スワン号の奇跡 舞いあがれ(6) ネタバレ

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スワン号の奇跡 は第6週のサブタイトルです。

スワン号のパイロットになることに決めた舞。テスト飛行で、飛ぶことができました。

そして、記録飛行本番がやってきます。

空を飛んだことで、新しい夢を見つけます。さらに、幼馴染の2人も苦悩が待っていました。

そんな第6週のまとめです。

舞あがれ!公式HP

主な登場人物

岩倉舞   福原遥     航空工学を学ぶ大学生
梅津貴司  赤楚衛二    舞の幼馴染、看護学生
望月久留美 山下美月    舞の幼馴染、システムエンジニア

刈谷かりや博文  高杉真宙    サークルの先輩、飛行機設計
由良ゆら冬子  吉谷彩子    サークルの先輩、パイロット
鶴田葵   足立英     サークルの先輩、代表

才津祥子しょうこ  高畑淳子    舞の祖母でめぐみの母
岩倉浩太こうた  高橋克典    舞の父
岩倉めぐみ 永作博美    舞の母
岩倉悠人はると  横山裕     舞の兄、東大生

八木いわお   又吉直樹    古本屋デラシネ店主
梅津勝   山口智充    貴司の父。浩太の幼馴染のお好み焼き屋
梅津雪乃  くわらたりえ  貴司の母。勝の妻
笠巻久之  古館寛治    ネジ工場の従業員
望月佳晴  松尾諭     久留美の父。元ラガーマン

第6週のストーリー

テスト飛行の課題

「楽しかったか?初めて飛んで」

テスト飛行の後、舞は感想を聞かれました。

「必死に漕いでたから、あっという間でした。ただ、練習よりペダルが重くて。すいません、私がトレーニングするだけの話しですよね?」

舞は不安に思ったことを伝えました。

「いや、パイロットだけの問題ちゃうな。改良の余地はある。プロペラの角度を調整できるようにする」

刈谷は世界記録を狙うためには、妥協することはできません。プロペラのピッチ変えて、舞の力に合わせることを考えました。しかし、そのためにはプロペラのハブを金属加工する必要があります。ただ、その設備は大学にはありません。

「岩倉の家、町工場やなかった?」

由良にそう聞かれ、舞は「ネジ工場です」と答えました。舞は、お父ちゃんに金属加工できるか聞いてみることにしました。

彼氏がいるかも

舞はお父ちゃんに電話して、金属加工できるか聞いてみました。

「そんぐらいだったら、うちでできると思うけどな。ただ、現物見てみいへんと断言できへんけどな。持ってきたらいいがな」

そう言うとお父ちゃんは電話をきりました。久しぶりに舞に頼み事され、お父ちゃんは嬉しそうです。そして、従業員の笠巻に残業をお願いしました。

「今日、ちょっと残ってくれるか?舞が、なんや相談があるねんて」

舞に久しぶりに頼み事されて、嬉しそうなお父ちゃんに従業員のアキラは「彼氏も来たりして」と恐ろしいことを囁くのでした。お父ちゃんは、気にしていないフリをして聞きます。

「いてんのか?彼氏」

しかし、アキラも知っているわけではありません。

「いや、わからんですけど。部員も男多いみたいだし、最近帰り遅いっていうやないですか。あれぐらい年頃の子やったら、親に隠れてつきおうとるでしょ。そういや、この間舞ちゃん、携帯の待ち受け見てニヤついてましたけど。彼氏の写真やったりして」

そう言われて、固まってしまうお父ちゃんでした。

できへんことない

彼氏がいるかもしれないと心配するお父ちゃん。そこに舞が帰ってきました。

鶴田や刈谷たちに挨拶します。そんな部員たちを見て、誰が舞の彼氏か見定めようとするアキラの目線がありました。

そして、加工する部分の話をしました。

「このビス穴広げんのか」

ピッチ角を簡単に調整できるようにしたいと言う刈谷の説明を聞いて、お父ちゃんは金属加工の工場じゃないので難しいと答えるのでした。そして、近所の工場に頼んでみようと言います。

