まったばかりです」

そう言いますが、会場からはいろいろな声が聞こえてきます。

「でも、犯人は借金返済に困って殺したんじゃ?」
「あの日も喧嘩してたよな、摑みかかる勢いだった」

麗子は「どうなの?」と篠田に聞きます。会場中の目線が篠田に注がれる中、篠田は前に出て弁明します。

「確かに僕は、お金も借りたし、口論になりました。
 借りたと言ってもタクシー代だし・・・。
 あの夜僕は、パーティの準備で徹夜明けで、お酒を飲んだ後、店の外で寝てしまったんです。
 その後、寒くなって店の中に戻った後、また寝てしまって。
 起きたら、あの方が死んでたんです。
 あの日、彼を外で見かけた方は?」

しかし、そんな話は焼け石に水。事態を進展させることはできませんでした。

殺された小笠原

麗子と篠田が止まる旅館の主人は参加者でした。

その旅館に津々井先生が来ていました。津々井は麗子に頼まれた資料を持ってきたようです。

事件の被害者の小笠原は、違法スレスレの高利貸しで財を成し、生まれ故郷の港町に帰って金貸しもしていました。

子供の進学、親の介護、そういう時には小笠原が面倒をみてやっていたようです。

しかし、住民を支配するためにやっていたことのようです。

それは、土地を担保に金を貸し、いうことを聞かない住民には執拗に返済を迫った。返済できずに土地を奪われ、町を追い出された人もたくさんいます。

一家心中した家族もいるようです。

金を貸していたリストには、公民館にいた半分以上の人の名前がありました。

この町の多くの人に殺人を犯す理由があるようです。

掲げる旗

現場のレストランに再びやってくる麗子と篠田。

そこに公民館にも来ていた完全に無視していた女性が出てきて話しかけます。

「田中さん、この前はすみませんでした。あまりにびっくりしちゃって」

その女性・滝沢美月みづきは、6年前に篠田にお世話になったと言います。

「当時私は入ったばかりの新人で、あの日買い出しに行った帰りに財布を落としたんです」

しかし、篠田は全く覚えていません。自分のタクシー代が払えなくなっても、美月のタクシー代を払ってあげたようです。

「あの旗は何かの合図ですか?」

麗子が気になったのは、掲げられた旗でした。

開店したことを漁師に知らせるための旗でした。近くに住んでいるおばあさんが始めたもので、開店の11時に上げて、閉店の午後10時半に降ろします。

レストラン「プロメッサ」

レストランの中は、事件当時と変わっていませんでした。

あの日、小笠原が主催した立食パーティが行われていた場所です。

篠田は、前日から徹夜で用意した料理を振る舞いました。そして、最後の料理が出されると、料理人にもワインが振舞われました。酔った篠田は、酔い覚ましのために外に出ました。

