別れと初恋 舞いあがれ(10) ネタバレ

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別れと初恋 は第10週のサブタイトルです。

航空学校の帯広フライト過程も進み、プリソロチェックが行われます。

9週の一番最後に柏木が舞に言おうとしたことは、なんなんでしょう?

その辺もはっきりする、第10週のまとめです。

舞あがれ!公式HP

主な登場人物

岩倉舞   福原遥     パイロットを夢見る学生
梅津貴司  赤楚衛二    舞の幼馴染、元システムエンジニア
望月久留美 山下美月    舞の幼馴染、看護師

才津祥子しょうこ  高畑淳子    舞の祖母でめぐみの母
岩倉浩太こうた  高橋克典    舞の父
岩倉めぐみ 永作博美    舞の母
岩倉悠人はると  横山裕     舞の兄、ヘッジファンド

柏木弘明  目黒蓮     同期。航空一家
矢野倫子  山崎紘菜    同期。帰国子女
中澤真一  濱正悟     同期。妻子持ち
吉田大誠  醍醐虎汰朗   同期。母子家庭
水島祐樹  佐野弘樹    同期。御曹司
大河内守  吉川晃司    フライト過程教官

梅津勝   山口智充    貴司の父。浩太の幼馴染のお好み焼き屋
梅津雪乃  くわばたりえ  貴司の母。勝の妻
望月佳晴  松尾諭     久留美の父。元ラガーマン

第10週のストーリー

何なん?

プリソロチェックの前日、体育館で自主練をしていた舞の前に柏木がやってきました。

「岩倉・・・俺、お前のことを・・・」

そこまで言っておきながら、柏木はその先が言えません。柏木の次の言葉を舞は待っています。

「あはは。いや、ごめん。何でもない。じゃあ、明日」

柏木は走って帰っていきました。一人取り残された舞は、どうしたらいいのかわからなくなってしまいました。

「なんなん?」

中澤の妻からの手紙

倫子が、中澤と吉田の部屋にきていました。中澤に呼び出されたようです。

中澤が倫子を呼んだ理由は、中澤の妻からの手紙でした。その手紙の中には、離婚届が入っていました。倫子は、プリソロチェック前日に届いたことにビックリしています。

「向うは俺の事情なんて知らないからな。もちろん書く気はない。でも、さすがに応えるな。俺なりに家族のためにパイロットを目指していることを伝えてきたつもりだった。けど、ぜんぜん伝わらない」

倫子は、離婚届を掴むと、本棚の後ろに入れてしまいます。

「ナヨナヨするぐらいなら、明日のプリソロチェックに集中しなよ!それぐらいの覚悟を持って、ここに来たんでしょ」

そう言うと、倫子は部屋を出て行ってしまいました。倫子に檄を飛ばされ、中澤は何も言うことができませんでした。

寝れない

舞はベッドで横になりますが、柏木が何を言いたかったのか考えると寝れません。

「あかん、寝られへん。明日はプリソロチェック、寝な、寝なあかんねん」

ただ、焦れば焦る程、寝られなくなるものです。しかし、気が付けば、舞は夢の中にいました。

夢の中で、舞は飛行機を操縦しています。大河内に声を掛けられ、舞が振り向くと、大河内が柏木になっています。焦る、舞。

大河内からの指示と、柏木の声の両方が聞こえ、舞はパニックになってしまいました。

うなされて起きると、もう朝になっていました。倫子はまだ寝ています。

それから、準備をし、着替えて食堂に行くと、柏木と目が合いました。なんとなく気まずい舞は、柏木の正面ではなく、離れた位置に座りました。

「あれれ、みんな元気なくない?せっかく今日は大事なプリソロチェックなんだし、胸張って行こうよ。みんなで円陣でも組んじゃう?」

ムードメーカーの水島が言い出しますが、倫子は「ないないない」と言って拒否します。しかし、舞はやりたいと言い出します。そして、舞が言ったからか柏木も賛成し、みんなも賛成しました。

円になり、肩を組んで、気合を入れます。

「みんな合格するぞー!」

そうやって、プリソロチェックが始まるのでした。

プリソロチェック

プリソロチェックとは、学生が今後一人での飛行訓練ができるかを審査することです。いつもの教官とは別の教官が行います。

舞たちのチームは、大河内が担当教官ですが、別の教官に審査を委ねます。別の教官が大河内に「何かありますか?」と聞くと、大河内は言いました。

「情けはいりません。厳しく審査して下さい」

そして、飛行機の前で待っている舞たちの前に行きました。

航空学校で脱落者が多く出るのが、このプリソロチェックです。ここで、「フェイル」と言い渡され、今後訓練を進めていくことは危険と判断された学生は、1週間以内に学校から去らなければなりません。