そんな時、笠巻は呟きました。

「できるで。調整に時間かかるけど、できへんことない。昔ちょっと金属加工屋におったさかいな」

頼りになるベテラン従業員の笠巻でした。

舞の評価

お母ちゃんは、鶴田と刈谷にお茶を出しました。

「舞、ご迷惑かけてません?急にパイロットやりたいって言い出したでしょ。ちゃんとやれんのか、心配で」

そう聞かれた鶴田が答えました。

「僕も心配してたんですけど、今は違います。舞さん、めっちゃ頑張るんです。僕代表なんで、だれよりも早く部室行きたいと思ってるんですけど、朝ドアあけたら、いっつもエアロバイク漕ぐ音がするんです。舞さんが先にきて、一生懸命バイク漕いでて。そうしたら、他の部員も朝早くくるようになって。パイロットがあんなに頑張ってるんやから、俺らも頑張らなって思うんです。それに、サークル飛び出したこいつのこと、連れ戻してくれたのも舞さんです。な?」

そう言われた刈谷は、素直に答えました。

「あいつ、意外としつこかけんね。諦めんとです、岩倉は。突き放しても、懲りずにそばに来て、なんとか話しを聞こうとするんです。いつの間にかこっちも、話したくなかことも話してて。パイロットは、人力飛行機のエンジンやけん。あいつの粘り強さは、なにわバードマンの大事な武器です」

そう言われて、お母ちゃん嬉しそうでした。そして、舞を誇りに思うのでした。

かっこええやろ

夜、金属加工したプロペラハブの仕上げをお父ちゃんはリビングでしていました。

「舞、ええ人らと一緒に頑張ってるみたいやな。変わるもんなんやねぇ。パイロットやて」

お母ちゃんは、そうお父ちゃんに報告しました。そんなお父ちゃんが気にしているのは、充電中の舞の携帯電話です。そこに舞が、風呂から上がってきました。

「こないな感じでどうや?」

お父ちゃんは舞にプロペラハブを渡しました。ばっちりだと言う舞に、お母ちゃんはどんな部品なのかと聞きます。舞は、携帯電話を持ってきて、待ち受け画面をお母ちゃんに見せました。

「ここに付けんえん。プロペラのピッチが変わったら、パイロットの負担が変わるから、めっちゃ大事やねん」

お父ちゃんは携帯電話が気になります。

「あの・・・待ち受け、飛行機なんか?」

お父ちゃんが聞くと、舞は自慢げに答えました。

「せやで、スワン号や。かっこええやろ」

それを聞いて、まだまだ子供だと思うお父ちゃんでした。

準備は整った

舞ができあがったプロペラハブを持って行くと、上手くつけることができました。これで、調整することができるようになります。

そして、記録飛行まであと3日に迫りました。

毎朝、起きるとすぐに体重計に乗るのが日課の舞。目標体重まで、やっと到達できました。

部室に嬉しそうにやって来る舞。その後、由良がやってきました。

「おはようございます。あの、いいご報告が。先輩・・・松葉づえ」

テスト飛行の事故で骨折した由良ですが、やっと松葉づえを取ることができました。そして、舞も体重が目標を達成したことを伝えて、一緒に喜びます。

「食事制限もあと3日の我慢です」

舞は、食事制限を解除される日が、楽しみでなりません。

「あと2日や。本番の前日は、しっかり炭水化物とんねん。体にエネルギー蓄えて、飛行中にスタミナが切れへんようにする」

舞は、もう何を食べようかと考え始めてしまいます。

「今、何食べようか考えてるやろ。まだ気抜いたらあかんで。本番と同じ180ワットで漕いでもらおうか。目標は1時間」

終わりが見えたことで、舞も頑張ることができました。みんなが見てる中、1時間漕ぐことができました。

タコ焼きパーティー

舞はバイト先でも、もう炭水化物のことしか考えられませんでした。扇風機に食べたいものを言っています。

「おにぎり、サンドイッチ、スパゲッティ、焼きそば、豚玉、イカ玉、ネギ焼き。。。」

明日のお昼前にミーティングに行ったら、炭水化物が解禁です。

そして、翌日、ミーティングのために舞が部室に行くと、もうみんなが部室に集まっていました。

「たこ焼きパーティーの準備や。炭水化物取るんやろ、みんなで付き合うわ」

鶴田がたこ焼きを焼いて、玉本がソース塗って、刈谷が鰹節振るという連携プレイです。

「なにわバードマンは、毎年学園祭でたこ焼き屋やんねん」

すごい速さでたこ焼きを焼いていました。久々にちゃんとした粉物を食べた舞は、嬉しそうに食べていました。

諦めかけた

刈谷はタコ焼き機で野菜焼いていました。炭水化物は頭の回転鈍くすると言うのでした。

そんなことないと玉本は反論します。

「そりゃ元々頭の回転鈍かったらわからんやろ」

刈谷と玉本は、そんなことでケンカを始めます。

「やめろや、ここでこんなことできるのも最後かもしれへんやろ」

鶴田の一言で、みんなは黙ってしまいました。

「イカロスコンテストに出られへんってわかった時、もう終わりや、みんなを琵琶湖に連れていかれへんって思た。由良がケガした時も、壊れたスワン号見た時も、刈谷が出て行った時も。もうあかん、俺はここで引退やって、何べんも何べんも諦めかけた。こうして明日を迎えられるなんてな」

