告白 舞いあがれ(19) ネタバレ

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告白 は第19週のサブタイトルです。

久留美の婚約解消があり、悠人のインサイダー疑惑が報じられた先週。更に、五島の特産品を使った物産展も開かれる予定です。

安定したIWAKURAから、今度はそれぞれの心情に寄り添った展開になるようです。

そんな第19週のまとめです。

第18週「親子の心」のまとめ

舞あがれ!公式HP

主な登場人物

岩倉舞   福原遥     IWAKURAの営業
梅津貴司  赤楚衛二    舞の幼馴染、歌人でデラシネ店主
望月久留美 山下美月    舞の幼馴染、看護師

才津祥子しょうこ  高畑淳子    舞の祖母でめぐみの母
岩倉浩太こうた  高橋克典    舞の父、故人
岩倉めぐみ 永作博美    舞の母、株式会社IWAKURA社長
岩倉悠人はると  横山裕     舞の兄、インサイダー疑惑の人

梅津勝   山口智充    貴司の父。のお好み焼き屋
梅津雪乃  くわばたりえ  貴司の母。勝の妻
望月佳晴  松尾諭     久留美の父。元ラガーマン

笠巻久之  古舘寛治    IWAKURAのベテラン従業員
結城あきら   葵揚      IWAKURAの従業員
リュー北條 川島潤哉    短歌担当編集者
秋月史子ふみこ  八木莉可子   貴司の短歌のファン

木戸豪   哀川翔     五島 船大工
浦信吾   鈴木浩介    五島 役場職員。めぐみの同級生
一太いった   若林元太    五島 舞の同級生、船大工見習い
山中さくら 長濱ねる    五島 みじょカフェオーナー

第19週のストーリー

インサイダー疑惑

投資のカリスマ・岩倉悠人にインサイダー疑惑とワイドショーで報じられています。その悠人の経歴も画面に映っていました。

  • 2006年 ヘッジファンド ショートタームキャピタル設立に参画
  • 2007年 ヘッジファンド運用開始 ヘッジファンドマネージャー
  • 2008年 リーマンショックを予測した男

そして、運用純資産260億円。一流の投資家でした。今回の疑惑はアルツハイマー病治療薬「BC623」に関する重要な非公開情報を元にして、株の売買をしたというものでした。

そのワイドショーを見ていた雪乃は、驚いてお母ちゃんに連絡しにいきました。

連絡を受けたお母ちゃんは、驚いて言葉になりません。

「ちょ、ちょ、まって。雪乃さん、どういうこと?」

雪乃に言われ、ネットニュースを検索するお母ちゃん。確かに雪乃の言う通り報じられていました。

そして、お母ちゃんは悠人に電話しますが、繋がりません。悠人は電話が来ていたことは気づいていましたが、でませんでした。

お母ちゃんは、悠人がIWAKURAの権利を返そうとしたのは、このことがあるからだったのではないかと思うのでした。

75日の辛抱

舞が悠人に電話しても、悠人は電話にでません。そんな時、舞に仕事の打ち合わせで、お客さんがやってきました。

「あんな、今、外で記者に声かけられたで」

悠人が実家に戻ってくるのではないかと、記者が張り込みをしているというのです。舞は迷惑をかけたことを謝ります。

打ち合わせが終わって事務所に戻ると、お母ちゃんが電話の対応をしていました。電話を切ると、従業員を集めて説明します。

「もう知ってはる思いますけど、息子が違法なことをしたんやないかって報道されています」

そう切り出したお母ちゃんに「ほんまのことなんですか?」と質問が飛びました。

「わかりません。本人と連絡がつけへんのです。今も週刊誌の記者さんが会社の前に張り込んでます。みなさんもいろいろ話し聞かれることと思います。ご迷惑おかけします」

お母ちゃんと舞は従業員に頭を下げました。

「IWAKURAがピンチの時悠人君、工場買い取って助けてくれたんやで。だから、ここにおる全員、関係ないことないねん」

アキラが言ったその言葉に、従業員達は自分達の問題としてとらえてくれました。そして、お母ちゃんと悠人を心配してくれるのでした。

「社長、私らにできることあったら、なんでもゆうてください」
「外の記者、いっぺんしばいときましょか」
「ゆうやないですか、人のうわさも・・・七十五日や」
「社長、七十五日の辛抱です」

