帰郷 する暢子達一家。暢子は故郷やんばるの素晴らしさを改めて感じるのでした。
そして、歌子と智の関係は、どう進展するのか?
そんな第24週のネタバレです。
主な登場人物
青柳暢子 黒島結菜 旧姓比嘉。やんばる生まれ。自分の店をもつ
青柳和彦 宮沢氷魚 暢子の幼馴染の元新聞記者。暢子の夫
石川良子 川口春奈 暢子の姉でやんばる小学校の先生
石川博夫 山田裕貴 良子の夫で名護の小学校の先生
比嘉歌子 上白石萌歌 暢子の妹。体が弱いが歌は上手い
比嘉賢秀 竜星涼 暢子の兄。猪野養豚場の婿
大城房子 原田美枝子 フォンターナのオーナー
平良三郎 片岡鶴太郎 鶴見の沖縄県人会会長
田良島甚内 山中崇 東洋新聞社のデスク。和彦の元上司
砂川智 前田公輝 歌子に急接近中の幼馴染
青柳重子 鈴木保奈美 和彦の母
矢作知洋 井之脇海 ちむどんどんの従業員
猪野寛大 中原丈雄 養豚場社長
猪野清恵 佐津川愛美 寛大の娘で賢秀の妻
第24週のストーリー
上京して10年
暢子と和彦の子供・健彦が生まれました。
それから1年後、1981年(昭和56年)は、ちむどんどんの営業も順調です。
暢子は、仕事と子育てで忙しいながらも充実した日々をおくっていました。
そして、健彦が2歳になるころ、歌子がやんばるに帰りました。
気がつけば、暢子が上京して10年が経っていました。
帰郷
さらに月日が過ぎ、1984年(昭和59年)4月。暢子は賢秀に手紙を書いていました。
猪野養豚場では、賢秀と清恵が一緒に手紙を読んでいます。
「今度の連休は沖縄に帰れないと聞きました。清恵さんの出産も間近だし、仕方ないよね。元気な赤ちゃんが生まれることを祈っています。おかげさまで、お店は大繁盛。猪野養豚の豚肉も大好評です」
そこに清恵の父・寛大がやってきました。
「部長、豚舎の掃除、頼んだぞ」
部長は賢秀です。賢秀は「はい、社長」と答えます。
「部長も社長もないでしょ?たった3人しかいないのに」
清恵は呆れています。
「主任、そういう言い方は主任らしくないなあ」
賢秀は偉そうにそんなことを言っていました。
「だいたいさ、なんで私が主任で、あんたが部長なわけ?」
主任の清恵は不満です。
「決まってら。俺が部長顔で、お前が主任顔だからさ」
偉そうな賢秀は相変わらずでした。
子守りバトル
ちむどんどんでは、歌子の代わりにアルバイトを雇っているようです。男の子が店を手伝っていました。
「暢子ちゃん、今度の連休は?」
常連客にそう聞かれた暢子は、沖縄に帰ると伝えました。
「いいなー沖縄」
矢作は羨ましそうに言うのでした。
「え?もうですか?行ったばっかりじゃないですか?」
矢作は、すっかり沖縄の魅力に取りつかれているようです。
「もっと本場の味を味わい尽くしてえんだよ。まだいったことない離島もある」
そんなところに健彦が帰ってきました。三郎の妻・多江が子守りをしてくれていたようです。
そこに和彦の母・重子がやってきました。
「あら、多江さん、どうしてここに?多江さんは火曜、木曜、土曜。今日は私が子守り当番の日でしょ?」
分担制にしているようですが、喜んで子守りを手伝ってくれているようで、良かったです。
「まあまあ、お二人にはでーじ感謝してます」
4歳になった健彦も重子と多江のおかげで、健やかに育っていました。
沖縄の現在
沖縄の名護では「比嘉歌子民謡ライブ」と銘打って、歌子のライブをやっていました。場所は前にライブをやった珊瑚礁です。
歌子はやんばるに帰ってから、時々お店で歌わせてもらってるようです。
上手に三線弾いて、歌う歌子。お客さんの前でも、堂々と歌えるようになっていました。
「どんなんや、智もいい歳だし、歌子と結婚とか」
珊瑚礁のマスターにそう言われる智。
「しーっ、いろいろある訳。歌子に余計なこと言わないで下さいよ」
そう言って、マスターに釘を刺していました。そんな智は、スナガワフードの拠点をやんばるに移しました。
そして、比嘉家の借金は、賢秀の仕送りのおかげで、返済が終わったようです。しかし、元々は賢秀が作った借金です。賢秀の仕送りで返済するのは、当たり前です。
和彦の現在
和彦は、編集者と打ち合わせしていました。
「70年代のふるさとシリーズが大好評で、引き続き1980年代をお願いしたいんです」
