冤罪 エルピス(10) ネタバレ

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冤罪 だと証明することができるのでしょうか?

ニュースエイトに殴りこんできた村井。その姿を見て、浅川は涙を流しました。

窮地に追いやられているこの状況で、どう逆転するのでしょう?

そんな最終話のネタバレです。

エルピス公式HP

主な登場人物

浅川恵那  長澤まさみ アナウンサー
岸本拓朗  眞栄田郷敦 フリーター
斎藤正一  鈴木亮平  フリージャーナリスト
本城彰   永山瑛太  雑貨屋?

大山さくら 三浦透子  通称:チェリー、ヘアメイク
村井喬一  岡部たかし 子会社異動
大門雄二  山路和弘  副総裁
松本良夫  片岡正二郎 死刑囚
大門亨   迫田孝也  大門の娘婿で秘書

滝川雄大  三浦貴大  報道局ディレクター
名越公平  近藤公園  チーフプロデューサー昇格
笹岡まゆみ 池津祥子  首都新聞記者
木村卓   六角精児  死刑囚の弁護士
岸本陸子  筒井真理  拓朗の母、弁護士
海老田天丼 梶原善   番組MC
篠山あさみ 華村あすか ボンボンガール

最終話のストーリー

何かが起きている

2019年、首都新聞編集部では、記者の笹岡が岸本へ電話していました。

しかし、岸本は電話に出ません。

「すごく気になっていることがあるので、折り返してもらえますか?すみません」

留守番電話にメッセージを残しますが、折り返しかかってくることはありませんでした。

その笹岡が見ていたのは、大門が大門亨の葬儀でコメントした映像でした。大門のコメントは、いいコメント過ぎて、笹岡は「噓くさい」と思っていました。

「そりゃまあ爺さん、内心は喜んでるかもな。あの娘婿、堅物で手を焼いてたんでしょ?」

新聞社の同僚にそう言われました。

「いや、そんなレベルの話しじゃない」

笹岡はそう反論します。もっと何かが動いている、そんな予感がしているのでした。そして、笹岡は浅川にも電話しますが、浅川も電話にでませんでした。誰も電話に出ないことが、笹岡を不安にさせているのでした。

来客

岸本は一人家で、ネットの動画を見ていました。電話が鳴っていることは気づいていますが、出る気分ではありません。そんな時、家のインターフォンを鳴らす音が聞こえてきます。それも、かなりしつこく。

仕方なく岸本は部屋を出て、インターフォンの画面を見ると、そこにいたのは浅川でした。浅川は、何度も何度もインターフォンを鳴らします。

「お兄ちゃんは、今いません」

声色を使って出てみましたが、浅川には通用しませんでした。

「君、一人っ子だよね」

バレてしまったので、岸本は浅川を家に上げました。

正義っぽいこと

「ごめんなさい、押しかけて」

浅川はまず謝りました。そして、昨日あった村井の暴挙について話します。

「昨日ね、村井さんがニュースエイトのスタジオに殴り込んできたの。怒鳴り込んできたんじゃなくて、殴り込んできたの。オンエア終わりのスタジオで大暴れして、セット壊して3人ケガさせた。どうも大門の秘書が亡くなったことと関係あるみたいんなんだけど、誰も詳しいことはわからない。聞きたくても、村井さんは今日会社にも来てないし、電話しても出ない。なにがあったか、知ってる?」

浅川に聞かれ、岸本は「はい」と答えました。浅川は教えて欲しいと頼みますが、岸本は教えても仕方ないと思っていました。

「知ってどうするんですか?ニュースエイトのトップニュースにでもしてくれるんですか?してくれないですよね。どうせまた聞くだけ聞いて、努力っぽいことしたり、正義っぽい気分になりたいだけですよね?」

