ファミリーオフィス は、SAGASに立ちはだかる強敵として登場しました。
富裕一族が経営する組織で、一族の繁栄のための活動する組織です。
窮地に陥ったSAGAS・興津が、頼ったのはなんと・・・・
そんな第7話のネタバレです。
主な登場人物
安積那由他 山﨑賢人
菅生隼人 松下洸平
富永海 岸井ゆきの
興津晃彦 オダギリジョー
宮沢沙織 麻生祐未
緒方公哉 柳俊太郎
森田聡 岡部大(ハナコ)
相良晶 玄理
富永繁雄 風間杜夫
各務英次 塚地武雅(ドランクドラゴン)
八重樫謙吾 でんでん
小山田賢雄 皆川猿時
井出大 馬場徹
第7話のストーリー
新たな戦い
アトム玩具は、SAGASとやよい銀行の策略によって、全てを失ってしまいました。
興津の狙いは、人工関節技術でした。通称、アトムロイドと呼ばれる技術の特許を掌中に収めることが目的でした。
そして、奈落の底に落とされた那由他たちは、新会社「アトムの童」として復活しました。
しかしそれは、アトムロイドをめぐる新たな戦いの幕開けでした。
新しい技術
ネットカフェで、ゲーム技術の交流会をしていました。
那由他と隼人は、エンタメのゲームとシリアスゲームを作り、売り上げを伸ばしています。
「ありがたいね。ゲーム業界のカリスマお二人にきていただけるなんて、俺も鼻が高いわ」
そういう先輩・森田に那由他は、最後までいられないことを伝えます。社長・海から、大事な会議があると言われていました。
そんな中、気になるソフトがありました。人間の表情をカメラで読み取り、感情をリアルタイムで数値化できるという技術です。那由他も隼人も夢中になっていました。
「このためにシアトルからきました。ジョン・ドゥの大ファンですから。お二人のシリアスゲームを見て、この技術を何かに行かせないかと参加することに決めたんです」
ティムはそう言って、那由他と隼人と連絡先の交換をしました。
アトムの今
新会社・アトムの童では、造形師・各務が新しく入った社員に指導しています。
「リアルは追及しますが、デフォルメしてかっこよく見せることも、めちゃんこ大事なんです。図面通りに作るなら、機械でも作れますから」
造形師だけでなく、プログラマーも増えているようです。社員の人数が増えて、みんな忙しそうに働いていました。
そんな時、海が大事な会議があると、みんなを集めました。
「みなさん、今日が何の日かわかりますか?」
それに、会長・繁雄は「燃えるごみの日」と答えます。しかし、そんなことでみんなを集めません。
「アトム玩具の操業日です。60年前の今日、操業を始めたんです。私たちの代になってから、火事に買収にいろいろあったけど、やっとこのアトムの童も軌道に乗ってきました。ゲームのダウンロード数も、行政からのシリアスゲームの発注数も順調。新しい社員も増えて、いよいよだなと思っています」
そして、海がみんなを集めた本題に入ります。
「いよいよ、本格的におもちゃの生産を復活させる時なんじゃないかって。そういう訳で、新しい気持ちで頑張っていきましょう」
那由他はアトム玩具のおもちゃのファンでした。一度は全てを失ったアトム玩具ですが、アトムの童として、新たにおもちゃ作りをすることになりました。みんな嬉しそうにしていました。
次のステージ
意気投合したティムは、那由他と隼人をアメリカに誘います。
「あの、これ。僕の会社です。一緒にシアトルで会社やりませんか?興味があれば、連絡下さい」
そう言われ、那由他は悩みます。
「なあ、どう思う?アトム上手く行ってるよな?ゲームも上手く行ってるよな?なんか次のステージに行ったって気がするよな?俺たちもさ、次のステージ目指すべきじゃない?この技術でどんなゲームができるんだろうって思ったら、ワクワクが止まらないんだけど」
那由他は素直な気持ちを隼人に話しました。隼人は那由他に「アトムを辞めるのか?」と聞きます。
「辞めたくないよ。でも、行きたいって気持ちも本当」
そんな気持ちを抱えているだけでなく、海に話しをすることにしました。
ワクワクする気持ち
那由他と隼人は、素直に話しました。
「次のステージに行きたい。ここでの俺らの役割は終わったのかなって。ワクワクする技術に出会ってさ、その技術を使って新しいゲームを作りたい」
那由他はそう言いますが、海としてはこれから拡大したいと思っていた矢先です。
「勝手なことを言ってるのはわかっています。挑戦しなかったら後悔すると思うんです」
隼人も那由他と同じ気持ちです。しかし、海にとっては急すぎる話しでした。すぐには結論は出せず、海は考えることにしました。
3人の話しを八重樫は聞いてしまいました。