そう言われ、新しい連載を依頼されました。
「だけど、次は沖縄特集をって」
和彦は沖縄のことを題材にした連載を書きたいのですが、なかなか許可が出ません。
「もちろん、沖縄特集もそのうちきっと。原稿料をアップしますので、まずは80年代、よろしくお願いします」
そう言われ、和彦は引き受けるのでした。
地方から見る東京、東京から見るやんばる
春の連休に暢子は、和彦と健彦と一緒に沖縄に里帰りしました。
「うわーー海だーー」
喜ぶ健彦。良子と歌子も迎えにきてくれていました。
良子の娘・晴海は臨海学校でいません。
健彦が貝殻拾ってると、歌子が相手してくれます。
「うちらも遊んだよね、潮干狩りとか」
良子は、子供の頃のことを思い出します。
「でーじ美味しかったよね。いいね、やんばるは。東京だと子供がのびのび遊べる場所が少ないから」
暢子が思い出すのは美味しい思い出ばかりです。ただ、東京でのびのび遊べるところがないのは、特にバブル期では仕方のないことでした。
「うちは、ちょっと暢子が羨ましい。東京は何でもあって便利だし」
地方にいる人たちは良子と同じ感想を持っている時代でした。
和彦の父の思い出
やんばるの家では、良子と博夫が料理を作っています。
「良子たちも昨日から泊まりに?」
和彦がそう聞くと、お母ちゃんは教えてくれました。
「暢子達がくるから、どうせなら一緒にと思って。和彦くんも仕事忙しいんでしょ?」
お母ちゃんは和彦の心配もしてくれています。
「本当にやりたいことはなかなか。贅沢な悩みかもしれないけど、僕もあの頃の父のように沖縄と向き合えたらと思って。親になってから特に、父のことを思い出すようになりました」
お母ちゃんは、和彦の父親のことを思い出していました。
「素敵なお父さんだったよね」
そう言われ、和彦も思い出します。少年の頃の和彦は、父が調査したノートを見ていました。
「お父さん、やっぱり僕、高校はアメリカにいく。沖縄にきてわかった。最初はなかなか馴染めなくても、思い切って一歩踏み出したらなんとかなる。そう思えてきたんだ」
そう言うと、父親は「思った通りにすればいい」と背中を押してくれたのでした。
暢子と和彦の父親の思い出
シークワーサーの実を取ろうとする健彦の姿がありました。
暢子が取ってあげようとすると、健彦に怒られてしまいます。
「嫌だ、僕が取る」
そう言うと、助走をつけてジャンプ。
その姿を見て、子供の頃を思い出す暢子。同じように身長が足りなくて取れない時がありました。
その時、和彦の父親がシークワーサーを取ってくれたことがありました。その時、暢子も健彦と同じように「本当は自分で取れるようになりたい」と言ったことがありました。
そして、和彦の父親は、大事なことを教えてくれました。
「暢子ちゃんにとってはこの村が故郷。
いつか、暢子ちゃんが大きくなって、今の暢子ちゃんみたいな子にシークワーサーの実を取ってあげる時がくるから。その時、もう一度考えてみたらいい。この村が、本当につまらないかどうか」
和彦の確認作業
和彦と良子が比嘉家の縁側で話をしています。
「歌子と智。何もないから困っているわけ」
良子は歌子のことを心配していました。
「僕はてっきり、歌子ちゃんがこっちに帰ってきたら、結ばれるもんだと」
東京からやんばるに戻っても、歌子と智の関係は進展していなかったのです。
「みんなそう思ってたさ。和彦くん、この機会に智に聞いてみてくれない?歌子のことどう思っているのか」
しかし、和彦はそういうのは得意ではありません。でも、良子は和彦に頼むしかなかったのです。
「博夫さんは融通が利かない。お母ちゃんは考えていることが、すぐ顔に出てしまう。暢子は何にもわかっていない。うちの言い方は何でも怒ってるように聞こえて怖いって良く言われるし。あとは、にいにいぐらいしか」
そう言われると、戸惑いながらも「僕が聞く」と約束するしかありませんでした。
ストレート勝負
そこに、智と歌子が一緒に帰ってきました。一緒に買い物に行ったわけではなく、近くでばったり会ったようです。
「あ、歌子。こっち、台所手伝って。智も夕ご飯食べて行って。和彦くんが、たまには智とじっくり話しがしたいって」
良子は気を聞かせて、和彦と智だけにしました。