鶴田は感慨深げにそう言うのでした。

奇跡

玉本も、初めて告白することがありました。

「ホンマ、俺も一遍だけ辞めようかと思った。元カノに飛行機か私か選んでって言われた時。でも辞めへんで良かった。スワン号が飛ぶとこ見られへんところやった」

由良を気にする舞。しかし、由良は気丈に振る舞います。

「奇跡やわ。壊してしもたのにまた会えた」

みんなも、奇跡だと言います。

「スワン号、奇跡の復活やな」
「そもそも人間の力だけで飛ぶってことが奇跡」
「ダヴィンチも叶えられなかった夢やで」

それを聞いた刈谷が言います。

「バカやないとやお前ら。簡単に奇跡って言いすぎったい。めったに起きないから奇跡っていうっちゃ。人力飛行機っていうのは、奇跡でもなんでもなか。物理法則で説明できる。この俺が設計したけん。玉本がよかプロペラ作ったけん。鶴田がチームをまとめたけん。スワン号は、記録を狙えると。ここにいる全員がそうたい。一人でも欠けとったら、スワン号はこんなにも高性能じゃなかった。明日、全員が集合して、スワン号を飛ばす。ただそれだけのことたい。けど、それを奇跡っていうんじゃなかとか」

キザな刈谷には誰も適いませんでした。

重圧

翌日の記録飛行を控え、みんなの思いの重さに舞は寝られなくのでした。

舞は、五島のおばあちゃんに電話しました。

「もしもしばんば、私。寝られへん。。。」

おばあちゃんは、大事な日だから早く寝るように言うのでした。

「寝られへん。サークルのみんなが、どんだけ頑張ってきて、どんだけ時間かけて、どんだけ心込めて飛行機作ってきたかって考えたら、その大事な飛行機を私が飛ばすんやで。怖い」

