eスポーツ の力で、SAGASは株主総会を乗り切ろうしています。
SAGASの興津社長は、eスポーツがオリンピック種目になった時の公式ゲームの開発を目指してしました。
立ちはだかる「宮沢ファミリーオフィス」と経産省の官僚。興津は株主総会前に警察に任意同行を求められました。
そして、那由他と隼人は離れてしまいましたが、元に戻ることはできるのでしょうか?
そんな最終話のネタバレです。
主な登場人物
安積那由他 山﨑賢人
菅生隼人 松下洸平
富永海 岸井ゆきの
興津晃彦 オダギリジョー
宮沢沙織 麻生祐未
緒方公哉 柳俊太郎
森田聡 岡部大(ハナコ)
相良晶 玄理
富永繁雄 風間杜夫
各務英次 塚地武雅(ドランクドラゴン)
八重樫謙吾 でんでん
小山田賢雄 皆川猿時
井出大 馬場徹
吉崎誠 六角慎司
最終話のストーリー
仕切り直し
株主総会の壇上、那由他は混乱する会場に向かって話し出しました。
「今回のゲーム開発プロジェクトの開発責任者をしています、安積那由他です。興津社長は、予定通り株主総会を進めて欲しいと俺たちに、株主のみなさんに言い残して行きました。今日は、SAGASの未来を決める日ですよね?興津社長が、SAGASが目指す未来を代わりに説明する機会を下さい。お願いします」
那由他は頭を下げますが、会場は混乱し、怒号が飛び交っていました。そんな時、宮沢ファミリーオフィスの代表が手を上げて発言を求めます。
「それでは、仕切り直して1時間後に株主総会を再開しましょう。予定通り株主総会を行うなら、このように混乱した状況ではなく、落ち着いた状況で審議するべきだと思いますので」
会場の株主の賛同もあり、1時間後に再度集まることとなりました。
警察の狙い
控室に戻ってきた那由他たちSAGASのメンバーは、状況を立て直そうと懸命です。
しかし、そんな切迫した状況でも、一人お菓子を食べている小山田の姿がありました。。
「俺たち、信じていいですよね、興津さんのこと」
那由他は不安になり、興津の秘書・吉崎に確認します。
「もちろんです。社長は誤解されやすい人ですが、汚い金を稼ぐ人間でありません」
それには、那由他も同意します。それは、那由他も一緒にゲームをして、興津の印象が変わっていたのです。
「ただ、気になっているのは、このタイミングで警察が動いたということです。社長を疑っていたなら、他にも事情を聞きに来るタイミングはありました。こんな注目を浴びる日に来たということは、パフォーマンスとしか思えません。重要なのは白か黒かではなく、社長が警察に疑われる人間だったと言うことを印象付けることが目的だったのではないかと。社長の信頼を揺るがすことで、この株主総会を有利に動かそうとしている」
吉崎はそう思っていたのでした。
影響
宮沢ファミリーオフィスの代表は、仕切り直しの時間を使って、経産省の官僚と電話で話しをしていました。やはり、警察に手を回したのは、官僚の力添えがあったからできたのです。
その頃、警察の捜査員がSAGASに立ち入り調査に入っていました。その様子はテレビで中継されています。
そして、今回は宮沢ファミリーオフィス側についた隼人は、カフェでパソコン使って何かしていました。
カマをかける
海が那由他の所にやってきて、SAGASの内部情報を宮沢ファミリーオフィスに伝えている裏切者は、小山田ではないかと言うのでした。そして、海は小山田にカマをかけてみることにしました。
海が小山田に近づいて、こっそり話します。
「小山田さん、ひとつ相談が。興津社長が警察から解放されたって。本当かどうか、一応みなさんに伝えておいた方がいいですよね?」
それを聞いた小山田は「間違いだった場合、みんなを混乱させることになる。私が預かろう」と言って、海に他の人へ伝えるのを止めました。
そして、小山田が立ち上がって、どこか行へ行きます。その小山田を海が尾行します。
株主総会の会場近くにやってきた小山田。海は見失ってしまいました。そこに元アトムの財務担当・鵜飼が小山田の姿を見つけます。
小山田は、非常階段で宮沢ファミリーオフィスの秘書と話しをしていました。こっそり聞こうとする鵜飼。その姿を見た晶が声をかけます。そして、二人で小山田の様子を探るのでした。晶は証拠のために動画を撮っています。
追及
控室に戻ってきた小山田は、吉崎に会社が大変だから戻った方がいいと提案しました。そして、自分が議長になって進行すると言い出します。
それを止めたのは、海でした。海は、晶からもらった動画を突きつけます。