じっくり話がしたいと言われた智は、和彦に「どうした?」と聞きます。和彦は、どう聞いていいか分からず、悩んでしまいます。しかし、そうもいっていられないので、意を決して聞きます。
「実は・・・好きなのか、歌子ちゃんのこと」
突然のストレート勝負にびっくりする智。和彦を離れたところに呼び出します。
「好きなんだろう?歌子ちゃんのこと。好きじゃないのか?」
和彦は智を問い詰めます。智は、好きな気持ちはありますが、断られて決まづくなるのが怖いのでした。
「みんな心配してるよ」
そう言われた智。和彦に「余計なことを言うな」と釘をさすのでした。
畑の恵み
暢子は、お母ちゃんと一緒に畑仕事をしていました。休憩になり、持って来たお弁当箱を開けます。
「この畑で、昨日取れた島らっきょうだよ」
小さなお弁当箱いっぱいに入った島らっきょうを食べる暢子。美味しそうでした。
そして、お母ちゃんは収穫したばかりのモーウイを切って、暢子に食べさせます。
「はい、モーウイのお刺身。美味しいよ」
暢子は美味しさに感動するのでした。
「うーーーん、最高。やんばるの畑最高。ちむどんどんする」
暢子は畑仕事が楽しくてたまりません。
そこに、和彦と健彦がやってきました。そして、和彦に写真を撮ってもらうのでした。
ゆし豆腐を持ってきて
共同売店で、しゃぼんだまする歌子と健彦。中では、善一とお母ちゃん、暢子と和彦が話をしています。
「せっかく暢子達がきているから、みんなで集まろうと思って」
お母ちゃんはそう言うと、近所のおばあたちも呼んで賑やかにやると言うのでした。それを聞いて、暢子は大賛成します。
「うち、畑の野菜使って、いろいろ作ってみたい」
採れたての野菜の美味しさを実感した暢子は、料理の腕を振るうことにしました。
そこに智がやってきました。
「はいさい。ゆし豆腐もってきました」
砂川豆腐のゆし豆腐は、暢子が子供の頃から食べていたものです。
「そうだ、明日みんなで集まるから、ゆし豆腐持ってきてくれない?」
そう暢子が頼むと、智は二つ返事でいいよと言うのでした。
「絶対だよ、忘れないでよ。いっぱいだからね」
そして、暢子はオオタニワタリも食べたいと言い出します。それを聞いて、智は山に行って取ってくると約束してくれました。
山に出かける智を見つめる歌子。
「待って、うちも一緒に行く」
そう言って、一緒に行くのでした。
いろいろな事情
昼寝する健彦。その間に、和彦の父親がまとめたノートを見る博夫。
「山原村の芭蕉布聞き取り。平敏江さん。43歳山原村出身」
和彦が寝かしつけから戻ると、話しかけます。
「これ、素晴らしいね。和彦くんのお父さんが?」
それに和彦が答えます。
「沖縄の昔の暮らしぶりが書かれています。この村のことも。父はいつか、本にしたかったんです」
それを聞いて、博夫は感心します。博夫も教師として、子供達に沖縄のことややんばるのことを伝えたいと思っているのでした。
「やっぱりやんばるはいいですね。暢子も生き生きしているし、健彦はくたくたになるまで遊んで、僕もいつかこの島に住んで、夢を実現できたらと。父の遺志を継ぎ、このノートの続きを書いて、本にまとめることです」
しかし、その夢がいつになるのか、まだわかりません。
「夢が叶わん、その理由は?」
博夫に聞かれて、和彦が答えます。
「やっぱり、いろいろ事情が。僕の仕事は、依頼を受けて原稿を書いて送ればいいから、どこに住んでてもできるけど、こっちに住むなら、暢子はせっかく出した店を手放してしまうことになってしまうし」
問題はいろいろあるのでした。
暢子の悩み
暢子はやんばるの野菜を使って、料理を作っていました。
「ハンダマの白和え、ジーマーミを入れてみたから食べてみて」
味見をした良子は大絶賛です。
「なんでかね、やんばるの野菜が美味しいって、初めて身に沁みて感じるわけ。どんな贅沢で珍しい食材よりも、ここの野菜にはかなわないと思う」
それは褒めすぎと笑う良子。
「本当さ。久しぶりに畑を手伝って、うちもやんばるで畑をやって暮らしたいと思った。畑にいると楽しくて、時間を忘れてちむどんどんしてたまらないわけ」
良子は、暢子にやんばるに帰ってくればいいと言うのですが、暢子は簡単に決められませんでした。
