ミンソヌ ユニコーンに乗って(8) ネタバレ

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ミンソヌ. はネット上で、ソースコードをアップしている技術者です。

功や栗木達技術者の中では、有名な人みたいです。海斗が抜けた今、新しい技術者を獲得しなければならないドリームポニー。

eスポーツ大会で、ミン・ソヌに接触することはできるのでしょうか?

そんな第8話のネタバレです。

ユニコーンに乗って公式HP

主な登場人物

成川なるかわ佐奈さな  永野芽郁
小鳥ことり智志さとし  西島秀俊
須崎すざきこう   杉野遥亮
森本もりもと海斗かいと  坂東龍汰
栗木くりき次郎じろう  前原滉
夏井なつい恵実めぐみ  青山テルマ

羽田はねだ早智さち  広末涼子
永瀬拓也  松尾貴史

第8話のストーリー

eスポーツ大会のための練習

新しい人材で目を付けたミン・ソヌと連絡を取るために、ドリームポニーのみんなはeスポーツ大会に参加します。そして、その練習会が開かれていました。

場所は、男子チームが功と栗木の家。女子チームは、佐奈の家です。

小鳥は、泊まり込みで練習つもりで、参加していました。

「おぉ、これがeスポーツ!」

画面を見るのも始めての小鳥。

eスポーツは、競技人口1億人以上と言われています。そして、市場規模も、観戦客も右肩上がりで、スポーツ同様多くの人を魅了しています。

功にセッティングしてもらった小鳥は、実際にゲームをしてみます。ちなみに、ハンドルネームは、功は「コウ」、小鳥は「コトリン」、栗木は「栗まんじゅう」でした。

そして、佐奈の家では、佐奈は「さなポニ」、恵実は「めぐポニ」、妹の依里は「いりポニ」で参加です。

「ミン・ソヌと対戦できるまでなんとしても勝ち進まないとな」

そう言って始めた練習ですが、みんな上手いとはいえません。

「決勝まで行って会場で会えたら、ドリポニで一緒に働かないか口説き落とそう」

意気込みはわかりますが、ミン・ソヌと対戦する前に終わってしまいそうです。そんなに甘くないんです。しかし、接触する方法はこれしかありません。みんなで真剣に練習するのでした。

