お帰り やんごとなき一族(6) ネタバレあり

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お帰り と言って、健太は佐都を呼び戻すことができるのでしょうか?

それとも、深山家は今まで通り、男尊女卑を継続していくのでしょうか?

そんな「やんごとなき一族」の最終回です。

やんごとなき一族の公式HP

主な登場人物

佐都さと :土屋太鳳 健太の妻。庶民。
健太 :松下洸平 深山家の次男。佐都の夫。
圭一 :石橋凌  400年続く深山家の現当主。
久美 :木村多江 圭一の妻。深山家の現女当主。
明人あきと :尾上松也 深山家の長男。美保子の夫。復讐を企てている。
美保子:松本若菜 明人の妻。老舗和菓子屋だが元は庶民。

最終話のストーリー

久美のストライキ

佐都が出て行った後、その報告を受けた圭一は大喜びでした。

そのことで、圭一の妻・久美はストライキしていました。

「佐都さんをアレ呼ばわりして、女の代わりはいくらでもいる?
 女をモノ扱いするのは止めて下さい。もう限界だわ。
 こんな人間の面倒を見るのは限界。女は役に立たないのでしょ?私も女ですから」

ずっと深山家で虐げられていた久美が、ついに反乱を起こしました。

佐都は実家へ

健太に別れを告げ、佐都は実家の手伝いしていました。

そこに久美がやってきました。久美から家庭内別居状態でストライキしていること聞きます。

「佐都さんには謝りたくて。辛い思いばっかりさせてきたわ。ごめんなさい」

そう謝られて恐縮する佐都。しかし、思いは変わりません。

「これでいいんだと思います。思い出せないまま一緒にいるのはお互いツライので」

そんな話をしていると、開店時間になってお客さんがやってきました。久美を新しいスタッフだと勘違いする常連さん。

久美は、手伝うことになりましたが、給仕が上手いと褒められ、喜んでいました。

美保子訪問

佐都の実家に美保子がやってきました。

佐都が「どうしてここに?」と言うと、言い訳がましく話します。

あの時、あなたが止めてくれなかったら、犯罪者になってブタ箱に入っていたかもしれないわ。
 もしそうなったら、ここまで築き上げてきた”私のサクセスストーリー”が台無しになるところだった。
 そうなったら悲劇よ。シェークスピアも真っ青の悲劇よ。
 だから、ほら、あれよ、あ、ありがとう。それから、ごめんなさい」

とても言いにくそうに話す美保子です。その言葉を聞いた佐都は、驚きすぎて言葉がありませんでした。

驚いて黙っている佐都に美保子は「足りないかしら」と言って、再度感謝を伝えようとします。そうではないことを伝え、美保子の話しを聞きました。

人生最大の過ち

仕事中、佐都のことを思い出す健太。深山家に帰ってきて、久美に佐都のことを聞きました。

「佐都さんとあなたは、この家の古い価値観を変えようとしてた。
 お父様から見れば、それは深山家を壊そうとしていたように思えたかもしれない。
 けど、それは破滅じゃなくって革命だと思うの」

それを聞いて、記憶のない間の二人の関係の深さを知った健太。そして、佐都が出て行ってから、ぽっかり穴が開いた感じがしていました。

「なんか、人生最大の過ちを犯したような」

そう言うと、久美は「ただ待っていても大事なものは戻ってこないわよ」と優しく健太の背中を押すのでした。

健太訪問

佐都の実家に健太がやってきました。しかし、佐都は子供と一緒に壁の裏に隠れてしまいました。佐都の母親が対応します。

「俺、よくここに食べに来てたって聞きました。教えて欲しいんです。佐都さんのこと。
 佐都さんと出会ってから俺は変わった。出会ってから幸せそうだって、みんなが言うんです」

健太は圭一に聞いた佐都のことと、周りの人が言う佐都のこと、佐都と健太の関係が違っていることを悩んでいました。そして、佐都から言われたことが頭から離れません。

だから、その答えを聞きに健太はやってきたのでした。佐都の母親は「佐都から言ってあげて」と言って、佐都に出てくるよう促します。

チャンス

「あの・・お腹、空きませんか?」

そう言うと、健太にモツ煮を食べさせました。

「知ってる。この味。なんていうか、家族って味だ。
 俺好きです。この味。懐かしくて温かくて」

モツ煮は、健太の大好物でした。大好物を食べ、その味を思い出すことで、健太は素直に話し始めました

「ごめんなさい。自分がぜんぜん知らない人と結婚してて子供までがいるって聞いて、正直怖かった。
 知ってるのは元からの家族だけで。
 でも、感じるんです。この店もこの味も、あなたことも特別で大切だった。
 でも、思い出せない。ごめんなさい。思い出せない」