そう言われ、浅川は聞きたい理由を話しました。

「村井さんは、私が入社した時にニュースエイトのディレクターで、以来10年間私の上司で、ぶっちゃけ嫌いな所もいっぱいあった。曲者だし、口は悪いし、セクハラとかパワハラとか最低だったし。だけど、報道陣としては尊敬できる先輩だった。誰を敵に回そうが、どんなに損しようが、報道と言う仕事を全うしようと必死で格闘してた」

コテンパンに負けた

浅川は、そんな先輩が暴れていたことに驚いていたのです。

「その人がスタジオで、誰よりも大事にしてたはずの場所で、ああなってるところを見たから。君が私を信用できないのも、自分に絶望的に力が足りないのも、全部わかってるよ。でも、それでも、私は逃げる訳に行かない。現実がどんなに厳しいとしても、やっぱりまず向き合うしかない。そして、そこから始めるしかないって思ったんだよ。今日の朝。教えて下さい。お願いします」

そう言って頭を下げる浅川を見て、岸本は自分の部屋に招き入れました。そこには、岸本が出そうとしていた大門亨のインタビューをまとめた資料がありました。それを浅川に見せ、インタビューを聞かせます。

それを見た浅川は「どうするの、これ」と岸本に聞きました。

「どうもしないっす。もうやめます、今度こそ。村井さんが最初に言った通りでした。僕はどんな敵がいるかも知らずに、ジャングルで棒きれ振り回しているバカな子供でした。しかも自分じゃなくて、自分が引っ張り出した人を死なせました」

それを聞いた浅川は、大門亨の自殺の原因が岸本だと思っていると勘違いします。

「自殺じゃないです。大門が消したんだと思います。自殺に見せかけて。どちらにせよ、切っ掛けを作ったのは僕です。負けです。もうコテンパンに負けました。終わります」

殺されますって

浅川は、岸本が逃げてしまうことに抵抗を試みます。しかし、岸本の心は、今度こそ折れてしまったのです。

「勝てないんで。やっぱり強いで、むちゃくちゃ」

国家権力を相手に勝てる道具はありましたが、圧倒的な力でねじ伏せられた感じがしていました。

「ヤダ。イヤ、私は。そんなの絶対イヤ。そんな酷いことに負けながら、生きてなんかいけないよ。もらうから、このスクープ。君いらないんでしょ。やるから私」

そして、岸本のまとめた資料を持って行こうとします。

「無理。キャスター降ろされますよ」

そう言って止めようとしますが、浅川は止まりません。キャスターにしがみつくことも、もう必要ないと思っていました。

「殺されますって」

岸本はそう言いますが、浅川を止めることはできませんでした。

「なんで殺されなきゃいけないのよ!!なんで、なんでなのよ!自分の仕事をちゃんとやりたいだけじゃん。何の罪もない人が、これ以上犠牲になるのを見ていたくないだけじゃん。一人の人間として、まともに生きたいだけじゃん。なんにも無茶なこと望んでない。当たり前の人間の、普通の願いがどうしてこんなにも奪われ続けないといけないのよ。こんなにも、心の中の一番大事なものを押しつぶされながら、どうやって生きて行けばいいんだよ。どうやって希望を持てばいいんだよ。希望が、希望がどこにも見えないよ」

希望

岸本と資料の奪い合いになり、その弾みでボイスレコーダーが床に落ちてしまいました。一旦冷静になった浅川は、ボイスレコーダーが壊れていないか再生させます。

「そうですか。今、少し僕は、神様に感謝しました。このことをそういう岸本さんという方に預けることができるのだと思うと、真っ暗闇の中に一筋、細い光が差した気持ちです」

ボイスレコーダーは壊れていませんでした。そして、聞こえてきた大門亨の言葉に、浅川は大事なことを教えてもらった気がしたのです。

長年使えていた男に殺されることになった亨の胸に、最後に差した一筋の光。それは、目の前の岸本を信じられるという喜びでした。

「そうか、あのさ、希望って、誰かを信じられるってことなんだね。岸本くん、ありがとう。今日までいつも、目の前にいてくれて。君がいてくれたから私、今日までやってこれたんだね」