「そんな簡単にはいかないさ。いろいろあるさ。東京のお店のこと、和彦くんの仕事のこと」
簡単にいかないと思いながら、思い悩む暢子なのでした。
転落
山でオオタニワタリを摘む智と歌子。
「話しがある。レコードデビューできるかも。この前お店で歌わせてもらった時、レコード会社の人に名刺をもらって」
沖縄満福レコード株式会社の上原充という人でした。しかし、智は心配します。
「まてよ、その人ちゃんとしたレコード会社の人か?世の中には、怪しい会社がたくさんある。今度その人に会いに行くときには、俺がついて行く」
歌子は自分の可能性を否定された気持ちになります。
「うちの問題は、うちが自分で決めたい」
智は世間知らずの歌子のことが、純粋に心配だったのです。しかし、歌子は子供扱いされていると感じて怒ってしまいます。
「うちはいつまでも妹みたいな幼馴染なわけよね」
そう言うと、怒って一人帰ろうとします。
「そっち、あぶない」
智がそう言うと、歌子を止めようとします。しかし、足を滑らせたのは智の方でした。
行方不明
比嘉家では、歌子の帰りを待っています。
「歌子、遅いね」
暢子は歌子の帰りが遅いのが心配です。健彦が智と歌子が一緒に出ていく姿を見ていました。
「ちょっと、見てこようかね」
博夫が立ち上がって探しに行きます。それに和彦も一緒に立ち上がりました。そこにお母ちゃんが帰ってきました。
「まもるちゃんが集落を一通り見てくれたけど、どこにもいないって」
みんなで探すことにしました。
停電
山小屋に歌子と智はやってきました。智が足を怪我してしまったようです。
「この小屋まできたらすぐ帰れる。休んで行こう。俺はもう大丈夫だから」
そう言うと、智は迷惑かけたことを歌子に謝りました。歌子は自分のせいで厄介をかけてしまったと思っていました。
「結局うちはそういう星の元に生まれたわけ。東京で暢ねえねえのお店を辞める時も、でーじ忙しい時に熱出して、さんざんみんなに迷惑をかけて」
そう言うと歌子は、自虐的に思っていることを話しました。
「あの時、沖縄に向かう飛行機の中で、しみじみ考えたさ。うちは、ねえねえみたいに働いたり、家庭を持ったりはできない。これから先、ずっと一人で生きていくしかないって。うちは、うちは、生きている間にレコードを1枚でも出せたら、それで満足。思い残すことはない。他はもう諦めてる」
しかし、智は諦める必要はないと言います。ですが、歌子は自分のことを嫌いになっています。
「しょっちゅう熱を出す女をお嫁さんにもらってくれる人なんか・・・」
そこまで言うと、智は「いる!」と言います。
そう言い争っていると、天気が荒れてきて、停電していまいました。
電気が消え、お互いが電気を付けようとして手が触れてしまいます。歌子は手を引っ込めますが、智が歌子の手を掴み、顔を近づけました。
もうすぐキスしてしまう。そんな時、二人を探していた善一がやってきました。
「いたぞ!和彦くん!」
いい雰囲気を壊してしまったことを知った善一は固まってしまいます。
歌子は、恥ずかしくなって、一人で帰ってしまいました。
その後にやった和彦は、何があったかわかっていません。そんな和彦に智は、採ったオオタニワタリを渡して帰ってしまいました。
「俺は少し、山で反省してから帰る」
善一はそう言って、山小屋を出ました。和彦は反省の意味が分からず、右往左往するだけでした。
眠ってしまうのがもったいない
夜、眠らない歌子にお母ちゃんが声をかけました。
「眠れないの?」
しかし、歌子は眠れないのではなく、眠りたくないのでした。
「なんでかね。好きなのに、好きだから、怖くて自分からはなにも言えない。
好きだと言ったら、同じ気持ちであって欲しいと欲張ってしまう。
今日、すごくいいことがあったわけ。人生で一番かも知れない。これからどれだけ生きても、今日ほど幸せな日はない。だから眠ってしまうのがもったいない。眠ってしまったら、今日が終わってしまうから」
それを聞いて、お母ちゃんが歌子に言います。
「明日は、もっといい日になるはずよ」
しかし、歌子にはこれ以上いい日が想像できません。けれど、お母ちゃんは、歌子が教えてくれたのだと言うのでした。
「お父ちゃんが死んでしまった時。歌子が言ってくれた。”みんなで幸せになります”って言ったの覚えてる?