健太は記憶を無くしても健太でした。一度は深山家側に行ってしまいましたが、こうして会いに来てくれて、佐都は嬉しかったのです。

「もう一度だけチャンスもらえないでしょうか?」

健太は、佐都と子供の凛のことをちゃんと思い出したいと言います。そして、たとえ思い出せないとしても、佐都と離れたら後悔する気がしていました。頭をさげて佐都にお願いする健太でした。

「今の健太は、私の知ってる健太だよ。
 健太が健太でいる限り、私は支え続ける。
 健太の背負った運命、一緒に背負うからさ」

そういうと、三人で深山家に戻ることを決めました。そして、怖くて抱っこできなかった凛を抱っこしたいと言って、泣きながら抱っこしていました。

兄貴が望むなら

深山家に三人で戻ると、圭一に「やり直すなど認めん」と一喝されてしまいます。

しかし、健太は覚悟を決めていました。

「それでもいい。兄貴が望むなら、兄貴が跡継ぎでいいと思う」

その時「社長!大変です」と入ってくる社員がいました。

大事件

社員は資料を圭一達に渡し、説明します。

「子会社の神宮寺という社員が、投資に失敗して損失を出しました。
 その額が数百億、それ以上かも知れません」

その神宮寺は、どこかに姿を消してしまいました。そして、来週までに補填しないと、大変なことになります。しかし、額が額だけにすぐには補填できません。

そこで、社員は「湾岸エリアの土地を全て売るのはどうでしょう?」と提案します。しかし、その土地は10年後の万博開催を見越して購入した土地でした。

圭一は、土地を売ることを反対していました。

バンノ社長

ザラスグループのバンノ社長が圭一に会いに来ました。

三男・大介とリツコの離婚以来、圭一とは疎遠になっていました。健太が担当していたプロジェクトを明人が担当し、バンノとの関係は続いていました。

「明人くんから聞きましたよ。ずいぶん困った事態になっているとか。
 湾岸エリアの土地、我がザラスグループで買い取ります」

しかし、圭一はバンノ社長に売る気はありません。

「このままでは、深山が潰れますよ」

そう捨てセリフを吐いて、帰っていきました。

深山家の命運

「明人くんがくれた情報のおかげだ」

バンノはそう言うと明人を労いました。お金と神宮寺は、バンノが匿っています。

来週までに補填しなければ、文字通り深山は終わってしまいます。それは、明人の希望することでした。

明人と健太

「神宮寺ってやつのことなんだけど」

健太は、佐都から「明人とバンノが深山を潰そうとしている」という情報を聞いて、明人に会いにきました。

「僕のプロジェクトのために入れた社員だ。やったのは僕だ」

そう悪びれることもなく、健太に話す明人。明人は、健太が跡継ぎにしゃしゃり出てきたためにやったことでした。

「父さんのためにずっと頑張ってきたのは僕だ。なのにお前ばっか気に入られて。
 好きで長男に生まれてきたわけじゃない。
 お前なんか大嫌いだ。だからぶっ潰してやろうと思ったのに。
 なんで今になって跡継ぎを譲るとか言うんだよ」

健太は、明人のことが嫌いではありませんでした。小さなころから、明人はいつも優しかったのです。それが、元々の明人の性格でした。

しかし、跡継ぎ候補で競わせられ、明人は優しい気持ちを無くしてしまっていました。

「兄貴がずっと頑張ってきたことは知ってる。兄貴が本気で跡継ぎになりたいんだったら身を引く。
でも、これだけは約束して欲しい。兄貴が抱えてきた苦しみを次の代には引き継がせないって」

健太は素直な気持ちを明人に伝えました。

明人と美保子

頑なに美保子に会おうとしなかった明人ですが、やっと会って話すことにしました。

「健太に言われてわかったんだ。
 僕は、跡継ぎにはなりたくない。だけど、どうしたも父さんに認めて欲しかった。褒めて欲しかったんだ。
 僕は跡継ぎになれない。だから、僕と離婚・・」

そこまで明人が言うと、そっと抱きしめる美保子。

「よくよく考えて気づいたの。私は自分の力でハッピーエンドを勝ち取れる。
 いいこと?一度しか言わないわ。
 私は深山家の長男でも、王子様でもなく、明人さんあなたが必要なの。
 深山明人の妻なの。深山美保子よ。
 これからも私の尻に敷かれていなさい」

そう言って、関係を修復したのでした。

リツコ

会社のことを明人から相談された美保子。佐都と健太を呼んで、明人が知っていることを話しました。

「損失っていうのは嘘?」

バンノが神宮寺に指示して、海外の口座にお金を移しました。その口座はバンノが知っていて、明人は知りません。明人は、バンノに探りを入れてみると言って出かけましたが、簡単にバンノが話すとは思いません。