小鳥さんは敵チーム

「どりゃ、うりゃーーー」

小鳥は、掛け声は勇ましいものの、実力が全く追いついていません。その時、依里に狙われる小鳥。

「小鳥さん逃げて!」

ついつい佐奈は、声を出してしまいました。

「ちょっと、小鳥さんは敵チーム」

依里に怒られてしまう佐奈。しかし、小鳥はまさかの必殺技を出すのでした。

「皆さんの足を引っ張る訳にいかないので、予習しました」

なんだかんだ、楽しそうな練習会です。小鳥に優しい佐奈のことを、依里は見つめるのでした。

女子会

練習を続けても、小鳥が大声を張り上げるのは変わりません。流石に栗木に注意されていました。

そして、練習が終わると、佐奈の家では、女子会になっています。

「さっきの小鳥りん、かわいくなかった?技出すときにエイとか言って。
 優しいしいい人だし、うちらとも馴染んでくれてるしさ、小鳥んのことめっちゃ好き」

恵実も小鳥のことを気に入っているようです。

「え、メグちゃんもアリってこと?」

依里にそう聞かれます。その時、佐奈は「好き」の定義がわからなくなっていました。

「お姉ちゃん、恋。ドキドキ、キュンキュンすることに決まってるじゃん」

依里にそう言われますが、恵実はもう少し大人です。

「若いな、依里ちゃん。好きにもいろんなジャンルがあるから。ファミリーの好きーとか、フレンドの好きーとか」

その話を聞いて、佐奈はあの花火を思い出すのでした。

ファミリー的なラブと恋

思い切って、佐奈は聞いてみます。

「例えばさ、一緒にいると心がぽかぽかして幸せだなって思う気持ちはなに?」

恵実は的確に指摘します。

「それは安心感でしょ。ファミリー的なラブみたいな」

納得する佐奈。そして、次の質問です。

「じゃあ、会えたら嬉しくて、もっと一緒に居たいと思う気持ちは?」

そう聞くと「それは恋じゃん」と言われてしまいます。自分の気持ちがわからなくなって、悩んでしまう佐奈でした。

そして、話しは依里の新しい彼氏の話しになっていました。

「水泳部のエースでさ」

先日のファミリーデイには陸上部のエースを連れてきてたはず。その前は、バスケ部のエースでした。エースキラーですね。

栗木のぶっ込み

男子チームもまったりモードになっていました。パジャマに着替えてタブレットをいじってる小鳥。

「なあ、俺さ、ひとつぶっ込んでもいい?」

栗木は、功に確認します。しかし、功には全くピンときません。

「小鳥さん、小鳥さんは今まで、どんな恋愛してきたんですか?」

栗木がぶっ込んだ内容にびっくりする功。

「私ですか?私のそんな話し、興味ありますか?」

そう小鳥に聞かれ「あります」と即答する功。

「まあ、この年ですから、それなりにいろいろありました」

思わせぶりな話し方をする小鳥。

「いろいろって例えば?」
「結婚とかしようと思わなかったんですか?」

興味津々で先を促す功と栗木。

「ああいうのは、タイミングもありますからね」

小鳥ははぐらかします。

「どんな女性がタイプなんですか?」

栗木がそう聞きます。

「それは・・・」

言い淀む小鳥。

「それは?」
「それは?」

気になる功と栗木は、先を促します。

「好きになった方がタイプですかね」

小鳥にすっかりかわされてしまいました。そのまま小鳥は洗面所へ行ってしまいました。

「アイドルみたいな答え、やめて下さいよ」

小鳥の秘密

かわされた功は、小鳥のことが気になります。

「小鳥さんの私生活、ほんと謎」

それは栗木も同じでした。

「そう言えば、時々早く帰る日あったよな?あれって結局なんでなんだ?」

その時、小鳥は洗面所で電話していました。

「わかった。また来週会いに行くよ」

意味深長な会話でした。

eスポーツ大会予選当日

参加する大会は「Japan Rising Cup 2022」という大会で、優勝賞金1000万円です。

「いた、ミン・ソヌ。チームヘパリ」

しかし、写真は載せていなかったので、顔はわかりませんでした。

参加者のほとんどがハンドルネームでの参加ですが、ドリームポニーチームとゲームアカデミアチームだけ、本名での参加です。ドラマとして、わかりやすいようにという判断でしょうか?