希望を見出した浅川は、泣きながら笑います。そして、岸本はその言葉に涙を流すのでした。

吹っ切れた

翌日、いつものようにランニングしながら出社する浅川。

「なんてバカなんだろう。何をやってたんだろう。これまで出会った誰もが、ずっと私に教えてくれていたじゃないか。信じあえない苦しみと、信じあえることの喜びを。希望がないなんて、もう二度と言わない」

そんなことを考えながら、浅川は吹っ切れた様子です。途中、岸本に電話して、重大なことを伝えました。

それから、局に着くと、ニュースエイトの打合せです。打合せが終わって、ディレクターの滝川を呼び止めました。

「相談したいことあるんだけど、いい?」

しかし、その相談に難色を示す滝川。浅川は「めんどくない」と言って、滝川を会議室に連れて行くのイでした。

ゲリラ放送の協力

浅川から見せられた原稿は、大門のもみ消した事件のものでした。

「もういい、正気か?正気か?正気か?」

どちらかと言えば、驚きすぎて正気ではなくなっているのは、滝川の方でした。浅川は、3回聞かれて「正気だよ」と答えました。

「無理だよこんなの。できる訳ないだろう、うちでさ」

滝川の言うことは、もっともです。スクープを届けるのがニュースエイトの本来の目的ではありません。正式に発表された正確な情報を届けることが、ニュースエイトの役割です。

「ごめん。できるかどうかを相談してるんじゃなくって、やるの私、これ。トップニュースでやる。だから最初のVTRとして、これを差し込んで欲しい。内容はこれ。村井さんが撮った大門亨の証拠映像。あとで上に聞かれたら、滝川君は何も知らなくて、私に騙されたことにしていいから」

浅川はフライデーボンボンでやったゲリラ放送を、ニュースエイトでやろうとしているのです。

もう覚悟を決めた浅川は簡単に言いますが、滝川は「無理無理」と言って引き受けません。

「責任取って辞めるから、私が」

浅川はそう言いますが、それだけでは済むはずがありません。ニュースエイトが終わり、局が吹っ飛ぶ程の破壊力です。

狂ってる

「うーーん。番組が飛ぶって、大変ちゃ大変かもしれないけど、よく考えればそんなに大変じゃないよね」

浅川は報道は「真実を伝えるのが仕事でしょ」と言って引き下がりません。しかし、その正論を滝川が受け入れられるはずもありません。

「勘弁してくれよ、中学生かよ」

そう滝川が言うと、圧倒的な正論で浅川は反論します。

「そもそも大門亨が告発した時にちゃんとうちが報道していれば、副総理は失脚してた。そしたら大門亨は死なずに済んだ。私たちが圧力に屈して、本来の役割を怠ったばっかりに多くの人が犠牲になってきたか想像したことある?その人たちに言えると思う?”すみません、番組の方が大事だったんで”って。そして同じことを、この先も続けて行けると思う?私はやっぱり言えないと思った。私はもう誰の信用も裏切りたくない。信用を裏切るってさ、その人から希望を奪うってことなんだよ。二度とやりたくない。ってか、もうできない。なので、ご協力お願いします」

滝川には、それは浅川が自滅しようとしているようにしか見えません。

「自滅って決めつけないでよ。成功するかも知れないじゃない。あ、滝川君がそのVTR流さなくっても、私はこの原稿読むから」

そんな覚悟を決めた浅川を見て、滝川は「狂ってるよ」と言うのでした。

助けを呼んだ人

滝川は、対処に困ってプロデューサーのところに行きました。しかし、話しすら聞いてもらえません。

そして、仕方なく滝川は、誰かに電話しました。

メイク室で珍しく浅川は緊張していました。それをメイクさんに指摘された浅川は、深く深呼吸します。

そして、緊張した面持ちでスタジオに入り、浅川は出番を待ちます。

そこに現れたのは、滝川に呼ばれた斎藤でした。

「とりあえず、話しをさせてくれないか?」

齋藤が浅川にそう声を掛けると、浅川は「ごめんなさい」とだけ答えます。

「ちょっと外してもらえますか?10分でいいんで」

斎藤がオンエア前の大事な時間に無茶を言い出しました。プロデューサーも怒ります。しかし、事の重大さを知っている滝川が「10分休憩で」と大声を上げ、休憩に入りました。滝川がみんなをスタジオから外に出します。