トップバッターは柏木です。

帯広管制塔のコントロール範囲から出ると、アプローチ&ランディングブリーフィングを行います。

「現在、空港の東7マイルを3000フィートで飛行しています。11時方向5マイル先に見える糠内ポイントより、空港への侵入を開始します」

そして、無難に試験は終わったようです。次は、舞の番です。

しかし、問題は着陸です。着陸しようとした時、突然の横風が吹きました。そのため、機体が横に流されてしまいます。大河内が、操縦桿に手を掛けた時、舞は「ゴーアラウンド(やり直し)」と言って、着陸をやり直しました。

そして、再度着陸をやり直しましたが、センターラインから外れて着陸してしまいました。

その時、管制塔で見ている水島は、だいぶ緊張していました。結果を見て、滑走路へと向かいます。

審査結果

舞たちが準備室で待っていると、大河内が入ってきました。審査の結果は、担当教官から伝えられます。

「手短に言う。柏木学生、合格。だが、気を引き締めろ。野外航法の訓練では空域が広がる。これまで以上に地図を読み込め」

優等生の柏木は、訓練中は迷子になったりもしましたが、順当な結果でした。

「岩倉学生、合格。1度目の着陸、急な横風でバランスを崩したが、冷静に着陸を諦めのはいい判断だった。パイロットは自分の実力を過信せず、なによりも安全を優先しなければならない。岩倉学生はそれを実践できた。ただし、相変わらず機軸の修正ができていない。ソロフライトでは1日も早く改善し、センターラインに着陸できるようになること」

舞は着陸する時にできず、最着陸もセンターラインからずれてしまいましたが、何とか合格できたようです。

「次ぎ、水島学生だが。不合格とする。3日後私の元で再審査を行う。以上」


プリソロチェックの結果、他の学生は全員合格。水島学生だけが不合格になってしまいました。

水島の失敗

部屋で一人、練習する水島。

「プリソロチェック、どうやったんですか?」

舞は水島のプリソロチェックに同行した柏木に聞きます。

水島は、着陸の際、管制塔から待機の指示がありました。しかし、水島はそのまま着陸しようとして止められていました。

「水島は同時に複数のことができない。岩倉は、無線を聞き逃した時、どうした?」

舞は、聞き直すと言います。

「それでいいんだ。間違えたらやり直すぐらい慎重にならなければいけない。でも、水島は聞こえたふりをしてしまった」

このままはで「フェイル」になってまうかも知れません。大河内のあの噂が本当であれば、です。

柏木は水島の部屋に戻って、練習に付き合います。

「俺が管制官の役をやる。フライトをイメージしながら、テンパラずにやれ」

退学

居ても立っても居られない舞は、大河内の所へ行きました。

「あの・・・水島学生は、これまで本当に頑張ってきたんです。着陸なんて私よりぜんぜん上手ですし、プレッシャーには弱い所もあるかもしれませんけど、これからだんだん慣れてくると思います。水島学生の再審査、よろしくお願いします」

しかし、大河内は取り合いません。

「勘違いするな。努力をしても、パイロットになれない学生もいる。私がここにいるのは、そういう学生を落とすためでもあるんだ。審査に私情は不要だ」

そして3日後、水島学生の再審査が行われました。

しかし、水島は挽回することができず、フェイル(退学)になってしまいました。

その結果を受けて、同期のみんなは落ち込んでいました。

「もっと、なんかできたんとちゃうかな?いっつも元気もらってたのに」

舞は部屋で倫子と一緒に泣いていました。

「それは、私も同じ。でも、どうにもならないことはある。たとえどれだけ努力しても、届かない人はいるの。それぐらい、厳しい世界にいるの」

倫子の言うことは、大河内が言ったことと一緒です。しかし、舞は厳しい世界にいることはわかっていながら、情け容赦なく退学にした大河内のことを信じられないのでした。

ずっと仲間

蛍の光を歌いながら荷物を纏める水島の姿がありました。

「梱包完了!なあ柏木くん、悪いんだけど缶詰もらってくんね?あははは。すげー余っちゃって」

そうやって、いつものようにおちゃらける水島。しかし、柏木は泣いていました。

「素直に悔しいって言えよ。俺は、俺は悔しい。お前は、親父から逃げたくてここにきたんだろう?でも、今は違う。ここで必死に頑張っているうちに、本気でパイロットになりたいと思った。そうだろう?」