そして、栗木はゲームアカデミアチームを見ていました。

「一応、去年の優勝チームだし、どんなメンツかチェックしておこうと思って」

しかし、その中には海斗の名前はありませんでした。海斗のことを思い出したみんなは、変な空気になってしまいました。

「あのさ、このタイミングでアレなんだけど、初戦の相手チームが決まった」

ドリームポニーの初戦の相手は、前年優勝した「ゲームアカデミア」でした。

強敵との対戦で、みんながっくりしてしまうのでした。

勝敗

予選のゲームがスタートしました。しかし、ドリームポニーのみんなは、すぐにやられてしまいました。

「いきなりゲームアカデミアに当たるとか、マジないっしょ」

文句を言っても仕方がありません。小鳥は状況がわかっていませんでした。

「もう終わりですか?」

功に「初戦敗退」と教えられていました。

その頃、対戦相手のゲームアカデミアは大盛り上がりです。

「良くやった、この調子で決勝まで頼んだよ。優勝すれば会社のいいブランドになる」

社長の永瀬も応援に来ていました。ゲームアカデミアのメンバーは優勝する気満々です。

「ところで、森本くんは?」

永瀬がそう聞くと、部下が答えます。

「大会のメンバーに誘ったんですが、断られました。我々のような弱小チームと組む気はないそうです」

その発言を面白がる永瀬。

「なるほど、想像以上におもしろい青年のようだ」

しかし、部下たちはたまりません。

「コミュニケーション能力に問題がありすぎます。正直、うちでやっていけるとは思えません」

そう永瀬に言いますが、永瀬は気にしていないようです。

「技術力だけは確かだ。そう言うやつこそ、上手く使えよ」

そして、ミン・ソヌは勝ち進んでいました。

早退

「ミン・ソヌさん、会えませんでしたね」

小鳥は大会を振り返って残念がっていました。しかし、付け焼き刃で決勝に行くのは、無謀過ぎました。

そんな時、小鳥に着信が入ります。

「はい、え?わかりました。すぐに向かいます」

そう言って電話を切ると、早退させて欲しいと言うのでした。

「はい、大丈夫ですけど、何かあったんですか?」

しかし、小鳥は話しませんでした。

「落ち着いたら必ず連絡しますので、すみません。お先に失礼します」

洗い直し

小鳥は早退してしまいました。

「なんだ?デートかな?」

そう言う栗木の言葉を聞いて、心配そうに見る佐奈。そして、そんな佐奈を見る功。

「とりあえず、韓国のエンジニアの友達にミン・ソヌの知り合いいないか聞いてみるよ」

恵実が現実に引き戻してくれました。

「ありがとう。特許は必ず取り戻すから、引き続きスタポニキャンパスのローンチ(サービスの開始)に向けて準備を進めよう」

佐奈も気を取り直します。

そして、ミン・ソヌとコンタクトが取れなかったことで、新にエンジニアを探す必要があります。

以前募集した時の応募者から、候補になりそうな人がいないか佐奈は探してみることにしました。

海斗の経歴

以前の履歴書を見ていると、海斗の履歴書がありました。残念がる佐奈。そこに功がやってきました。

「誰かいい人いそう?」

しかし、海斗の穴を埋めるような人はいません。功も海斗の履歴書を見ていました。

「やっぱり海斗くんみたいなエンジニアは、なかなかいないよね。技術面だけじゃない、いつも私たちに足りないところを見極めて、カバーしてくれてた。もし、海斗くんが頑張ってくれてなかったら、スタポニキャンパスは作れてなかったよね。
 なんか、海斗くんがあんなことするなんて、未だに信じられなくて。海斗くんにとってここは、そんなに居心地が悪い場所だったのかな?もっと、何かできることはなかったのかな?」

佐奈は海斗の穴の大きさを実感していました。

「佐奈が悩むことじゃないよ。どんな理由があろうと、あいつのしたことは最低だよ」

そう言う功。佐奈は海斗の経歴が気になっていました。

  • 長野県立守川高等学校理数科、中退
  • 高等学校卒業程度認定試験、合格

高校を中退して、高卒の認定試験を受けていました。

行ってくる

小鳥から連絡がないことを心配している佐奈。そこにメッセージが入ってきました。

しかし、送られてきたのは、依里から彼氏と2ショットの写真でした。

「小鳥さんからまだ連絡ないの?」

そう聞く功も、心配しています。

「LINEも既読にならないし、何があったんだろう?小鳥さんがこんなこと初めてだよね?」

佐奈は、不安を口にしてしまいます。

「気になるなら、行ってきたら?CEOなんだし、社員の心配して当然だろう?俺も心配だし」

功に背中を押され、佐奈は小鳥の家まで行くことを決めました。

「そうだね、ありがとう。じゃあ行ってくる」

つい、佐奈は走ってしまうのでした。

小鳥の父

佐奈は、履歴書の住所を頼りに小鳥の家の近くまでいきます。その時、タクシーが止まり、そのタクシーから小鳥が出てきました。

「小鳥さん!」

声をかける佐奈。

「成川さん、どうして?」

驚く小鳥に佐奈は事情を説明します。

「すみません、連絡がなくて心配で」

その時、タクシーからもう一人降りてきました。

「誰?お嬢ちゃん」

杖を突いたお爺さんです。小鳥は父親だと紹介しました。

頭を下げる佐奈。小鳥の父親は、ピースサインで答えました。

家庭の事情

小鳥に案内されて、佐奈は小鳥の家にお邪魔しました。

「父は今、シルバーホームで暮らしてるんですが、階段から落ちたと連絡があって、慌てて病院に。
 幸いケガは大したことがなかったんですが、自宅療養することになって。いろいろ手続きに終われて連絡ができておらず、すみません」

小鳥はそう言って、今日のことを説明しました。

「いえ、じゃあしばらく小鳥さんがお父さんの面倒を?」

小鳥は「はい」と言ったものの、仕事をどうしようかと悩んでしまいます。

「大丈夫ですよ。落ち着くまでリモートワークで」

そう言って、小鳥の事情を考慮する佐奈でした。

自慢の息子

小鳥の父親は、ソファに座って薬を飲んでいました。

「智志、お茶まだか。口直し。腹減ったな。なんか飯も頼む」

小鳥は「わかったよ」と答え、準備します。その時、佐奈は小鳥の父親から話し掛けられます。

「智志を心配してきてくれたんだって?優しい部下だな。お嬢さん、どれぐらいイナホ銀行に?
 智志と同じ立川支店に勤めてるんだろ?」

そう聞かれて、佐奈は「はい、そうです」と話しを合わせました。

「智志の支店長ぶりはどうだい?」

更に父親にそう聞かれました。

「いつも大変助けていただいてます」

その答えに父親は満足したようでした。

「うちの智志は昔からできた子で、支店長に出世した時なんて、そこら中に自慢したもんだ。なあ、智志」

小鳥は、父親にとって自慢の息子なのでした。

ヤングケアラー

その時、小鳥に父親が暮らす施設から電話が入りました。

むせる父親。背中をさする佐奈。

「お嬢ちゃんみたいないい部下に恵まれて、智志が幸せそうで良かったよ。あいつには散々、苦労かけてきたからな。昔、母親が倒れた時も、あいつが学校休んで付きっきりで看病してくれて。俺の稼ぎが悪いばっかりに、給料のいい銀行で働くことを選んでくれた。本当に優しくて、自慢の息子だよ」