「アトムは、ワクワクする気持ちを応援する会社です。その出会い、大事にするべきです」
そう言って、那由他と隼人の背中を押すのでした。
次の冒険の始まりかも
海は縁側で繁雄と話していました。
「今日ね、那由他くんと隼人くんに辞めたいって言われた。こんな日がくるんだね。つい昨日のことのように覚えてる。ゲームショウのガチャの前で二礼二拍手一礼、お祈りしてたんだよね。変な奴って思って。隼人くんもそう、ゲームジャムで初めて会った時、感じ悪くって何だこいつって思ったんだよね。こんな付き合いになるなって、その時は思わなかった。いっぱい助けてもらったし、感謝してもしきれないぐらい。その二人が次に進みたいっていうなら、全力で応援しないとね」
そんな海の気持ちを汲んで、繁雄は言うのでした。
「あとの二人にとっても、お前にとっても、次の冒険の始まりなのかもな」
そして、記念にみんなで写真撮影をしました。
宮沢ファミリーオフィス
アトムでおもちゃ作りをするにあたって、塗料メーカーに話しをしにいきました。しかし、アトムには卸せないと言われてしまいます。
「おもちゃメーカーにはうちの塗料は卸せないんです。最近変わった、筆頭株主の意向で、戦車、戦艦、戦闘機などの軍事産業に特化することになったんです」
塗料メーカーにそう言われてしまいました。そして、その筆頭株主は「宮沢ファミリーオフィス」という投資会社でした。
その頃、宮沢ファミリーオフィスは、SAGASの株式を3%購入していました。興津は、物言う株主になることを懸念していました。
ファミリーオフィスは、ロックフェラーやモルガンのような富裕一族が、一族の永続的な繁栄を目的に運営している組織のことです。目先の利益で会社を買収するのではなく、一族で共有する使命や価値観、社会的な信用や評価など、100年先を見据えた買収をしていたのです。
二人が決めた道
元アトム玩具の財務顧問だった鵜飼は、投資コンサルティング会社を立ち上げていました。そんな鵜飼が、宮沢ファミリーオフィスについて、アトムで説明してくれています。
「建設会社は、ビルやマンションを建てることから撤退し、被災地などに家を建てる慈善事業色の強い会社になりました。もちろん素晴らしいことですが、利益追求と言う共通言語で話し合える相手ではないということです。本来、株主の要求と言うのは、利益と直結しています。利益が出ている時には口を出さない。しかし、ファミリーオフィスは違う。経営状態と関係なく、自分たちの好きなように会社を作り変えてしまいます」
その説明を受けて、那由他はシアトルに行けないと思っていました。しかし、海は背中を押してくれます。
「二人は二人が決めた道、ちゃんと進んで」
餌食
「どういうことかちゃんと説明してもらえますか?何か手を打てと命じたはずだ。なぜ、宮沢ファミリーオフィスがうちの株を4%も取得してるんですか?」
興津は、元やよい銀行の支店長・小山田をSAGASに向い入れていました。それは、アトム玩具を買収することに協力したので、その報酬としてです。
「このままでは、宮沢ファミリーオフィスがうちの株を5%以上保有数のも時間の問題です。5%を越えれば、金融庁から大量保有報告がなされます。つまり、SAGASが宮沢一族の餌食にされそうだということが、世間に公表されるということです」
秘書に言われ、興津は宮沢ファミリーオフィス側と話しをすることにしました。
興津対沙織
そしてやってきたのが、社長・宮沢沙織でした。
「宮沢ファミリーオフィスは、技術の市場解放を望んでいます。SAGASは現状、12もの事業をお持ちですよね?検索サービスはもちろん、観光、電化製品、宇宙開発、ゲームにとあらゆる事業に手をだしている。それは、国内のめぼしい技術を見つけては、会社を丸ごと買い上げる。そうしたことを繰り返しているからです。背負える荷物の量は決まってますよ。余計な荷物は捨てて、御社には検索サービス事業に一意専心取り組んでいただきたい」
しかし、興津は荷物ではなく宝だと思っています。そして、それぞれの事業は、利益が出ていました。
「使いこなせない技術まで抱え込んでいるのは、非常にもったいない。宝の持ち腐れです。アトムロイドという特許技術がありますね。シリアスゲームにメタバースゲームはエンターテイメントを越えて、もはや日常に溶け込んだものとなりました。ゲームの進化が世界を変えることに繋がる。そういう時代になったんです」
しかし、アトムロイドを使ったゲームは、まだ世に出ていません。そこで、宮沢ファミリーオフィスは、その技術を市場に開放するつもりなのです。そのためにSAGASのゲーム事業を売却するというのでした。宮沢ファミリーオフィスから見ればSAGASは、SAGASが買収してきた中小企業のような存在なのでした。
