独立宣言 を認めることができない、やんごとなき一族第3話のまとめです。
以下、ネタバレを含みます。
専務としての初仕事
専務就任パーティを終え、自室でくつろぐ健太と佐都。
秘書の泉が来ていた佐都と同じ柄のドレスは、長男の嫁・美保子からのプレゼントだったことを健太は泉から聞き出していました。
秘書を追いかけた理由が、ドレスの件だったことに安心する佐都。
しかし、心配はそれだけではありませんでした。
「健太、泉さんのことが好きだったんでしょ?」
それを知っていることに動揺する健太。先に言っておくべきだったと反省します。
ただ、二人の関係はそれぐらいでは壊れません。
「週末旅行しない?俺たちの誕生日だし」
二人は同じ誕生日なんです。それが切っ掛けで、二人は仲良くなったのでした。
そんな週末の予定にワクワクしながら、夫婦でイチャついているところに電話が入ります。
その電話は、父・圭一からの電話でした。二人で呼び出されます。
「健太、大事な話がある。早速だが、専務としての初仕事を任せたい。
土曜日からの3日間、福岡に出張に行くぞ」
懇意にしている大地主から見て欲しい土地があると言われているらしく、土地の活用次第では大きなプロジェクトになるということでした。
「それをお前に任せたい。専務として認められるチャンスだ」
その言葉に喜ぶ健太。佐都との約束は守れませんでしたが、佐都も許してくれていました。
後継者争い
健太には出張を命じた圭一ですが、長男・明人には対応が違います。
「お前は管理会社から送られてきたクレーム処理をしておけ」
そう言って、後継者争いでどちらを後継者にするか試しているようでした。
そして、圭一は佐都には釘を刺します。
「健太は深山グループを支える大事な存在だ。
その健太を支え、ひいては深山グループ全体を支えるのが女主人の役目だ。
くれぐれも健太の足をひっぱるようなことをするな!!」
これには、「わかりました」と答えるしかない佐都でした。
バットバースディ
出張に出かける前、健太は佐都に伝えます。
「夜、電話する。戻ったら二人でお祝いしよう」
楽しみにしてると言って、佐都は健太を送り出しました。
送りだした後、義妹・有沙が佐都に電話をかけてきました。
「佐都さん、助けて・・・」
駆けつける佐都ですが、前回の助けてもろくなもんじゃありませんでした。
今回は、パーティで使ったクルーザーの片付けができないので佐都にやってもらおうという呼び出しでした。
今回もろくなもんじゃありませんでした。
ただ、姉として頼られたと自分を納得させようとしますが、やっぱり納得できませんでした。
「自分でやれっつーの」
そんな時、義弟の妻・リツコがクルーザーにやってきました。片づけをさせられているのを見て、クリーニング業者を呼んでくれました。
そして、リツコにパーティを開いててもらう佐都。その時、クルーザーの鍵はリツコに渡しました。
シャンパンタワーをやったり、セレブのパーティが始まり、唖然とする佐都。
「すごいけど、なんかな・・・・」と、庶民の感想を漏らす佐都でした。
浮気現場
「深山家に嫁いだ同士、励ましあわないとね」
そう言って、意気投合する佐都とリツコ。
深山家は、価値観が中世のままで、ここは江戸時代かと何度思ったことかなどと盛り上がります。
「あんな家でよく頑張ってるよ、佐都さんは」
そう言ってくれるリツコ。しかし、スマホの通知を見て顔色が変わります。