歌子の言った通りだったさ。うちもお父ちゃんも、何があっても歌子のそばにいる。だから、勇気を出して、怖がらないで。そしたら、必ず明日は今日よりいい日になる」
いろいろな苦労、悲しいこともありましたが、生きて生活を続けて、幸せだと言えるようになったお母ちゃんです。その気持ちを歌子に伝えました。
隣の部屋では、寝ていた和彦が、起きて二人の会話を聞いていました。
暢子が教えてくれたこと
暢子が健彦に「やんばる楽しい?」と聞きました。
「やんばる大好き。大好きだからずっといたい」
健彦は、そう元気に言います。そして、今度は健彦から聞かれます。
「ママは?やんばる大好き?」
やんばるが好きですが、上手く答えられませんでした。そして、暢子は考え込んでしまいました。
和彦がやってきて、暢子に話しかけます。
「暢子、あのさ・・・・ごめん、なんでもない」
話しかけられましたが、話を途中で止められてしまいました。暢子は、和彦に考えていたことを話します。
「あ、和彦くん。うちは、和彦くんのことが大好き。
大好きだから、ずっと一緒にいたい。でも、いろいろあっても、好きなら、ちむどんどんするなら、まくまくとぅそーけーなんくるないさであるよね?そうだよね?ちむどんどんするかだよね?言ってることわかる?」
しかし、和彦には言っていることが良くわかりませんでした。
「暢子はわかる?」
そう聞くと、暢子は開き直ります。
「わからないから聞いてるわけさ」
そして、畑に行ってしまいました。
残された和彦は、暢子の言った「ちむどんどんするか、しないか」という言葉を胸に出かけました。
沖縄角力
和彦は智を呼び出して、浜辺へやってきました。
「どこまで行くのか?こんなところまできて、何の話があるのか?」
智に詳しいことを言わないまま、連れてきました。
「大丈夫なのか?足」
和彦はそう聞くと、智は「大した事ない」と答えました。それを聞いて和彦は沖縄角力を取ろうと言うのでした。
「僕が勝ったら、今夜来て、歌子に正直な気持ちを伝えろ」
そう言われた智は、智が勝った時の条件を伝えます。
「俺が勝ったら、お前の言いなりにはならない」
そして、組み合うふたり。
「好きなんだろう?大好きなんだろう?」
そう言って揺さぶりをかけた和彦は、隙を見て外掛けをかけました。浜辺に一緒に倒れ込みました。
賢秀の助言
一緒に倒れ込むと、智は和彦に聞きます。
「お前、賢秀と話したな」
和彦は、どうしていいかわからなくなり、賢秀に相談したのでした。賢秀の答えは「角力したらいい」だったのです。
「ぐちゃぐちゃ頭で考えるより、体でぶつかってこい。何がなんでも智に勝って、歌子に告白させれい。いいか、これは俺しか知らないこと。アイツの弱点は外掛けだから、いきなり引き寄せて、外掛けして、体を預けて一緒に倒れ込め!ちばれよー」
そうアドバイスを受けての角力だったのです。
しかし、結果はどっちが勝ったか、良くわかりませんでした。お互いが自分が勝ったと言い張ります。
「わかったよ。引き分けってことでいいよ」
智は、そう言うと、帰っていきます。
「今夜、来るよな?必ず来いよ。まくとぅそーけーなんくるないさ。ちむどんどんするなら、まくとぅそーけーなんくるないさ。ちむどんどんするかしないか、それだけ」
智の背中に向かってそう言う和彦。その言葉に、智は手を上げるだけで、何も答えずに去っていきました。
畑の行方
お母ちゃんと畑仕事をする暢子。
「こんなに美味しい野菜に囲まれて、幸せだね」
そう言いますが、現実はそんなに楽観的なものではありませんでした。
「だけど、近頃は、畑を辞めて都会に行く人も増えている。この畑も何年か前に持ち主のおじいに、自分はもうできないからやってちょうだいと頼まれたわけ。
でも、ありがたい話だけど、とても一人ではできないから、ここは手放そうかと思っている」
そう言って、畑の状況を暢子に説明しました。
「もったいない。こんなに美味しい野菜が育つのに」
暢子がそう言うと、お母ちゃんは話を逸らすように言います。
「さあ、どれを使って、何を作る?」
暢子が迷っていると、お母ちゃんは畑に相談しようと言うのでした。