しかし、おばあちゃんは何にも心配しませんでした。

「舞なら大丈夫ーっち。みんな信じとるとね。じゃけん、舞も、自分ば信じて飛べばよか。明日、きばっとぞ」

そうやって背中を押してもらって、舞や安心して寝ることができました。それは、ばらもん凧を上げた時と同じです。

記録飛行の朝

とうとう記録飛行の日がやってきました。舞は、現場で自転車にのってアップをしました。

他の部員たちは、スワン号の組み立てをしています。

そんな時、舞は空を飛ぶトンビを見上げていました。

「どっち?あんな風に空飛びたいなあか、簡単に飛びすぎてなんか腹立つか」

由良にそう声かけられた舞は、「どっちもです」と言って、笑いあっていました。

昨日の夜の不安はどこにいったのか、調子は良さそうです。

「ボートで追いかけるからな、何も心配せんでよか」

由良と刈谷にそう言われ、安心して飛ぶことができるのでした。

離陸

部員たちは気合が入っています。舞も深呼吸して、気合を入れます。

「岩倉、大丈夫か?」

声を掛けられた舞は「大丈夫です」と答えます。

そして、風の様子を見て、ついにその時がやってきました。

「みんな、いくで」

舞は、みんなに声を掛けプロペラを回します。そして、動き出したスワン号は、徐々にスピードを上げていきます。

スピードが上がって、スワン号はついに飛び立ちました。琵琶湖の上を飛んでいきます。

ホンマ綺麗や

なにわバードマンの目標は、琵琶湖の空を飛び、女性パイロット記録の15.44㎞を越えることです。

スワン号は飛んで行きます。指示出しの船は、鶴田、刈谷、由良を乗せて追って行きます。

「機体は安定しとる、その調子たい」

刈谷はトランシーバーを使って舞と交信します。

「綺麗やね」
「ホンマ綺麗や」

離陸を手伝った部員たちは岸壁からスワン号の行方を見守っていました。

舞も少しすると、外を見る余裕が出てきました。

「空、飛んでる。空しか見えへん、どこ飛んでるんやろ」

そして、1㎞通過したところで、向かい風が吹いてきて、高度が下がってきました。

刈谷は、機体が下がっていることを舞に伝え、回転数を上げることを支持しました。

着水

人力飛行機コックピットは、風の抵抗を抑え、軽くするために余計なものはついていません。そのため、中は蒸し風呂の状態になっています。

「暑い」

給水しながら飛行を続けます。

2㎞通過した頃、無線の調子が悪く連絡が取れません。連絡が取れなくなった舞は、暑さもあって一人不安になっていました。

その時、コックピットに風が入ってきました。それは、舞のことを考え、コックピットの一部に穴をあけておいてくれたのです。みんなの気持ちを思い出して、舞は頑張ります。

「飛んで、飛んで。みんなの夢背負ってんねん。こんなところで終わられへん。終わられへんのに。。。。」

しかし、舞の思いとは別に、着水したのでした。

お前に任せてよかった

着水した舞は、コックピットから抜け出して、船に引き上げられました。

「先輩、すみません。私。。。」

1時間飛ぶつもりでトレーニングを続け、その舞の体に合わせて期待を調整してくれました。しかし、みんなの期待を裏切り、あえなく着水してしまいました。舞は、後悔してもしきれません。

「岩倉、岩倉は10分飛んだ、3.5㎞も飛んだ。よお頑張った」

由良はそう言って、舞を励ましました。

「謝らんと、お前のおかげで琵琶湖にこられたったい。スワン号も俺たちも」

刈谷はそう声を掛けました。そして、「悔しかか?」と舞に聞きます。

「みんなのスワン号、もっと飛ばしたかったです」

そう言う舞に刈谷は言うのでした。

「俺は、今日のためにここまで生きてきたんだって思えたっちゃ。このフライトのために全てをかけられたことを自慢に思う。スワン号をお前に任せてよかった」

そしてみんなの元に戻ると、みんなは駆け寄ってきて、舞を労います。

「ありがとうございます。一緒に空飛んでもろて、本当にありがとうございました」

舞は必死に感謝の言葉を言いました。そんな舞を胴上げするのでした。

夏の終わり

舞は一人、琵琶湖の夕日を見ていました。

「空飛ぶって、どんな感じやった?」

由良に声をかけられ、舞は素直に話します。

「幸せでした。空飛んでる時、このために生まれてきたんちゃうかって思ったんです」

そう言うと、由良は「来年は私が飛ぶ」と言うのでした。舞は来年も乗りたい気持ちでいっぱいです。由良とはライバルになりますが、二人の関係はいい関係でいられそうです。

「飛んだんや、この空」

舞は感傷に浸って、なかなか抜け出せませんでした。

そして、なにわバードマンの夏が終わりました。

新しいパイロット

記録飛行が終わってからも、舞は自転車を使ってトレーニングしていました。

来年のイカロスコンテストに向けて、秋にパイロット選考会が行われます。それに向けて、トレーニングする日々が続いていました。

そして、なにわバードマンは3回生が引退し、新代表は佐伯に決まりました。新しい人力飛行機名前は、アイビス号に決まりました。

そのパイロットの選考会です。由良、岩倉、藤谷の中から選びました。

「来年、なにわバードマンの飛行機を飛ばすのは、由良冬子」

しかし、舞はトレーニングをした甲斐もあり、記録が伸びていました。

「もっぺん飛びたくて。琵琶湖の空飛んだ時の気持ち、忘れられへんのです。けど、由良先輩がパイロットになるんやったら、諦めがつきます。最高の尾翼作りますね」

そう言ったものの、舞の気持ちは空に行っています。

あの日、お父ちゃんと一緒に飛行機を見た場所にやってきました。

子供の頃は飛行機作りたいと思っていた舞でした。しかし、飛行機への憧れは、いつしか空を飛ぶことへの憧れに変わっていました。

後ろめたさ

舞は学校で「パイロットになるということ」という本を読んでいました。そこにロードバイクでトレーニングしていた由良が舞を見つけ、やってきました。由良に声を掛けられると、舞はつい本を閉じてしまいました。