「動いた、あいつ仕事なんて嘘じゃない」
そう言って、会を突然お開きにしてしまいました。
そして、状況がわかっていない佐都は、リツコについて行き状況を聞きます。
「浮気してる。クルーザーのカギを預かったでしょ?そのカギを使ってGPSを取り付けた」
リツコの夫で佐都の義弟・大介が浮気をしていると言うのです。
「リツコさんは、てっきりそういうのを割り切ってるのだと思ってた」
しかし、佐都はリツコのことを誤解していたようです。浮気は許せないものです。
そして、湊に止めてあるクルーザーに乗り込むと、大介を探し回ります。
リツコより先に大介の浮気現場を見つけてしまう佐都。
「頼む、見逃して」
そう大介に言われます。しかし、佐都はリツコに大介の居場所を教え、修羅場と化してしまいました。
福岡出張
「福岡空港から15分、再開発地域になっております」
地元の土地の所有者から、そう説明を受ける圭一と健太。
その土地を見て、健太は準備していたプレゼン資料を見せます。
「ホテルを建てるのはどうでしょう?」
圭一は悪くない案だと言い、ザラスグループのバンノ社長を呼ぶように言いました。
バンノ社長はリツコの父でホテル経営をしています。
「深山社長から直々のご連絡とあらば、どこにでも行きますよ」
そう言って、バンノ社長は夜に福岡にやってきました。
福岡の土地のことはバンノ社長も知っています。あの土地に新しいホテルを建設するという健太に対して、ホテル経営をするならザラスグループに土地を売って欲しいと言います。
しかし、健太はザラスグループと深山グループで全く新しいホテルブランドを立ち上げたいと言って、土地を売ることはしないと言います。
そのプレゼンを聞き、「健太くんがこんな優秀なビジネスマンだとは」とおだてます。
秘書・泉
秘書の泉は、健太と一緒に出張にきていました。
そして、今回のプレゼンの資料を作るのも手伝っていたようです。
「おめでとう、健ちゃん」
昔からの知り合いで、親密さをアピールする泉。健太の方は嬉しそうではありますが、以前は「泉」と呼んでいたのが「立花さん」と呼び方を変えていました。
元々は健太が泉を好きだったようですが、今は佐都のことを一番に考えているようです。
そして、ちょっと電話してくると言って、佐都に電話をかける健太。
「誕生日なのに一人にさせてごめんな」
そう言って、佐都を慰めます。
そんな電話をする姿を見つめる、泉。なにか考えがあるようにも見えます。
「今日すんごいプロジェクトが立ち上がったんだ。ザラスグループと手を組むことになったんだ」
そう言う健太に心配する佐都。
「健太、実は今日ね・・・」
そうして、今日の出来事を話したようです。
修羅場
「大介!!どういうことだ!!」
帰ってくるなり怒声を浴びせる圭一。
大介は、リツコとはやっていけない、離婚すると言うのでした。
しかし、そんなことは許されるはずもありません。
「なーーにーー!!
ザラスグループとの繋がりが消えたらどれだけの損害になるかわからんのか。
まだ、バンノ家には伝えていない。今まで通り大人しくしていろ。
どうしても別れると言うなら、お前のために建てたマンションも美容クリニックも全て取り上げる。
当然だろう?お前の物じゃない」
怒り心頭の圭一。
そして、長男の妻・美保子が余計なことを言い出します。
「大介さんは佐都さんに見逃して欲しいと言ったそうね。
その時見逃していたら、こんなことにならなかったんじゃないかしら?