柏木公園

舞が会社から家に帰ると、家の前にも記者が待っていました。仕方なく、舞はデラシネに向かいしました。

デラシネに着いた頃には、雨が降ってきました。舞を迎え入れた貴司が、お茶を出してくれました。

「えらいことになったな」

貴司にそう言われ、舞は心の中の言葉を全てぶちまけました。

「お兄ちゃんどこおるんやろ。ちゃんとご飯たべてるやろか。誰か助けてくれる人おらんかな。お兄ちゃん、昔からなんでも一人でできたらから、誰かに助けてって言えてんのやろか。。。ごめん、もう閉店やんな」

貴司は「ええよ、僕も雨やむまでいるつもりやったし」と、舞が落ち着くまでデラシネに一緒にいることにしました。

その頃、悠人は大阪にきていました。雨が降っている中、傘もささずに柏木公園(舞が柏木にフラれた公園)に来て、倒れてしまいました。

そこにちょうど通りかかったのは、久留美の父・佳晴です。最初は悠人と気づかず声を掛けますが、悠人だとわかると、佳晴は家に連れて帰りました。

久留美の一喝

佳晴が介抱していると、久留美が帰宅します。久留美は看護婦なので、対処は適切です。

「どいて。悠人さん聞こえますか?あかん、めっちゃ冷たい。お父ちゃんの服貸して」

着替えさせて布団に寝かせ、久留美は口元の傷の手当てをします。その傷に染みたのか、顔をしかめた悠人が目をさましました。

「久留美ちゃん?ここは?」

悠人は、自分がどこにいるのかわかっていません。

「私の家です。雨の中倒れてはったんで、父が連れて帰ってきたんです。何があったんですか?」

そう聞くと「酔ってケンカしただけや」とぶっきらぼうに答えます。そして、久留美が温まるようにと準備したスープを断りました。

「いらん。迷惑かけたな。迷惑料や、取っといて」

財布から万札を数枚取り出すと、久留美に渡します。

「辞めて下さい」

その時、久留美からの連絡を受けて、舞とお母ちゃんがやってきました。

「悠人、うちに帰ろう」

お母ちゃんは悠人にそう声を掛けますが、悠人は「二人には迷惑かけへん」と立ち去ろうとします。

その悠人の前に久留美が立ちはだかります。

「おばちゃんも舞も、どんだけ心配したしてたか、その気持ちちょっとは考えて下さい。大事な人がしんどい時に何もできへんのって、ほんまに辛いんですよ。支えてくれる家族がいるんやから、頼ったらええやないですか」