美月は入口で来場者の対応をしていましたが、篠田が外に出たことは覚えていないというのです。

そして、篠田は思い出したことがあります。外に出てベンチで寝てしまい、起きたらストールがかかっていたような気がするというのです。

しかし、そのストールがどうなったかは覚えていませんでした。

そして、外から戻った篠田の事も、美月は覚えていませんでした。

高瀬先生

麗子と篠田が旅館に帰ると、医者が帰るところでした。この医者も公民館にきていた参加者の一人です。

旅館の主人の娘が喘息ということで、往診にきていたのです。

その旅館には、紗英がきていました。

「篠田はうちの探偵事務所の大切なスタッフよ。助けるのは当然よ」

すっかり探偵事務所になっている「くらしの法律事務所」。探偵事務所にする話はありましたし、Tシャツも作っていました。

警察の遺留品の中に、ストールがありました。現場に落ちていたストールです。

美月に確認すると「自身はないですけど、桜林さくらばやしのおばあさんがこのようなストールを」と話していました。旗を掲げている近所のおばあさんです。

美月の鞄には「高瀬診療所の薬袋」が入っていました。町で唯一の診療所なので、みんなが高瀬先生のお世話になっているようです。

桜林のおばあちゃん

旗を上げているおばあちゃんの所に話しを聞きに来ました。

ストールはおばあちゃんのもので、寝ていた篠田にストールをかけてくれたのもおばあちゃんでした。

しかし、おばあちゃんは話した後、話したことを忘れてしまいます。ストールが誰の物だったかも忘れてしまいました。

最近もの忘れがひどくてと、家の人に言われてしまいます。これでは証言能力を疑われてしまいます。

篠田が逃げた理由

「そもその篠田はなんで逃げたの?」

そう聞かれ、篠田は思い出します。

寒くて店内に戻り、店内でまた眠ってしまた篠田。次に目が覚めた時には、パーティは終わっていました。店内は片付けもされていませんでした。

起きた時に持たされていた財布。無意識に触っていました。

そして、落ちていた血のついた包丁。拾い上げて見ると、血が付いていました。

そして、電話が鳴りました。篠田が出ると男の声で「逃げろ、このままだとあんたが犯人にされるぞ」と言われます。

びっくりして店内を見ると、小笠原が倒れているのが見えました。

店の扉をノックされ、警察が来たことがわかりました。そして、篠田は逃げたのです。

風見鶏

津々井先生が手をケガして診療所へ行くことになりました。

「一家心中、夜逃げ、一家離散、殺されても当然だと思う人もいたんじゃないですか?」

診療所で高瀬先生にそう問いかける麗子。

「悪人はいません。今は」

その診療所の上では、風見鶏が回っていました。

そして、篠田は思い出します。

事件後、かかってきた電話の声の後ろで音がなっていました。その音が風見鶏が動くと鳴る音だったのです。

電話をかけてきた人

亀田旅館の主人は、高瀬先生の送り迎えの手伝いをしていました。

酒が飲めない旅館の主人と酒呑みの医者。

「事件の夜、皆さんはお酒を飲んで、どうやって帰ったんですか?」

旅館の主人に聞く麗子。歩きか、タクシーか、誰かが送ったかと主人はいいます。

その時、酒屋が麗子と主人が話しているのを聞いています。

「電話をかけたのはあなたですか?」

麗子は旅館の主人に問いかけますが、主人は認めませんでした。

そして、高瀬先生にも話しを聞きます。

「リゾートホテルです。小笠原は、ここにリゾートホテルを建てようとして、住民たちに立ち退きを迫っていた。しかし、彼が死んだことで計画が頓挫しました」

そんな話をしてくれる高瀬先生に麗子は問いかけます。

「あの夜電話をしてきたのは、先生か亀田さんではありませんか?
 あの日何があったのか、裁判で証言してくれませんか?」

しかし、高瀬先生からは連絡が入ることはありませんでした。

新たな事件

結局、高瀬先生から連絡はきませんでした。

「彼は何か言いたがってる。電話がかかってくる」

そういう麗子に電話がかかってきました。しかし、電話の相手は高瀬ではなかったようです。帰りのバスをキャンセルして向かった先は港でした。

「海に浮かんでいるのを漁師が発見した」

そういう死体は、高瀬のものでした。大切な証人がいなくなってしまいました。

考察

説明されていない部分

物語は急展開ですが、説明がされていない部分が多いです。

まず、設定ですが、港町ということになっています。しかし、フェリーに乗って行き来するという表現があったので、島なんだと思います。

そして、事件後お金を持っていなかった篠田は、フェリーの荷物の隙間に挟まって、密航したと言っていました。しかし、店からフェリー乗り場までの行き方については、篠田は覚えていません。

そもその、港から事件現場までどれだけ離れているか、旅館や診療所の位置関係も説明されていません。犯人を捜すために必要ではない情報なのでしょうか?

そういう意味で、この最後で最初の事件のストーリーは雑なつくりになっています。ただ、「元彼の遺言状」の原作の部分を2話でまとめてダイジェスト放送のようにした時点で、結構雑だとは思いました。

ただ、栄治が麗子に対して「暗号の遺言状」を渡していたという設定は、いいアイディアだと思います。

考察

今回の第9話で出てきた話しだけで考察するのは、難しいです。

1~8話までに伏線がはられていたようにも思えません。

そういう意味で、誰が犯人であってもおかしくないなとは思います。

ただ、高瀬先生を殺した犯人(ドラマでは死因は説明されていないので、事故の可能性もある)が、篠田の事件の犯人でもあるのだと思います。

犯人は、被害者・小笠原に恨みを持ち、篠田に逃げるように言った人物だと推測します。

それは、プロメッサのオーナー・藤巻ふじまきではないでしょうか?

オーナーが篠田のワインに睡眠薬を入れ、眠っている間に犯行を行った。そして、町の住民に口裏を合わせるように言った、とか。高瀬が裁判で本当のことを証言しようとしたのを止めるために殺害した、とか。

最後に

ざっくりとした脚本に対して、ざっくりとした考察になりました。

そして、次回は最終回。裁判員裁判でどういう判決が出るのか、楽しみです。

次回の内容

そのうち、原作との比較もしたいと思っています。