どんなことがあっても深山の家を一番に考える、それが女主人よ」
それを聞いた圭一は、更に怒ります。
「佐都!余計なことはするなと行ったはずだ」
大介とリツコが離婚することになったら、健太がすすめるプロジェクトにも影響があります。
専務就任の最初の仕事で、躓いてしまうかもしれません。
大介の思い
飛び出した大介を追いかける健太。大介の思いを聞きます。
「俺だって努力したよ。ずっと一緒にいるなら、嫌いあうより好きになった方がいい。
それぐらい俺にだってわかる。好きになろう、愛そうって。
でも、いつからかリツコの目を見れなくなった。
リツコの顔を見ていると、その向こうに親父の顔が浮かぶんだ。
それで、現実を思い出す。
俺の人生は、親父に支配されているということを。
少しでもリツコから、いや親父の支配から自由になりたかった・
夫婦だけど本当の夫婦とは言えない。
だってそうだろう?家同士のためにふりをしてるだけだ。
そういうのいい加減疲れたんだよ」
そう言う大介に健太は「大輔の気持ちはよくわかった、でも浮気していい理由にはならない」と言います。
それに反発する大介。
「何がわかっただよ。自分は好きな女と勝手に結婚して、そんなやつに俺のなにがわかるんだよ」
そう言って帰って行きました。
リツコの思い
大介とリツコは見合い結婚でした。リツコの一目ぼれだったようです。
結婚当初は、今のような感じではありませんでした。
大介も大事にしようとしてくれていたと言います。
しかし、いつからか大介が目を見てくれなくなっていったようです。
「一緒に暮らし始めてわかった、これ最悪じゃんって。
大輔の妻、だけと選ばれた訳じゃない。
どうして私じゃダメなの?」
リツコの気持ちは大介に届かなかったようです。
そんなリツコは、佐都と健太が羨ましいと言います。恋愛結婚で、「本当の夫婦」だからと。
しかし、リツコはもう諦めていました。みんなの言う通り、浮気のことで騒ぐのもうやめると言い出します。
一番の味方
「リツコさんと私って家柄は違うけど、少し似てるところがあるんじゃないかと思ってた」
佐都はそう健太に話します。
佐都は健太と愛し合い結婚しました。少なくとも今は、健太が味方でいてくれます。
「健太は一番の味方」
そうお互いが言える関係が理想ですね。そして、この家の中では、特に大切なことかも知れません。
リツコも大介が隣にいてくれて、お互いの一番の味方になれていたら、こんな状況にはならなかったかもしれません。
薔薇
「佐都さん、ちょっといいかしら?」
佐都は義母・久美に呼び止められました。圭一に一喝された後、二人と連絡が取れなくなっているといいます。
それを聞いて、心配になってリツコの家に見に行く佐都。
途中で、川辺に佇むリツコを見つけます。
リツコは、川にバックやブランド物を捨てまくっていました。
「大介が浮気するたびに買ったやつ」
ただ、ブランド品の量は、部屋いっぱいに置かれる程の量になっていました。
そこで、佐都は提案します。
「売りましょう」
贅沢ばかりしていたリツコに売るという選択肢はなかったようです。流石、庶民の佐都。
そして、買い取り業者を呼び、査定と買取をしてもらいます。
「そこそこには、なったわね」
と、リツコが言った金額が約3300万円。そこそこの基準ってw
そして、売ってできたお金の使い道をどうするか、佐都はリツコに問いかけます。
「欲しい物ないですか?リツコさんが本当にしたいことしましょう」
したいことに使う方が、前向きになれるという佐都。
しかし、リツコは「このお金は、大介に返そうと思う」と言うのでした。
それが一番前向きになれると思うという決断を、佐都はいいと思いますと後押ししました。
数あるブランド品の中に、一つ値段が付かないものがありました。
ブリザーブドフラワーになっている、薔薇一輪です。
佐都がリツコに見せると
「無くしたと思ってた。これ、大介がはじめてくれたプレゼント。
誕生日の日に花束をくれたの、一輪だけブリザーブドフラワーにしてたんだ」
どうしても枯らしたくなかったから、一輪だけですが大事にしてたんですね。
そして、ブランド品を処分して、すっきりした顔のリツコがいました。
二人の気持ち
数日後、リツコの父・バンノ社長が深山家にやってきました。
大介にリツコの所在を尋ねますが、いないという大介。
そこにリツコが登場しました。父・バンノ、義父・圭一の前で宣言します。
「今日はご報告があります。わたし、離婚します」
驚く圭一。
「リツコさん、その話は終わったはずだ!」
しかし、リツコの気持ちは変わりません。
「私たちの結婚は、家のための結婚。