その久留美の一喝で、悠人は実家に帰りました。記者は待っていましたが、何も話さず家の中に入りました。

インサイダー情報に飛びついた

翌朝、岩倉家のインターフォンは、鳴りっぱなしです。舞もお母ちゃんも寝ていられず、朝から掃除や洗濯をしています。そこに、悠人が起きてきました。

「おはよう。ちょっとは寝られた?」

お母ちゃんは悠人を気遣って、そう声をかけました。

「そっちそこ寝られへんやったろ、朝っぱらからチャイム鳴らされて。帰ってこおへん方が良かったか」

そんな悠人にお母ちゃんも舞も「そんなことあれへん」と言うのでした。

そして、悠人に何があったのか聞きます。

「なんでそんなこと聞くん。もう終わったことや」

しかし、まだ何も終わっていません。始まったばかりです。

「ほんまにやったんか?悪いこと」

そう聞くお母ちゃん。しかし、悠人ははぐらかすだけです。

「やってても、やってへんでも同じことや。一回でもレッテル張られたら、俺は投資家失格や」

本当のことを知りたいという舞。しかし、お母ちゃんは悠人の異変に気付いていたことを伝えます。

「お母ちゃんな、ちょっと前からあんたが様子おかしいの気い付いてた。あのとき、ちゃんと話し聞いてたら、こんなにことにならへんかった違うかな」

お母ちゃんは、自分のことを責めます。しかし、それは悠人が一番望んでいないことでした。

「やめろや。なんで自分責めんねん。お袋と舞のせいちゃう。全部俺のせいや。とんでもない損失出して、なんとかせなって。インサイダー情報に飛びついてしもた」

取り戻せないもの

悠人が部屋に閉じこもると、舞が部屋にやってきました。手には、お父ちゃんが書いていた歩みノートを持っています。舞は、歩みノートを悠人に渡しました。悠人はノートを読んでみます。

「12月19日 悠人の記事が雑誌に載った。リーマンショックを予測した若き投資家。大したもんや。悠人には投資の才能があるのやろ。その才能を努力して伸ばしてきたんやな。子供の頃からこつこと勉強して立派やと思う」

お父ちゃんは、悠人に面と向かってそんなことを言ったことはありませんでした。しかし、記事を読んで、お父ちゃんは気持ちを日記に書いていたのです。

ノートを読んだ悠人は、仏壇の前に座りました。

「親父、俺のことわかろうとしてくれてたんやな。生きてる間にゆうてくれたらよかったのに」

悠人はお父ちゃんと会うと、いつもケンカしていました。それをお母ちゃんに指摘されます。

「せやな。言わせへんかったの俺やな。舞ゆうてたよな、無くなったものは二度と取り戻せないんやって。それ、ほんまやった。仕事も信用も、親父と話し合うチャンスも。どんだけ後悔したって、二度と取り戻されへん。親父、ごめんな。ごめんな。。。」

そう言って泣き出す悠人。

「悠人、取り戻せるもんもある。一遍失敗したからってなんや。お父ちゃんなんかな、何べん失敗してもあきらめへんかったで。悠人ならやり直せる。しっかり罪償って、仕事も信用もちょっとずつ取り戻したらええねん」

親父のカレー

悠人は、カレーが食べたいとリクエストしました。しかし、お母ちゃんも舞も、ごちそうではなくカレーを食べたいという悠人の気持ちがわかりませんでした。

「ええねん、なんかカレー食べたなった。子供の頃、お袋と舞が五島行ってる時、親父がよう作ってくれてん。いっつもご飯固いし、ジャガイモはでかいし。そもそもカレーの頻度高いねん。またカレーかと思ってたけど、今あのカレーが一番食べたいわ」

そう言うと、悠人は下を向いてしまいます。そして、これからのことを話しました。

「明日、東京戻るわ。会社に強制調査入るかも知らん。いって全部しゃべってくる」

お母ちゃんは、その後どうなるか心配です。しかし、それは悠人にもわかりません。

「俺な、ずっと一流の投資家になろうと思ってん。でも、ルール破って投資の世界貶めてしもた。数え切らん人らに迷惑かけたし、ちゃんと責任取らな」

そんな悠人に舞は、手紙を書くと伝えます。

「いらんわ。妹と文通はキツイやろ」

そう言われた舞は、「電話するからちゃんと出てな」と伝えました。

「約束はできん。けど、出られへんかったらかけ直す」

悠人の殻を被った心が、少しはほぐれたようです。

謝罪とお礼

舞と悠人はノーサイドへ行きました。そこには、久留美と佳晴が待っています。

「元気そうやないか」

佳晴は、悠人にそう声をかけました。

「はい、おかげ様で。いろいろご迷惑をおかけしました。あ、これ、お借りした服です」

悠人は素直に謝罪とお礼を言いました。

「で、今から東京行くんやて?」

そう聞かれた悠人は、片付けることがあると言うのでした。

「えらそうなこと言える立場やないけどな、俺もケガしてラグビーできんようになった時、どないしていいのかわからなったわ。全部なくなってしもた思って、目の前が真っ暗になった。せやけど、久留美が傍におってくれた。一番大切なものが残ってたんや。それでも、今でも散々迷惑かけっぱなしやけどな。せやけど、こないしてちゃんと生きてるわ。悠人くんも大丈夫や」