説得

スタジオに立つ、浅川と斎藤。

「10分って、無駄ですよ。たった10分で覆るような覚悟で、この場に立っていると思いますか?」

浅川の頑固さを知っている斎藤は、よくわかっています。

「わかってるよ。滝川は君が頭がおかしくなったと言っていた。君はここにいる誰よりも正気だ。入ってきた時にそれがわかってゾッとした。今のところ俺の読みは、8:2で俺が負ける。それでも俺はやってみるしかない。単刀直入に言う、今夜の君のラインナップから大門副総理のスキャンダルに関するニュースを外して欲しい」

しかし、浅川は「できません」と答えました。

「大変なことになる。俺は別に君のキャスター生命とか、番組や局の将来のことを心配してる訳じゃない。そんなこと正直どうでもいい。俺が案じてるのは、この国の行く末だ。つまり、君が案じてるのと同じ、この国の人々のことだよ。国の副総理が強姦事件をもみ消し、被害者女性が自殺した。君がそのニュースを報じれば、望み通り大門は失脚する」

反論

斎藤は畳みかけるように話しを進めます。

「しかし、ことはそれでは終わらない。政界全体にも最大規模の激震が走る。内閣総辞職、どころか政権交代も起こりうる。これほど世界情勢がひっ迫している状況で、そんな事態に陥ることがどれだけ危ういことか、君にも想像できるはずだ。国政も司法も混乱を免れない。国際的信用も失われ、株は暴落するだろう。国家的危機の中で何が起こるのか、誰がどんな悲劇にあうのか読めない。君にも読めない。君に取れる責任なんて、君の進退ぐらいなんだ。そんな人間が切っていいカードじゃないんだ」

斎藤の言葉を聞いて、浅川は反論します。

「おっしゃることはわかります。確かに影響は計り知れない。しかし、どれもまぎれもない真実なんです。この国の司法は、正しく機能していない。既に危機なんです。病人は自分の病名を知らなければ、正しい治療なんかできない。どころか、明らかに病気であるにも関わらず、明日の仕事に差し支えるからという理由で、その事実を教えてもらえないなら、そんな体は近い将来どうなりますか?」

信じて欲しい

問いかけますが、答えを待たずに続けます。

「知らせるというカードを切った時の責任は、私個人に負い切れるものではないかも知れません。でもじゃあ今、知らせないというカードを切っている人は、その人はその責任を負えるつもりで切っているんでしょうか?私にはそうは思えません。そしてそれが、最善のカードだとも思えません」

斎藤は反論します。

「最善ではない。確かに最善とは言えない。でも信じて欲しい。現時点ではかろうじて、君のカードよりはマシなんだ。それからこれは信じてもらえないかもしれない、だけど約束する。時間をくれ。俺がしかるべき力がついた時には、今日君が言ったことに必ず答えてみせる。今日の君のとも、俺のとも違う、より建設でより有効な方法を見出してみせる。君もそうだし、俺もまた、この国という体の一つの細胞なんだ。膨大な全体に対して一人ができることなんて限られてる。一つ一つやって行くしかないだ。末期がん患者の免疫細胞だって、きっとそう思って毎日仕事をしていると思う」

