解雇通告 は、岸本が受けた通告です。
本城彰の存在がわかり、事件との関りを調べ始めました。そして、岸本はたどり着いてしまったのです。
しかし、岸本と周辺の人間関係は大きく変わってしまいました。
そんな第8話のネタバレです。
主な登場人物
浅川恵那 長澤まさみ アナウンサー
岸本拓朗 眞栄田郷敦 経理部異動
斎藤正一 鈴木亮平 フリージャーナリスト
本城彰 永山瑛太 雑貨屋?
大山さくら 三浦透子 通称:チェリー、ヘアメイク
村井喬一 岡部たかし 子会社異動
大門雄二 山路和弘 副総裁
松本良夫 片岡正二郎 死刑囚
海老田天丼 梶原善 番組MC
滝川雄大 三浦貴大 報道局ディレクター
名越公平 近藤公園 チーフプロデューサー昇格
笹岡まゆみ 池津祥子 首都新聞記者
木村卓 六角精児 死刑囚の弁護士
岸本陸子 筒井真理 拓朗の母、弁護士
第8話のストーリー
調べて欲しい
岸本は、八飛市の商店街の喫茶店で聞いた噂を浅川に報告しました。その報告を聞いた浅川は、岸本に調べるように言います。
「調べて、本城彰って人。すっごい気になる。ごめん、ぜんぜん確証ないんだけど、ぜんぜん直感なんだけど、調べて欲しい」
浅川は本城彰に会っていますが、岸本は会ったことがありません。そのため、岸本は相当に怪しげな人を想像していました。
しかし、岸本が商店街の喫茶店で聞き込みをすると、予想外の答えが返ってきたのでした。
「最近の言い方で言うと、雰囲気イケメン?なんていうかちょっと陰があって、でも挨拶とかはちゃんとしてくれて。感じいいのよね」
ウェイトレスのおばちゃんは、本城彰のことをそう言うのでした。岸本にはぜんぜんわかりません。「怪しげな感じ」とか「危険人物っぽい」などと的外れな質問を繰り返します。
「バカねーあんたモテないでしょ?魅力的だってことよ。ようするに、あんたみたいな坊ちゃんにはない色気があるって意味」
首都新聞の調査能力
テレビ局の食堂で首都新聞の記者・笹岡から、岸本は調べた結果を聞いていました。
「本城家の長男なんですけどね、やっぱり外国行ってましたよ。2009年から2017年まで。シンガポール、バンコク、マニラ、ハノイ、マレーシア。理由はわかりませんけど、対外的には海外留学してるってことにしてたみたいですね」
そう言うと、本城と大門の関係についても説明してくれました。
「本城建託は大門さんの最大の後ろ盾ではあるんですが、結構グレーな会社ですね。だから、あくまでも極秘の関係みたい」
そして、笹岡は本城彰のいなかった期間に注目しました。
「2009年から2017年までの間この人、日本にいなかったわけですよね?井川晴美事件から中村優香事件までの間が約12年間。その空白に丸っと入りますね」
海外逃亡に逃亡していた可能性があります。笹岡は、浅川の勘と同様に追った方がいいと岸本に言うのでした。しかし、岸本は、釈然としません。
「やたら評判いいんですよ、この人。商店街のおばさんとかに。モテるタイプっぽいんですよ」
笹岡は「だからこそ」だと、何もわかっていない岸本を笑うのでした。
女心
やっぱり岸本にはわかりません。
犯人は相当に魅力的な男で、これだけの女の子たちが揃いも揃って、男と一緒に八頭尾山に入って行ったのです。でも、危ないやつだとわかっていて、ついて行ってしまう気持ちが理解できないのです。
「それだけ魅力的なんですよ。そういうものに強烈に惹かれる瞬間があるんですよ。特にこういう年頃の女の子たちには」
岸本は部屋で悩みますが、どんなに悩んでもわからないのでした。
仕方なく浅川に「女がわかりません。助けて下さい」とメッセージを送りますが、浅川はニュースエイトの報道の内容で、上司と戦っている最中でした。
聞き込み
岸本は考えるしかありませんでした。
「仮に、本城彰が井川晴美殺害後に海外に逃亡し、2017年に帰国してこの店を開いていたとして、中学生の中村優香はどうやって本城彰と出会うだろう?平川警視からもらった中村優香のデリヘル客のリストに、本城彰の名前ははなかった。携帯の写真にもそれらしい男は見当たらない。考えてもわかるはずがない。よし、人に聞こう」