あえておちゃらけていた水島ですが、柏木の涙に困っていました。

「だからなんだよ。結局俺は、のこのこ親父のところに帰る。必死に頑張ってもダメだってことがわかったんだよ」

水島のために、水島が必要な言葉を柏木がかけます。

「お前はダメなんかじゃない。親父の代わりに言ってやる。お前はダメなんかじゃない」

水島は、その言葉が胸に刺さり、堪えていた感情を出すのでした。

「なんだよ、やめてくれよ。俺だって悔しいよ。せっかくここまで来たのに。悔しいよ」

舞たちは、扉の外でその会話を聞いていました。泣きながら自分の気持ちを言った水島をみんなで抱きしめました。フェールになってしまった水島は謝ります。

「謝らんといて下さい。私らここ出ても仲間です。ずっと仲間なんです」

大河内教官を逃がさない

水島は最後まで明るく学校を去っていきました。

舞は、フェイルになった水島のことを思って、元気がでません。そんな舞を見かねた倫子が、寝ていた舞を起こして談話室に連れて行きます。そこには、吉田と中澤がいました。

吉田は、これから行われる野外航法のルートを纏めていて、みんなにコピーしてくれました。中澤も先輩から聞いた情報を共有すると、倫子も教官から教えてもらったことを教えてくれました。

しかし、舞には共有する情報がありません。

「もし辛かったら、教官を変えてもらうって手段もあるらしいよ。今までフェイルした学生の多くが、大河内教官の班から出ているからね」

そう教えてくれたのは吉田でした。それを聞いて、舞は柏木の部屋を訪れます。

舞が車でベッドで寝ていた柏木ですが、机に座って舞を迎え入れます。

「寝ぐせついてますよ。寝てたんですね。みんなで野外航法の予習してたんです。これ、吉田くんから」

もらったコピーを渡すと、舞は柏木の顔を覗き込みます。

「なーんや、私よりへこんでる人おった」

そして、吉田が言っていた担当教官を変えることについて、柏木に意見を求めました。

「俺は大河内教官から絶対に逃げない。だってそうだろ?俺たちが逃げたら、フェイルした水島はなんだったんだ。大河内教官を見返してやる。どれだけ突き放されても呆れられても、俺が大河内教官を逃がさない」

柏木の言葉を聞いて涙ぐむ舞。

「来て良かったです。なんや私も吹っ切れました。お休みなさい」

告白

舞が柏木の部屋を出ると、廊下はもう真っ暗になっていまいた。消灯時間を過ぎ、守衛が見回りをする時間です。舞は、携帯電話のライトで照らしながら、部屋に戻ります。

柏木は、舞が部屋にノートを忘れたことに気づきます。柏木は届けに行きますが、途中で守衛が見回っているのを見つけました。

守衛に見つかるとやっかいなので、柏木は戻って食堂に隠れることにしました。その時、真っ暗な食堂のテーブルの下から、柏木を掴む人がいました。戻れなかった舞でした。

二人で守衛が通り過ぎるのを待ちます。守衛が通り過ぎると、舞は部屋に戻ろうとします。柏木が、手を掴んで止めます。

「岩倉、俺、お前のことが好きだ。あ、ごめん。驚かせたな、済まない」

突然の告白に驚く舞。

「びっくりしました。好きって?」

そう舞が聞くと、柏木は照れながら伝えます。

「今まで俺は、自分のダメなところを見せるのが恥ずかしいことだと思ってた。でも、岩倉と一緒にいると、不思議と素直になれるんだ。これから、もっと岩倉のこと知りたい。もし、同じ気持ちでいてくれたら、嬉しい。返事は今じゃなくていい。じゃあ」