食事会
村のみんなが集まって食事会を比嘉家で開催しました。
「チキナーチャーハン、ジーマーミ豆腐、オオタニワタリの天ぷら。タマンのから揚げ、ウジラ豆腐」
暢子は、腕によりをかけて、みんなのために料理を作りました。しかし、智はまだ来ていません。
「みなさん、今日は山原の野菜で美味しい料理をたくさん作りました。それではみなさん、やんばるの夜に乾杯!」
暢子の音頭で乾杯して、みんなで食べてみました。
歌子は、智がいないことを気にしています。それを見て、和彦は歌子を気にかけます。
歌子は縁側に一人出て、夜風にあたるのでした。
KY暢子
時間が経っても智が来ません。
「やっぱり、智くんは来ないのか?」
「ちゃんと話してくれたわけ?」
「来るとは思うけど」
博夫、良子、和彦はそんな話をしていました。そんな時、健彦が立ち上がって、歌子の所へ行きました。
「歌子おばちゃん、歌って」
いきなり言われた歌子は驚きます。
「いいね、みんなも歌子の歌聞きたいさあね」
おばあたちにそう言われ、歌子は困ってしまいました。そこに智がやってきます。その智の前に立ちはだかったのは、暢子でした。
「なんで?うちは智のこと信じてたのに。ゆし豆腐。言ったさ、約束したさ。今日必ず持ってくるって」
完全に忘れていた智。しかし、それどころではありません。智は決意してやってきたのです。
「うちは、食べたかったのに。みんなにも食べて欲しかったのに」
食い下がる暢子を和彦が止めに入りました。智の前から遠ざけます。良子と博夫が場を鎮めます。
向き合う智と歌子を見て、KY暢子もやっと気づくのでした。
暢子のおかげ
智と歌子をみんなが見守っています。
「歌子、実は、あの・・・」
歌子はどうしていいかわからず、お母ちゃんを見ます。お母ちゃんは、大丈夫というような顔で歌子を見ます。
歌子は、歌いだしました。智を見つめながら歌う歌子。歌に気持ちを乗せて、智に届けます。
歌が終わると、歌子に近づく智。
「好きなわけよ。歌子を思うとちむどんどんする。俺は、歌子と結婚したい。結婚して下さい」
智はやっと言うことができました。歌子と智は、幸せになることを約束しました。
智が歌子を抱きしめようとした時、智を押しのけて暢子が歌子に抱きつきました。智の周りにも和彦たちが祝福にやってきました。
みんなは三線を弾きながら、歌い踊ります。
「ありがとう。和彦のおかげやさ」
智は和彦にお礼を言います。しかし、流れを知らない暢子は「和彦くんのおかげなの?」と和彦に聞きます。
「暢子のおかげ」
全く暢子には理解できませんでした。
和彦の提案
休みの間、暢子は畑仕事をし、海で遊んで、沖縄を満喫することができました。
夕方、縁側で一人、三線を弾く和彦。まだまだ練習中のようです。
そこに暢子が帰ってきました。今、歌子は智の家に行っていて、健彦は昼寝しています。
「やっと寝てくれたよ。帰りたくない、ずっとやんばるにいるって大騒ぎだった」
和彦が暢子にそう言うと、暢子は思っていることを和彦に話します。
「うちも、やんばるの自然の中で、家族みんなで暮らせたら、どんだけ上等か」
それを聞いた和彦は、暢子に提案するのでした。
「提案。やんばるで暮らしてみない?3人で。
僕の仕事はどうにかなるとしても、東京の店は手放すことになる。長年暢子が苦労して、花を咲かせた店なのに。だから、今すぐには決めなくていい。だけど、東京に戻る前に、暢子がどうしたいのか、もう一度自分の気持ちに向き合って欲しい」
あの日のお母ちゃんの言葉
暢子達の休日もあと1日。明日、東京に帰ります。
暢子とお母ちゃんは、あの日暢子と一緒に話をした場所で、話をしていました。
「結婚したら、歌子はあの家を出ていくのかね?」
暢子がそう聞くと、お母ちゃんは歌子と智が決めることだと言うのでした。
「お母ちゃん、一人になるよ」
お母ちゃんは、お父ちゃんと一緒だと言うのです。
「子供達がみんな幸せに育ってくれて、本当に嬉しい。うちは、幸せ者」
お母ちゃんはそう言ってくれました。
そして、暢子は高校生の時、ここで話したことを思い出していました。