仕方なく岸本は、中村優香の学校へ聞き込みをするのでした。しかし、大人が子供達に聞き込みをしていると、不審者として扱われてしまうものです。案の定、岸本は生徒に逃げられ、教師に睨まれるのでした。
そんな時、野球部の少年一人だけが、岸本に話しをしてくれました。
「中村優香ですよね?僕の家の近所にタカオカって女子の家があるんですよ。そこによく、来てました。タカオカヒカルです。小学生の頃からずっと仲良かったです。今は、ずっと引きこもってます」
タカオカヒカル
岸本は事前に連絡し、タカオカヒカルの家に行きました。
しかし、岸本の問いかけにヒカルは、あまり協力的ではない答えをするのでした。
「あの、僕は今、26歳のテレビ局に勤めてる男ですが、正直中学生の女の子がどんなことを考えているかとかぜんぜんわからないんだよね。だから聞いちゃ悪いことでも、率直に聞いてみるしかないんだけど、ヒカルさんは嫌いだったのかな?優香さんのこと」
そう聞くと、ヒカルは「向うが裏切った」と言うのでした。ヒカルは優香に好きな人を奪われたというのですが、ヒカルはその好きな人の名前は知りません。
「本当に知らないです。めっちゃ大人な人なです。何か、その人小説とかに詳しくて、いろんな話してくれたりとか。他にあんまそういう話しできる人がいなかったんで」
それを聞いた優香が一人でその人の店に見に行ったのです。そして、優香の感想は「オヤジ」だとか「マジない」というようなものでした。
「しばらくしてから、なんか黒いストールみたいなのしてきて、聞いたらその人にもらったってめちゃくちゃ嬉しそうに言ったんですよ」
そのことでケンカし、その10日後に優香は遺体で見つかったのです。ヒカルはひどいことを言ってから、謝ることができませんでした。
岸本は「その人の店」に引っかかりました。その店は、駅前の商店街のあの店だったのです。
その事実に岸本は驚き、興奮して鼻血を出してしまいました。
写真
岸本は図らずも、超重要参考人を見つけてしまいました。ヒカルと一緒に岸本は、優香の遺体遺棄現場へと行きました。
友達が殺されたヒカルは、ヒカルの好きな人が犯人かも知れない状況です。岸本は何を聞いていいかわかりません。
ヒカルは現場に花を供えると、一人手を合わせています。
帰り道、少しだけ心を開いたヒカルが、優香との写真を見せてくれました。
「優香。この時一緒にタピオカのみに行ったんですよ。一緒に祭りに行った時」
そんなヒカルに言葉をかけてあげたいと思う岸本でしたが、上手くまとまらないまま話し出します。
「あのさ、友達が死んじゃうって辛いことだと思うけど。実は、俺も経験あるんだ。君ぐらいの年の時に。だからめっちゃわかる。こんなこと言ったって何の役にも立たないのもわかってるけど、元気出して。優香さんの分も。ごめん、余計なことを」
その時、ヒカルは岸本に男の写真を見せました。
「この人。優香が隠し撮りして、私に送ってきたんですよ。あと、これも。優香、隠し撮りめっちゃ上手いんですよ」
辿り着いちゃった
井川晴美事件の担当刑事・平川と岸本は待ち合わせしていました。平川は、岸本と一緒にいるところを見られたくないので、さっさと用事を済ませようとします。
「じゃあ、単刀直入に聞きますけど、これ写真抜いてますよね?中村優香さんの携帯の写真データ、全部じゃないですよね。嘘つかないで下さいよ。写真下さい」
しかし、平川は「抜いてません」と繰り返すだけです。岸本は平川に近づくと、「本城彰」と言いました。平川は驚いた顔をしています。
「本当はもうわかってるんですね、警察も。本城彰が真犯人だってこと。だから抜いたんですよね。さすがに本人の写真を渡すのはまずいと思ったんですか?わかりますけど。でも、僕もう辿り着いちゃって、欲しいんですよ写真。ください」
脅迫ですか
それでも、平川は「ちょっと意味わかんないですね」としらばっくれるしかありません。そこで、岸本はボイスレコーダーを手に平川に迫ります。
「じゃあこれ、聞いてみます?聞かなくてもわかりますよね。平川さんが僕から50万受け取って、八飛署の内部告発もちかけて来た時の会話、録音したやつです。こういうの上司とかに聞かれたら、平川さんマズイですよね」