そう言われた浅川は、斎藤の視界から外れるのでした。

交換条件

浅川は振り向くと、斎藤に向けて交換条件を提示しました。

「では、本城彰を逮捕させて下さい。今日以降、本城彰に関する報道に一切邪魔をしないこと。警察が逮捕に動くのを止めないことを約束して下さい。事件と無関係な事情で、捜査を歪められるのをこれ以上繰り返させるわけにはいきません」

斎藤は考えて、少し離れて電話しました。

「・・・ただ、交換条件として本城彰の逮捕をとのことです。用は例のネタと差し替える形で・・・」

漏れ聞こえている内容は、斎藤が誰か(たぶん大門)に確認を取っています。電話を切る前に斎藤は浅川を見つめます。浅川は強い意思を持って、見つめ返しました。

「今夜のトップニュースで出して構わない。ただし、大門と本城の父親との関係についてはオフレコで。明日まで待つと、君は事故か病気で出れなくなるよ」

そう言うと斎藤は握手の手を伸ばします。握手し返す浅川。見つめあって、斎藤は出て行きました。スタジオに入ってきた滝川に、浅川は肩を叩かれました。内容を聞いていたのかも知れません。

電話

浅川は岸本に電話しました。お菓子を食べている岸本は、鳴った電話に出ました。

「岸本くん、今どこ?」

そう聞かれた岸本は、大洋テレビのロビーにいます。

「今朝、浅川さんがあのネタやるって連絡くれたじゃないですか?さすがに家でボケっとオンエア見るのもなって、なんとなく来ちゃいました。え?本城彰のですか?作ってますよ。いつから準備してると思ってるんですか。おお、はい、わかりま・・・」

話しの途中で電話が切れました。そして、エレベーターが降りてくると、飛び出したのは浅川です。浅川は走ってきて、岸本に抱き着きました。

「もう最高。君、最高。流すよ、これ。トップニュースで。あとでね。電話しておいて。みんなに」

岸本のほほをつまんで、ビンタをした浅川。本城彰の映像を受け取ると、すぐにエレベーターに乗って上がっていきました。

岸本は、外に出て電話します。その時、帰ろうとする斎藤が車で目の前に停まりました。

斎藤が電話してるのを見つめる岸本。岸本の存在に気づいた斎藤ですが、何も言わずに車で出ていくのでした。

「あ、チェリーさん?」

繋がった電話の相手はチェリーでした。チェリーは仕事を投げ出すと、ロケバスに乗り込みます。

「8チャンネル付けてください」

岸本が連絡した人たちは、みんなニュースエイトを見つめるのでした。

ニュースエイト

そして、始まったニュースエイト。浅川は、落ち着いて話し始めます。

「まずは速報です。かねてより放送してきました八飛山女子中学生殺人事件。死刑が確定している松本死刑囚が冤罪であるということを裏付ける、新たな事実が今回番組の取材で明らかになりました」

そう切り出した浅川は、落ち着いて話しを続けます。

「松本死刑囚が冤罪であるという証拠と共に、事件の真犯人である可能性が高い一人の男性が浮上してきました。私たちはかねてより、松本さんのとは違う目撃情報に注目していました。その謎を解き明かしてくれたのが、昨年の6月に何者かによって殺害された中村優香さんでした。優香さんの友人の証言により、この真犯人と思われる男性Aと優香さんが親しい関係だったことが明らかになったのです」

男性Aは、謎の男・本城彰のことです。

「こちらが店内のAを撮影した写真です。髪が長く、背の高い男性です。さらに注目していただきたいのは、Aが首に巻いているストール。このストールを優香さんがAから譲り受けていたというのです。彼女の遺品の中にそのストールが残されていました。左がストールから検出されたDNA、右側が晴美さんのスカートから検出されたDNA。この二つのDNAは、99.9%同一人物のものという結果になりました。つまり、井川晴美さん殺害事件に関しては、限りなくこの男性Aの犯行の可能性が高いというこです」