佳晴なりのアドバイスでした。

悠人は、次に久留美の前に行きます。そして、手に持ったビニール袋を「ふん」と言って、久留美の前に差し出します。

「なんですか?迷惑料ですか?いらんって言いましたよね」

そう言う久留美に「これは、礼や」と悠人は言うのです。久留美はビニール袋を受け取ると、中を見てみます。中には梅津のお好み焼きが入っていて、受け取った久留美は嬉しそうです。

そして、悠人は「ほな」と言って東京へ戻りました。

東京へ戻った悠人は、裁判に臨みました。半年後、懲役3年執行猶予5年の判決を受け、罰金などの多額の負債を抱えました。

久留美は気づいている

2014年6月、舞と久留美は柏木公園にいました。舞は、久留美に悠人の近況を話しています。

「そっか、これからどうしはるんやろな」

しかし、まだ悠人のこれからは決まっていないようです。舞にはゆっくり考えると伝えていました。

久留美は夜勤のために病院に向かいます。舞は呼び止めると、お得意様からもらった水ようかんを渡しました。

そして、残った水ようかんは「これは貴司くんにあげよ」と舞が言いました。

その言葉を聞いて、久留美は何か言いたげな顔で舞を見るのでした。しかし、何も言いません。

久留美は舞の気持ちに前から気づいているそぶりです。

物産展と一太の恋

舞が久留美と別れると、電話がなりました。電話は五島からでした。

「舞?元気しちょる?」

信吾からの電話を借りてかけてきたのは、おばあちゃんでした。そこには、信吾だけでなく、豪もさくらも一太もいます。おばあちゃんは悠人のことをちょっと話すと、信吾に代わります。