ただ私はずっと寂しかった。
寂しさを紛らわすためにいっぱい買い物をしたけど、物が増えるたびにむなしさもどんどん増えた」
そう言って、自分の気持ちを打ち明けます。
「大介さんを愛していません。はじめて会ってからいままで一度も愛したことはない。
愛のない結婚生活のせいで、大介さんもずっと辛かったと思います。
だから、私たちの離婚を認めてください」
リツコが出した結論に大介も素直に話しだします。
「リツコごめん、小さい時からずっと親父の言いなりだった。進学も仕事も結婚も。
そして、俺の人生は、全部親父が支配している。だから、いつからか投げやりになっていた。
リツコとの結婚もそう。
ごめん、何度も逃げて、何度も傷つけて、本当にごめん」
しかし、圭一は認めません。
「くだらない演説は終わったか?離婚することは認められない。
大事なプロジェクトも動き出したところだ」
そう言って、絶対に認めない態度です。
二人の話しを聞いたリツコの父・バンノ社長も圭一と同じようなものです。
「どうやら育て方を間違えたようだ」
そう言って、リツコを批判しました。
独立宣言
「お待ちください。憚りながら、申し上げます」
そう言って圭一達の前に立ったのが佐都です。
「これ以上、リツコさんと大介さんの心が壊れていくのを見てみぬふりをするのを我慢できません」
そう言って、真向勝負を仕掛けます。しかし、圭一は変わりません。
「度の立場でものを言ってる?」
佐都も黙っていません。
「家族の立場です。幸せになるためには別れなきゃいけないときもあります」
それに対して、バンノ社長も黙っていません。
「健太君、嫁にここまで言わせていいのか?君はどうなんだ」
話しを振られた健太は、ためらうことなく言います。
「俺も佐都と同じ意見です。大介とリツコさんの決断を応援します。
家や会社のために個人が犠牲になる時代ではありません。
家同士の利益のために二人の人生を利用するのは間違っている」
佐都を守ろうとする健太ですが、圭一は認めません。
「ここはそんな甘い世界ではない。離婚は絶対に認めない」
しかし、もう大介もリツコも元には戻れないのです。
「認めてくれなくてもいい、もう親父の許可はいらない。
これは、俺たちの独立宣言だから」
そう言って二人は、それぞれ立ち去りました。
健太の窮地
「まさか健太くんが身内を裏切る人間だとはね、失望したよ」
そう言うバンノ社長は、新プロジェクトのプレゼンも青臭かったと、今更ながら否定します。
そして、リツコが離婚するなら身内ではないと、プロジェクトから手を引くと言い出します。
それで困るのは圭一も一緒です。
「本当にそれでよろしいのですか?
深山グループと繋がっていた方がザラスの株はあがる。
本当にこのままお帰りになってよろしいのですか?」
そして、圭一は落としどころを見つけます。
「こうしましょう。健太をプロジェクトの担当から外します。
今後の担当は長男・明人に任せます」
長男夫婦にとっては、思わぬところから転がってきた大チャンスです。
もちろん、明人はもちろん引き受けます。
「そういうことであれば、プロジェクトは続けましょう。
今後とも末永くよろしくお願い致します」
そう言って、バンノ社長は帰って行きました。
バンノ社長が帰った後、圭一は佐都に言います。
「佐都、健太の足を引っ張るなと言ったろう!
やはりお前のは健太の隣にいるべき人間ではない!
出ていけ!二度と深山家に顔を見せるな!!」
佐都らしさが、健太と共に窮地に立たされてしまいました。
最後に
義弟夫婦の離婚騒動に巻き込まれてしまった庶民。
しかし、なんだかしっくりこなかったんです。
佐都側から見ると、中世的な深山家。ただ、今の時代の庶民の感覚ではおかしく感じるだけではないでしょうか?
深山家から見れば、時代にそぐわないとは言え、そのシステムで上手くやっている訳です。
そこに異分子ともいう庶民がやってきて、かき回しているように思えるのではないでしょうか?
佐都の行動は一面では「正しい」のかも知れませんが、結局佐都の正義を押し付けているだけではないのかという気がしています。
もちろん、人権を無視することはできません。ただ、今のシステムに変えた時に深山家は存在できるのかが疑問です。
例えば一般的な家同士の結婚で、夫側の家(あるいは妻側の家)が変わっていたとしたら、どうでしょう?
そこで、「変だ、古い」と言ってその家のシステムを変えようとするのは、本当に正しいことなんでしょうか?
そういう意味で、なんだか違和感が残ってしまいました。
出ていけと言われた佐都。そして、プロジェクトを外された健太はどうするのでしょうか?