小鳥は、苦労した学生時代と言っていましたが、ヤングケアラーでもあったのでした。

「そうだったんですね」

佐奈はそう言うと、電話をしてる小鳥の姿を見て、微笑むのでした。

もっと知りたい

小鳥と父親が落ち着くと、佐奈は帰宅することにしました。バス停まで小鳥が送ってくれます。

「すみません、銀行員だなんて嘘をつかせてしまって」

小鳥が佐奈にそう謝ります。

「いえ、気持ちわかりますから。親に余計な心配かけたくないですからね。それに、嘘じゃないですよ。いつも助けていただいてるのは本当です」

そんな話をしながらバス停まで来ました。バスがくるまであと5分程。二人は近くのベンチに座ります。

「小鳥さんは、学校の先生になりたかったんですか?なんとなくそんな気がして」

佐奈が聞くと、小鳥は話してくれました。

「実はそうなんです。いろいろあって諦めたんですが」

佐奈はもっと小鳥のことが知りたいのでした。

知ることができて良かった

バスが来るまでの間、小鳥の話しを聞きます。

「どうして先生になりたかったんですか?」

小鳥は自分のことを話してくれました。

「小学生の頃、私は勉強が苦手でして。毎日近くの山に登っては、鳥の観察ばかりしていました。
 でも、当時の担任の先生に言われたんです。もっと鳥について知りたければ、勉強しろと。国語の勉強をすれば、難しい鳥の本も理解できるようになる。算数の勉強をすれば、鳥の習性について、数字で分析できるかもしれない。英語を勉強すれば海外の鳥にも詳しくなれる。そんな風にいろんな勉強をすることで、好きなことをより深く勉強できるからと。
 それ以来、つまらないと思っていた勉強が楽しく思えました」

小鳥が出会った先生は、とても素敵な先生でした。

「子供の頃にどんな大人と出会うかによって、人生が大きく変わると思うんです。いろんな家庭がありますが、どんな子供でも共通して通うのが学校です。そこで私が勉強する楽しさを伝えることで、子供の未来が広がればと思って」

小鳥は、先生になりたかった理由を教えてくれました。

「今日はお家にお邪魔できて良かったです。小鳥さんのこと、たくさん知ることができたので」

佐奈がそう言うと、小鳥は笑顔でしたが、なんとなく困ったような笑顔でした。

リモート会議

佐奈は小鳥の家に行った時のことをみんなに話していました。

「時々早く帰ってたのは、施設にいるお父さんに会うためだったのか」

そして、羽田早智のこともあって、デートだと思っていた栗木。反省していました。

そんな時、リモートの小鳥から接続がありました。

「みなさん、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。しばらくはリモ・・・」

声が途切れました。繋がっているようですが、声だけ聞こえません。

「小鳥さん、ミュートです。ミュート」

そう言われ、いろいろいじっていると、ガメラの画像が切り替わって、鳥の写真になってしまいました。

最初のリモート会議はそうやって始まりました。

「じゃあ、正式に新しいエンジニアの募集を始めよう。会議は以上です。お疲れさまでした」

チープ

スマホに通知がきました。

「ミン・ソヌ率いる謎の覆面集団チームヘパリがeスポーツ大会で優勝。ゲームアカデミア、連覇の夢、破れる」

結晶でゲームアカデミアに勝ったミン・ソヌのチームが優勝したという通知でした。

「ミン・ソヌ、強すぎ。マジ事件」
「プログラミングだけじゃなくeスポーツまで強いとかどんだけ多才なんだよ」
「良く考えたら、そんな天才がうちに来てくれるはずないよな」

スタッフ達はそれぞれ感想を言い合っていました。佐奈は、ちょっと違うことを考えていたのでした。

「海斗くんはさ、どうしてうちにきてくれたんだろう?」

栗木は答えます。

「俺たちをバカにして、技術を見せつけたかったとか?ほら、面接で言ってただろう?スタポニは2Dでチープだって」

それを聞いて笑う恵実。

「マジ受ける、海斗っぽい」

しかし、笑うところではありません。そして、佐奈はその「チープ」に引っかかっていました。

スタポニユーザー

その「チープ」という言葉で、思い出した佐奈。何かを探し始めます。

そして見つけたのは、過去に問い合わせのあった内容をまとめたファイルでした。初めてアプリをリリースした頃、いつも問い合わせメールで意見をくれてたユーザーがいました。