「小山田さんの反応を知りたくて、ワザと興津社長が解放されたって嘘の話をしたんですよ」
会話の全てが撮影されている訳ではないので、海は小山田に自白を迫ります。
「信用ならない人だと思っていました。いつから裏切っていたんですか?社長のこともハメたんですか?」
吉崎に詰め寄られた小山田は「勝ち馬に乗って何が悪い」と、控室から逃げ出します。
那由他にプレゼンは任せ、海は小山田を追いかけました。
プレゼン
1時間が経ち、株主総会が再開されました。その会場には晶と鵜飼もいて、議長が変わってないことに安心しています。
「ゲーム開発責任者、安積那由他より説明申し上げます。
スーケートボード、スノーボード、サーフィンにBMX。これまで趣味や遊びと捉えらていたアーバンスポーツが、オリンピック競技に選ばれたことにより、多くの人の見る目が変わりました。eスポーツも世間ではまだまだオタク達の大会、遊びでお金がもらえるなんてという認識だと思います。でも、ゲーム人口は世界で30億人以上。それがどんな数字かといいますと、野球で3500万人、サッカーで2億6000万人、一番競技人口が多いバレーボールでさえ6億人。どんなスポーツの競技人口より多い、それがゲームです」
デモ
そして、eスポーツがオリンピック競技になることで、もっと可能性が広がるはずです。那由他は、開発したゲームのデモ映像を株主たちに見せました。
それは、バルクールみたいなゲームです。
「このイーパルクール・ジャーニーは、SAGASマップで世界中のどこでも好きな場所を選んで、このようにリアルな街中を屋根の上や壁、地面をパルクールで自由自在に飛び回ることができます。パリのエッフェル塔、ニューヨークの摩天楼、エジプトのピラミッドの上など、どこだって可能です。これは、SAGASマップの持つ・・・」
動画を見せながら那由他がプレゼンすると、株主たちの反応は悪くありませんでした。
伊原総一郎
宮沢は、委任状の数が宮沢ファミリーオフィスの方が多いことを知っています。そのため、SAGASの提案が可決されることはないと安心していました。
しかし、隼人は伊原の家に行き、伊原総一郎を連れ出していたのです。
伊原総一郎の委任状は宮沢ファミリーオフィスが持っていますが、過去の委任状よりも、会場にいる本人の意思が優先されます。
隼人は、那由他に合図をして、プレゼンをするめるように促します。
アトムロイド
「このようにダイナミックな動きを可能にしたのは、アトムロイドという特許技術です。人間工学を基に作られたフィギュアの動きをデジタルにすることで、キャラクターの動きを簡単に再現することができました。今までは、人間のような動きをするには、モーションキャプチャーという大がかりな装置が必要だったんです。しかも、モーションキャプチャーをしたところで、実際の人間の動きは、意外と大人しかったりするんです」
そして、モーションキャプチャーとアトムロイドで作った比較動画を見せるのでした。
「リアルと頭の中で想像するダイナミックな動きは、違うものなんです。最後にeスポーツ種目は、オリンピックとパラリンピック、さらに性別すらも問わない初めてのオリンピック種目になると確信しています」
プレゼンが終わると、会場から拍手が送られました。
質疑応答
質疑応答に移ると、手をあげる伊原総一郎。
「なんか、すごいものらしいけど、だったらSAGAS一社で使うのはもったいない。ゲームなんかより、ためになる使い方があるんじゃないか。お考えをお聞きしたい」
困る那由他。議長の吉崎は、担当取締役に説明するように指名しました。
「ためになる分野がある場合・・・」
原稿を見て回答する担当取締役を伊原は、原稿を読まずに自分の言葉で答えるように言います。困った担当取締役ですが、その前に那由他が立って答えます。
「俺は、気の合うやつとファミレスに行ったら、6時間でも7時間でも時間を忘れて話せます。でも、あなたとは、たぶん30秒ぐらいで話すことが無くなってしまうと思う。生まれてきた時代や環境、何もかも共通することがないから。でも、ゲームの世界でなら、同じ体験をすぐに共有することができます」
那由他は、伊原にそう話しかけるように答えました。
ゲームの力
そして、続けて熱い思いを語ります。