「実はさ、大阪の百貨店で物産展ばやるとさ。五島の名物ば集めて」

それには、信吾だけでなく、さくらもやってくると言うのです。おばあちゃんと豪は、留守番です。

そんな話をして電話を切りましたが、一太は何も言いませんでした。

「どがんしたとな。舞ちゃんとも話しばせんで。やけに静かにして」

一太は、恋をしていたのです。相手は以前、釣りフェスタでやってきた、百花ももかです。しかし、五島と大阪の遠距離で会うことができません。

「会いたいなら会いに行けばいいと」

おばあちゃんの言葉にみんなが賛成します。一太も覚悟を決め、物産展に一緒に行くことにしました。なぜか、留守番のはずだった豪も行くことになりました。

来訪者

舞はデラシネに行くと、物産展の話しをしながら、貴司と水ようかん食べていました。

「な、貴司君、物産展一緒に行けへん。久留美も来れるかもって」

そう言って貴司を見つめる舞。貴司は、一緒に行くことを了承しました。そして、見つめる舞にどうしたのかと聞きます。

「ええ友達やなって思って。不安でしゃーない時も、貴司君の顔見たらホットすんねん。貴司くんの越え聞いたら、心が温かくなんねんな。いっつも助けてくれて、ありがとう」

それは貴司も一緒です。そして、見つめあう二人。

「こんにちは」

いい雰囲気の所で、デラシネにお客さんがきました。貴司が立ち上がって対応します。

「梅津貴司さん?」

見知らぬ女性は、貴司の名前を知っていました。

「やっと会えました。秋月史子と申します。長山短歌賞の受賞作拝読致しました。私、梅津さんの短歌が大好きです」

お客さんかと思ったら、貴司の短歌のファンでした。

「時にこれ、私が作った短歌なんですけど、読んでいただけませんか?」

差し出された紙を貴司は受け取りました。舞は、何事かと固まっています。

奥様ですか

貴司が史子の短歌を読んでる間、舞は店番をしていました。舞は店の方から貴司の様子を見つめています。

「すごく、ええと思います」

貴司は史子の短歌をそう褒めました。そして、特に気になる歌を上げたのです。

今朝産みし 子を連れ 水槽巡りたる イルカは如何に 海を教へむ

「これ水族館の歌ですよね。水槽の中で子供を連れて泳いでるお母さんイルカは、どうやって教えんのやろ。海っていう素晴らしい故郷を。発想が面白いんやけど、それ以上に一番近くにいるのにどうしても伝えられへんことがある切なさみたいなもん感じました。どの歌も綺麗で、こんな風に世界をとらえる人がおんねんなって新鮮で。ええ歌読ませてもろてありがとうございました」

その言葉に泣き出す史子。

「私、ずっと一人で短歌作ってきたんです。人に見せるの怖くて。だって、短歌は私の命ですから。それ否定されたら、生きていかれへん。けど、梅津さんの短歌を詠んだ時、この人やったら見せられると初めて思ったんです」