  • キャラのモーションがチープです。2Dモーフィングの技術を取り入れるべきです。
  • ボタンを連打したら、秒で落ちました。UIの作り方が甘いです。

その文書を見て、誰かの口調に似ていることに気づいたのでしあt。

「海斗くんだと思う。いつも厳しい意見だったけど、的確で参考にさせてもらってた」

それは、海渡がスタディポニーのユーザーだったことを示しています。だから、ドリームポニーの面接にも来たのでした。

目的は引き抜き

そんな話をしているところに来客がありました。突然、羽田早智がやってきたのでした。

「あの、どうしてこちらに?」

早智が出迎えて、そう聞きます。

「たまたま近くに用があったから、これを届けに。
 スタポニキャンパスの特許は、これであなたたちのものよ。
 でも、本題はここから。ゲームアカデミアがあまりにも簡単に手を引いた。それが逆に引っ掛かるのよね」

早智はそう言うのでした。しかし、佐奈には、真意がわかりません。

「もしかしたら、永瀬社長の狙いは他にあったんじゃないかって。例えば、チームの仲を引き裂いて、優秀な人材を引き抜くためとか」

そこまでするとは思えない佐奈。しかし、業界の状況から見れば、それほど荒唐無稽な話しでもなさそうです。

「今、日本はIT人材不足で、どこの企業も優秀なエンジニアを必要としている。技術の流出の件、聞いたのは永瀬社長からだったんでしょ?あの人は、会社の利益のためなら、手段を選ばない男よ」

早智にそう言われ、佐奈と功は確かめに行くのでした。

自分達が撒いた種

早智の発言を聞いて、ゲームアカデミアに行きました。

そこに永瀬が出てきました。

「なんだ、急いでるんだが?」

永瀬はそう言いますが、佐奈は問い詰めます。

「森本海斗を引き抜くために特許を横取りしようとしたんですか?海斗は本当は技術の流出なんてしてなかったんじゃないですか?」

永瀬はあっさり認めました。

「ああ、そうだよ。彼は私の質問に嬉しそうに答えただけだ。まさかそのせいで、特許を奪われる事態に陥るとは知らずにね。なのに君たちは、勝手に彼のことを疑って傷つけた。私は、居場所を失ってかわいそうな彼を拾ってあげただけだ。全部君たちが撒いた種だ」

そう言われ、佐奈と功は愕然とするのでした。

好きなおにぎりのある居酒屋

会社に戻ってくると、永瀬社長から聞いた話をスタッフに話します。

「そんな、俺、海斗になんてこと」

栗木は事情も聞かずに突っかかってしまったことを反省します。

「ごめん、俺が永瀬の言葉を鵜呑みにしたから」

功は、永瀬に電話で聞いたことをそのまま話してしまったのでした。

「海斗を信じなかった全員の責任でしょ?」

恵実の言う通りです。そして、佐奈は海斗に謝ろうと言うのでした。

「海斗さんなら、あの居酒屋に入るかもしれません」

リモートの小鳥が、海斗が好きなおにぎりのある居酒屋にいるかもと言うのでした。

仲間面

小鳥の言っていた居酒屋にみんなで行ってみます。

小鳥は同行できませんが、海斗に連絡を取ろうとしました。しかし、以前から送っていたメッセージは、既読になっていません。そして、小鳥は海斗のアイコンがクラゲになっていることに気づきます。

小鳥の言う通り、海斗は居酒屋でおにぎりを食べていました。佐奈は海斗に声をかけます。

「何ですか、来ないで下さい」

海斗から拒絶されますが、諦めずに佐奈は話しかけます。

「海斗くんのこと信じなくて、本当にごめん」

そして、栗木も功も恵実も謝ります。

「本当に悪かった。俺のこと何発でも殴っていいから」
「俺たちには海斗が必要なんだ。頼む、許して欲しい」
「お願い」

そして、またドリームポニーに戻ってきて欲しいと頼みますが、海斗には断られてしまいます。

「今更、何言ってるんですか?僕は今、業界最大手のゲームアカデミアで楽しくやってます。設備も充実しているし、働きやすいし、いいことだらけです。今更、小さなスタートアップ企業に戻るとかありえません。今更仲間面とか、もっとありえません」