そこに「お困りのようね、佐都さん」と言って、リツコが現れました。リツコはデザインの勉強のためにロンドンに行っていました。しかし、美保子に「佐都を助けて欲しい」と言われ、日本に戻ってきたのでした。

リツコの父親はバンノ社長です。その社長の目を盗んで、神宮寺が潜伏しそうなホテルの一覧を持ってきました。

そのリストは、海外のホテルばっかりです。これを調べるのも大変です。そこで、佐都はマダム・キリコに依頼しました。キリコは佐都と健太のために協力してくれます。

「わかったわ。絶対に捕まえてやるわよ」

裏切り

リツコとキリコの協力で、神宮寺を見つけ、バンノに突き出しました。

「白状しましたよ。あなたの指示だって。
 バンノ社長、お金を返していただきます」

その場には明人も同席しています。バンノは明人が裏切ったことに怒りを覚えます。

しかし、お金がありませんでした。明人が裏切ったようにバンノも明人を裏切っていました。

人は変わるもの

佐都は、健太とは別行動していました。圭一にバンノの計画を話し、お金を受け取りに健太と明人が行っていることを伝えます。

「お前ごときでも役に立つことがあるんだな」

圭一は明人の様子がおかしいことは気づいていたと言います。

「明人さんがここまで追い詰められたのはお父さんのせいではないですか?」

佐都は圭一を責めます。しかし、圭一は佐都が来るまで、明人や健太、久美や大介や有沙も従順だったと、逆に佐都を責めます。

「人は変わるものです。お父様が守ってきた深山家の素敵な所は守りたい。
 でも、変わらなければならないところもあるんじゃないでしょうか?」

その時、佐都の電話が鳴りました。お金がないことがわかったのです。

ドバイからの客人

「なんだ、助けてくれるんじゃなかったのか?タンカを切っておいてこのざまとはな」

しかし、圭一は手を打っていました。ドバイからくる客人と投資の話しをする予定になっていました。

その契約の話を深山家でする予定です。当然、もてなしをしなければなりません。

「久美、お前の役目だが、どうする?
 女主人が、大事なもてなしの場を放棄するのか?」

ストライキをしている久美ですが、受け入れるしかありません。そして、放棄するのであれば、深山の家を出ていくように圭一は言います。

「もてなしの準備をしろ。どうせお前にはそれしか能がないんだからな」

そう言うと「今の言葉、撤回して下さい」と言う佐都の言葉を無視して去って行きました。

おもてなし

深山家の命運を握る大事なお客様が到着しました。しかし、久美はいません。佐都が現れ、久美に対する「それしか能がない」発言を撤回するように求めます。

しかし、撤回しようとしない圭一。佐都は久美の代わりにおもてなしすると宣言しました。

「女主人気取りか?」

圭一は嫌味たっぷりに佐都に言います。しかし、佐都は相手にしていません。

「いいえ。ですが、私も深山の女ですから」

そういうと、心を込めておもてなしをするのでした。

商談

ドバイからの客人・サイードは、佐都のもてなしを気に入り、商談に入ります。

「リスクがあるなら知っておきたい」

投資をするためにリスクの確認したいサイードに、リスクはないと言う圭一。それを聞いて、サイードは投資することを決めました。

そして、契約書を準備し、サインをします。その時、健太はサイードに伝えます。

「お待ちください。伝えなければならないことがあります。
 うちには損失があります。うちの子会社は多額の損失を抱えているんです」

リスクはないと圭一は隠していましたが、その損失を埋めるための契約であることを伝えます。

「健太、そんな甘いことを言っている場合ではない」

圭一は、黙るように健太に言いますが、健太は黙りません。

「騙すようなやり方をしたくはありません。
 佐都が誠実にもてなしてくれたのにこんな形で汚したくはありません」

そう言うと、佐都も「私も健太さんと同じ意見です」と言います。それを聞いて、圭一は「女がビジネスに口を出すな。女が出しゃばってくるな」と言います。

ぶちまける不満

「そこまでよ」

そう言うと、キリコ、有沙、リツコ、美保子、久美が現れました。それぞれが言いたいことを言います。

キリコは「パパリンがひどいこと言うから、佐都さんを助けに来たのよ。パパリンって生きた化石なのかしら?」

有沙は「この際だから言うけど、結婚ぐらい自由にさせて欲しいんだよね」

リツコは「うちのパパもだけど、アップデートがぜんぜんできてない。埃かぶってるような価値観を押し付けないでよね」

美保子は「それに選民意識が強すぎるじゃなくって?いつも偉そうに見下して、ふんぞり返っちゃって、自分がどれだけのものだと思ってるの?みんな同じ人間でしょ?」

久美は「あなたの召使ではありません。たかがクルトンごときで、いちいち激怒なさらないで」

家を守る

「全てはこの家を守るためだ。守るためには、多少の犠牲などやむを得ん」

圭一はそう言いますが、家を守ることは深山家のみんなの想いと同じです。しかし、そのために女性たちが犠牲になるようなことは、もう受け入れられません。そして、女性だけでなく、明人や大介や健太も同じです。