「いつかきっと、この村に生まれて良かった、女に生まれて良かったって思える日がくると思うよ」
お母ちゃんは、あの時そう言いました。
「お母ちゃんの言う通りだった。うちは、この村で生まれた、女の子に生まれた、それは誰にも変えられない。それが今、うちは嬉しくて嬉しくてたまらないわけ。ありがとう、お母ちゃん」
その言葉を聞いて、お母ちゃんは暢子を抱き寄せるのでした。
移住の気持ち
畑で芋を手にもって空を眺め、思い悩む暢子がいました。
「ちむどんどんする。お父ちゃん、ちむどんどんが止まらないよ」
暢子の気持ちは決まりました。
健彦とまもるちゃんが出かけた時、暢子はお母ちゃんに打ち明けました。
「お母ちゃん、うち、和彦くんと健彦と3人でやんばるに移住したい」
和彦は暢子の決断を驚き、歓迎してくれました。
「もちろん、お店のこととか、和彦くんのこと、健彦のこと。考えることはいろいろあるけど、いろいろあるけど、ちむどんどんするかしないかさ。まくとぅそーけーなんくるないさ。うちはここで、この家で暮らしたい」
お母ちゃんは和彦の気持ちを確認します。
「僕は元々、この島で長年の夢を叶えたいと思っていたので。暢子さえ良ければ」
そう言って、和彦は移住する気持ちがあると伝えました。
「あの畑をやりたい。やんばるの畑で育てた美味しい野菜で、もっとちむどんどんする新しい冒険が始まる気がするわけ」
暢子が言うこともわかりますが、お母ちゃんは心配していました。
「ひとつだけ、あんたたちがうちのために帰ってこようと思ってるなら、うちは反対する。だけど、二人が自分たちのためにと決めたらなら、うちはとことん応援する」
暢子は自分たちのためだと言うのでした。
送別会
沖縄から帰って2ヶ月後、暢子達が旅立つ日が近づいていました。
「送別会を始めさせていただきます。三郎さん、乾杯の音頭を」
そう促された三郎は、話し出します。
「沖縄から出てきて、腹空かせた暢子ちゃんが、うちに流れ着いてきたのが、まるで昨日のことのようだ。これまでの思い出に感謝し、若い二人の新たな門出と幸せを祈って、乾杯」
その送別会には、二ツ橋達が説得したものの、房子の姿はありませんでした。
順次、田良島、矢作の挨拶
順次夫妻の挨拶が挨拶します。
「暢子ちゃん、和彦くん、沖縄に行っても、ちばりよー」
「時々連絡してね」
二人は、暢子と和彦が下宿させてもらっていて、一番と言っていいぐらい長く一緒にいた二人です。
そして、次は酔った田良島の挨拶です。
「まぁ、正直言って俺は、初めてであった時から、暢子ちゃんが自分の店を持ち、青柳が新聞社を辞めることも全て想定していた」
暢子が房子の命令でボーイとして働いていたこともありました。和彦が自腹で沖縄に取材に行ったこともありました。そんな時、田良島はいつもそばにいたのです。
「とにかく、家族三人仲良く、新天地でもいい人生を送ってくれ」
そして、一番の問題のちむどんどんの今後です。暢子は報告があると言うと、矢作が前に出ました。
「えー、このちむどんどんは、俺が引き継ぐことになりました。俺は、料理人として一旗上げることや、世間体に拘って、バカなことをたくさんしてきました。だけどこの店で働いて、もう一度自分の店を持つという夢を持てた。これから先、この店をずっと守り、暢子やみなさんに、恩返しできたらと。みなさん、どうかよろしくお願いします」
そう言って矢作が挨拶しました。
二ツ橋、重子の挨拶
二ツ橋の挨拶が前に出ました。
「私が初めてであった時、暢子さんは高校を出たばかり。何も知らない、沖縄の女の子でした。しかし、やがて、暢子さんはフォンターナに欠かせない料理人になりました。私自身、暢子さんの前向きさに救われたことが何度もあります。暢子さんなら、これからきっと沖縄で素晴らしい挑戦ができると思います」
そして、重子と波子が前に出ました。
「私は長い間、良い母親ではなかったと思います。だけど、暢子さんと出会って、息子と向き合うことができた。新しい家族を迎えることができました。しばしのお別れに二人に詩を送ります」
中原中也詩集
さよなら、さよなら!