そう言うと、海渡は立ち去るのでした。

クラゲ

海斗への説得が不発に終わり、スタッフ達は帰ることにしました。佐奈は、小鳥の所に状況の報告をしに行きます。

「すみません。海斗くんに会えました。でも、もう一緒に働くことは難しそうです」

佐奈がそう言うと、小鳥も残念そうでした。

「そうですか。私も海斗さんのことを、もっとちゃんと信じるべきでした。情けないです。あの、海斗さんどんな様子でしたか?元気にされていましたか?」

海斗のことを心配する小鳥。佐奈は、新しい職場ですごく充実していると言っていたと話します。

「少し気になるところが。海斗さんに連絡したところ、アイコンがこれに代わっていて」

小鳥が佐奈に見せたのは、海斗のクラゲのアイコンでした。そして、海斗が話していたことを佐奈に聞かせました。

「クラゲには脳がありません。だから、悲しいとか苦しいとか辛いとか、何も感じません。ただ海の中をぷかぷかしてるだけで、1日が終わっていきます。そんな状態になりたい時がありました」

そして、海斗の状況を想像する小鳥。

「考えすぎかもしれませんが、このアイコンに変えたということは、以前のように苦しい思いをされているのかと。辛くても意地になったり、自分の気持ちに正直になれないことはあると思います。助けてというのは、本来とても難しいことですよね」

僕にはここしかありません

海斗は、職場でドリームポニーのSNSの画像を見ていました。

「おい!おい!」

そんな海斗をいきなり怒鳴る上司がいました。

「何呑気にしてるんだよ。お前の作ったクラスのメソッド、デバッグしたいから早くしてくれ」

そう言われて、簡単に反論してしまう海斗。

「それって効率悪くないですか?テストコード書いた方が早いです」

机をたたく上司。

「お前の意見は聞いてないんだよ。それが終わったら、こっちのクラスもやっとけよ」

そう言うと去っていきました。仕方なく、海渡は作業を始めます。

「バカだな、すっかり上司に嫌われて。もっと上手くやれよ」

そう言ったのはカネミツでした。

「大学の教授にも、さっきと同じようなこと言われました。研究内容に意見を言ったら、嫌われました。口を利いてくれなくなって、昨日で大学を辞めました」

その告白に驚くカネミツ。

「僕にはここしかありません」

海斗はそう言って作業をするのでした。

ゲームアカデミアからの転職希望者

朝、佐奈が出勤すると、功に声をかけられました。

「佐奈、ちょっといい?採用の件、いくつか応募があったんだけど、ゲームアカデミアからの転職希望者が結構いて」

業界最大手からスタートアップ企業へ転職したいと希望するということが、佐奈には理解できませんでした。そして、事情を聞いてみることにします。

「どうしてゲームアカデミアから転職を?何か事情でもあるんですか?」

転職希望者を呼んで面接をして、ゲームアカデミアの状況を聞きます。

「それは・・・ゲームアカデミアは、、、、」

カネミツの助け

佐奈と功は、転職希望者から話しを聞いて、ゲームアカデミアにやってきました。

「ドリームポニーCEOの成川です。こちらでエンジニアをしている森本海斗さんに会いたいんです。取り次いでいただけませんか?」

しかし、約束がないと取り次げないと、受付で断られてしまいます。

「お前ら、なにしてるの?」

そこに通りかかったのは、カネミツでした。カネミツはゲスト用の入場パスを準備してくれました。

「この借りは、必ず返します」

功がそう言うと、カネミツにはカネミツの理由がありました。

「別にお前らのためじゃないよ。死んだ魚のような、今のアイツを見てると、こっちも気分悪いから」

そうして、佐奈と功はゲームアカデミアに入ることができました。

青臭いにもほどがある

その頃、海渡は休憩スペースで、栄養ドリンクとおにぎりを食べていました。

「あれ?なんでここいるんだよ。お前の元同僚が会いにきてたぞ」

カネミツにそう言われ、驚く海斗。海斗は、探しにいきました。

佐奈と功は会社に入ることができましたが、すぐに永瀬に見つかります。そして、海斗も佐奈と功を見つけました。

「御社では、エンジニアに過重労働を強いて、駒のように扱っているそうですね」

佐奈は永瀬に詰め寄ります。

「あはは、だからなんだ。部外者の君たちになんの関係が?
 ここには何千人もの社員がいる。ひとりひとり、ゲームのコマのように扱える存在でなければ、会社はまわらいなんだよ。君たちみたいな仲良しごっこの会社とは違うんだ」