「家を守るためにお父さんだって犠牲を払ってきたんじゃないんですか?」

佐都はそう言うと、深山家を守るためにもいい方向に変えていきたいと思うのでした。そして、深山家の存続と、自分自身の幸せの両方叶えたいと言うのでした。

「だまれ」

そう言う圭一に、佐都は言います。

「私たちはもう黙りません。自分のためにも大事な人のためにも、もうはばかったりしない。私たちは自由に生きられる」

がっくりと肩を落とす圭一の姿がありました。

契約の行方

そんなごたごたを見させられたサイード。契約の話しに戻します。

「投資の件ですが、契約はしましょう。
 ただし、条件がある。君たちが深山の代表になるのなら、私は投資する。
 あなたは、嘘をついた。ビジネスの世界では、誠実さのない人間は、信用されない。
 よろしく、健太さん」

そう言われ立ち去る、圭一。

契約は無事済んで、深山家は破滅から逃れたようです。

八寿子と圭一

圭一の母・八寿子のもとへ行く圭一。

しかし、圭一は間違っていなかったと八寿子に話します。

「深山家の当主として、圭一が勤めてきたこと、わかっています。
 彼女の言う通り、私たちも変わる時がきた。でも、深山家はここにちゃんとある。
 それでいいでしょ?」

八寿子にそう言われてしまいました。

その後、圭一は自ら姿を消しました。誰もどこにいるかわかりません。

その後

「今日は本当にありがとう」

健太は佐都にそう言います。

「佐都さん、俺、今日の佐都さんを見てわかったんです。
 前の俺は、あなたと一緒にいられて、ものすんごく幸せだったんだろうなって。
 俺は、あなたと凛ちゃんと一緒に幸せになりたい」

健太から改めてプロポーズされた佐都。二人は変わらず一緒に暮らすことにしました。

そして、その日を境に深山の当主は健太になりました。

圭一

ボロボロの服で公園で水を飲む圭一。

「やっと見つけました」

久美が公園にやってきました。久美が持ってきたおにぎりを食べる圭一。圭一はどうして久美が探してくれたのかわかりませんでした。
「お金を稼ぎはしませんけど、あなたを支えることが私の仕事です。
 本当は、あなただってわかってるでしょ?
 あなたには、まだやるべきことがあるはずです。
 深山家の先代当主として、尊敬できる人であって欲しいと私は思います」

そう言われ、久美に「ありがとう」と言うのでした。

そして、佐都の実家に顔を見せる圭一。健太の大好物のモツ煮をやっと食べてくれました。

「今までのこと、申し訳なかった。
 健太のこと、深山のこと、よろしく頼みます。」

頭を下げる圭一の姿がありました。

結婚式

籍だけ入れた佐都と健太ですが、正式に結婚式をするようです。

そこには、圭一の姿もありました。

「ところでどうしたの?その足」

明人の車いすの理由は未回収でした。しかし、明人は何も言わず立ち上がりました。心配させたかっただけなんでしょうか?

そして、大介はリツコと楽しそうに話しをしています。

「あれ・・・・?結婚してる時より、仲良くない?」

有沙にそう言われて、「そんなことないよ、ね」とハモっている二人でした。

そして、佐都は白無垢姿になっています。健太も着替え、佐都の姿を見る健太。

「本当にすっっっごく綺麗だよ、佐都」

記憶を無くしてからずっと「佐都さん」と呼んでいた健太が、呼び捨てにしました。

「え?今佐都って、健太?」

びっくりする佐都。

健太は思い出したのでした。抱きしめる佐都。

「お帰り、健太」

庶民、舐めんなよ

波乱万丈、紆余曲折を得て掴んだハッピーエンドです。

物語は「めでたし、めでたし」となりましたが、ハッピーエンドは終わりではありません。これからが健太と佐都の物語の始まりです。

健太と佐都、それに凛と一緒に散歩していると、木に風船がひっかかった子供達を見つけます。佐都は、ベンチを足場に飛び上がると、風船を取ってあげました。

「庶民、舐めんなよ」

そう言う佐都の姿には、あの時のキレた様子はなく、庶民であることを誇りに思っている感じがありました。

最後に

違和感を持ちながらも、なんだかんだ最終回まで見ました。

感想としては「面白かった」でしょうか。

美保子の顔芸や替え歌も良かったですし、有沙はかわいいかったです。

綺麗ごとというか、正論過ぎる感じはありましたが、ハッピーエンドで良かったです。

しかし、これで男子が生まれなかったら、今後どうするんだろうと心配になりました。まぁ、それはそれでしょうか。

続編があったら、見たいですね。