「隠すことないやん。そんなに空飛びたい?」

そう聞くと、由良は自分の夢を話してくれました。

「私も航空学校行ってな、ジェット機のパイロットになるのが夢やってん」

航空学校はパイロットの養成学校です。その学校を由良は、受験するつもりでした。しかし、受験することができなかったのです。

「身長足りへんねん。158cm以上必要やねんて。岩倉は?」

舞は、身長159cmです。航空学校を受験することができる身長です。

由良の話を聞いた舞は、夜にお父ちゃんとお母ちゃんに航空学校に行きたいと言おうとします。しかし、言うことができませんでした。

夢が変わったことに、後ろめたさを感じていました。

母からの手紙

舞は、ノーサイドでのパイトのシフトを増やすことに決めました。

そんな時、ノーサイドに久留美の父がやってきました。ノーサイドの店主・津田と久留美のお父ちゃんは知り合いだったようです。

「久しぶりやん?今から夜勤?今度の仕事は続いてんのやて?」

津田にそう声を掛けられ、久留美の父は久留美にばかり苦労かけられないと言うのでした。

「その意気や、それでこそドーベルマン・望月や」

そんな会話を聞いていた久留美は「ドーベルマン、久しぶりに聞いたわ」と苦笑していました。

お父ちゃんはお茶を飲むと、すぐに夜勤に出かけます。帰り際、久留美にお金を渡します。

「会計はレジで」

久留美はそう言いますが、お父ちゃんは違うと言うのです。

「誕生日やろ、ケーキでも食い」

久留美は覚えてくれていたことが嬉しかったのです。そして、父は久留美に手紙を渡すと帰っていきました。

手紙の差出人は、松下久子。久留美の母親です。今は、福岡に住んでいるようです。

久留美は家に帰ると、今まで来た母からの手紙を読み直していました。母からの手紙は、毎年送られてきていました。

悠人の今

お母ちゃんは、舞の兄・悠人に電話しますが、悠人は出ませんでした。

「あかん、でーへん。舞、悠人に電話しておいて。年末ぐらいは帰っといてって」

舞はまだ航空学校の話ができていません。お母ちゃんから頼まれ、舞は電話してみました。

「もしもし、お兄ちゃん。なんでお母ちゃんの電話でえへんの?」

悠人は用件わかってるし、忙しいと言うのでした。そして、舞に「お前は?」と近況を聞きます。

「お兄ちゃん、私な、パイロットになりたいねん」

悠人は「もう乗ったんやろ?」と聞き返します。

「ちゃうねん、人力飛行機のパイロットやなくて、旅客機のパイロット」

そう聞いて、驚くのでした。まだお父ちゃんとお母ちゃんに話していないことを聞いた悠人は、そのやり取りを見たいから帰阪しようかと言うのでした。

幼馴染にも言えないこと

舞はノーサイドに久留美と貴司を呼んでいました。

「舞、何か話しあるんとちゃうの?いきなり3人で集まろうとかいうから」

久留美に促されて、舞は改まって話し出します。

「私な、旅客機のパイロットになりたいねん?」

舞の告白に驚く久留美と貴司。

「夏、人力飛行機で琵琶湖飛んだやろ?あの時、気付いてん。ああ、私はずーっと、空飛びたかったんやって。もっと高く、もっと長く空飛びたい。そう思て、今パイロットの養成学校目指してんねん」