永瀬はそう言います。

「森本海斗は心を持った人です。あなたの駒なんかじゃありません」

反論しますが、その反論は適切ではありませんでした。

「うちで働こうと決めたのは彼自信だよ。君らにとやかく言われる筋合いはない。帰りなさい」

そう言われ、警備員に外に連れ出されてしまいます。しかし、海斗はちゃんと聞いていました。佐奈と功が本気で、心配してくれたことを知ることができましあ。

「全く、青臭いにもほどがある」

永瀬は、そう捨てセリフを吐くのでした。

私の同期です

海斗は悩んでいました。そこに小鳥から通知が入ります。

「海斗さんは、クラゲではありません。たった一人の、私の同期です」

しかし、海斗は返信しませんでした。

採用試験にミン・ソヌ

エンジニア採用面接当日。小鳥はリモートが終わり、出社していました。

「今日は小鳥さんも面接官をお願いします」

そう言って、面接の基準を小鳥に説明します。

「採用基準は4つ。自走できる人、新しいことに敏感な人、素直な人、理念を共有できる人」

しかし、今日の面接には、その4つが揃う人材はいませんでした。

「さすがにさ、これ全部は理想高すぎかも」

栗木はそう言いますが、佐奈は妥協する気はありません。その時、小鳥がみんなに言うのでした。

「急遽もう一人、応募者がいらしています。先ほど応募書類が届きました。この方です」

小鳥がみんなに送った履歴書は「ミン・ソヌ」のものでした。

「え?ミン・ソヌ?」
「どうして?」
「同姓同名の別人?」

みんなパニックになりますが、佐奈は経歴が海斗と一緒なことに気づきました。

居場所がなくなった

すぐに小鳥は、ミン・ソヌを通しました。やって来たのは、やはり海斗でした。

「それでは、最初に簡単な自己紹介と志望動機をお願いします」

小鳥がそう促すと、海斗は話し出しました。

「はい。僕の名前は、ミン・ソヌです。日本名は森本海斗。両親の影響で日本語と韓国語が話せます。
 僕はいつも、気付いたらみんなから嫌われていました。直したくとも直し方がわかりません。それで高2の時に、テストの解答用紙がハッキングされて、ばらまかれるという事件がありました」

そう言って過去を話し出す海斗。

海斗はハッキングしたと疑われました。しかし、否定しても、信じてもらえませんでした。

「大人バカにするのもいい加減にしろよ。自分が何をしたのかわかってるのか!?」

そう言われ、同級生たちにも犯人扱いされたのでした。

「居場所がどこにもなくなって、学校に行けなくなりました。家でゲームをしてる時だけが、本当の自分でいられました。でもある日、成川CEOの記事をネットでたまたま見かけました」

ニーズが全て詰まったアプリ

佐奈はインタビューに答えていました。

「私は学校と言う場所が苦手でした。仲のいい人もいませんでしたし、相談できる大人もいなくて。でも、今思えばあの時の自分が、環境にあわなかっただけだと思うんです。スタディポニーなら家の中で勉強ができます。誰かと話したり、コミュニケーションを取るのが苦手な人でも、人の顔色を気にせず、学ぶことができます。このアプリが誰かの背中を押すきっかけになって欲しいです」

そして、海斗は知ることができたのでした。

「学校という環境にあわない僕のような人間でも、勉強できる場所があるんだと思いました。僕のニーズが全て詰まったアプリでした。僕もいつかこんなアプリを作りたい。気付いたら好きだったプログラミングの勉強をまたはじめていました」

採用

海斗は、話しを続けます。

「御社が作ったスタディポニーが、僕をまた外の世界に連れ出してくれました。社会に戻してくれました。ここで出会ったみんなは、僕を一人の人として扱ってくれました。僕の居場所はここにしかありません。僕は、またドリームポニーで働きたいです。ここにいるみんなと年齢も性別も国籍も関係なく、勉強できる場所を作りたいです」

そう言うと、佐奈は海斗を受け入れました。

「海斗くん、また一緒に働こう」

受け入れられて、涙を流す海斗。そして、スタッフみんなが涙を流していました。

素直な小鳥

「お疲れ様です。そろそろ上がろうと思います」

ひと段落して、小鳥は佐奈に声をかけました。

「海斗くん、戻ってくれて良かったですね」

佐奈はそう言うと、小鳥も嬉しそうでした。

「はい、たった一人の同期なので嬉しいです」

そして、小鳥は面接官をして、採用基準を始めて知りました。

「そう言えば、私は当てはまっていなかったですよね。採用基準です」

しかし、小鳥については、採用基準とはちょっと違う所で採用されたのでした。

「ああ、でも小鳥さんは、一番大事にしたい私たちと同じ理念を持っていました。それにやっぱり、素直だったから。
 素直でいるって、本当は難しいことだと思うんです。大人になればなるほど、見栄とかいろんなものを背負いこんで、いいように見せよとしたりして。でも、小鳥さんは年の離れた私たちのような世代にも、まっすぐに自分の思いを伝えてくれました。そんな小鳥さんとなら、新しいことにもチャレンジできるし、一緒に成長していけるって思ったんです。やっぱり思った通りでした」