そう言って帰ろうとした柏木は、テーブルに頭をぶつけていました。

まんざらでもない久留美

舞は、告白されたことに驚いて、真っ暗な中、食堂から久留美に電話しました。久留美はすぐに電話に出ました。

「どないしたん?え!告白されたん?ああ、愛想悪い人」

久留美は、舞の気持ちを聞きます。

しかし、舞には自分の気持ちがよくわかりませんでした。

「なんや、舞も好きやん。自分の事やろ」

久留美は、舞よりも舞のことがわかっているようです。しかし、舞にはやっぱりわかりません。

「久留美はそういうのないの?」

舞にそう聞かれても、久留美は学校と仕事で、恋をしてる暇がないと答えるのでした。

そして、久留美は仕事に戻ります。そんな久留美を呼び止める人物がいました。同じ病院の若いお医者さんです。

「久留美ちゃん、おったおった。この間のササキさんのケアのお礼ゆうてへんかったなおもて。おかげで手術も上手く行った。僕はいつも久留美ちゃんに支えてもらてるわ」

そう言うと、お礼にサンドイッチの差し入れをもらいました。そんな先生に対して久留美は、まんざらでもなさそうでした。

ソロフライト

ソロフライトに望む日がやってきました。

いつもの訓練のようにブリーフィングをして、出発します。今日は、たった一人で大空へ飛び立ちます。

舞と柏木は、飛行機の点検を行います。最初は舞が飛び立ちます。コックピットに乗り込んだ舞は、準備ができた合図に親指を立てて、柏木、大河内に知らせます。

「よし、いくで」

自分で気合を入れると、飛行機を滑走路に移動させます。そして、いよいよ離陸。舞以外が乗っていないだけで、手順はいつもと変わりません。緊張しながらも、無事離陸することができました。

「一人で飛んでる。信じられへん。やっぱり怖いな」

その時、柏木は管制塔で大河内と共に見守っていました。

舞は、予定した飛行経路を飛行して、着陸態勢に入ります。

「努力は報われんねん。大河内教官、見といてや」

問題の着地は、やっぱりセンターラインをずれてしまいました。

ウイングマーク

最初のソロフライトを終えると、学生たちにウイングマークが送られます。これはパイロットに一歩踏み出した証。学生にとっては憧れのバッジです。

舞もウイングマークをもらうことはできましたが、倫子たちのようにはしゃげません。

「岩倉、落ち込んでるのか?」

柏木にそう声を掛けられると、舞は「悔しいんです」と言うのでした。舞は、今日こそは着陸を成功させようと思っていたのですが、変わらず上手くできませんでした。

その時、舞は大河内の姿を見つけます。近づいて、大河内に声を掛けます。

「大河内教官。私に、着陸の特訓、お願いします。私、教官に負けたくないんです」

他の学生よりも遅れてしまいますが、舞は着陸をマスターすることを選びました。

悠人vsお母ちゃん

舞がソロフライトを終えたその日、東大阪では岩倉の家に入ろうとして、入らない悠人の姿がありました。そして、隣の家のお好み焼き屋に入ります。

「大阪に帰ってきたら、やっぱ梅津やな。今日は仕事できてんねん。お好み食べたらすぐ帰んで。おっちゃん豚玉」

雪乃は悠人が家に帰らない理由がわかりません。しかし、勝は「他所の家のこと」と首突っ込むなと雪乃に言います。ただ、雪乃はお母ちゃんに連絡していました。

そんな時、お母ちゃんが梅津にやってきます。悠人は、気まずそうです。

「帰ってきてんやったら、なんで連絡してくれへんの」

お母ちゃんの小言が始まりました。悠人は「商談で寄っただけ」と言うのでした。

「仕事のことは舞から聞いてる。でも、なんで私らにはいっこも話してくれへんの?お父ちゃんも心配してんねんで」

お母ちゃんはそう言いますが、悠人には響きません。

「あ、そう。まあでも、俺の仕事のことは心配せんでええから」

悠人は、お好み焼きを食べ終わり、帰ろうとします。

「仕事の事なんかどうでもええねん。悠人、寂しないの?仕事、大きすんのはええ。けど、その仕事の先に、悠人がほんまに手に入れたいもんあんの?お母ちゃんは、悠人に幸せになって欲しい。今の悠人は、幸せになってるように見えへん。ほんまは、苦しいのと違うか」