こんなに良いお天気の日いお別れしてゆくのかと思ふとほんとに辛い。
こんなに良いお天気の日に。
さよなら、さよなら!
そして明日の今頃は、長の年月見馴れてる故郷の土をば見ているのです。
さよなら、さよなら!
さよなら、さよなら!
別離
重子が読み上げると、和彦と暢子が重子の前に出ます。
「母さん、波子さんも、いつか沖縄に来て欲しい。父さんと僕の思い出の場所。母さんを案内したい」
それを聞いて泣き出す波子。母の重子より、もしかしたら和彦への思い入れが強いのは、波子なのかも知れません。
ペペロンチーノ対決
暢子は多江に言われてしまいます。
「暢子ちゃん、ちゃんとお別れを言わなきゃいけない人がいるでしょ?このままお別れしたら、きっと後悔する」
そして、三郎、二ツ橋、和彦に背中を押され、フォンターナに向かいました。
フォンターナで房子は、昔取材を受けた時の雑誌を見ていました。そこに暢子がやってきました。
「あなた、送別会は?」
房子にそう聞かれた暢子は答えます。
「オーナーが来てくれないから、うちがきました」
房子は「私には関係ない」と、いつものように思ってもいない、冷たいことを言うのでした。
「オーナーうちと勝負して下さい」
暢子がそう言うと、房子とペペロンチーノの勝負をすることにしました。なぜペペロンチーノなのかと聞かれた暢子が答えます。
「うちがオーナーに負けて、でーじ悔しかった料理だからです」
何を賭けるか
そして、ペペロンチーノを二人で作ります。作りながら房子が聞きます。
「で、この勝負、何を賭けるの?」
暢子は強気で要求します。
「うちが勝ったら、オーナーは沖縄に来てください」
何の用もないという房子に暢子は、うちに会いに来てくれというのでした。
そして、ペペロンチーノが出来上がると、お互いのペペロンチーノを食べることにします。
「あなたが勝ったら私は沖縄に行く。じゃあ、私が勝ったら?」
しかし、今回も暢子は自分が負けることは考えていませんでした。
「あいや、そこまでは考えていませんでした」
それを聞いて、房子は言います。
「じゃあ、私が勝ったら、今後あなたとは赤の他人になる」
暢子は絶対に嫌と言いながら、二人で仲良くペペロンチーノを食べるのでした。
お別れの言葉
あの対決の日、「うちのペペロンチーノです」と言っていたことを思い出しました。
「まあまあね」
いろいろな思いが去来しますが、房子はいつものように言うのでした。
「今まで、本当に・・・」
暢子は涙があふれてきました。しかし、あの日の勝負で約束した中に「何があっても泣かないこと」がありました。指摘する房子に暢子は「泣いてません」と大粒の涙を流しながら答えます。
房子は、ハンカチを暢子に渡します。
「あなたは、沖縄に行っても、どこに行っても、美味しい物を作って、みんなに食べてもらいなさい。それだけは、ずーっと続けなさい。あなたなら、それができる。私の命令は絶対。」
房子の言葉に「はい」と答える暢子。
「で、この勝負、どっちの勝ち」
房子に聞かれ、勝負の決め方を考えていなかった暢子。
「本当にあなたって人は、最後の最後まで」
房子は呆れながらも、嬉しそうでした。
「こうなったら、沖縄でもう1回勝負しましょう」
そう提案する暢子。暑いのは嫌いだと言って、房子は受け入れません。
「もううちの負けでいいから、オーナー沖縄に来てください」
そう言って、暢子は房子とお別れしたのでした。
最後に
相変わらず、突っ込みどころ満載でした。しかし、ネットで言われてるほど、ひどくはないと思います。
そして、ついに来週は最終週。
前に出てきた人が、総動員しての最終週になりそうです。
できれば、嘉手刈老人の話がちゃんと記事になってくれればと思っています。
そして、ブラジルに渡った同級生、歌子の恩師・島地響子先生、パリに行った愛にも出てきて欲しいです。
どうなるか楽しみです。