「ゲームには、世界を一つにする力があります。ゲームの中では、生まれてきた環境や性別や年齢は関係なく。平等に交流し、遊ぶことができます。体のハンデも同じです。現実の世界ではどうしても線引きしなければならないことも、ゲームの世界ではまったく関係ない。今この瞬間だって、戦争している国の人が、そうとは知らず一緒にゲームの中で遊んでるかもしれない。ゲーム何かにじゃない、ゲームにこそ世界を変える力があるんです。・・・すみません、ちょっと。気合入っちまいました」
那由他は、熱くなって質問の内容を忘れてしまいました。
市場開放
伊原総一郎は、隼人に那由他のことを聞きます。隼人は答えました。
「やつは俺の親友です」
そんな言葉が交わされていることも知らず、那由他は続けます。
「よくわからないですけど、技術って、技術そのものも大事ですけど、誰がどう使うかじゃないですか。楽しいことに使われるなら、正直俺はもう技術を市場開放してもいいと思います」
それを聞いて、焦るSAGAS側の役員たち。
「でも、実際は楽しくないことにたくさん使われてしまうから。だから、え・・・と。質問なんでしたっけ。とにかく俺が言いたいのは、みなさんゲームやったことありますか?」
その時、マイクの音声が途切れます那由他は構わず、大声で話しました。
「ゲームは子供がやるもので、大人がやっているのはバカだ。それがここに集まっているみなさんの常識だったとしたら、そんな常識俺がぶっ壊してやります。このゲームで世界中を夢中にさせたい。だから、SAGASのゲーム事業残して下さい。お願いします」
青い思い
「正直、あなたの言ってることはよくわからんよ。もう一度映像流して下さい」
伊原は、そう言って、もう一度デモ映像を流させました。
「ガリバーと君の青い思いが、見えた気がする。私も一度、そのゲームをしてみたかった。私はね、もうほとんど目が見えないんだよ。以上、終わります」
そのやりとりで質疑応答が終わると、今度は宮沢ファミリーオフィスの提案の説明があります。技術解放のための、現執行部の解任動議です。
それが終わると、議決の集計作業に入りました。
集計結果
決議の集計結果はすぐに公表されました。
「それでは決議の結果をご報告します。第一号議案における当社側の提案については、過半数の賛成により可決。宮沢ファミリーオフィス様よりいただいていた株主提案については、否決されました」
会場に大きな拍手が沸き上がります。その結果は、ニュースで速報されました。
中継を見ていたアトムでも万歳が起こって、みんなで喜んでいました。
会場が盛り上がる中、伊原は帰宅します。隼人は最後に伊原に聞きます。
「いろいろとありがとうございました。あの質問は、ワザと意地悪なことを聞いたんですよね?」
しかし、伊原は何も言いませんでした。退席する宮沢ファミリーオフィスの代表は、伊原の顔を覗き込みますが、伊原が見えていないことを確認すると、何も言わずに帰って行きました。
新しい方針
帰ろうとする伊原の元に、那由他がやってきました。
「伊原さん、先ほどゲームの話をした安積です。俺、みんなが楽しめるゲームを作ります。視覚に傷害がある人にも楽しんでもらえるように。ゲームが見えていること前提に作られていることに今まで気付きませんでした。ティムって友人がいて、おもしろいAIの技術を開発してるんです。今回伊原さんの話しを聞いて、目指すべき新しいゲームの方針が見えた気がします。おもしろいゲームを作ります」
そう言うと、伊原は手を差し出し、那由他と熱く握手をするのでした。
そして、伊原は興津にもらった孫の手で背中をかきながら、帰っていきました。
その頃、宮沢ファミリーオフィスの代表は、経産省の官僚と会っていました。
「まあ、これから先、いくらでもチャンスがあります。楽しみですね、SAGASのこれからが」
宮沢ファミリーオフィスは、今回株主提案が否決されてしまいました。しかし、そんなに悔しくなさそうです。しかし、宮沢ファミリーオフィスから見れば、SAGASは中小企業です。負け惜しみではなく、本当にいつでも買収できると思っているのだと思います。
握手
SAGASの開発室で荷物の整理をする那由他を手伝う隼人と海。
そして、隼人は株主総会の会場に伊原総一郎を連れて行った経緯を話しました。
「宮沢ファミリーオフィスから伊原さんの説得を頼まれたけど、伊原さんには那由他のプレゼンを直接聞いて欲しいって思ったんだよ。聞いて、宮沢ファミリーオフィスを選ぶんなら仕方がない。でも、那由他ならきっと、伊原さんの心を動かすことをやってくると信じてた。那由他らしくて、すげーかっこよかった」
二人はグータッチで喜びます。
そこに興津がやってきました。那由他は「釈放されたんだ」と言うのでした。