平川は「脅迫ですか?」と岸本に確認します。岸本は怯まず、そう思うならそうだと言い放ちます。仕方なく平川は、音声データと引き換えに写真を渡すことを約束しました。そして、もし約束を破った場合、それ相応の対応をすると岸本を脅します。
岸本は平川がいなくなると、一気に気が抜けてしまいます。録音データなんてありません。そんな用意周到なことは、岸本にできません。
夜、平川からメールが百々来ました。送ってきたのは、タカオカヒカルとの写真と、ヒカルが言っていた黒いストールを巻いた優香の写真、そして本城彰の写真でした。
優香の遺品
岸本は中村優香の家の前に行きました。そこに優香の母が子供と帰ってきました。優香の母は、岸本の姿を見ると後ずさりします。
岸本は何も言わず、土下座しました。そして、優香の母にお願いします。
「お願いします。どうか、どうか僕の話を聞いて下さい」
優香の母は、岸本の話を聞いて、家に招き入れました。そして、段ボールから、優香の遺品を見せてもらいます。
その頃、浅川は泣きながら寝ていました。場所は、エステ店です。
「首肩がすごく凝ってました。あと腰もかなり」
その時、岸本から連絡が入ります。岸本から送られてきた写真は、優香の遺品の写真でした。
そして、その優香の遺品を詰めた段ボールの中にそのストールはありました。岸本はビニール袋をもらい、そのストールを受け取りました。
「それで、犯人は見つかるんですか?」
母親はそう聞きますが、岸本ははっきりと言うことができません。
「いや、わかんないです。けど、やれるだけのこと、やってみます」
その言葉を聞いて、母親は涙を流すのでした。
DNA鑑定
翌日、岸本は3つの研究機関にDNA鑑定を依頼してみました。長く使われたものなら、唾液や髪や髭などが付着している可能性があるというのです。
ただ、ストールから検出されたものが井川晴美のスカートから検出されたものと型が一致すれば、松本死刑囚が犯人でないことが証明されるのです。その型が本城彰本人のものと一致すれば、少なくとも井川晴美殺害の犯人と断定できるはずです。
そして、3つの研究機関全てで、井川晴美のスカートから検出されたDNAと完全に一致したのです。岸本は激しく興奮して、速攻で浅川に報告しました。しかし、反応は妙に鈍かったのでした。
報道の方針
岸本は、取材したものを報道に持ち込みました。
対応してくれたのはディレクターの滝川と、遅れてやってきた浅川です。
「じゃあ、僕から。とりあえず、ネタの提供ありがとうございました。一応先ほどうちの番組の会議でも、これを我々の番組内で扱えるか検討したんですけど、後追いとしてはできるけどスクープとしてはやれないということになりました」
しかし、岸本はこれほどの内容を使わない理由がわかりません。
「一番問題なのは、正式な警察発表じゃないってことかな。信憑性の問題です。だから、その結果を疑ってる訳じゃないです。きっと松本さんは犯人ではないし、真犯人は本城彰なんでしょう。でも、これほど重要なことを警察も認めてないで、我々が公表してしまった場合のハレーションの大きさと、責任の重さを考えたらできないってことなんです」
しかし、警察に持ち込んでも公表されるはずはありません。警察からすれば、自分たちの過ちを公表するのも同然です。そうなると、永遠に松本死刑囚は釈放されませんし、真犯人は野放のままです。
報道としては、スクープっていうリスクの大きいやり方では報じることはできません。しかし、どこか他が報じて、それに対する政府とか警察とかの反応を見た上で、後追いという形では報じることができると言うのです。
浅川の立場
岸本は、浅川を睨みます。
「浅川さんはそれでいいんですか?」
岸本はそう問いかけると、浅川は岸本の顔を見ずに答えるのでした。
「現実的だと思ってる。岸本君が自力でこの事実を手に入れたのは、本当にすごいし、それに一番最初に私たちに届けてくれたのは、心から感謝してる。でも、ごめんなさい。ニュースエイトが目指しているのは、派手なスクープで視聴率を稼ぐようなやり方じゃなくって、いかに堅実で丁寧な報道で視聴者の信頼を得るかってことなんだよ」