蜜月の終了
アトムの童では、おもちゃに使う色を探していました。その時、ニュース速報が流れます。
「宮沢ファミリーオフィスがSAGASの株を5%超取得」
記者が興津にインタビューを求めますが、興津は何も答えずどこかへ行きました。その行った先は、経済産業省の官僚との会食でした。
興津は、以前から懇意にしている官僚に「国の問題」だと、宮沢ファミリーオフィスの株式取得を訴えました。そして、力を貸して欲しいと頼みます。
「ええ、もちろん、宮沢ファミリーオフィスに。経済産業省としては、技術の解放に賛同しております。以前申し上げた通り、ゲームとアニメは今は日本が誇る最大の輸出産業です。このままSAGASが天下を統一したままでは、新しい才能が育つ土壌がこの国では育ちません。技術の市場開放して下されば、こちらとしても非常に助かるという訳です」
しかし、それは日本の技術が世界に流出するということです。それを問いただすと、官僚は言うのでした。
「痛みを伴うのは承知しております。残念ながら、御社との蜜月は終わりました」
興津は官僚の前から去ると、感情をさらけ出しました。そして、暴れて、ゴミの中に倒れ込んでしまいました。
そんな官僚の元へ、宮沢沙織がやってきました。沙織は、アタッシュケースから、何かを官僚に渡します。何かは映されていませんでしたが、お金だったのではないかと思います。
興津、登場
会社で一人、アトムロイドの人形を触っている興津。そこに、晶がやってきました。その晶の提案を受け入れ、置きはアトムへ行くことを決めました。
「助けて欲しい」
興津は素直に話しました。
「報道を見てご存じでしょう。宮沢ファミリーオフィスは、SAGASを買収しようとしている。技術の市場開放が目的だそうです。技術をオープンにして、誰でも自由に使えることです。アトムロイドも例外ではありません。つまり、鮫がうようよいる海に放り込むようなものです。市場開放なんて体のいい言葉です。そうなれば、日本の技術も食いつぶされ、跡形もなく消えてしまう。もちろん、あなたがのアトムロイドもね」
しかし、アトム側からすれば、興津も同じです。しかし、興津は「守るため」にやったと思っています。そして、興津は海や那由他たちに言うのでした。
「なんと言われようと結構。あなた方がおもちゃのために生みだした技術が、意図しないところで悪用される可能性だってあるんです。その証拠にSAGASからゲーム事業部門を売却するつもりでいます。それを阻止するためには、SAGASのゲームが技術的にも品質的にも世界一優れているということを見せつけるしかありません」
アトムロイドを返す
そして興津は、世界一優れていることを見せつけるためにアトムに協力を求めるのでした。
「オリンピックで、eスポーツに認定されるゲームを開発する。2週間後に株主総会があります。そこで株主達にゲームを披露するつもりです」
しかし、そんな大がかりなゲームは2週間で開発できるはずがありません。
「全てを作る必要はない。見せ場だけで数十秒、それだけで十分。集まった株主たちにSAGASの作るゲームは特別だ。初のオリンピックゲームを作るのかと期待させれば、私の勝ちです。そのためには、アトムロイドの技術を使いこなす必要がある。職人の技術と知識。そして、君たちのアイディア。私には君たちが必要だ。もちろん、礼ははずみます」
しかし、その「礼ははずみます」が、反発を食らうのでした。今まで、那由他と隼人だけでなく、アトム玩具を取り上げられた社員たちは、興津にひどい目にあわされてきました。そんなことを手伝う必要がありません。
「もし上手く行けば、アトムロイドの技術はお返しします。元々あなたたちでは、宝の持ち腐れとなると思って買った技術です。そうではないと証明できたら、喜んでお返ししましょう。明日、結論を下さい」
プライドの問題
興津の提案を受けて、アトムの童では会議が行われていました。
しかし、社員たちはみんな、SAGASに反発しています。ただ、那由他だけは違っていました。
「やってみないか?取り返そうよ、アトムロイド。俺はアトムの技術が世界中で使われるのはいいことだと思う。けど、塗料メーカーのようになるのは嫌だ。繁雄さんたちが、アトムでおもちゃのために一生懸命育ててきた技術が、全く知らない所で悪用されるのは違うと思う。アトムロイドはアトムの命ですよね。アトムに取り戻したい」
それを聞いて、隼人は反発します。