「俺は逮捕された訳じゃないんだよ。任意同行だし。今頃、小山田くんが詳しく話を聞かれてると思う」
逃げ出した小山田は、那由他の先輩の森田の協力もあって、海が捕まえました。そして、警察に引き渡されたようです。
「二人とも、ありがとう」
そう言うと、興津は手を出しました。それに応えて、握手をする那由他。そして、隼人とも握手を交わします。海には、アトムの協力のことも含めて、頭を下げて感謝しました。
約束
「アトムロイドのことなら、ちゃんと返しますよ」
そして、興津は契約書を持ってきていて、それを海に渡します。海は、すぐにアトムに電話をして、アトムロイドの特許を返してもらったと報告しました。
「あのさ、俺ずっとバカにしてたんだよ。SAGASのゲームは金儲けばっかで、中身がねえって。でも、違った。SAGASのクリエーターの人達は、みんなアツい人ばっかりだったよ。だから一緒に働けて楽しかった。それだけ」
那由他は、興津にそう言うのでした。
「君の言う通り、技術とは人だ。うちにもアイディアを持った技術者がいることを忘れてたよ。大切にしないとな。あと、ぷよぷよ、意外と燃えたな」
それだけ言うと、興津は去っていきました。
その後のアトム
海と海の父・繁雄が、縁側で酒を飲んでいます。
「社員旅行でもいくか、別府とか」
繁雄の提案に海も乗り気です。そして、繁雄はしんみりと話し出すのでした。
「ありがとうな、海。アトムを継いでくれて。嬉しいんだよ、アトムの遺志を、海も那由他も隼人も継いでくれたことが。アトムの童達には、もっと羽ばたいたもらいたい」
突然そんなことを言い出した繁雄に海は「遺言?」と聞きます。
「俺はな、まだまだやるぞ。ルーブル美術館にアトムのおもちゃを飾ってもらうまで」
そんな壮大な夢を語り、海と繁雄は楽しそうに「やろう!」と乾杯しました。
墓参り
亡くなった公哉の墓参りに、那由他と隼人はやってきました。
手を合わせ終ると、隼人はこれからのことを那由他に聞きます。
「で、どうすんのこれから。聞いたろ、あの拍手。あんなの聞いたら忘れられねえよな。みんなお前のゲームに期待してた。数十秒のデモなんかじゃなくって、やっぱり最後まで作りたくなったんじゃないの?SAGASで」
そう聞かれ、那由他は素直に「そうだね」と答えます。
「じゃあ、やっぱりお別れだな、俺たちは」
寂しそうに隼人が言うと、那由他は反論します。
「そうじゃねえよ。ゲームの中は、世界中どこにだって繋がっている。俺と隼人だったら、同じ場所にいる必要ないだろう。日本とシアトル7000㎞なんてどおってことねえ。今回のことでよくわかった。俺は隼人と一緒にゲーム作ってたい。ずっと、ジョン・ドゥでいよう。世界中の人が楽しめるゲーム、ずっと作り続けよう」
恥ずかしいことを頑張っていった那由他ですが、隼人は茶化します。
「公哉、今聞いた?こんな臭いこと良く言えるよね」
いつもの二人に戻っていました。
その後
時間が経ち、オリンピック競技にeスポーツが採用されました。そして、その種目に選ばれたのはイーパルクール・ジャーニーでした。
ネット中継でその結果をみんなで見ていたSAGASは、大喜びです。
その結果はアトムにも伝わり、海は隼人に電話します。
アトムではお祭り騒ぎでバーベキュー中。各務や八重樫や繁雄も隼人と楽しそうに話していました。
それから、じーさんず(繁雄、各務、八重樫)とネットで対戦するネットカフェの森田たち。年齢や性別、場所も選ばず、みんな楽しそうにゲームをしていました。
そして、海外から帰ってきた那由他の姿が空港にありました。空港でガチャを見つけて、早速やります。二礼二拍手一礼、気合を入れて回すのは、あの頃と変わっていません。
那由他を迎えにきた海、隼人の姿がありました。
最後に
怒涛の最終回が終わりました。なんだかあっさり終わってしまった感じです。
ゲームの未来は、子供達が遊ぶだけでなく、シリアスゲームのようなものもあります。自分自身、大人になりましたが、子供の頃と同様に遊んでいます。そして、ゲーム内で繋がることも多くなりました。逆にリアルの友人と、みんなでゲームで遊ぶことも多いですね。
やっぱり、「陸王」っぽさがいっぱいの作品でした。日曜劇場っぽいと言えば、ぽいのですが。
それにしても、最近は恋愛要素のないドラマが増えましたね。恋愛が入ると、とたんにチープになるって話しもありますが、なんだか物足りなさも感じます。
次の日曜劇場は、医療系のドラマのようです。