浅川は、ニュースエイトの看板キャスターです。金曜深夜のバラエティー番組のようにはいきません。岸本は反発します。
「当り障りのないことだけやってたいってことっすか。まあいいんじゃないですか、自分たちの立場を損ねないだけの努力を、勝手に”堅実で丁寧”だとか呼んでれば。村井さんがクソみたいな報道とくさすわけですよ」
岸本はそう毒づくと、一人さっさと出て行くのでした。
助けを求めた人
ディレクターも帰り、一人残った浅川は電話をしました。電話の相手は、村井でした。
「村井さん、あの。実はちょっと、相談に乗って欲しいことがあるんです」
浅川の相談は、岸本のスクープを世に出す方法でした。
そして、村井から紹介されたのは、週刊潮流という週刊誌の編集長・佐伯でした。
佐伯と村井は、20年来の腐れ縁です。そこで、岸本のスクープを週刊誌で先出ししてもらおうと言うのです。
「はー、これ君すごいよ。大スクープだよ。で、DNA鑑定は?」
岸本は、DNA鑑定の結果、一致したことを伝えます。そして、ストールから出た本城彰だと思われるDNAと、井川晴美の遺品から出た犯人のDNAが一致したことで、少なくとも井川晴美の事件に関して、本城彰が犯人で間違いないと伝えます。
スクープの行方
佐伯は、本城彰の居場所を岸本に聞きます。しかし、答えたのは村井でした。
「たぶん、親父が海外に逃がしてる。初めてじゃねえんだよ。松本が逮捕されてからも実は一人、18歳の女性(永岡あや)が八飛尾山で行方不明になってる。その直後、2009年から2017年まで本城彰は日本を出てて、その間に事件は起こってない。ところが帰国したら、僅かその1年後2018年にまた事件。で、また出国」
息子が事件を起こすと、父親が揉み消し、逃がしていたのです。
「一方、大門は裏で本城から多大な支援を受けている訳で、その長男が猟奇殺人者ってのはやっかいな話しだわな。その都度せっせとひねり潰してきたんだろうよ」
しかし、本当に本城彰を逮捕するためには、ストールのDNAが本城彰であることを調べないといけません。それは、警察にしかできないことです。
「なるほどね。で、本当にいいの?これうちのスクープにしちゃって」
情報の内容を聞いて、本当にスクープをもらっていいのかと確認しました。
「うちには本当にお構いなく。ぜひ、潮流でやってもらえれば」
浅川はそう言うのでした。佐伯は、スクープを発表すると約束しました。
批判
佐伯と別れ、浅川と岸本はタクシーに乗って帰ります。
「ごめん、本当に」
浅川は岸本に謝りました。岸本は不貞腐れています。
「まあしょうがないんじゃないじゃないですかね。潮流みたいな週刊誌で出したところで、どうせまた流れて行っちゃうだけでしょうけど。浅川さんはニュースエイトを守らなきゃいけない立場で、真実とかよりそっちが大事ってことですもんね」
そんな岸本に浅川は説明します。
「なんとか後追いはやらせてもらうよう、上を説得してみる。真実がどうでもいいなんて、そんな訳ないでしょ。ただ、現場って一筋縄ではいかない、複雑なんだよ。でも、できる限りのことはする」
しかし、浅川の説明に岸本は納得できません。
「みんなそう言いますよね。できないなら言わなきゃいいのに。言いたいだけでしょ、一番卑怯ですよ」
岸本の言葉に浅川は傷つきました。ニュースエイトの看板キャスターには、その番組のスタッフ達に対する責任もあるのです。
「君はお金持ちのお坊ちゃんだからさ、養わなきゃいけない家族もいない。心配もない。だからそんな理想を言ってられるんだよ。でも、他の私たちはそうじゃない。妥協しなきゃいけない時だってあるんだよ」
そう言われた岸本は、何も言わず無言でタクシーから降りるのでした。
信じていた
岸本は、浅川が追いかけてきてくれるじゃないかと思いました。しかし、浅川は来ませんでした。浅川からは、それから一切連絡も来なくなったのでした。
それでも、岸本は浅川のことを信じていました。