貴司は史子にハンカチを渡します。そして、貴司を「梅津先生」と呼び、また読んでもらいたいと言うのでした。

「先生やないけど、楽しみにしています」

そして、帰りがけに史子は舞に小声で話しかけました。

「奥様ですか?」

舞はびっくりして「そんなんやないです」と一生懸命否定していました。その言葉に史子は、「良かった」と答えて帰っていくのでした。

私、関係ないやん

久留美と舞は、また柏木公園で会っていました。

「思ってもない質問やったから、全力で否定してしまった」

舞は史子に聞かれた質問について、久留美にそう説明しました。

「そりゃ、ちゃぶ台で仲ようお茶飲んでたら、夫婦やと思われても仕方ないやろ。言われて嫌やった?奥様ですかって」

そう聞かれ、舞は素直な気持ちを話します。

「ううん、びっくりしてしもた。けど、私も久留美も短歌のことなんもわからへんやんか。貴司くん、話しの仲間ができて、ほんま良かったなって」

ちょっと怒ったような顔つきの久留美。ベンチに座って、舞を隣に座らせます。

「あんた、そんな呑気なことゆうて大丈夫なん?貴司くんと秋月さんどんどん仲ようなるかもしれんで。ええの?」

しかし、舞にはどうすることもできません。

「ええのもなにも、私関係ないやん」

そう言うしかありませんでした。

決起集会

舞と久留美は、公園からお好み焼き屋・梅津にが行きました。そこには、翌日からの物産展に向けて、信吾達五島のメンバーがきていました。

おばあちゃん以外の五島の人達とは初対面の久留美を舞が紹介しました。そうすると、さくらが久留美に抱き着きます。

「やっと会えたー」

舞から話は聞いていたようです。信吾は「しっかりもんの看護師さんやろ」と理解していました。

そして、一太は舞を「幼馴染」と百花に紹介しました。

そして、みんなで乾杯します。そこに、梅津の特製お好み焼きが運ばれてきました。勝と雪乃は、貴司が失踪した時にお世話になったことを覚えています。

「五島で息子がえらいほんまお世話になりました。おおきに。ありがとうございました」

そんな貴司は来ていません。デラシネで仕事しているようです。

さくらも寂しがっていて、舞から最終日いに物産展に行くと聞いて、会えることを楽しみにしていました。

一太の覚悟

お母ちゃんは、同級生の信吾と久々の再会です。

「信ちゃん、五島のどんなものば出すと?」

そう聞くと、信吾はパンフレットを出し、自慢げに説明します。

「よくぞ聞いてくれました。かんころ餅に椿油、祥子ばんばのジャムもあるとぞ」

そんな決起集会が楽しかったのか、さくらは酔いつぶれてしまいました。

一太におんぶされて、舞の部屋にさくらを寝かせます。そして、部屋に飾っているばらもん凧を見つけました。

「ばらもん凧、ええ所に飾ってるな」

そのばらもん凧は、子供の頃におばあちゃんからもらったばらもん凧です。

「百花さんも、ばらもん凧すいちょっとさ」

一太がそう言うのを聞いて、舞は「好きあってるのか」と聞きました。

「なんのそー。でも、そうなればよかなーって。大阪に来たとや、気持ちば伝えるためやっとさ。百花さん、ざーまに素敵な人やもんね。俺やっぱダメかもしれん」

しかし、百花も楽しそうにしていて、舞には脈無しには見えませんでした。

「やっぱお互い五島が好きやから、話しあうんかな」

そう言うと、照れている一太が、更に照れてしまいました。

「なんが元気でてきた。お礼に舞の悩みも聞いてやるけん。どんな恋でもどんとこいね」

しかし、舞には今は何もありません。

物産展と求人

翌朝、舞、お母ちゃんと一緒に朝食を食べるさくら。

「おかわりはよかと?」

お母ちゃんにそう言われますが、さくらは遠慮してしまいます。

「いえいえ、酔っぱらって泊まらせてもらった上に、朝ごはん3杯お替りするとやちょっと」

しかし、お母ちゃんと舞の押しに負けるのでした。

「まあ最終日には一太くんの告白っちゅう一大イベントもあるけん、体力つけんといけんもんね。大盛りでよろしく」

そんな感じで物産展がスタートしました。期間は2週間ですが、あっと言う間に時は過ぎて行きます。

そして、物産展の最終日になりました。

「社長、確認お願いします。メールきました?」

舞がおかあちゃんに聞いたのは、求人サイトにIWAKURAを掲載して、その募集のメールが来ていないか聞いたのでした。

「そもそも、工場で働きたいって人、少ないですからね。私も、よういらん心配されますもん。なんで工場なんかで働いてるの?とか、仕事キツイし危ないのと違うの?とか」

事務員の山田は、一般的なイメージが悪いと言うのです。

「なんとかせな、いつまでたっても人手不足やわ。あれ?もうええよ、帰り。物産展行っておいで。
ほな行ってきます」

舞は最終日、約束した貴司と物産展に行くために帰りました。

どろどろしたもの

舞がデラシネに貴司を迎えに行くと、リュー北條がきていました。そして、店には史子もいます。

「この300首を本にできたらと思ってます」

貴司は書き溜めた原稿用紙を北條に見せていました。

「うーん。パンチがない。全体的に甘すぎるんだよ。もっと濃厚な歌が欲しい。梅津さんはさ、そこらの人とは違う人生を歩んできたんでしょ?会社辞めちゃって、放浪してさ。その時の絶望とか、社会への燃え滾るような怒りとか、そういうの書いてよ」

しかし、貴司には「燃え滾るような怒り」は、今も昔もありません。

「あるでしょうよ、無くても書けばいい。芸術って虚構だから。社会からドロップアウトした若者の心の叫び。みんなそういうの読みたいんだよ。昆布とか葉っぱとかいったん忘れてさ。自分の中の本当の気持ちに向き合ってみてよ」