待っていた人達

そして、現状本城彰の所在がわからないことを伝えます。

「2009年にAは海外に出国し、2017年まで海外にいたのです。そして、翌2018年に中村優香さんは、殺害されました。これでもまだ松本さんが犯人だと言えるのでしょうか?私たちは、松本さんの冤罪の可能性が限りなく高いと考えます。いずれにせよ、現在所在不明となっているこの男性が、事件について何らかの重要な情報を持っていると考えます」

その放送を聞いていたのは、井川晴美の姉・スミカ木村弁護士中村優香の母親は子供と一緒に寝て見ていませんでした。斎藤は車で放送を見ていました。そして、笹岡は新聞社で見ています。

「明日の朝刊トップ、差し替えになるかもしれませんよ」

もちろん、岸本も見ています。

村井

放送終了後、エレベーターから降りてきた浅川は、後ろを気にしています。そして、突然岸本に声をかけられて、浅川びっくりして転んでしまいました。

「オンエア終わる前から、スタジオにお偉いさんがずらっと並んでて、終わった瞬間にお疲れ様でしたって逃げてきた」

そう言う浅川を連れて、岸本は局の外へ出ました。

そして連れてこられたのは、岸本が村井に連れてこられた牛丼屋です。浅川は寝てしまっていました。

「どうします?」

岸本に起こされた浅川は「大盛りで」と答えます。

「村井さんに浅川さんと牛丼食いに行きますってラインしたんだけど返信来ないですね」

岸本は、連絡が取れない村井のことを心配しています。しかし、村井を心配している場合ではありません。

そして、出された牛丼を、美味しそうに食べる二人。

浅川は、壊れだした体のせいで、食事をまともに取っていませんでした。食事をして、空腹を満たすと、なんだか元気が出てきます。

「ああ、何か何とかなる気がしてきた」

浅川がそう言うと、岸本も「何とかなりますよ」と答えます。

その時、牛丼屋に入ってきた人物がいました。村井です。村井の姿を見ると、浅川も岸本も笑顔になるのでした。

1年後

2020年10月。浅川はマスクしながらニュースエイトの打ち合わせをしていました。事故や病気で消されることはなかったようです。

「お前なんでそれ聞かねえんだ。ばーか、ぼーけ、かーす」

村井は岸本を怒っています。

「聞いた方が良かったですか?」

そう岸本が聞くと、村井は「当たり前だろう」といつものパワハラ的な態度で岸本を怒ります。

「忖度してんじゃねーよ。そんなんネットじゃ、通用しねえぞポンコツ。だからテレビ出はダメなんだよ」

岸本も負けていません。

「村井さんこそ根っからのテレビマンじゃないですか」

そう言って反論するのでした。二人は、村井映像企画という会社を設立したようです。

斎藤は若者と勉強会をして、知名度を上げています。

笹岡は、新聞記者として大門に取材しています。しかし、相手にはされていませんでした。

チェリーは、松本にカレーを作っています。そして、一緒に食べると、その後ケーキを食べました。あの日、誕生日ケーキを始めて食べた時と同じように、チェリーは涙を流していました。

そして、ニュースエイト。

「こんばんは、真実をまっすぐに、ニュースエイトの時間です」

浅川は自信を持って、放送に臨んでいまいた。

最後に

実に面白かった。

結局、大門との対決はありませんでした。そして、本城彰が逮捕されたのかもわかりませんでした。しかし、松本死刑囚は釈放されました。

ラスボス大門を倒すところまでいかないのが、リアリティがありますよね。普通のドラマなら、ニュースエイトに出演するために大門がやってきて、浅川と対決するような流れでしょうか。

そして、ガセネタとして扱われたあの深夜の電話は、ガセネタでした。。。

脚本良く、俳優が良いと、こんなにもドラマは面白いのかと思わせられました。

2時間ドラマで、放送後の回収をやって欲しい気もするけど、しない方が余韻があっていいんでしょうね。いいドラマは終わるのがもったいないです。