岸本は週刊誌の小見出しに口だしたりして、週刊誌の発売に向けて手伝っていました。岸本は情報提供者に自分の名前を使って欲しいと言います。それは、信憑性が高まるために必要だと思ったのでした。
「君の局内での立場、悪くならない?」
しかし、岸本は「クソ食らえ」と言うのでした。
「僕らだって、取材で実名とか顔とか使わせてもらってきたんです。僕だけ逃げる訳いかないっすよ」
そんなカッコつけたことを言ったのは、浅川のことを信じていたからでした。
解雇通告
やっと校了して、後は店頭に並ぶのを待つのみとなったその時、ニュースエイトで重大なニュースを伝えました。
「未成年を売春あっせん容疑男を逮捕。従業員リストに八頭尾山被害者の名前が」
浅川が読んだそのニュースは、短かったけれど、タイミングが絶妙ですごい破壊力でした。週刊潮流の記事は直前で流れ、あっと言う間に世論は違う方へ走っていってしまったのです。
そして、記事の掲載と同時に予定していた「被害者遺族の会の記者会見」も、流れて行ってしまいました。
井川晴美の姉・スミカに連絡を入れると、会見の中止の理由を語りました。
「ごめんなさい。晴美が風俗で働いていた女の子と同じ事件の被害者だと言ってしまうと、晴美も風俗で働いてたんじゃないかとか言う人が出てくると思うんです。せっかく誤解が解けたのに、またあの子を汚すようなことになってしまいます。これにはみなさん同意してくれました。会見は中止します」
そしてその数日後、岸本は解雇通告を受けました。解雇理由は、平川刑事を脅迫した疑いです。
武田信玄
このタイミングのニュースは、誰かの策略だとしたら、見事な手際でした。しかし、岸本は誰だろうと考えてみましたが、誰かわかりませんでした。岸本はびっくりするほど敵を増やしていて、誰の策略であっても納得でるのでした。
岸本は孤立してましたが、寂しくも怖くもありませんでした。それは、心底信じていられたからでした。どんなに世界が不可解でも、他人のことがよくわからなくても、浅川って人は簡単に思えていました。しかし、その簡単さに岸本はずっと救われてきたのです。そうじゃなくなってから、やっと気付いたのでした。
そして、退社の日、岸本が会社の廊下を歩いていると、武田信玄が走ってきました。
「おお、君。岸本拓郎くん。握手してくれたまえ。見てたぞあれ、ボンボン。いやー君がこんな立派な男になるとは思わず、いつぞやはとんだ失礼を申し上げた」
それは、浅川の遅刻で怒っていた役者・葛城でした。
「僕は応援している。信じている。君はどこで何をしていても、一流のジャーナリストだ。検討を祈る」
そう言って、葛城は撮影に戻って行きました。
「マジで世界って訳わかんね」
岸本は驚くのでした。
考察
前回の考察で、斎藤が浅川を助け、村井が協力すると考察しました。村井は協力してくれるのでしょうが、斎藤の動きはまだわかりません。
ただ、斎藤が大門に近づいた理由が、大門の罪を世に出すためだとしたらどうでしょう?政治部記者として大門に近づき気に入られ、そして大門の闇を暴こうとしているのではないでしょうか?
浅川に事件の放送をさせないようにしたのは、大門を守るためではなく、時期でないと判断したからかも知れません。
そして、本城彰を逮捕するために斎藤が大門を追い詰め、浅川がスクープとして岸本の調べた内容をニュースで伝えるのではないかと推測します。
最後に
岸本は経理部のくせに、昼間から動いていて、不思議です。そんな岸本が解雇通告を受け、退社しました。これからは、フリージャーナリストとして活動するようです。それは、くしくも先輩の斎藤を同じ肩書です。
今回ほとんど斎藤は出てきませんでした。しかし、キーになる人物なのは間違いありません。ただ、現状は大門の手駒になっている斎藤は、立ちはだかるのか協力するか?
そして、予告を見ると浅川がまた心身のバランスを崩してしまうようです。飲み込みたくないものは飲み込まないと言っていた浅川が、ニュースエイトを守るために飲み込んだ結果が体調に出てしまったのかも知れません。
そして、大門の秘書が登場します。
来週も楽しみです。