久留美は女子でも入れるのかとか、親には言ったのかと、現実的な質問をします。

「まだ言えてへん。言おう言おう思てんのやけど、どないゆうてええか。。。」

舞は、悩んでいることを話すのでいた。久留美の反応と違って、貴司の反応は違うものでした。

「舞ちゃん、ホンマの自分を見つけたんやな。羨ましいわ」

その時、貴司に着信が入ります。先輩からの呼び出しでした。心配する舞と久留美。

「大丈夫や、ほなメリークリスマス」

そう言って出ていく貴司でしたが、大丈夫そうではありませんでした。

悩んでいるのは舞だけでなく、久留美も貴司も、幼馴染にも言えないことがあるのです。そんなクリスマスでした。

休ませてもらえませんか

部室では新しい飛行機・アイリス号の構想を練っていました。

「この尾翼、アイリス号にも活かせへんかな」

佐伯はスワン号の尾翼を見て、そう言っていました。そして、舞に操縦でのニュアンスを聞きます。

「岩倉、尾翼の操縦やけど。。。」

しかし、舞は空を飛ぶ感覚を思い出して、話しを聞いていませんでした。そして、意識が戻ってくると、立ち上がってみんなに向かって話しました。

「あの、お願いがあります。しばらく、休ませてもらえませんか?勉強とバイトが忙しくて」

部員のみんなも、勉強もバイトもやりながら飛行機を作っています。

「勝手なこと言ってすみません。私、旅客機のパイロットになりたいんです。航空学校に行きたいと思ってます。そのための学費貯めるための勉強とバイト頑張りたいんです」

その夢を聞いて、部員のみんなは困難さを知っています。由良を筆頭に応援してくれることになりました。

誰かに呼ばれた

古本屋のデラシネに貴司は、やっぱり入り浸っていました。貴司は会社に居場所を失っていたのでした。その影響か、詩も書けなくなっていました。

店主・八木は習字を書いていました。

「閉店セール、全品半額」

それを見て、貴司は店を閉めるのかと聞きます。

「そや、閉める」

八木は「呼ばれたから」と言うのでした。貴司には意味がわかりません。

「朝になると、誰かに呼ばれて睡蓮の花が開くやろ。春になると、何かに呼ばれて白鳥が北に向かって飛んでいくやろ。そういう得体のしれない、でっかいもんに呼ばれたんや」

しかし、理由を聞いても貴司はわかりませんでした。それに八木は、「いつかわかる」と伝えるだけでした。それでは貴司が困ります。

「今、この店までなくなってしもたら、僕どないしたらええんか」

貴司が困っているのを見て、八木は言うのでした。

「短歌にしてみい。書きたい言葉が胸にぎゅうぎゅう詰めになって出てこらへんのや」

ドーベルマンはどこへ行った

月日は流れて、3月になりました。

久留美は、鼻歌を歌いながらバイトへやってきました。控室では、舞が先にきて勉強しています。嬉しそうに控室に入ってきた久留美にどうしたのかと舞は聞きました。

「じゃーん!2年目の学費免除が決まりました!」

久留美はバイトをしながら、成績優秀者として、学費免除をつかみ取ったのでした。

そんな久留美がバイトを終えて家に帰ると、電気をつけずに久留美の父親が座っていました。本来なら、今の時間は夜勤に行っている時間です。

「辞めた。非常階段で足滑らせてな。ガードマンにむいてなかったわ、辞めてせいせいしたわ」

珍しく続いたガードマンの仕事でしたが、ついに辞めてしまったというのです。そんな父に久留美は、「家賃は?」と詰め寄ります。しかし、久留美の父は、なんとかなると言うのでした。

「いっつもなんとかするの私やん。そんなんでこれからどないするんよ」

キレた久留美に父は、「お前はアイツと一緒にいったら良かったんや」と言ってしまうのでした。

さらにキレる久留美。それに「結婚でもなんでもすればええわ」と父親は言ってしまうのでした。

「こんなお父ちゃんおったら結婚なんてできへんわ。ドーベルマン、どこ行ったんよ」

久留美は、成績優秀者として表彰された紙を父に投げつけて、出て行ってしまうのでした。

言わんと我慢してたら変わらない

飛び出した久留美は、舞の家にずぶ濡れでやってきました。舞のお母ちゃんは、久留美を優しく招き入れました。

雨に濡れた久留美を風呂に入れ、舞の部屋で一緒に寝ることにしました。

「ええな、舞は。お母ちゃん優しいし、お父ちゃん頼りになるし。なあ、舞。もし、もしもやで、舞が子供の頃にお母ちゃんが家出て行ったとするやろ?けど、帰ってけえへん。1年に1回バースディカードがくるだけ。舞やったら、カードに書いてる番号に電話する?」

久留美にそう聞かれても、舞には答えられませんでした。

「お父ちゃんにひどいことゆうてしもた。自分が自分じゃないみたいやわ。でも、言わんと我慢してたら、何も変わらへんもんな」

久留美は反省していますが、母がいなかった分、すごくしっかりしています。

そんな久留美の言葉を聞いて、言わないと何も変わらないと思った舞。夜、深呼吸して、リビングに行きました。

「お父ちゃん、お母ちゃん、大事な話があるねん。私な、旅客機のパイロットになりたいねん」

最後に

スワン号で飛んだことで、自分の夢を見つけた舞。しかし、方向転換を両親に伝えるには勇気が必要でした。

舞だけでなく、久留美も貴司も苦悩しています。

3人のそれぞれの苦悩はどう展開するのでしょうか?

そして、来週の予告では五島へ行くようですが、また再生することができるのでしょうか?

来週の予告

来週も楽しみです。

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