「興津が俺たちに何してきたか覚えてるだろう。返すなんて口約束だよ、真に受けるなよ。もう関わるな。断るってことでみんな納得してるんだから、口をはさむな。あと3日で、俺たちアトムの社員じゃなくなるんだから」
だからこそ、那由他はアトムのために最後に仕事をしたいと思うのでした。
「悪いな坊主。気持ちは嬉しいが、SAGASにいい顔はできない。これは、プライドの問題だ」
繁雄にも、そう言われてしまいました。
飛行機のチケット
隼人は一人、カフェでティムを待っていました。
ティムはフロリダ行きの飛行機のチケットを持ってきました。
「3日後が楽しみです」
ティムは今、起きていることを知りません。隼人も詳細を伝えることはしませんでした。
そして、隼人は那由他のゲーム部屋に飛行機のチケットを持って行きました。しかし、チャイムを鳴らすことができません。仕方なく、郵便受けにチケット入れました。
那由他は部屋にいて、チケットが投函されたのを気づきました。そして、入れた人物が隼人だと気づきました。那由他は隼人を追いかけますが、会うことはできませんでした。
アトムのファン
海は、興津の提案の回答にSAGASにやってきました。
「やはり、お断りします」
それだけ言うと、海はSAGASを後にします。そこに那由他がやってきました。
「おはよう」
那由他は海にいつもと変わらず挨拶しました。
「嘘でしょ?本気?」
海は悔しい思いをしてきました。それは、那由他も同じはずです。しかし、那由他は少し違う感情を持っていました。
「本気。俺はやる。アトムのファンだから」
SAGASの技術
そして、興津はやってきた那由他に驚きました。
「君が私の見方をしてくれるなんてね」
那由他は先頭で興津と対峙してきました。そんな那由他がSAGASを助けるとは想像していませんでした。
「味方じゃない」
那由他はそう言いますが、興津は嬉しそうにしていました。そして、プロジェクトのために準備した部屋に那由他を招き入れました。
那由他は、紹介された責任者・マトバ室長から開発している内容について聞きました。。
「アトムロイドは、人間の関節の動きをリアルに再現しています。普通、人間の動きを再現するにはモーションキャプチャーが必要ですが、それには多大な労力と時間がかかります。アトムロイドは人間工学技術を応用することで、その手間を省けるんです。この動きをSAGASのデジタル技術で読み込めば、AIがそれを処理してリアルな動きを再現することができます」
それを聞いて、那由他はワクワクが止まらないのでした。
じゃあな
そんな時、那由他の電話が鳴りました。電話の相手は、隼人でした。那由他は隼人に会いにいきました。
「気付いているか?取られたもの奪い返すって、昔の俺と全く同じことしてるよ。やり方が違うって言ったのはお前だよ。犠牲になるなって」
しかし、那由他はアトムロイドを使った技術を聞いて、ワクワクしていました。
「犠牲じゃないよ、俺ワクワクしてるんだよ。アトムロイドをゲームで使えるなんてSAGASの最新設備でしかできないから、どんなゲームを作れるのか楽しみなんだよね」
それを聞いて、隼人は呆れます。
「ティムの技術にも同じこと言ったよ。約束は2日後だ」
しかし、那由他は大好きなアトムを放っておくことができません。ただ、3日後の予定でしたが、株主総会が終わった2週間後になるだけです。簡単に考えている那由多のことを、隼人は長い付き合いで良くわかっていました。
「お前本当にわかってないんだな、自分の事。俺はお前を良く知ってる。一度始めたらとことんのめり込んで、納得行くまでやりたいと思うやつだ。株主総会で見せる数十秒じゃ満足いかなくなって、完成するまで何年もSAGASでゲーム作り始めるよ。俺はティムと行く。一応、別れの挨拶だけしておこうと思って。じゃあな」
那由他は反論せず、ただ「じゃあな」とだけ答えて別れました。
最後に
急展開になりました。「アトム玩具」が「アトムの童」として再出発しましたが、ここにきてSAGASから支援を求められました。
そして、那由他と隼人の決別。那由他はSAGAS側で株主総会に挑むようです。
それにしても、那由他と隼人が抜けたアトムは、やっていけるのでしょうか?おもちゃメーカーとしてダメになったから、ゲームを作り始めました。その開発者がいなくなったアトムは、このまま上手くいくとは思えません。
アトムを離れず、ティムと業務提携して、ゲーム作りをするというのがwin-winになる方法な気がします。しかし、そうとはならないようです。
そして、最後の「頼みの綱」とはどんな人物なんでしょうか?
どう展開するのか楽しみです。