お母ちゃんに言われた言葉が、悠人に突き刺さります。しかし、悠人は逆ギレするのでした。

「訳の分からん事言うなや。俺はな、親父やお袋の手の届かない所まできてんねん。小さい工場で金に苦しんでるあんたらとは違うねん」

悠人はテーブルに1万円を叩きつけて、出て行ってしまいました。

発熱

舞は大河内教官の元、苦手な着陸を克服する特訓が始まりました。

「判断が遅いからスピードが大きい。ピッチも高い」

舞は、何度も何度も着陸をやり直します。そして、実際の着陸だけでなく、座学も含めての特訓です。

「いつも接地前の高い位置で、失速しそうになる。なぜだ?」

舞は「機首を上げる幅が大きいから」と答えます。

「どうして上げ幅が大きい?フライト中に考えてる暇はない」

そう言われ、何度も何度も着陸の「体感」を得るために練習をするのでした。

そして、今までよりもスムーズな着陸態勢に驚く大河内は、舞の顔を見ます。舞は、大河内のことは気にせず、着陸に集中していました。

ついに、センターラインから外れずに着陸することができました。

夜、倫子がお風呂から帰ると、舞は横になっていました。

「ねえ、舞。今日の着陸見たよ。すんごい綺麗に着陸できてた。特訓の成果だね」

倫子は、返事のない舞を気にして覗き込むと、舞が苦しんでいました。舞は、厳しい訓練の無理がたたり、熱を出してしまいました。

アイス

舞は熱をだして寝てると、倫子が世話をしてくれました。そして倫子は、同期のみんなに舞が熱を出したことを伝えます。

「着陸の訓練、かなり頑張ってましたからね。大丈夫ですかね?訓練時間」

吉田が心配するように着陸に時間を掛けていて、通常の訓練が遅れてしまっています。

みんなは、ソロフライトに続き、野外航法という新しい訓練を始めていました。そして、今まで訓練していた空域から、更に広い領域へとフライトします。

寝ている舞は、飛行機の音を聞いて悔しそうにも、焦っているようにも見えました。

訓練が終わった後、柏木は女子の寮に入ろうとする倫子を見つけ、呼び止めました。そして、ビニール袋を渡します。

それは、舞のために柏木が買ってきたアイスでした。ガリガリ君ではなく、ゴリゴリさんというアイスです。

「あんた、やることがいちいちズレてるのよ」

倫子はそう言いましたが、柏木から預かって女子寮に入っていきました。そうすると、部屋のドアノブに保冷バックがかけられています。

「教官から岩倉学生に渡して欲しいと頼まれました。宮田」

その保冷バッグの中には、カップアイスが入っていました。

そして、柏木のアイスを舞、教官からのアイスは倫子食べます。二人で並んで食べると、アイスの美味しさに舞は、嬉しそうに笑うのでした。

「良かった。舞が笑ってる。水島がフェイルしてから、ずっと怖い顔してたから」

倫子は、何も言いませんでしたが、舞のことを心配してくれていたのです。

なぜパイロットを目指したのか

舞は熱が下がってきたので、飛行準備室へ行きました。飛行時間の記録を見ると、ソロフライトの時間がみんなよりだいぶ遅れていることが、一目でわかります。

「岩倉学生、何してる。病人がうろつくな」

突然、大河内に声を掛けられました。舞はアイスのお礼を言います。大河内は、自衛隊の時に熱を出し、先輩がアイスを差し入れしてくれたのを思い出して、舞にアイスを差し入れしたのでした。

大河内に言われ、舞は椅子に座って話しを聞きます。

「寝込んでいた時、岩倉学生は何を考えていた?」

そう聞かれた舞は、訓練が遅れるのがつらかったと答えました。

「私の時は飛べないことが辛かった。飛んでこそパイロットだ。教官になったのも、空を飛べるのが一番の理由かもしれない」

大河内にそう言われた舞は、正直な気持ちを打ち明けました。

「私はまだ、教官のようにはいきません。私、大河内教官を見返したくて、頑張ってきました。けど、着陸が上手くいっても、ぜんぜん嬉しくなかった。楽しくなかったんです。今、辛いんです。何のために訓練してるのかわかりません」

大河内は、舞に多くを語りませんでした。ただ、注意をしました。

「岩倉学生、決して間違えるな。なぜパイロットを目指したんだ。それを思い出せ」

担当教官を変える

翌朝、柏木が部屋で準備してると、ドアがノックされました。開けると舞が立っていました。

「アイス、ありがとうございました」

柏木は話があると、舞を部屋の中に迎え入れました。

「ずっと考えていたんだが、担当教官を変えてもらおう。今日、訓練が終わったら分校長にお願いしに行く」

突然言われ、舞は驚きました。

「元々、大河内教官を見返したいと言ったのは俺だ。そのことに岩倉を巻き込んでしまった。このまま、大河内教官に拘っていたら、フェイルになってしまうだろう」

柏木は真剣な顔で、そう言うのでした。

最後に

鬼教官・大河内は、実はいい人なのかも知れません。飛行機の操縦は、本当に危険なものです。それを任せることのできる人を育てるのが、大河内の仕事です。だからこそ、鬼にもならなければいけない時があるのではないかと思います。

舞の遅れを気にした柏木は、担当教官を変える提案をしました。しかし、舞には大河内がわかっているように思います。担当教官は変えずに、このまま進めていくのではないでしょうか?

そして、予告には「なにわの天才」の声が入っていました。来週登場するのでしょうか?

来週の予告

そして、最終審査がやってきます。

どうなるか、楽しみです。

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