貴司は、その言葉に困ってしまいました。見かねた舞は、北條に何か言おうとしますが、史子が先に北條に言いました。

「お言葉ですが、梅津先生の短歌は甘いところが素晴らしいんです。世の中の醜さにあえて背を向け、小さな美しいものに希望を見出しておられるんです」

突然会話に入ってきた史子に驚く北條。史子は自分で「私、梅津先生の一番のファンです」と表現しました。それを聞いて北條は喜びます。

「早速若い女性ファンがついたか。思った通りだよ。よし、明日までに10首送ってくれるかな。どろどろしたやつね」

そう言うと、北條は帰って行きました。

戸惑い

貴司は北條が置いて行った原稿に目を落とします。

「先生、あんな俗物の言うこと聞かないで下さい。今まで通りの歌をお読みになればええんですから」

史子は貴司を擁護しようと、そんな言葉をかけました。そして、貴司が史子に「そやけど」と言いながら振り返ると、舞の姿が目に入りました。

「ごめん、物産展。。。」

舞は貴司の大変なところを見てしまって、物産展に誘うどころじゃなくなってしまいました。

「ぜんぜん、短歌作らなあかんのやろ。お土産買うてくるな。頑張って。ほな、失礼します」

そう言ってデラシネを後にしますが、貴司と史子の関係が深まることに寂しそうな気持になる舞でした。

一大イベント

夜、ノーサイドでは、物産展の打ち上げが行われていました。五島の特産品を店に並べています。物産展は多くのお客さんが来て、大盛況のうちに幕を閉じました。

そして、打ち上げの途中、一太は舞と目配せして、告白のタイミングを計っています。

「これ、椿の木ですか?なんかほっとしますね」

椿の木で作ったスプーンを手に取り、百花が一太に話しかけます。椿の木は1年に1ミリしか成長しない成長の遅い木です。それを使って手作りしたスプーンだからこそ、ほっとするのかもしれません。

一太は、突然「好きです」と百花に告白しました。

「俺は、ずっと島に住もうっち決めた日から、心のどこかで他所の人ば好きになっちゃダメだって思ってました。けど、百花さんに出会って、百花さんの笑顔ば見るたびどんどん好きになって、自分の気持ちに正直でいたかっち思ったとです。じゃけん、百花さん、俺と付き合って下さい」

突然の告白に、ちょっと緊張する百花。

「私は、一太さんのこと、まだよく知りません。そやから。。。」

それを聞いて、断られると感じる一太。先に「困らせてごめんなさい」と謝ってしまいました。

しかし、百花の真意はそうではありませんでした。

「ほんまに先走り過ぎです。話しは最後まで聞いて下さい。私、一太さんのこと、もっと知りたいんです。そやから。。。ゆっくりでもいいですか?椿の木みたいに、気持ちゆっくり育てていってもいいですか」

舞と貴司の関係

一太の告白が成功して、大盛り上がりした打ち上げ。その後、久留美は舞の部屋で舞と話をしていました。

「ほんま、ええもん見せてもろた。貴司くんも来れたらよかったのにな」

久留美は、嬉しそうにそう言うのでした。

「貴司くんが本出すって言った時、単純に喜んでしもたけど、なんや大変そうやわ。ほんまの気持ちに向き合え言われて、貴司君しんどそうやった」

舞は貴司が心配です。それと同じように、久留美は舞が心配です。

「舞もやで。ほんまの気持ちに向き合ったほうがええ。貴司くんのこと、好きなんやろ?」

しかし、舞は否定はしませんでしたが、自分の気持ちに向き合うことができないのでした。

「私な、貴司くんとは友達でおりたいねん。もし、告白してしもたら、今の関係には戻られへんやんか。柏木さんのこと覚えてる?もしつきおうてなかったら、柏木さんと今でも友達やったと思う。けど付き合って、もう二度と大事な友達には戻られへんようになってしまった。わたしな、貴司君にとって、なんでも話せる幼馴染のままでおりたいねん」

舞は自分の気持ちがわかっていたのです。しかし、貴司との関係を考え、幼馴染として接することを選んでいたのでした。

最後に

インサイダー疑惑で、実は潔白だったという流れを期待していましたが、がっちり有罪になった悠人。しかし、これで少しは丸くなって、いい息子、いいお兄ちゃんになってくれるといいのですが。

そして、IWAKUARの求人。これは久留美の父・晴彦が就職するフラグなんでしょうか?それとも、悠人が帰ってくるフラグなんでしょうか?

悠人には、ぜひ五島の活性化のために活躍して欲しいなって思っています。佳晴は就職した方が、久留美のためにもいいです。ネットでは悠人と久留美がくっつくんじゃないかと話題になっています。どうなるんでしょう??

来週は、舞と貴司の関係に進展が?史子は、どう影響するのでしょう?貴司、また失踪しないよね?

来週の予告

どうなるか楽しみです。

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