佐奈は採用した理由をそう説明するのでした。

いい仲間

小鳥は家に帰ると、父親が施設へ戻る準備をしていました。

「ああ、明日からまた施設か。もうあの、部下のお嬢ちゃんには会えなくなるな。寂しいな」

父親に心配かけないように黙っていたことですが、やはり説明した方がいいと小鳥は思いました。

「そのことなんだけど、成川さんは部下じゃない。俺の上司で、社長なんだ。俺は銀行を辞めた。今は成川さんが経営する教育系のスタートアップ企業で働いてる。言ってなくてごめん」

しかし、父親には理解できませんでした。

「すたっどあっぷ?」

小鳥は、細かくは説明しませんでしたが、今の現状に満足していることを伝えます。

「形は違うけど、夢だった教育事業に携われて、今は楽しいんだ」

小鳥がリモート会議で楽しそうにしていたのを父親は見ていました。そして、父親には理解できませんでしたが、楽しそうにしている姿を見て、嬉しかったのです。

「そうか、いい仲間を持ったんだな」

海斗へのお守り

海斗が復帰し、ローンチまであと3日になりました。

「栗まんじゅう、コミット急いでください。そのペースだとローンチに間に合わないと思います」

海斗はすっかり元のように過ごしています。

「今やってるだろう。ってか、なんで俺のハンドルネーム知ってるんだよ。俺のプレイ動画見てたんでしょ?」

しかし、海斗は認めません。

そんなやりとりを見て、佐奈も功も嬉しそうでした。

そして、小鳥が海斗にお守りを渡します。それは、リフレッシュ合宿の帰りに寄った神社で、海斗の分も含めて買ったお守りです。

「みんなお揃いです」

そう言われ、海渡は嬉しそうでした。海斗が会社を辞めた後に買ったものですが、小鳥はいつか渡したいと思っていたのでした。

みんなお揃いだと喜んでいましたが、すぐに海斗は通常運転に戻ります。

「栗まんじゅう、コミット急いでください」

リリース

「いい?いくよ」

佐奈が声をかけ、リリースのボタンを押しました。

「リリース完了!」

みんなで大喜びです。そして、リリース直後からダウンロードが激増しています。

「すごいすごい、このペースなら1ヶ月以内に100万ダウンロードいけるかもしれませんよ!」

「このまま一気にユニコーン企業まで登りつめるぞ!」

そう言って、みんなで喜びました。

早智の提案

佐奈は早智に呼ばれ、状況を報告しました。

「ローンチおめでとう。大盛況みたいね」

まず、そう言ってもらうことができました。最初は「壮大な夢」と笑われていました。しかし、今では現実にすることができたのです。そして、早智が佐奈を呼んだ理由を聞きます。

「あなたたち、ドリームポニーは、ユニコーン企業を目指しているのよね?
 その先は?その先の未来は、ちゃんと想像できている?
 今回の成果も踏まえて、私からひとつ提案があるの。
 ドリームポニーを買収したい」

突然の買収提案に佐奈は絶句してしまうのでした。

大変な事

突然、凛花がやってきました。

「功、大変大変大変!」

焦る凛花に功がどうしたのかと聞きます。

「功のパパの会社が・・・」

なにやら、大変なことが起きているようです。

しかし、詳細はまだわかりません。

最後に

当初の目的だった「eスポーツ大会でミン・ソヌをスカウト」することはできませんでした。しかし、海斗がミン・ソヌだったことで、結果的に天才エンジニアを入社させることができました。

ただ、ゲームアカデミアに乗り込んだのは、ちょっと現実的ではありませんでした。流石に元同僚だと言っても、乗り込んで社長に文句を言うなんて、現実的でも常識的でもありません。

とにかく、スタディポニーキャンパスはリリースされました。やっぱり海斗の存在が大きいのですが、海斗への依存度が高すぎます。そして、それは、功たちの技術力がなさすぎると言う問題でもあります。その辺はドラマの中で解消されそうにはありませんが。。。

そして、ドラマは最終番。功の父親の不動産会社とドリームポニーの買収話しです。

次回予告

どう展開するのか楽しみです。